有価証券報告書-第67期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日2021年6月28日時点において判断したものであり、予測し得ない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について、当社グループが保証するものではありません。
(1) 経営成績
<事業環境>当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、個人消費や企業活動が大幅に制限され、景気は急速に悪化し、極めて厳しい状況が続きました。足元においても、より感染力の強い変異株の影響もあり、感染者数が再び増加するなど、収束時期が見通せない不安定な状況が続いています。
このような環境の中で主力の国内教育事業では、小学校における英語学習の早期化やプログラミング教育の導入、2021年度からの中学校における新学習指導要領の実施、及び大学入学共通テストの開始など、事業環境にも大きな変化が生じています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大によるオンライン学習への関心の高まりや、政府が進める学校情報化(いわゆる「GIGAスクール構想」)の前倒しなど、学習環境や学びのあり方に劇的な変化が生じている中、新たな教育事業の機会が拡大していますが、一方で、新規参入の企業も加わり、競争が一段と激化しています。
グローバルこどもちゃれんじ事業では、中国の年間出生数が1,500万人近い水準で推移しておりましたが、出産適齢期の人口減に加え、新型コロナウイルス感染症等の影響により2020年は1,200万人水準まで減少しました。一方で、デジタル学習の普及浸透に伴い、新規参入企業による競争が激化しており、消費行動の変化も伴う中、マーケティング手法や商品戦略等の変革が必要となってきています。
介護・保育事業では、新型コロナウイルス感染症拡大に対する予防と対処への継続的な取り組みが課題となっています。また、高齢化の進行に伴い、引き続き介護サービスへのニーズが拡大する一方で、介護職の有効求人倍率は高止まりが続いており、人材確保が業界全体の課題となっています。
ベルリッツ事業では、新型コロナウイルス感染症拡大により、ランゲージセンターや米国の大学キャンパスの閉鎖が生じる等、事業環境が大きく変化しており、その対応が課題となっています。また、ICT等を活用した商品・サービスの普及により語学サービスの多様化が進み、語学教育事業の機会が拡大する一方で、競争が激化しています。
<当期の業績>当期の当社グループの連結業績は、前期比減収減益となりました。 売上高は、4,275億3千1百万円と、前期比4.7%の減収となりました。
減収の主な要因は、「進研ゼミ」と国内の「こどもちゃれんじ」において延べ在籍数増加等による増収があったものの、ベルリッツ事業において、新型コロナウイルス感染症によるランゲージセンターの一時閉鎖、及び語学教育事業のフランチャイズ化等の推進による減収があったこと、並びに国内教育事業において、学校向け教育事業と学習塾・英語教室事業で、新型コロナウイルス感染症の影響による学校休校や学習塾・英語教室の営業自粛に伴う減収等があったことです。
加えて、2020年3月31日付で、当社が保有する㈱サイマル・インターナショナル全株式を㈱TAKARA & COMPANYに譲渡したことに伴い、同社及びその子会社2社の前期の売上高62億5千7百万円の剥落がありました。
営業利益は、減収による減益等により、130億8千9百万円と、前期比38.4%の減益となりました。
経常利益は、92億6千万円と、前期比44.7%の減益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減益に加え、在外連結子会社におけるリストラクチャリングに伴う特別損失の計上、及び新型コロナウイルス感染症関連での特別損失の計上等により、31億2千2百万円と、前期比50.3%の減益となりました。
売上高営業利益率は、3.1%と、前期比1.6ポイントの減少となりました。
ROEは、1.8%と、前期比1.9ポイントの減少となりました。
なお、2021年4月の国内通信教育講座「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の会員数は272万人と、前年同月比1万人の増加となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
[国内教育事業]
国内教育事業の売上高は、2,058億4千9百万円と、前期比2.7%の増収となり、第3四半期連結累計期間の前年同期比1.7%の増収からは1.0ポイント増収が拡大しました。
