有価証券報告書-第31期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/17 14:01
【資料】
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【項目】
152項目

対処すべき課題

本有価証券報告書の提出日現在における経営方針は以下のとおりです。なお、将来に関する事項は別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 基本方針
当社グループは「情報革命で人々を幸せに ~技術の力で、未来をつくる~」の企業理念の下、常に最先端のICT技術修得に挑戦し、お客様の業務効率化やコストの削減に留まらず、本業の成長を共にICTサービスで実現していくビジネスパートナーを目指しております。
当社が所属するソフトバンクグループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループを目指し、情報・テクノロジー領域において、さまざまな事業に取り組んでいます。当社は、ソフトバンクグループにおけるICTサービス中核会社として国内ソフトバンクグループ企業のITシステムを支援すると共に、ソフトバンクグループ各社とシナジーを発揮しながらお客様が抱えるさまざまな課題をICTサービスで解決することで、豊かな情報化社会の実現に貢献してまいります。
(2) 第2次中期経営計画の経営指標
当社グループは、「大きく成長する」ことを経営方針に掲げています。2014年3月期から2016年3月期を第1次中期経営計画と位置付け、「クラウド」「セキュリティ」「ビッグデータ」の3つの領域に注力し、事業の拡大を推進しました。2017年3月期から2019年3月期を第2次中期経営計画と位置付け、クラウド上にセキュリティ対策とビッグデータ解析の付加価値を融合し、お客様に対する付加価値を拡大すると共に、これら注力領域のサービス化を強化することでストックビジネスの拡大を目指しています。現時点におきましては、これら戦略の進捗として「3つの注力事業の合計売上高」及び事業のサービス化の進捗として本業の収益性を図る「営業利益及び営業利益率」を経営の最重要指標と考えております。
(3) 第2次中期経営計画における戦略及び対処すべき課題
当社グループが属するICT関連市場は、日々進化する技術と多種多様なサービスの出現により、その環境がめまぐるしく変化しております。クラウドコンピューティングの普及、情報のデジタル化に伴うビッグデータやAI活用、標的型サイバー攻撃や内部からの情報漏洩の脅威に対する対策、コンピュータだけでなく家電や車などのさまざまな「モノ」に通信機能を持たせてインターネットに接続させる「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」を利用した新しい価値の創出など、企業における戦略的なIT活用のニーズが高まっております。
当社は、ビジネスパートナーとして、このようなお客様のニーズを満たし、お客様の本業の成長に貢献することを通じて、お客様と共に事業成長及び企業価値の向上を目指すべく、2016年4月より第2次中期経営計画として以下の3つの基本戦略を推進しております。
① クラウドへの集約
当社グループは、データアナリティクス、セキュリティソリューション、クラウドソリューションの3つの領域を注力事業として位置付け、従業員の重点的な配置、先端技術の修得、独自サービスの開発を行うなど競争力の強化に努めております。これまでに蓄積したノウハウや先端ICT技術の知見を組み合わせ、3つの注力事業をクラウド上で融合することで付加価値を高め、一層の顧客基盤の拡大・強化に取り組み、収益性の向上を目指してまいります。
また、新たなお客様に対しては、クラウドへの移行、クラウド上のシステム開発やデータ解析、それら周辺のセキュリティ対策や運用監視など、クラウドに関連した技術及びソリューションの提供に限定することで「クラウドへの集約」を加速してまいります。
② IoTビジネスの開発
スマートホームやコネクテッドカー、スマート家電やスマート工場などのIoT化は、暮らしや仕事に新しい価値と豊かさをもたらすことが期待されています。その一方で、あらゆるモノがインターネットにつながる社会は、悪意のあるハッカーや犯罪組織などから、国境を越えて狙われる危険性もはらんでいます。
当社グループは、セキュリティ・バイ・デザインの考えに沿って、こうした脅威を防ぎ、安全で信頼できるIoT機器やスマートデバイスを開発していくために必要なプラットフォームを提供し、さまざまなセンサー及びデバイスから情報を収集したビッグデータを解析・学習させる仕組みをクラウド上でセキュアに提供することで、豊かなIoT社会の実現に貢献することを目指してまいります。
また、多くのお客様やパートナー企業と実証実験に取り組むことで技術的な可能性と付加価値の創出を追求し、実証された技術と付加価値をビジネスモデルとして構築することで、早期に収益化を実現してまいります。
③ 強固な収益基盤の確立
会社の成長に伴う開発案件数の増加と案件規模の拡大により、当社におけるプロジェクト管理の重要性が高まっています。生産性と品質の向上を図るため、高度資格の取得とプロジェクト管理体制の強化を一層推進し、外部パートナーを含めたリソースの安定確保にも取り組むことで、プロジェクト収益の最大化に努めてまいります。さらに、業務フローや社内システムの見直しとIT活用による自動化・効率化によるオペレーションコスト削減を推進し、業績動向やエンジニアリソースの可視化による経営管理を徹底することで営業利益率の改善を進めてまいります。
また、大きく成長する過程において社員数や業務量が大幅に増加し、業務負荷の平準化、メンタルケアやワークライフバランスの向上など、社員満足度向上に対する取り組みの重要性が一層高まっております。配置転換による意欲向上やメンター制度による長期的な教育、長時間労働の対策やライフイベントに柔軟に対応できる制度の設置・推進など、会社と社員のコミュニケーション量を増やし、積極的な働き方や休み方の改革を推進し、社員の意欲が最大限高い状態を目指してまいります。