有価証券報告書-第39期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 16:34
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「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
(経営成績等の状況の概要)
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善する中、緩やかな回復基調が続きました。
建設業界におきましては、建設投資は底堅く推移しているものの、建設技能労働者不足等により建設費が高止まりするなど、依然として動向に注視が必要な環境にあります。
また、企業や団体におけるコンプライアンスを重視する広がりから、設計や施工等の事業者選定プロセス及び、建設コストの妥当性確認や意思決定プロセスの可視化への関心が引続き高まっております。
このような状況の中で当社は、創業以来「フェアネス」と「透明性」を貫き、「明朗会計」と称して、資本的にも人的にも独立・中立な立場を維持した当社独自のCM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援サービス)を展開してきました。当社のCMは、顧客本位の原点に立ち、プロジェクトのプロセスと関連する情報のすべてを可視化し、具体的な判断材料を顧客へ提供することで、「品質、スケジュール、コストの最適化」の実現を支援しております。
当事業年度において、公共分野としては、国土交通省の「2018年度 入札契約改善推進事業の支援事業」について、四万十市(高知県)の文化複合施設整備事業、横須賀市(神奈川県)のこども園整備事業の2件について応募し、当社が支援事業者として決定いたしました。これによって当社は5年連続で支援事業者として選定されました。
地方公共団体への発注者支援事業については、墨田区(東京都)、小金井市(東京都)、千葉市(千葉県)、神戸市(兵庫県)、多度津町(香川県)、宇土市(熊本県)の他、多くの庁舎や施設建設に関するプロポーザルに当社が応募し、事業者として選定されました。
また、地球温暖化等の影響による学校空調のニーズの高まりの中で、千葉市(千葉県)、茨木市(大阪府)、姫路市(兵庫県)、市原市(千葉県)から空調設備更新に関する委託事業者として選定されました。
今後も老朽化した公共施設対策や、熱中症予防のための対策を検討する地方自治体が増加する中で、CM方式の導入実績が着実に増加し、引続き当社が提案する機会が増えるものと考えております。
民間企業からは、数多い業種の大手企業や教育機関からの引き合いが安定的に推移しており、徹底したコスト削減策のみならず、プロジェクト早期立上げ支援や、事業化支援業務といった上流工程からの引き合い案件が新規顧客、既存顧客共に増加しています。
引続き、当社の独立・中立性を保ち、メーカーや系列に一切とらわれることなく、顧客ニーズに最適な手法を提案し、期待に一つ一つ確実に応えることが今まで以上に大切だと考えております。
当社の人員については、前事業年度末231名に対し当事業年度末は240名(9名増)となり、優秀な人材を確保しました。同時に、中長期的視点から、当社オフィスを働き易い環境へ整備するため、増床をしました。
また、コーポレート・ガバナンスを高い水準で維持し、企業としての社会的な貢献を持続的に行うことを目的として、ブランド力及び社員の士気向上等も狙い、2018年12月25日をもって、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から市場第二部へ市場変更いたしました。
当事業年度の社内で管理する受注粗利益及び売上粗利益は、社会的にCM(コンストラクション・マネジメント)が普及する中、CM業界における当社認知度の向上もあり、前期累計期間を上回り過去最高を記録しました(粗利益 ※1参照)。
これらの結果、当事業年度の売上高は5,598百万円(前期6,068百万円)、売上総利益は2,226百万円(前期1,863百万円)、営業利益は774百万円(前期605百万円)、経常利益は780百万円(前期610百万円)、当期純利益は561百万円(前期431百万円)となりました。
当期も人材獲得・定着化を目的とした社員の処遇改善及び職場環境改善投資等を実施したことによって、所得拡大促進税制の要件を満たしたため、税額控除分、当期純利益が増加しております。
セグメントの業績は次のとおりです。
① オフィス事業
当社のCM手法によるPM(プロジェクト・マネジメント)サービスは、移転の可否やワークスタイルの方向性を検討する構想段階およびビルの選定から引越しまで高度な専門性を有し、ワンストップで支援することが可能であります。
当事業年度においても大企業におけるグループ企業の統廃合、地方拠点の集約化、また、大規模な新築ビルの竣工時同時入居プロジェクトなど、難易度の高い事業所移転についてサービスを提供しました。
また、昨今の『働き方改革』への関心の高まりから、自社独自のホワイトカラーの生産性定量化システムを用いたアクティビティの可視化と蓄積されたデータ活用について、自社オフィスで16年の運用実績を有する当社に、多くの『働き方改革』に関する構想策定から定着化までの支援依頼がありました。ABW(Activity Based Working)の運用実績を有する強みを活かした営業展開が今後も継続すると思われます。
当事業年度のオフィス事業の売上高は、ピュアCM(工事原価を含まないフィーのみの契約型CM 図1参照)が選択され、アットリスクCM(工事原価を含む請負契約型CM 図2参照)が減少したことにより、1,544百万円(前期2,192百万円)となりました。
② CM事業
CM事業は、グローバル企業の国内拠点となる大型研究施設、工場、商業施設及び大学施設の再構築や、駅舎や大規模商業施設での電気・空調等設備更新に加え、地方自治体庁舎や学校空調を始めとする公共施設においても当社のCM実績が評価され、新規顧客が増加しております。
その中で、一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2019」に当社がCM業務を行った「市原市防災庁舎建設」「福島県Jヴィレッジ復興再整備」「山崎学園 富士見中学高等学校校舎建替え」「JR新宿駅南口複合施設NEWoMan新築」の4件で「CM選奨」を受賞いたしました。また、当社がCM業務を行った大規模テーマパーク「レゴランドジャパン(愛知県名古屋市)」が、韓国で行われた当事業年度のグローバルCMコンテストで「優秀賞」を受賞いたしました。
当事業年度のCM事業の売上高は、3,058百万円(前期2,934百万円)となりました。
③ CREM事業
大企業向けを中心に、当社の窓口を一本化して顧客保有資産の最適化をサポートするCREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業については、当社技術者集団による透明なプロセス(CM手法)とデジタル活用による情報の可視化やデータベース活用によって、多拠点施設の新築・改修・移転や基幹設備の維持管理支援を行っております。
工事コスト管理や保有資産のデータベース化による資産情報の集中管理、多拠点同時進行プロジェクトを可視化し、進捗状況を効率的に管理するシステム構築などの実績をもとに、複数の商業施設や支店等を保有する大企業、金融機関等から継続して依頼を頂いております。
当事業年度のCREM事業の売上高は995百万円(前期941百万円)となりました。
※1 粗利益は、受注高(または売上高)から社内コスト以外の原価(工事費等)を差し引いたものです。当社の受注高(または売上高)は、顧客との契約形態(ピュアCM方式とアットリスクCM方式 下記図1、2参照)によって金額が大きく変動するため、社内における業績管理は、この粗利益を用いております。
(図1)ピュアCM方式の契約関係(業務委託契約)は次のとおりであります。
当社はマネジメントフィーのみを売上計上します。