増収の主な要因は、学校向け教育事業と学習塾・英語教室事業で、新型コロナウイルス感染症の影響による学校休校や学習塾・英語教室の営業自粛に伴う減収があったものの、「進研ゼミ」において延べ在籍数増加等による増収があったことです。
営業利益は、「進研ゼミ」の増収による増益があったものの、学校向け教育事業、及び学習塾・英語教室事業の減収による減益、並びに「進研ゼミ」において教科書改訂対応による費用増があったこと等により、120億3千5百万円と、前期比14.3%の減益となりました。
なお、2021年4月の国内通信教育講座「進研ゼミ」の会員数は191万人と、前年同月比2万人の増加となりました。
[グローバルこどもちゃれんじ事業]
グローバルこどもちゃれんじ事業の売上高は、551億9千8百万円と、前期比2.5%の減収となりましたが、第3四半期連結累計期間の前年同期比3.2%の減収からは0.7ポイント良化しました。
減収の主な要因は、国内の「こどもちゃれんじ」において延べ在籍数増加等による増収があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響により中国と国内においてコンサート等の中止による減収があったこと、及び中国で為替換算時のマイナス影響があったことです。
営業利益は、中国及び国内の戦略投資の拡大等により、16億1千3百万円と、前期比39.2%の減益となりました。
なお、2021年4月の国内及び海外における通信教育講座「こどもちゃれんじ」の会員数は202万人と、前年同月比2万人の増加となりました。(ライセンス契約に基づく韓国での幼児向け通信教育講座の会員数は含みません。)
[介護・保育事業]
介護・保育事業の売上高は、1,238億5千1百万円と、前期比0.8%の増収となり、第3四半期連結累計期間の前年同期比0.5%の増収からは0.3ポイント増収が拡大しました。
増収の主な要因は、入居介護事業において高齢者向けホーム及び住宅数を前期比9ホーム拡大したこと、及び保育事業において保育園・学童クラブを前期比4拠点拡大したことによる顧客増があったことです。
営業利益は、増収による増益があったものの、介護スタッフの処遇改善やホーム拡大に伴う要員増による労務費の増加等により、103億9千3百万円と、前期比8.6%の減益となりました。
[ベルリッツ事業]
ベルリッツ事業の売上高は、270億2千6百万円と、前期比42.8%の減収となりましたが、第3四半期連結累計期間の前年同期比44.1%の減収からは1.3ポイント良化しました。
減収の主な要因は、語学教育事業において、新型コロナウイルス感染症の影響によるランゲージセンターの一時閉鎖、及びスペイン・ベルギー等での事業のフランチャイズ化、並びにフランスでの事業整理による減収があったこと、ELS事業において、新型コロナウイルス感染症の影響による米国の大学キャンパスの閉鎖に伴う営業活動縮小があったことです。
利益面は、コスト削減による効果があったものの、減収による減益により、67億1千5百万円の営業損失(前期は31億5千2百万円の営業損失)となりました。
[その他]
その他の売上高は、350億8千万円と、前期比17.6%の減収となりました。
減収の主な要因は、2020年3月31日付で、当社が保有する㈱サイマル・インターナショナルの全株式を㈱TAKARA & COMPANYに譲渡したことに伴い、同社及びその子会社2社の前期の売上高62億5千7百万円が剥落したこと、及び新型コロナウイルス感染症の影響で直島事業においてホテルの休業等を行ったことです。
営業利益は、減収による減益により、3億5千万円と、前期比59.5%の減益となりました。
(注)1. 上記「セグメントの業績」に記載している売上高は、「セグメント間の内部売上高又は振替高」を含んだ金額を記載しております。
2.消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、「(1) 経営成績」に記載した金額には消費税等は含まれておりません。
(販売実績)
(注)1.「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含んでおりません。
2.「その他」を構成していた連結子会社㈱サイマル・インターナショナルの通訳・翻訳事業については、当社の保有する全株式を2020年3月31日付で譲渡したことに伴い、当期においては、同社及びその子会社2社は連結の範囲から除外しております。
(国内教育事業における進研ゼミ事業の概要)
進研ゼミは、小学生から高校生までを対象とした通信教育講座であり、通信添削を中心として毎月継続的に行う家庭学習システムであります。各講座の延べ在籍数は次のとおりであります。
(グローバルこどもちゃれんじ事業の概要)
こどもちゃれんじは、日本、中国、台湾、インドネシアにおける、主に幼児を対象とした通信教育講座であります。各講座の延べ在籍数は次のとおりであります。
(注) 1.中国、台湾、インドネシアにおける延べ在籍数の合計であります。
