四半期報告書-第36期第3四半期(令和2年12月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/04/12 15:13
【資料】
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【項目】
38項目
当社の四半期財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この四半期財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産および負債の金額、収益および費用の金額に影響を与えるような仮定、見積り、判断を必要とします。過去の経験や状況に応じ合理的と判断した入手可能な情報に基づいた仮定、見積り、判断であっても、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。また、文中における将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
① 業績の状況
当第3四半期累計期間(自 2020年6月1日 至 2021年2月28日。以下、「当四半期」)の経営成績につきましては、売上高149,698百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益49,720百万円(前年同期比7.3%増)、経常利益49,703百万円(前年同期比7.2%増)、四半期純利益34,424百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
当四半期における当社の属する国内の情報サービス産業においては、システム更新需要のほか、モバイル対応、IoT等デジタルデータを活用した業務効率化、急拡大しているリモートワークへの対応、エンドユーザーとの接点強化など企業成長、競争力強化を目的とするクラウドおよびIT投資が底堅く推移しております。一方、新型コロナウイルス感染拡大により業績への影響を受けた、一部業種における顧客企業のIT投資延期や意思決定の保留も依然としてみられました。
このような環境下において、当社は引き続き、当社製品・サービスの活用によって顧客企業のイノベーションの実現とビジネス変革、成長を強力に支援することへの価値訴求を継続してまいりました。
また今般の新型コロナウイルスについて、当社としても、社員および顧客企業をはじめとするあらゆるステークホルダーの安全と健康を守り、安定的に事業運営を継続していくための対策を講じることが最重要課題のひとつと捉えております。全従業員のリモートワークへのシフトと顧客企業への安定的なサービスの提供、営業体制の構築を継続して実施してまいりました。
② 報告セグメント別の状況
市場展開方針
私たちのミッションは、人々が新たな方法でデータを理解し、本質を見極め、無限の可能性を解き放てるよう支援していくことです。
「Be a TRUSTED TECHNOLOGY ADVISOR」を掲げ、お客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。テクノロジー企業であるオラクルが自社のテクノロジーを用いて実践したDX(デジタル・トランスフォーメーション)のビジネス成果をお客様企業へ導入することで、Oracle@Oracleが実現したデータ・ドリブンなDXへのジャーニーを支援してまいります。
当社はシステムを構築するために必要なプラットフォーム製品、業務アプリケーション、ハードウェアまでを、クラウド、オンプレミスいずれの環境においても展開可能な総合的製品ポートフォリオを有しております。特にソフトウェア・ライセンス製品は、長年、高度なセキュリティ、可用性と高速処理性能が求められるミッションクリティカル領域で広く採用されております。新たな事業の柱として注力しているオラクルクラウドは、このソフトウェア・ライセンスと同じ設計思想、同じ技術で構築しており、オラクルのソフトウェア・ライセンスで構築したオンプレミス・システムとオラクルクラウドとの連携、双方向の移行を可能とすることを強みとしております。
データ・ドリブンなアプローチにより情報価値を最大化するクラウドサービス、それらの利用を支援する各種サービスの提供をさらに加速させるため「カスタマー・フォーカス」を掲げ、「ERPクラウドアップグレード」、「大型案件の獲得」、「クラウドデータ利用量の増大」に一層注力してまいりました。また、企業が取り扱う爆発的な情報量の増大、過酷なワークロードに対して、セキュアな環境下でパフォーマンスを発揮することができる「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」を基盤とするテクノロジークラウドサービスの価値訴求にも注力しております。
戦略を推進する体制として、2019年5月東京地域に開設したデータセンターに加え、2020年2月大阪地域に2拠点目のデータセンターを開設し、エンタープライズのワークロード、セキュリティ、さらにDR(ディザスター・リカバリー:災害被害からの回復、事業継続マネジメント)に対応したサービス提供を開始いたしました。
また、営業面では、クラウドビジネスおよびライセンスビジネスに特化した営業組織を再編し、サポート、コンサルティング部門との「チームコラボレーション」により付加価値サービスを訴求し、クラウドビジネスの拡大を推進してまいります。
また、市場規模に応じたあらゆる業種のお客様向けに営業部隊を構築し、当社の価値を訴求し続けております。
[用語解説]
* クラウドサービス:企業等のITシステムに利用されるソフトウェアやハードウェアのリソースを、インターネットを通じてサービスとして提供する形態。
* オンプレミス:ITシステムを自社所有で構築・運用する形態。
[クラウド&ライセンス]
売上高は121,680百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は49,148百万円(前年同期比5.6%増)となりました。内訳につきましては、クラウドライセンス&オンプレミスライセンスの売上高は29,999百万円(前年同期比7.8%減)、クラウドサービス&ライセンスサポートの売上高は91,680百万円(前年同期比4.5%増)となりました。当セグメントは企業等のIT基盤に利用される、データベース管理ソフトウェア、各種ミドルウェア、ERP等の業務アプリケーションソフトウェアのソフトウェア・ライセンスを販売する「クラウドライセンス&オンプレミスライセンス」とライセンスを利用されているお客様に更新版等のアップデートや技術サポートを提供する「ライセンスサポート」、これらのソフトウェアやハードウェアのリソースを、インターネットを通じてサービス提供する「クラウドサービス」から構成されます。
クラウドライセンス&オンプレミスライセンスについては、上記の市場展開方針により、当社製品・サービスの価値訴求を積極的に展開してまいりましたが、国内で二度目の緊急事態宣言発令を受け、事業展開にあたっては課題を克服していく必要がありました。一方、引き続きパートナー企業様とのアライアンス強化を積極的に推進し、中堅中小企業向けの需要創出にも注力してまいりました。