(図2) アットリスクCM方式の契約関係(請負契約)は次のとおりであります。
当社は完成工事高(マネジメントフィーを含む)を売上計上します。

・CMの普及への取り組み
CM(発注者支援業務)方式の普及のため、公共団体や民間企業、協会等にて講演会を引続き実施しております。
また、2019年度には、学校法人早稲田大学大学院創造理工学研究科においてCMに関する講座を開設し、CMR(コンストラクション・マネージャー)の育成だけではなく、発注者と共同作業を行うために必要な知識と交渉能力を有する設計者と施工者の育成を目指しております。
・体制強化とデータ活用について
CM(発注者支援業務)の普及に伴い、顧客からの期待と要求水準は益々高くなっています。当社では、建築、設備をはじめとした各専門分野における高いレベルの技術者、プロジェクト・マネージャーを積極的に且つ厳選して採用しております。
また、社内研修や、マネジメントスキル等の向上に向けたカリキュラムを充実させるなど、社員教育にも注力すると同時に、社員が効率的に働けるようテレワークを導入し、ICTを積極的に活用した職場環境改善を常に実施しております。
社員はそのような職場環境の中で、社内に10数年に亘って整理・蓄積された社員一人ひとりの行動分析に関するビックデータをデータ活用推進室の支援を受けて活用し、自らのアクティビティの改善やキャリアビジョン実現に向けた上司との協働などによって、主体的に能力の向上や働き方の改革を図っております。
それらの取組みにより、当社の残業時間(月平均)は毎年着実に減少しております。
このような当社のICTを活用した生産性向上や顧客満足度向上の双方を目的とした取組みについて、一般社団法人日本テレワーク協会主催の第19回テレワーク推進賞において「奨励賞」を受賞し、継続してブランド力向上に向けて、施策構築・実践を重ねております。
・コンプライアンス等について
当社では「明朗経営」と称し、各プロジェクトに関するプロセスや成果等の可視化や、企業業績等に関する情報を可視化し、「隠し事」が出来ない仕組みの構築及び各種法令を遵守するための体制や規程等を整備し、内部統制システムを構築しております。
その中で、社内研修や社内教育コンテンツを展開し、「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」の企業理念を企業風土として定着させ、社員一丸となって行動しております。
また、CSRへの取組みに関する方針を次の通り定めて活動しております。
(CSRへの取組みの概要)
当社では環境CM方針を定め、建築や設備のプロがオフィスやビルの環境負荷の低減、環境に配慮した建築の導入・運用等に関する支援をお客様に対して行い、プロジェクト・マネジメントを通じて、お客様の環境目標達成の実現に貢献し、「地球環境への配慮」をともに実現しております。
また、当社は環境及び近隣地域のCSR団体に加盟し、他の加盟社の活動やボランティア情報を収集し、車椅子の定期的な寄贈等会社として活動する他、社員へ啓蒙を図り、一体となって活動しております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社における生産状況は、施工管理、施工技術、機械力、資金力及び資材調達力等の総合によるものであり、工事内容が多様化しており、また外注に依存している割合が高いことから具体的に表示することが困難であるため、記載を省略しております。
(2)受注実績
当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
オフィス事業1,338,08167.0
CM事業2,365,99776.4
CREM事業1,121,259129.3
合計4,825,33781.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
オフィス事業1,544,71370.5
CM事業3,058,349104.2
CREM事業995,458105.7
合計5,598,52192.3