2.中国において通信教育事業等を行っている倍楽生商貿(中国)有限公司等2社、及びインドネシアにおいて通信教育事業等を行っているPT. Benesse Indonesiaの決算日は12月末日のため、上記の連結会計年度の延べ在籍数は、1月から12月における延べ在籍数となっております。
(介護・保育事業における高齢者向けホーム及び住宅数)
(ベルリッツ事業における語学レッスン数)
(注)1.語学レッスン数は、直営センターにおける数値を示しております。
2.当連結会計年度のヨーロッパの語学レッスン数は、前連結会計年度に比べて1,119千レッスン減少しております。この減少には、フランチャイズ化及び事業整理によるレッスン数の減少(644千レッスン)が含まれております。
(2) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、5,419億8千2百万円と、前期比4.7%、245億5千6百万円増加しました。
流動資産は、2,856億9千4百万円と、前期比4.5%、123億4千万円増加しました。この増加は、主に未収入金、商品及び製品の増加によるものです。
有形固定資産は、1,570億1千6百万円と、前期比4.4%、66億2千7百万円増加しました。この増加は、主にリース資産の増加によるものです。
無形固定資産は、381億9千万円と、前期比6.6%、23億5千6百万円増加しました。この増加は、主にのれん、ソフトウエアの増加によるものです。
投資その他の資産は、610億8千万円と、前期比5.6%、32億3千1百万円増加しました。この増加は、主に退職給付に係る資産、繰延税金資産の増加によるものです。
セグメントごとの資産を示すと、次のとおりであります。
[国内教育事業]
国内教育事業の資産は、1,983億7千2百万円と、前期比9.6%、173億2千4百万円増加しました。この増加は、主に未収入金、現金及び預金の増加によるものです。
[グローバルこどもちゃれんじ事業]
グローバルこどもちゃれんじ事業の資産は、488億5百万円と、前期比6.8%、31億1千4百万円増加しました。この増加は、主に未収入金、及び前渡金の増加によるものです。
[介護・保育事業]
介護・保育事業の資産は、1,920億6千3百万円と、前期比5.0%、91億1千8百万円増加しました。この増加は、主にリース資産の増加によるものです。
[ベルリッツ事業]
ベルリッツ事業の資産は、197億3千万円と前期比13.9%、31億7千5百万円減少しました。この減少は、主に売掛金、建物及び構築物の減少によるものです。
[その他]
その他の資産は、197億6千8百万円と前期比4.1%、7億8千万円増加しました。この増加は、主に退職給付に係る資産、及び現金及び預金の増加によるものです。
(負債)
当連結会計年度末の総負債は、3,669億4千4百万円と、前期比7.3%、248億5千8百万円増加しました。
流動負債は、1,758億7千8百万円と、前期比0.9%、16億5千3百万円減少しました。この減少は、前受金の増加があったものの、1年内返済予定の長期借入金が減少したこと等によるものです。
固定負債は、1,910億6千5百万円と、前期比16.1%、265億1千2百万円増加しました。この増加は、主に社債、リース債務及び長期借入金の増加によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、1,750億3千7百万円と、前期比3億1百万円減少しました。この減少は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び退職給付に係る調整累計額の増加があったものの、剰余金の配当による減少があったこと等によるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、11億5千4百万円増加し、1,440億3千5百万円(前期比0.8%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、258億4千3百万円の資金の獲得となりました。これは、法人税等の支払額93億5千8百万円、未収入金の増加額84億1千9百万円等があったものの、非資金費用である減価償却費190億2千5百万円、前受金の増加額111億5千4百万円、税金等調整前当期純利益65億5千7百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が161億3千5百万円減少(前期比38.4%収入減)しておりますが、主に、当連結会計年度において、前受金の増減額が59億8千5百万円の収入増となったものの、税金等調整前当期純利益が96億7千1百万円の減益、未収入金の増減額が49億6千4百万円の収入減、法人税等の支払額・還付額による収支が46億4千1百万円の支出増となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは196億9千8百万円の資金の支出となりました。