有価証券報告書-第43期(平成30年11月1日-令和1年10月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態と経営成績の状況
a. 経営成績
当社グループは、『日本一のギグ・エコノミーのプラットフォーマーになり、労働市場に革命を起こす』を新たなビジョンに掲げ、2019年8月1日より、社名を「ギグワークス株式会社」へ変更いたしました。同時に本社機能もグループ拠点の集約と事業領域の拡大を目的に2019年9月より「虎ノ門(東京都港区)」に移転いたしました。今後は単なる仕事の仲介だけに留まらない「ギグ・エコノミーのプラットフォーマー」として更なる飛躍を目指してまいります。また、労働の多様性に関してメディアで取り上げられる機会が増えている昨今、その社会的注目度が一層上がるにつれ、当社の社会的な重要性も日々増していると認識しております。
当社グループでは、働く方々が正社員、契約社員、時短勤務はもちろんのこと、ショートタイムでの副業、フリーランスやテレワークなど多種多様な働き方を選択できる環境があり、働く方々の多様なライフスタイルに合ったワークスタイルを提供しております。
当連結会計年度における日本経済は、米中貿易摩擦を発端とした世界的な景気減速懸念が高まるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、個人消費については、所得環境は改善してはいるものの、節約志向の継続や可処分所得の伸びの鈍化の影響もあり、実感を伴った景気回復に向けては楽観視できない状況が続いております。
国内の雇用環境につきましては、厚生労働省発表の有効求人倍率は、2019年10月で1.57倍、正社員の有効求人倍率でみても1.13倍と、求人ニーズは顕著で高水準を維持しております。また、総務省発表の完全失業率も2019年10月で2.4%と地域や業種によるばらつきはありますが、人手不足の状況は続いており、雇用情勢は完全雇用に近い状態が継続しております。
このような環境の中、当社グループは、ITに精通した登録エージェントによるBPO事業と子会社の株式会社アセットデザインを中心に展開しているコワーキングスペース(シェアオフィス)事業の業容拡大とサービスの品質・効率の向上、強化に取り組んでまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は175億84百万円(前連結会計年度比9.5%増)、営業利益は7億84百万円(前連結会計年度比33.8%増)、経常利益は8億1百万円(前連結会計年度比30.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億48百万円(前連結会計年度比45.1%増)となり、全てにおいて上場来最高値になりました。
(注)ギグ・エコノミーとは、インターネット等を通じて単発・短期の仕事を受注する働き方やそれによって成立する経済活動のことを言います。近年、米国を中心に使われるようになった用語で、ネット仲介の配車サービスや宅配サービスなどが有名です。一般的にギグ・エコノミーは、個人の働き方が多様化した一つの形態であり、日本国内においても、働き方改革、副業・兼業の容認拡大の中で今後は仕事を仲介・サポートする当社のようなプラットフォーム提供企業の役割がより重要になると考えております。
BPO事業及びコワーキングスペース事業の各事業セグメントの詳細は、以下のとおりであります。
(BPO事業)
BPO事業におきましては、ライフスタイルや人生のステージに合わせて「必要な時に必要なだけ働ける」をテーマとしたプラットフォームを提供することで、労働市場に新しい価値を生み出しております。創業以来、多様な働き方を提供し続けている当社グループには、「雇用関係だけによらない働き方」・「多様かつ柔軟な働き方(副業・在宅等)」を希望する個人事業主、フリーランスが数多く登録しており、毎月3,000~4,000人の登録スタッフが日本全国で活躍しております。このような登録スタッフの活躍により幅広いニーズに日本全国で応えられる体制を構築しております。具体的には、スマートフォン・タブレット端末向けのキッティング業務や携帯電話・スマートデバイス無線通信の基地局案件において、拠点の合理化や人員の適正配置の効果が出ており収益性が向上いたしました。また、市場が急速に拡大しているフードデリバリー(宅配)においても、当社による加盟店獲得のための営業代行や運営支援が好評をいただいております。今後は、2020年の商用サービス開始が予定されている次世代の高速・大容量の移動通信方式「5G」に関連した設備投資の需要が増えることが予想されるため、受注体制を整え収益拡大を目指してまいります。また、IT周辺機器や多言語にも対応したヘルプデスクのニーズは底堅く、通信販売事業者向けの案件も拡大しており堅調に推移いたしました。「東京・大阪・福岡・北九州・熊本」の5拠点にあるコンタクトセンターは、ニーズの高まりを受け、「東京・大阪・福岡」を中心に増席を進めており、5拠点を活用したBCP(事業継続計画)の体制も整い、通販・テクニカルサポート・IoT関連のサポートセンター等の受注拡大も目指してまいります。さらに、自社開発商品のCRMシステムにおいては、販売が想定を上回る伸びを見せており好評をいただいております。また、2019年10月に実施された消費税増税10%によるシステム改修の案件も受注が拡大いたしました。引き続き優秀なエンジニア確保と育成に注力しつつ業容拡大を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度におけるBPO事業の売上高は156億48百万円(前連結会計年度比8.0%増)、セグメント利益は15億76百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました。
