四半期報告書-第44期第3四半期(令和2年5月1日-令和2年7月31日)

【提出】
2020/09/10 16:37
【資料】
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【項目】
44項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当社グループは、『日本一のギグ・エコノミーのプラットフォーマーになり、労働市場に革命を起こす』をビジョンに掲げ、単なる仕事の仲介だけに留まらない「ギグ・エコノミーのプラットフォーマー」として更なる飛躍を目指してまいります。当社では正社員、契約社員、時短勤務はもちろんのこと、ショートタイムでの副業・複業、フリーランスやテレワークなど多種多様な働き方を選択できる環境があり、働く方々の生活に合った多様なワークスタイルを提供しております。また、労働の多様性、スキルシェアに関してメディアで取り上げられる機会が増えている昨今、当社の社会的な重要性も日々増していると認識しております。
当第3四半期連結累計期間における日本経済は、雇用・所得環境の改善傾向により緩やかに回復しており、個人消費も持ち直しの動きが見られていました。しかしながら新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下「感染症」)の拡大による緊急事態宣言・外出自粛要請を受け、2020年4月~6月の実質国内総生産2次速報値は年率換算でマイナス28.1%と戦後最大となる下げ幅を記録し、先行きは極めて不透明な状況となっております。国内の雇用環境につきましても、厚生労働省発表の有効求人倍率は、2020年7月で1.08倍と大幅な低下傾向にあります。一方、総務省発表の完全失業率は政府主導の様々な雇用維持政策により2020年7月で2.9%と諸外国との比較においては依然低い水準を維持、特にITを中心とする特定業種においては人手不足の状況は継続しており、当社グループへの業務依頼件数についても大幅な悪化はありません。しかしながら、感染症の収束までには一定期間かかると思われ、経済の見通しは、不透明な状況にあると認識しております。
このような環境の中、当社グループは、ITに精通した登録エージェントによるオンデマンドエコノミー事業と子会社の株式会社アセットデザインを中心に展開しているシェアリングエコノミー事業の業容拡大とサービスの品質・効率の向上、強化に取り組んでまいりました。
また、当第3四半期連結累計期間において、保有資産の見直しの一環として保険を解約し、保険解約返戻金として1億9百万円を特別利益に計上しております。一方で、自粛環境下における正社員及び契約社員に対する特別慰労金の支払いや感染症対策に伴う衛生用品緊急配布等を、感染症関連費用として1億34百万円を特別損失に計上しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は134億3百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は4億91百万円(前年同期比19.3%減)、経常利益は4億94百万円(前年同期比22.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億23百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
(注)ギグ・エコノミーとは、インターネット等を通じて単発・短期の仕事を受注する働き方やそれによって成立する経済活動のことを言います。近年、米国を中心に使われるようになった用語で、ネット仲介の配車サービスや宅配サービスなどが有名です。一般的にギグ・エコノミーは、個人の働き方が多様化した一つの形態であり、日本国内においても、働き方改革、副業・兼業の容認拡大の中で今後は仕事を仲介・サポートする当社のようなプラットフォーム提供企業の役割がより重要になると考えております。
セグメントごとの経営状況は、以下のとおりであります。なお、当社グループでは『日本一のギグ・エコノミーのプラットフォーマーになり、労働市場に革命をおこす』をビジョンに掲げ、日々挑戦しております。これを受け、いままでのBPO事業、コワーキングスペース事業に留まらない、さらに多様な事業を展開していく方針であることから、事業内容を適切に表現するため、第1四半期連結会計期間より、従来「BPO」事業としていた報告セグメントの名称を「オンデマンドエコノミー」事業に、「コワーキングスペース」事業としていた報告セグメントの名称を「シェアリングエコノミー」事業に変更しております。なお、セグメント名称のみの変更であるため、セグメント情報に与える影響はありません。また、前3四半期連結累計期間のセグメント情報は変更後のセグメント名称で記載しております。
(オンデマンドエコノミー事業)
オンデマンドエコノミー事業におきましては、ライフスタイルや人生のステージに合わせて「必要な時に必要なだけ働ける」をテーマとしたプラットフォームを提供することで、労働市場に新しい価値を生み出しております。創業以来、多様な働き方を提供し続けている当社グループには、「雇用関係だけによらない働き方」・「多様かつ柔軟な働き方(副業・在宅等)」を希望する個人事業主、フリーランスが数多く登録しており、当第3四半期連結累計期間では4,956人のユニークワーカーが日本全国で活躍しております。このような登録スタッフの活躍により幅広いニーズに日本全国で応えられる体制を構築しております。具体的には、企業と個人を繋げるオンデマンドサービスと、ITエンジニアによるシステム開発を主体としたプロフェッショナルサービスの提供を行っております。