これは、ソフトウエアの取得による支出94億3千9百万円、有形固定資産の取得による支出53億7千3百万円、子会社株式の取得による支出29億8千8百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が211億2千3百万円減少(前期は14億2千5百万円の収入)しておりますが、主に、有価証券の取得・売却による収支が189億7千2百万円の収入減となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは47億4千5百万円の資金の支出となりました。これは、社債の発行による収入100億円があったものの、長期借入れによる収入と返済による支出の収支が60億3百万円の支出となったこと、配当金の支払額48億2千万円、リース債務の返済による支出33億7千8百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の支出が79億1千6百万円減少(前期比62.5%支出減)しておりますが、主に、長期借入れによる収入と返済による支出の収支が18億1千6百万円の支出増となったものの、社債の発行による収入が100億円の収入増となったことによるものです。
(4)生産、受注及び販売の状況
当社グループは、主として個人を対象とした業務を行っておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。これに代えて、売上高及びグループ規模と比較的関連性が強いと認められる国内教育事業における進研ゼミ会員の延べ在籍数、グローバルこどもちゃれんじ事業におけるこどもちゃれんじの延べ在籍数、介護・保育事業における高齢者向けホーム及び住宅数、並びにベルリッツ事業における語学レッスン数を「(1)経営成績」に販売実績と合わせて記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
なお、当連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の資金状況への影響は若干あるものの、十分な資金を保持しており、状況の変化には注意を払いながらも、今後の中長期的な成長に向けて、M&Aや研究開発、事業基盤強化のための投資等を推進していきたいと考えております。なおM&Aは、当社グループの強みが生かせる分野で、投資対象を厳選したうえで、積極的に実施したいと考えております。
これらの資金需要につきましては、自己資金のほか、金融機関からの借入等外部資金の活用も含め、最適な方法による資金調達にて対応する予定です。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表及び財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第一部 第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第一部 第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日2021年6月28日時点において判断したものであり、予測し得ない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について、当社グループが保証するものではありません。
(1) 経営成績
<事業環境>当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、個人消費や企業活動が大幅に制限され、景気は急速に悪化し、極めて厳しい状況が続きました。足元においても、より感染力の強い変異株の影響もあり、感染者数が再び増加するなど、収束時期が見通せない不安定な状況が続いています。
このような環境の中で主力の国内教育事業では、小学校における英語学習の早期化やプログラミング教育の導入、2021年度からの中学校における新学習指導要領の実施、及び大学入学共通テストの開始など、事業環境にも大きな変化が生じています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大によるオンライン学習への関心の高まりや、政府が進める学校情報化(いわゆる「GIGAスクール構想」)の前倒しなど、学習環境や学びのあり方に劇的な変化が生じている中、新たな教育事業の機会が拡大していますが、一方で、新規参入の企業も加わり、競争が一段と激化しています。
グローバルこどもちゃれんじ事業では、中国の年間出生数が1,500万人近い水準で推移しておりましたが、出産適齢期の人口減に加え、新型コロナウイルス感染症等の影響により2020年は1,200万人水準まで減少しました。一方で、デジタル学習の普及浸透に伴い、新規参入企業による競争が激化しており、消費行動の変化も伴う中、マーケティング手法や商品戦略等の変革が必要となってきています。