また、「OracleCloudInfrastructure(OCI)」を始めとするクラウドサービスについては、パフォーマンスやセキュリティ、費用対効果を重視されるお客様からの引合いが多く、当期の戦略のひとつであるエンタープライズ向けERPアップグレード(オンプレミスからクラウドへのリフト&シフト)についても多くの実績を残すことができました。これに伴い、2019年5月に開設した東京地区データセンターおよび2020年2月に新設した大阪地区データセンターの利用量は引き続き順調に増加しており、適宜設備増設を行っております。
ライセンスサポートについては、高い契約更新率を維持しており、クラウドライセンス&オンプレミスライセンスの販売に伴う新規保守契約も高水準を堅持しております。
[ハードウェア・システムズ]
売上高は12,143百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益は485百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
当セグメントは、サーバー、ストレージ、エンジニアド・システム、ネットワーク機器等のハードウェアの販売およびそれらのオペレーティングシステム(OS)や関連ソフトウェアを提供する「ハードウェア・システムズ・プロダクト」、ハードウェア製品の技術サポート、修理、メンテナンスの提供およびOS等関連ソフトウェアの更新版等の提供を行う「ハードウェア・システムズ・サポート」から構成されます。
ハードウェア・システムズにつきましては、2019年9月に提供を開始したインテル社製の“PersistentMemory(永続性メモリ)”を搭載した、“OracleExadataDatabaseMachineX8M”は引き続き多くの引き合いをいただいております。ExadataX8Mは、ストレージ・ボトルネックを排除し、オンライン・トランザクション処理(OLTP)、アナリティクス、IoT、不正検出、高頻度取引など、最も過酷なワークロード向けにパフォーマンスを大幅に向上させます。
[サービス]
売上高は15,874百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は3,312百万円(前年同期比26.3%増)となりました。
当セグメントは、当社製品の導入支援を行う「コンサルティングサービス」、予防保守サービスやお客様のIT環境の包括的な運用管理サービスを提供する「アドバンストカスタマーサポートサービス」、技術者や利用者向けの研修事業や技術資格の認定事業を提供する「エデュケーションサービス」から構成されております。
サービスにつきましては、コンサルティングサービスにおいて、オンプレミス環境からIaaS・PaaS環境への基盤移行、ERPクラウドを始めとするSaaSとの連携案件など、当社の総合的な製品サービス・ポートフォリオを活かした複合型案件が堅調に推移しております。
<報告セグメント別売上高の状況>
区分2020年5月期
第3四半期
2021年5月期
第3四半期
2020年5月期
金額構成比金額構成比対前年
同期比
金額構成比
百万円%百万円%%百万円%
クラウドライセンス&
オンプレミスライセンス
32,55221.929,99920.0△7.854,97226.0
クラウドサービス&
ライセンスサポート
87,70158.991,68061.24.5117,60155.6
クラウド&ライセンス120,25380.8121,68081.31.2172,57381.7
ハードウェア・システムズ12,5828.512,1438.1△3.517,3628.2
サービス16,05110.815,87410.6△1.121,42010.1
合計148,887100.0149,698100.00.5211,357100.0

(注) 金額は単位未満を切り捨て、構成比ならびに対前年同期比は単位未満を四捨五入で表示しております。
③ 営業利益
営業利益は、クラウド&ライセンスセグメントにおける売上高の増加(前年同期比1.2%増)、販売費及び一般管理費の減少等により、49,720百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
売上原価は、76,906百万円(前年同期比0.7%減)となりました。これは、クラウド&ライセンスセグメントにおいて、ロイヤルティが増加した一方、サービスセグメントにおいて、業務委託費が減少しました。
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルスの影響により広告宣伝費及び旅費交通費、また、業務委託費等が減少した結果、23,071百万円(前期同期比8.1%減)となりました。
④ 営業外損益および経常利益
経常利益は、営業外損益17百万円の費用(純額)を計上した結果、49,703百万円(前年同期比7.2%増)となりました。
⑤ 四半期純利益
特別利益「新株予約権戻入益」(11百万円)、法人税等(15,289百万円)を計上した結果、四半期純利益は34,424百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当第3四半期会計期間末における流動資産は、41,982百万円(前事業年度末比207,849百万円減)となりました。これは主に、2019年2月より実施したオラクル・ジャパン・ホールディング・インク(当社の親会社)からの貸付金の回収による関係会社短期貸付金の減少(160,000百万円)によるものです。
当第3四半期会計期間末における固定資産は、252,784百万円(前事業年度末比208,477百万円増)となりました。これは主に、新たにオラクル・ジャパン・ホールディング・インク(当社の親会社)に対する最長で2021年2月より5年間を貸付期間とするローンの実施による関係会社長期貸付金の増加(210,000百万円)によるものです。
(負債の部)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末比で13,192百万円減少し、89,584百万円となりました。これは主に、前受金の減少(5,199百万円)、未払法人税等の減少(5,308百万円)によるものです。
(純資産の部)
当第3四半期会計期間末の純資産合計は、前事業年度末比で13,819百万円増加し、205,182百万円となりました。これは主に、ストック・オプションの行使による資本金、資本剰余金の各々の増加(134百万円)、当四半期純利益の計上(34,424百万円)、配当金の支払(19,097百万円)等によるものです。この結果、自己資本比率は69.6%(前事業年度末比4.6ポイントアップ)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期累計期間において、重要な変更はありません。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
2020年8月21日に提出した前事業年度の有価証券報告書の「資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載した内容から重要な変更はありません。