オンデマンドサービスにおいては、オリンピック・パラリンピック関連で予定していた案件が延期された一方で、政府が推進する働き方改革や感染症の拡大に伴うテレワークへの取り組みなどを背景に、特にヘルプデスクやサービスデスク関連のニーズは、急速な高まりを見せております。このような状況の中、当社グループ各拠点をリモート環境も含めた発想で流動的な活用をすることにより、複数の新規大型案件の受注をしており、稼働は当社年度末に向け旺盛な状態にあります。「東京・大阪・福岡・北九州・熊本」の5拠点にあったコンタクトセンターは、ニーズの高まりを受けて「東京・大阪・福岡」を中心に増席を進めており、2020年4月、福岡県福岡市百道浜に福岡第2コンタクトセンターを新たに開設いたしました。これにより6拠点を活用したBCP(事業継続計画)の体制も整い、通販・テクニカルサポート・IoT関連のサポートセンター等の受注拡大も引き続き目指してまいります。一方、昨年度から続く2020年1月14日のWindows7サポート終了によるパソコンリプレイスについての大規模な需要は、一定程度一巡した感もあり、かつコロナ禍での稼働抑制の影響も受けて、IT機器の設定設置、キッティング業務は、低調に推移しました。2020年3月に一部地域でサービスが開始された次世代通信規格5Gについては、インフラ整備の需要が高まってきており、本格稼働に向けて、工事班体制の準備を引き続き強化しております。
ITエンジニアによるプロフェッショナルサービスにおいては、自社開発商品のCRMシステム「デコールCC.CRM3」の販売は想定通りに伸長しております。一方でコロナ禍での投資抑制を背景に一部の受託開発案件において受注が減少したこともあり、例年並みに業績は推移いたしました。これによる非稼働のエンジニアについては、雇用を継続しつつ自社新製品の企画開発や教育育成を積極的に行い、日本国内におけるエンジニア不足を考慮しながら、投資マインドの回復を見据えております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるオンデマンドエコノミー事業の売上高は114億76百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益は11億21百万円(前年同期比4.2%減)となりました。
(シェアリングエコノミー事業)
シェアリングエコノミー事業におきましては、主に起業家や個人事業主支援を目的にスペースシェアを主体としてシェアリングサービスの提供を行っております。株式会社アセットデザインが運営するシェアオフィスは、首都圏を中心に59拠点で展開しており、「必要な時に、必要な分だけ使う(借りる)」をテーマに、利用者に対して低コストで高品質な働く場を提供しております。また、働き方改革やコロナ禍での急速なリモートワークの導入を背景にオフィス分散化、オフィス削減、通勤時間の短縮や生産性向上等、一変した環境に対応する働き方を導入する企業も増えたことに伴い、サテライトオフィスの需要がより一層拡大しております。このような社会的な認知度が向上したこともあり、シェアオフィスの利用企業数は4,600社、ドロップイン会員についても900社を超え、既存オフィスの稼働率は88%と高い水準を維持しております。2020年3月には、藤田観光株式会社との業務提携により、ビジネスホテルの旗艦店「新宿ワシントンホテル」「東京ベイ有明ワシントンホテル」内にシェアワークプレイス「THE HUB」を出店し、ビジネス利用の宿泊者様向けに「ワークスペース付き宿泊プラン」を提供しております。さらに2020年6月には北大阪エリア最大規模となる1,400坪超の巨大シェアワークスペースを出店、その内装工事等を手掛けたこともあり、これらの3店舗の新規出店費用をかけつつも、前年を大幅に上回る水準で推移いたしました。引き続き不動産市況を十分に見据え収益性の高い直営拠点の出店を基本に業容拡大を目指してまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるシェアリングエコノミー事業の売上高は19億56百万円(前年同期比36.5%増)、セグメント利益は89百万円(前年同期比281.8%増)となりました。
(注)ドロップイン会員とは、一時利用のための会員登録を言います。今後の定期利用拡大が見込まれる重要指標となります。

(2)財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、3億25百万円増加(5.9%増)し、58億61百万円となりました。これは、主として現金及び預金が6億24百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が2億13百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、1億86百万円増加(8.3%増)し、24億48百万円となりました。これは、主として有形固定資産が2億41百万円増加したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて、5億12百万円増加(6.6%増)し、83億9百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、42百万円増加(1.3%増)し、33億50百万円となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金が1億51百万円、買掛金が1億26百万円増加した一方で、未払金が1億23百万円、未払法人税等が73百万円減少したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、1億88百万円増加(15.9%増)し、13億79百万円となりました。これは、主として長期借入金が1億58百万円増加したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、2億31百万円増加(5.2%増)し、47億30百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、2億80百万円増加(8.5%増)し、35億78百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する四半期純利益を3億23百万円計上した一方で、配当金の支払により利益剰余金が93百万円減少したこと等によります。
自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて0.8ポイント増加し、42.1%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。