介護・保育事業では、新型コロナウイルス感染症拡大に対する予防と対処への継続的な取り組みが課題となっています。また、高齢化の進行に伴い、引き続き介護サービスへのニーズが拡大する一方で、介護職の有効求人倍率は高止まりが続いており、人材確保が業界全体の課題となっています。
ベルリッツ事業では、新型コロナウイルス感染症拡大により、ランゲージセンターや米国の大学キャンパスの閉鎖が生じる等、事業環境が大きく変化しており、その対応が課題となっています。また、ICT等を活用した商品・サービスの普及により語学サービスの多様化が進み、語学教育事業の機会が拡大する一方で、競争が激化しています。
<当期の業績>当期の当社グループの連結業績は、前期比減収減益となりました。 売上高は、4,275億3千1百万円と、前期比4.7%の減収となりました。
減収の主な要因は、「進研ゼミ」と国内の「こどもちゃれんじ」において延べ在籍数増加等による増収があったものの、ベルリッツ事業において、新型コロナウイルス感染症によるランゲージセンターの一時閉鎖、及び語学教育事業のフランチャイズ化等の推進による減収があったこと、並びに国内教育事業において、学校向け教育事業と学習塾・英語教室事業で、新型コロナウイルス感染症の影響による学校休校や学習塾・英語教室の営業自粛に伴う減収等があったことです。
加えて、2020年3月31日付で、当社が保有する㈱サイマル・インターナショナル全株式を㈱TAKARA & COMPANYに譲渡したことに伴い、同社及びその子会社2社の前期の売上高62億5千7百万円の剥落がありました。
営業利益は、減収による減益等により、130億8千9百万円と、前期比38.4%の減益となりました。
経常利益は、92億6千万円と、前期比44.7%の減益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減益に加え、在外連結子会社におけるリストラクチャリングに伴う特別損失の計上、及び新型コロナウイルス感染症関連での特別損失の計上等により、31億2千2百万円と、前期比50.3%の減益となりました。
売上高営業利益率は、3.1%と、前期比1.6ポイントの減少となりました。
ROEは、1.8%と、前期比1.9ポイントの減少となりました。
なお、2021年4月の国内通信教育講座「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の会員数は272万人と、前年同月比1万人の増加となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
[国内教育事業]
国内教育事業の売上高は、2,058億4千9百万円と、前期比2.7%の増収となり、第3四半期連結累計期間の前年同期比1.7%の増収からは1.0ポイント増収が拡大しました。
増収の主な要因は、学校向け教育事業と学習塾・英語教室事業で、新型コロナウイルス感染症の影響による学校休校や学習塾・英語教室の営業自粛に伴う減収があったものの、「進研ゼミ」において延べ在籍数増加等による増収があったことです。
営業利益は、「進研ゼミ」の増収による増益があったものの、学校向け教育事業、及び学習塾・英語教室事業の減収による減益、並びに「進研ゼミ」において教科書改訂対応による費用増があったこと等により、120億3千5百万円と、前期比14.3%の減益となりました。
なお、2021年4月の国内通信教育講座「進研ゼミ」の会員数は191万人と、前年同月比2万人の増加となりました。
[グローバルこどもちゃれんじ事業]
グローバルこどもちゃれんじ事業の売上高は、551億9千8百万円と、前期比2.5%の減収となりましたが、第3四半期連結累計期間の前年同期比3.2%の減収からは0.7ポイント良化しました。
減収の主な要因は、国内の「こどもちゃれんじ」において延べ在籍数増加等による増収があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響により中国と国内においてコンサート等の中止による減収があったこと、及び中国で為替換算時のマイナス影響があったことです。
営業利益は、中国及び国内の戦略投資の拡大等により、16億1千3百万円と、前期比39.2%の減益となりました。
なお、2021年4月の国内及び海外における通信教育講座「こどもちゃれんじ」の会員数は202万人と、前年同月比2万人の増加となりました。(ライセンス契約に基づく韓国での幼児向け通信教育講座の会員数は含みません。)
[介護・保育事業]
介護・保育事業の売上高は、1,238億5千1百万円と、前期比0.8%の増収となり、第3四半期連結累計期間の前年同期比0.5%の増収からは0.3ポイント増収が拡大しました。