(注)BPO(Business Process Outsourcing)とは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略称であり、顧客企業の業務処理(ビジネスプロセス)の一部を専門業者に外部委託することです。専門業者が業務プロセスを分析、企画することで顧客企業にとって業務プロセスの最適化、運用コストの変動費化等のメリットがあります。
(コワーキングスペース事業)
コワーキングスペース事業におきましては、主に起業家や個人事業主支援を目的としたシェアオフィスを首都圏中心に58拠点で運営しており、「必要な時に、必要な分だけ使う(借りる)」をテーマとして提供することで、利用者は低コストで高品質な施設利用が可能となっております。当該事業のニーズの高まりを受け、業容拡大に向けた新規オフィスの出店を進める一方で、既存施設においても、シェアオフィス自体の社会的な認知度が向上したこともあり、利用企業数は4,300社を突破、専用個室オフィスの稼働率は90%を超えるなど高水準を維持しております。前連結会計年度は費用先行となる直営拠点の新規出店が計画どおり順調に進んだ結果、セグメント損失は57百万円となりましたが、首都圏における不動産市況の高騰などの影響もあり、当連結会計年度においては直営拠点の新規出店が計画どおり進まず、当初計画していた費用先行の状態が発生しなかったこと、また前連結会計年度に新規出店した直営拠点の稼働が順調に上がったことから、当連結会計年度のセグメント利益は43百万円となりました。引き続き不動産市況を十分に見据え収益性の高い直営拠点の出店を基本とし業容拡大を目指します。
以上の結果、当連結会計年度におけるコワーキングスペース事業の売上高は20億14百万円(前連結会計年度比27.0%増)、セグメント利益は43百万円(前連結会計年度は57百万円の損失)となりました。
b. 財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、5億40百万円増加(10.8%増)し、55億35百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金が1億90百万円、現金及び預金が1億23百万円増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、1億5百万円増加(4.9%増)し、22億61百万円となりました。これは、主として建物が1億45百万円、工具器具及び備品が51百万円増加した一方で、長期貸付金が97百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて、6億46百万円増加(9.0%増)し、77億97百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、76百万円増加(2.4%増)し、33億8百万円となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金が87百万円増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、1億33百万円増加(12.6%増)し、11億90百万円となりました。これは、主として長期借入金が1億9百万円増加したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、2億10百万円増加(4.9%増)し、44億99百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、4億35百万円増加(15.2%増)し、32億98百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益を4億48百万円計上したこと等によります。
自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて2.1ポイント増加し、41.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は27億84百万円となり、前連結会計年度末残高26億60百万円と比べて1億23百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー )
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、3億98百万円(前連結会計年度は5億36百万円の収入)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益7億93百万円、減価償却費1億77百万円、のれん償却額67百万円を計上した一方で、法人税等の支払額6億37百万円を計上したこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー )
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、3億68百万円(前連結会計年度は7億60百万円の収入)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出2億82百万円、差入保証金の差入による支出1億円を計上したこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー )
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、94百万円(前連結会計年度は1億96百万円の支出)となりました。これは、主として長期借入れによる収入5億円を計上した一方で、長期借入金の返済による支出3億2百万円、社債償還による支出50百万円を計上したこと等によります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループの業務は、人材サービス及びレンタルオフィスの提供であり、サービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b. 受注状況
「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループの判断により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度と比較し、売上高が15億32百万円増加して175億84百万円、売上総利益が5億20百万円増加して41億38百万円、営業利益が1億98百万円増加して7億84百万円、経常利益が1億87百万円増加して8億1百万円、税金等調整前当期純利益が1億22百万円増加して7億93百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が1億39百万円増加して4億48百万円となりました。
売上高は、BPO事業においてはWindows10への入替需要によりスマートフォン・タブレット端末向けのキッティング業務が好調に推移いたしました。また、コワーキングスペース事業においては前期に新規出店した直営拠点の稼働が順調に上がったこと等によります。
売上総利益は、前連結会計年度から1ポイント改善し23.5%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較し3億22百万円増加して33億54百万円となりました。主な要因として事業拡大に向けた人員の積極的採用によって人件費が増加しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、重点分野における確固たる競争力を早期に築くため、中長期的な経営戦略に基づき、投資を推進しております。特にコワーキングスペース事業においては、更なる拡大を視野に入れ、収益性の高い直営施設の開設のため、積極的に投資を行っております。
設備投資の資金需要につきましては、自己資金での対応を基本としておりますが、必要に応じて、資金調達(銀行からの借入等)を行った上で対応する予定であります。
当連結会計年度の資金の流動性の情報につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態と経営成績の状況
a. 経営成績
当社グループは、『日本一のギグ・エコノミーのプラットフォーマーになり、労働市場に革命を起こす』を新たなビジョンに掲げ、2019年8月1日より、社名を「ギグワークス株式会社」へ変更いたしました。同時に本社機能もグループ拠点の集約と事業領域の拡大を目的に2019年9月より「虎ノ門(東京都港区)」に移転いたしました。今後は単なる仕事の仲介だけに留まらない「ギグ・エコノミーのプラットフォーマー」として更なる飛躍を目指してまいります。また、労働の多様性に関してメディアで取り上げられる機会が増えている昨今、その社会的注目度が一層上がるにつれ、当社の社会的な重要性も日々増していると認識しております。
当社グループでは、働く方々が正社員、契約社員、時短勤務はもちろんのこと、ショートタイムでの副業、フリーランスやテレワークなど多種多様な働き方を選択できる環境があり、働く方々の多様なライフスタイルに合ったワークスタイルを提供しております。
当連結会計年度における日本経済は、米中貿易摩擦を発端とした世界的な景気減速懸念が高まるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、個人消費については、所得環境は改善してはいるものの、節約志向の継続や可処分所得の伸びの鈍化の影響もあり、実感を伴った景気回復に向けては楽観視できない状況が続いております。
国内の雇用環境につきましては、厚生労働省発表の有効求人倍率は、2019年10月で1.57倍、正社員の有効求人倍率でみても1.13倍と、求人ニーズは顕著で高水準を維持しております。また、総務省発表の完全失業率も2019年10月で2.4%と地域や業種によるばらつきはありますが、人手不足の状況は続いており、雇用情勢は完全雇用に近い状態が継続しております。
このような環境の中、当社グループは、ITに精通した登録エージェントによるBPO事業と子会社の株式会社アセットデザインを中心に展開しているコワーキングスペース(シェアオフィス)事業の業容拡大とサービスの品質・効率の向上、強化に取り組んでまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は175億84百万円(前連結会計年度比9.5%増)、営業利益は7億84百万円(前連結会計年度比33.8%増)、経常利益は8億1百万円(前連結会計年度比30.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億48百万円(前連結会計年度比45.1%増)となり、全てにおいて上場来最高値になりました。
(注)ギグ・エコノミーとは、インターネット等を通じて単発・短期の仕事を受注する働き方やそれによって成立する経済活動のことを言います。近年、米国を中心に使われるようになった用語で、ネット仲介の配車サービスや宅配サービスなどが有名です。一般的にギグ・エコノミーは、個人の働き方が多様化した一つの形態であり、日本国内においても、働き方改革、副業・兼業の容認拡大の中で今後は仕事を仲介・サポートする当社のようなプラットフォーム提供企業の役割がより重要になると考えております。