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度当事業年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
公立大学法人大阪府立大学1,294,24821.31,118,18920.0

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2019年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。
当社経営陣は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、収益の認識、対応する原価の計上、貸倒債権、法人税等、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の財務諸表において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①収益の認識
当社の売上高は、完成工事高については工事完成基準により完成引渡しした時点で、または工事進行基準により工事進捗率で計上、マネジメントサービス料収入についてはサービスの提供が完了した時点で、または工事進行基準によりサービスの進捗率で計上、その他売上高については完成引渡時に顧客から引渡書を受領した時点で計上し、いずれも完了時には顧客から引渡書等の証憑を受領しております。一部顧客側の事情により証憑が発行されないケースがありますが、それに代わる関連する他の書類等を受領し計上しております。
②貸倒引当金
当社は、顧客の支払不能時に発生する将来の損失の見積額について、貸倒引当金を計上することとしております。顧客の経営環境若しくは財務状態が悪化し、支払能力が低下した場合等は、追加引当が必要となる可能性があります。
(2)財政状態の分析
当社の当事業年度の財政状態は、以下の通りであります。
①資産の部
流動資産は、前事業年度末に比べて、7.1%増加し、5,123百万円となりました。これは、完成工事未収入金が121百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて、29.0%増加し、592百万円となりました。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ9.0%増加し、5,715百万円となりました。
②負債の部
流動負債は、前事業年度末に比べて、3.2%減少し、1,528百万円となりました。これは、工事未払金が273百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて、9.6%増加し、532百万円となりました。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ0.1%減少し、2,060百万円となりました。
③純資産の部
純資産合計は、前事業年度末に比べて、14.9%増加し、3,654百万円となりました。これは、繰越利益剰余金が408百万円増加したことなどによります。
(3)経営成績の分析
当社の売上高は顧客との契約形態によって変動するものであり、契約形態は顧客がプロジェクト毎に選択可能であります。当事業年度の売上高は、前事業年度にも増してピュアCM(工事原価を含まないフィーのみの契約型CM)が顧客から選択されたことにより、5,598百万円(前期6,068百万円)と前期に比べ7.7%減少しました。
区分ごとの主な内容は、以下の通りであります。
①売上高
当事業年度の売上高は5,598百万円となりました。
②売上原価
当事業年度の売上原価は3,371百万円であり、完成工事原価が1,495百万円、マネジメントサービス料原価が1,864百万円となり、全体では前期に比べ833百万円減少しました。
③販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,451百万円であり、前期に比べ194百万円増加しました。これは主として、賞与引当金繰入額の増加40百万円であります。
④営業利益
当事業年度の営業利益は774百万円であり、前期に比べ168百万円の増加となりました。
⑤営業外収益(費用)
当事業年度の営業外収益は5百万円であり、主として新株予約権戻入益2百万円であります。
⑥経常利益
当事業年度の経常利益は780百万円であり、前期に比べ169百万円増加しました。
当事業年度の経常利益目標620百万円(実績780百万円)を上回りました。
(4)流動性及び資金の源泉
①キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べ21百万円減少し、2,376百万円となりました。
当事業年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、244百万円となりました(前事業年度は1,032百万円の取得)。
取得の主な内訳は、税引前当期純利益780百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は114百万円となりました(前事業年度は22百万円の支出)。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出50百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、151百万円となりました(前事業年度は124百万円の支出)。
支出の主な内訳は、配当金の支払額151百万円であります。
②資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、顧客の要望に基づきアットリスクCM方式にて対応することになる一時的な資金負担部分であります。当該部分について支払と回収のタイムラグを回避する工夫を行う等、運転資金需要を抑制するようにしております。

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