増収の主な要因は、入居介護事業において高齢者向けホーム及び住宅数を前期比9ホーム拡大したこと、及び保育事業において保育園・学童クラブを前期比4拠点拡大したことによる顧客増があったことです。
営業利益は、増収による増益があったものの、介護スタッフの処遇改善やホーム拡大に伴う要員増による労務費の増加等により、103億9千3百万円と、前期比8.6%の減益となりました。
[ベルリッツ事業]
ベルリッツ事業の売上高は、270億2千6百万円と、前期比42.8%の減収となりましたが、第3四半期連結累計期間の前年同期比44.1%の減収からは1.3ポイント良化しました。
減収の主な要因は、語学教育事業において、新型コロナウイルス感染症の影響によるランゲージセンターの一時閉鎖、及びスペイン・ベルギー等での事業のフランチャイズ化、並びにフランスでの事業整理による減収があったこと、ELS事業において、新型コロナウイルス感染症の影響による米国の大学キャンパスの閉鎖に伴う営業活動縮小があったことです。
利益面は、コスト削減による効果があったものの、減収による減益により、67億1千5百万円の営業損失(前期は31億5千2百万円の営業損失)となりました。
[その他]
その他の売上高は、350億8千万円と、前期比17.6%の減収となりました。
減収の主な要因は、2020年3月31日付で、当社が保有する㈱サイマル・インターナショナルの全株式を㈱TAKARA & COMPANYに譲渡したことに伴い、同社及びその子会社2社の前期の売上高62億5千7百万円が剥落したこと、及び新型コロナウイルス感染症の影響で直島事業においてホテルの休業等を行ったことです。
営業利益は、減収による減益により、3億5千万円と、前期比59.5%の減益となりました。
(注)1. 上記「セグメントの業績」に記載している売上高は、「セグメント間の内部売上高又は振替高」を含んだ金額を記載しております。
2.消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、「(1) 経営成績」に記載した金額には消費税等は含まれておりません。
(販売実績)
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比 (%) | |
| 前期 | 当期 | ||
| 国内教育事業 | |||
| 高校講座事業 | 11,801 | 12,529 | 106.2 |
| 中学講座事業 | 26,085 | 27,405 | 105.1 |
| 小学講座事業 | 55,867 | 62,346 | 111.6 |
| 学校向け教育事業 | 56,923 | 55,008 | 96.6 |
| その他 | 49,715 | 48,499 | 97.6 |
| 小計 | 200,393 | 205,789 | 102.7 |
| グローバルこどもちゃれんじ事業 | |||
| 国内こどもちゃれんじ講座事業 | 18,573 | 19,801 | 106.6 |
| 海外こどもちゃれんじ講座事業 | 27,139 | 26,531 | 97.8 |
| その他 | 10,841 | 8,841 | 81.5 |
| 小計 | 56,555 | 55,175 | 97.6 |
| 介護・保育事業 | 122,868 | 123,807 | 100.8 |
| ベルリッツ事業 | 45,020 | 26,401 | 58.6 |
| その他(注2) | 23,739 | 16,358 | 68.9 |
| 合計 | 448,577 | 427,531 | 95.3 |
(注)1.「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含んでおりません。
2.「その他」を構成していた連結子会社㈱サイマル・インターナショナルの通訳・翻訳事業については、当社の保有する全株式を2020年3月31日付で譲渡したことに伴い、当期においては、同社及びその子会社2社は連結の範囲から除外しております。
(国内教育事業における進研ゼミ事業の概要)
進研ゼミは、小学生から高校生までを対象とした通信教育講座であり、通信添削を中心として毎月継続的に行う家庭学習システムであります。各講座の延べ在籍数は次のとおりであります。
| 講座 | 延べ在籍数(千人) (4月~3月累計) | 前期比 (%) | |
| 前期 | 当期 | ||
| 高校講座 | 1,369 | 1,374 | 100.4 |
| 中学講座 | 4,124 | 4,310 | 104.5 |
| 小学講座 | 13,645 | 15,024 | 110.1 |
| 合計 | 19,139 | 20,709 | 108.2 |
(グローバルこどもちゃれんじ事業の概要)
こどもちゃれんじは、日本、中国、台湾、インドネシアにおける、主に幼児を対象とした通信教育講座であります。各講座の延べ在籍数は次のとおりであります。