BPO事業及びコワーキングスペース事業の各事業セグメントの詳細は、以下のとおりであります。
(BPO事業)
BPO事業におきましては、ライフスタイルや人生のステージに合わせて「必要な時に必要なだけ働ける」をテーマとしたプラットフォームを提供することで、労働市場に新しい価値を生み出しております。創業以来、多様な働き方を提供し続けている当社グループには、「雇用関係だけによらない働き方」・「多様かつ柔軟な働き方(副業・在宅等)」を希望する個人事業主、フリーランスが数多く登録しており、毎月3,000~4,000人の登録スタッフが日本全国で活躍しております。このような登録スタッフの活躍により幅広いニーズに日本全国で応えられる体制を構築しております。具体的には、スマートフォン・タブレット端末向けのキッティング業務や携帯電話・スマートデバイス無線通信の基地局案件において、拠点の合理化や人員の適正配置の効果が出ており収益性が向上いたしました。また、市場が急速に拡大しているフードデリバリー(宅配)においても、当社による加盟店獲得のための営業代行や運営支援が好評をいただいております。今後は、2020年の商用サービス開始が予定されている次世代の高速・大容量の移動通信方式「5G」に関連した設備投資の需要が増えることが予想されるため、受注体制を整え収益拡大を目指してまいります。また、IT周辺機器や多言語にも対応したヘルプデスクのニーズは底堅く、通信販売事業者向けの案件も拡大しており堅調に推移いたしました。「東京・大阪・福岡・北九州・熊本」の5拠点にあるコンタクトセンターは、ニーズの高まりを受け、「東京・大阪・福岡」を中心に増席を進めており、5拠点を活用したBCP(事業継続計画)の体制も整い、通販・テクニカルサポート・IoT関連のサポートセンター等の受注拡大も目指してまいります。さらに、自社開発商品のCRMシステムにおいては、販売が想定を上回る伸びを見せており好評をいただいております。また、2019年10月に実施された消費税増税10%によるシステム改修の案件も受注が拡大いたしました。引き続き優秀なエンジニア確保と育成に注力しつつ業容拡大を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度におけるBPO事業の売上高は156億48百万円(前連結会計年度比8.0%増)、セグメント利益は15億76百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました。
(注)BPO(Business Process Outsourcing)とは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略称であり、顧客企業の業務処理(ビジネスプロセス)の一部を専門業者に外部委託することです。専門業者が業務プロセスを分析、企画することで顧客企業にとって業務プロセスの最適化、運用コストの変動費化等のメリットがあります。
(コワーキングスペース事業)
コワーキングスペース事業におきましては、主に起業家や個人事業主支援を目的としたシェアオフィスを首都圏中心に58拠点で運営しており、「必要な時に、必要な分だけ使う(借りる)」をテーマとして提供することで、利用者は低コストで高品質な施設利用が可能となっております。当該事業のニーズの高まりを受け、業容拡大に向けた新規オフィスの出店を進める一方で、既存施設においても、シェアオフィス自体の社会的な認知度が向上したこともあり、利用企業数は4,300社を突破、専用個室オフィスの稼働率は90%を超えるなど高水準を維持しております。前連結会計年度は費用先行となる直営拠点の新規出店が計画どおり順調に進んだ結果、セグメント損失は57百万円となりましたが、首都圏における不動産市況の高騰などの影響もあり、当連結会計年度においては直営拠点の新規出店が計画どおり進まず、当初計画していた費用先行の状態が発生しなかったこと、また前連結会計年度に新規出店した直営拠点の稼働が順調に上がったことから、当連結会計年度のセグメント利益は43百万円となりました。引き続き不動産市況を十分に見据え収益性の高い直営拠点の出店を基本とし業容拡大を目指します。
以上の結果、当連結会計年度におけるコワーキングスペース事業の売上高は20億14百万円(前連結会計年度比27.0%増)、セグメント利益は43百万円(前連結会計年度は57百万円の損失)となりました。
b. 財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、5億40百万円増加(10.8%増)し、55億35百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金が1億90百万円、現金及び預金が1億23百万円増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、1億5百万円増加(4.9%増)し、22億61百万円となりました。これは、主として建物が1億45百万円、工具器具及び備品が51百万円増加した一方で、長期貸付金が97百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて、6億46百万円増加(9.0%増)し、77億97百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、76百万円増加(2.4%増)し、33億8百万円となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金が87百万円増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、1億33百万円増加(12.6%増)し、11億90百万円となりました。これは、主として長期借入金が1億9百万円増加したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、2億10百万円増加(4.9%増)し、44億99百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、4億35百万円増加(15.2%増)し、32億98百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益を4億48百万円計上したこと等によります。