| 講座 | 延べ在籍数(千人) (4月~3月累計) | 前期比 (%) | |
| 前期 | 当期 | ||
| 国内こどもちゃれんじ講座 | 9,469 | 9,870 | 104.2 |
| 海外こどもちゃれんじ講座(注1、2) | 14,789 | 14,334 | 96.9 |
| 合計 | 24,259 | 24,204 | 99.8 |
(注) 1.中国、台湾、インドネシアにおける延べ在籍数の合計であります。
2.中国において通信教育事業等を行っている倍楽生商貿(中国)有限公司等2社、及びインドネシアにおいて通信教育事業等を行っているPT. Benesse Indonesiaの決算日は12月末日のため、上記の連結会計年度の延べ在籍数は、1月から12月における延べ在籍数となっております。
(介護・保育事業における高齢者向けホーム及び住宅数)
| シリーズ | 高齢者向けホーム及び住宅数(ヵ所) (3月末日) | 増減数 (ヵ所) | |
| 前期 | 当期 | ||
| アリア | 24 | 25 | 1 |
| くらら | 40 | 39 | △1 |
| グラニー&グランダ | 146 | 152 | 6 |
| まどか | 57 | 57 | - |
| ボンセジュール | 47 | 49 | 2 |
| ここち | 14 | 15 | 1 |
| リレ | 2 | 2 | - |
| 合計 | 330 | 339 | 9 |
(ベルリッツ事業における語学レッスン数)
| 地域 | 語学レッスン数(千レッスン) (1月~12月累計) | 前期比 (%) | ||
| 前期 | 当期 | |||
| アメリカズ(米州) | 1,123 | 996 | 88.7 | |
| ヨーロッパ | 2,594 | 1,475 | 56.9 | |
| アジア | 1,599 | 1,086 | 67.9 | |
| 合計 | 5,317 | 3,558 | 66.9 | |
(注)1.語学レッスン数は、直営センターにおける数値を示しております。
2.当連結会計年度のヨーロッパの語学レッスン数は、前連結会計年度に比べて1,119千レッスン減少しております。この減少には、フランチャイズ化及び事業整理によるレッスン数の減少(644千レッスン)が含まれております。
(2) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、5,419億8千2百万円と、前期比4.7%、245億5千6百万円増加しました。
流動資産は、2,856億9千4百万円と、前期比4.5%、123億4千万円増加しました。この増加は、主に未収入金、商品及び製品の増加によるものです。
有形固定資産は、1,570億1千6百万円と、前期比4.4%、66億2千7百万円増加しました。この増加は、主にリース資産の増加によるものです。
無形固定資産は、381億9千万円と、前期比6.6%、23億5千6百万円増加しました。この増加は、主にのれん、ソフトウエアの増加によるものです。
投資その他の資産は、610億8千万円と、前期比5.6%、32億3千1百万円増加しました。この増加は、主に退職給付に係る資産、繰延税金資産の増加によるものです。
セグメントごとの資産を示すと、次のとおりであります。
[国内教育事業]
国内教育事業の資産は、1,983億7千2百万円と、前期比9.6%、173億2千4百万円増加しました。この増加は、主に未収入金、現金及び預金の増加によるものです。
[グローバルこどもちゃれんじ事業]
グローバルこどもちゃれんじ事業の資産は、488億5百万円と、前期比6.8%、31億1千4百万円増加しました。この増加は、主に未収入金、及び前渡金の増加によるものです。
[介護・保育事業]
介護・保育事業の資産は、1,920億6千3百万円と、前期比5.0%、91億1千8百万円増加しました。この増加は、主にリース資産の増加によるものです。
[ベルリッツ事業]
ベルリッツ事業の資産は、197億3千万円と前期比13.9%、31億7千5百万円減少しました。この減少は、主に売掛金、建物及び構築物の減少によるものです。
[その他]
その他の資産は、197億6千8百万円と前期比4.1%、7億8千万円増加しました。この増加は、主に退職給付に係る資産、及び現金及び預金の増加によるものです。
(負債)
当連結会計年度末の総負債は、3,669億4千4百万円と、前期比7.3%、248億5千8百万円増加しました。
流動負債は、1,758億7千8百万円と、前期比0.9%、16億5千3百万円減少しました。この減少は、前受金の増加があったものの、1年内返済予定の長期借入金が減少したこと等によるものです。
固定負債は、1,910億6千5百万円と、前期比16.1%、265億1千2百万円増加しました。この増加は、主に社債、リース債務及び長期借入金の増加によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、1,750億3千7百万円と、前期比3億1百万円減少しました。この減少は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び退職給付に係る調整累計額の増加があったものの、剰余金の配当による減少があったこと等によるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、11億5千4百万円増加し、1,440億3千5百万円(前期比0.8%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、258億4千3百万円の資金の獲得となりました。これは、法人税等の支払額93億5千8百万円、未収入金の増加額84億1千9百万円等があったものの、非資金費用である減価償却費190億2千5百万円、前受金の増加額111億5千4百万円、税金等調整前当期純利益65億5千7百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が161億3千5百万円減少(前期比38.4%収入減)しておりますが、主に、当連結会計年度において、前受金の増減額が59億8千5百万円の収入増となったものの、税金等調整前当期純利益が96億7千1百万円の減益、未収入金の増減額が49億6千4百万円の収入減、法人税等の支払額・還付額による収支が46億4千1百万円の支出増となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは196億9千8百万円の資金の支出となりました。これは、ソフトウエアの取得による支出94億3千9百万円、有形固定資産の取得による支出53億7千3百万円、子会社株式の取得による支出29億8千8百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が211億2千3百万円減少(前期は14億2千5百万円の収入)しておりますが、主に、有価証券の取得・売却による収支が189億7千2百万円の収入減となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは47億4千5百万円の資金の支出となりました。これは、社債の発行による収入100億円があったものの、長期借入れによる収入と返済による支出の収支が60億3百万円の支出となったこと、配当金の支払額48億2千万円、リース債務の返済による支出33億7千8百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の支出が79億1千6百万円減少(前期比62.5%支出減)しておりますが、主に、長期借入れによる収入と返済による支出の収支が18億1千6百万円の支出増となったものの、社債の発行による収入が100億円の収入増となったことによるものです。
(4)生産、受注及び販売の状況
当社グループは、主として個人を対象とした業務を行っておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。これに代えて、売上高及びグループ規模と比較的関連性が強いと認められる国内教育事業における進研ゼミ会員の延べ在籍数、グローバルこどもちゃれんじ事業におけるこどもちゃれんじの延べ在籍数、介護・保育事業における高齢者向けホーム及び住宅数、並びにベルリッツ事業における語学レッスン数を「(1)経営成績」に販売実績と合わせて記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
なお、当連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の資金状況への影響は若干あるものの、十分な資金を保持しており、状況の変化には注意を払いながらも、今後の中長期的な成長に向けて、M&Aや研究開発、事業基盤強化のための投資等を推進していきたいと考えております。なおM&Aは、当社グループの強みが生かせる分野で、投資対象を厳選したうえで、積極的に実施したいと考えております。
これらの資金需要につきましては、自己資金のほか、金融機関からの借入等外部資金の活用も含め、最適な方法による資金調達にて対応する予定です。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表及び財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第一部 第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第一部 第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。