自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて2.1ポイント増加し、41.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は27億84百万円となり、前連結会計年度末残高26億60百万円と比べて1億23百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー )
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、3億98百万円(前連結会計年度は5億36百万円の収入)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益7億93百万円、減価償却費1億77百万円、のれん償却額67百万円を計上した一方で、法人税等の支払額6億37百万円を計上したこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー )
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、3億68百万円(前連結会計年度は7億60百万円の収入)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出2億82百万円、差入保証金の差入による支出1億円を計上したこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー )
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、94百万円(前連結会計年度は1億96百万円の支出)となりました。これは、主として長期借入れによる収入5億円を計上した一方で、長期借入金の返済による支出3億2百万円、社債償還による支出50百万円を計上したこと等によります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループの業務は、人材サービス及びレンタルオフィスの提供であり、サービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b. 受注状況
「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第43期 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | ||
金額(千円) | 前年同期比(%) | ||
BPO事業 | 15,633,525 | 8.0 | |
コワーキングスペース事業 | 1,951,348 | 23.7 | |
合計 | 17,584,874 | 9.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループの判断により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度と比較し、売上高が15億32百万円増加して175億84百万円、売上総利益が5億20百万円増加して41億38百万円、営業利益が1億98百万円増加して7億84百万円、経常利益が1億87百万円増加して8億1百万円、税金等調整前当期純利益が1億22百万円増加して7億93百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が1億39百万円増加して4億48百万円となりました。
売上高は、BPO事業においてはWindows10への入替需要によりスマートフォン・タブレット端末向けのキッティング業務が好調に推移いたしました。また、コワーキングスペース事業においては前期に新規出店した直営拠点の稼働が順調に上がったこと等によります。
売上総利益は、前連結会計年度から1ポイント改善し23.5%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較し3億22百万円増加して33億54百万円となりました。主な要因として事業拡大に向けた人員の積極的採用によって人件費が増加しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、重点分野における確固たる競争力を早期に築くため、中長期的な経営戦略に基づき、投資を推進しております。特にコワーキングスペース事業においては、更なる拡大を視野に入れ、収益性の高い直営施設の開設のため、積極的に投資を行っております。
設備投資の資金需要につきましては、自己資金での対応を基本としておりますが、必要に応じて、資金調達(銀行からの借入等)を行った上で対応する予定であります。
当連結会計年度の資金の流動性の情報につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。