有価証券報告書-第45期(2024/04/01-2025/03/31)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(経営成績等の状況の概要)
当社は、「フェアネス」「透明性」「顧客側に立つプロ」の企業理念に基づき、建設プロジェクトの発注者である顧客側に立ち、顧客の建築・設備プロジェクトの目標達成を支援しております。
当社メイン事業でありますCM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援事業)業界への影響が大きい中・大規模建設投資、設備投資等の現況は、建設資材価格の高騰や労務費の上昇、人材供給力の不足等による納期等の不透明感など、発注者自身が単独で建設投資を実行することが難しい環境が続いており、高い専門性を持ち個々の建設投資におけるリスクを可視化して発注者の意思決定を支援する、当社CMの社会的役割が一層高まっております。
当社は、日本最大の鉄道会社や数多くの自治体等のプロジェクトで品質・コスト・スケジュールの適正化に加え、プロジェクトの早期立ち上げ支援や高度化した建設プロジェクトにおける発注者の意思決定をきめ細かく支援しております。また、脱炭素化、SDGs関連(環境共生・BCP・長寿命化等)の支援、働き方の可視化や施設の維持保全等に係るDX(デジタルトランスフォーメーション)化についても中央省庁の一部本庁舎を始め多くの実績を重ね、当事業年度も発注者へより高い「CMの価値」を提供しております。
当事業年度における社内で管理する受注粗利益(※1)および売上粗利益(※1)は過去最高となり、当社の企業価値向上において重要となる優秀な人材の確保に繋げる処遇向上と、当社をご支援いただいている株主の皆様に対する還元を連続増配という形で実施できました。
これらの結果、当事業年度の売上高は5,716百万円(前年同期比8.6%増)となりました。売上総利益は3,112百万円(同12.3%増)、営業利益は1,226百万円(同14.8%増)、経常利益は1,230百万円(同14.9%増)、当期純利益は910百万円(同15.1%増)となり、過去最高となりました。
事業のセグメントの業績は次のとおりです。
① オフィス事業
当社CM手法によるオフィス移転・新設・改修等のPM(プロジェクト・マネジメント)サービスは、オフィス移転の可否や働き方改革の構想策定、移転先ビルの選定等といったプロジェクト立ち上げ段階から、引越しに至るまでをワンストップで高度な専門性をもって支援を行っております。大規模開発によるオフィスビルの新築と工事費の高騰が続く中で、難度の高い新築ビル竣工同時入居型の大型移転やラボ施設構築などの設備要件が重視されるプロジェクトにおいて、当社の高い専門性への評価が一層高まっております。また、多くの企業が優秀な人材の獲得に積極的に取り組み、新たな働き方とオフィスの在り方を模索する中で、働き方改革及びDXに自ら取り組む先進企業として当社への関心が高まり、大企業のグループ統合や中央省庁等公共団体の施設における働き方改革支援及び執務環境整備プロジェクトの引き合いが増加しました。
当事業年度のオフィス事業の売上高は、1,134百万円(前年同期比13.0%増)、セグメント利益114百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
② CM事業
地方公共団体庁舎や国立大学を始めとする教育施設等、数多くの公共施設において当社のCMサービスが採用されております。民間企業においては、グローバル企業の国内拠点となる大型研究施設、生産施設をはじめ、私立学校法人の教育施設の再構築や、日本最大の鉄道会社による大規模複合施設や各地方拠点の施設、国内大企業等が保有する施設の電気・空調・衛生設備の新設・更新等様々な分野での実績を重ね、更に既存顧客からも継続的に引き合いを頂いております。また、建設を取り巻く環境変化の中で、当社内の専門技術者による強力な体制によって、建設途中のコスト推移や工程検証等の当社が提供する根拠資料により、発注者の意思決定をきめ細かく支援することでプロジェクトの推進を支援し、これらによって当社CMの社会的役割が一層高まり、大手国内企業等の新規顧客からの引き合いも増加しております。
当事業年度は、国土交通省の「2024年度地方公共団体における入札契約改善に向けたハンズオン支援業務」を公募にて選定され、国土交通省から11年連続での公募選定となりました。その他、多くの地方自治体における施設建設や公共施設マネジメント等に関するプロポーザルに応募し、審査の結果、当社が発注者支援事業者として数多くの公共プロジェクトで選定されました。
また、一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2025」において、当社がCM業務を行った「ジブリパーク整備事業CM業務」が優秀賞、「墨田区新保健施設等複合施設整備事業」と、都内自治体庁舎初の「ZEB Ready」を取得した「中野区新庁舎整備事業」がCM選奨を受賞しました。
当事業年度のCM事業の売上高は、3,250百万円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益839百万円(前年同期比17.0%増)となりました。
③ CREM事業
公共団体や大手企業における大規模な保有資産の最適化をサポートするCREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業は、当社のプロジェクトマネージャーと技術者集団による透明なプロセス(CM手法)と、当社独自のITシステム活用による情報の可視化やデータベース活用によって、多拠点施設同時進行プロジェクトを一元管理し、新築・改修・移転や基幹設備等の最適化更新や、脱炭素化及び環境・省エネ・ライフサイクルコストの最適化等に関するサービスを提供しております。
当事業年度も新規顧客を含む大企業の多拠点改修同時進行プロジェクトや自治体の数多くの公立学校改築計画、金融機関の各施設再編等を中心に、当社が自社開発したシステムMPS(※2)を活用して、個別プロジェクト(拠点)毎の進捗状況を一元化して可視化し、工事コストやスケジュール管理及び保有資産のデータベース化による資産情報の一元管理とそれらのデータを活用することで、顧客におけるプロジェクト管理や多拠点施設の維持保全の効率化を支援しました。発注者支援事業として人手不足の中顧客の多拠点施設整備を効率化する、DXを活用した当社独自の「CMの価値提供」によって社会的なニーズの変化に応え、評価されております。
当事業年度のCREM事業の売上高は、924百万円(前年同期比8.6%増)、セグメント利益201百万円(前年同期比34.3%増)となりました。
④ DX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業
2021年度以来、当社が自社開発し、社内で10年以上の運用実績がある独自システムを活用して、顧客の働き方や施設の維持保全等に係るDX化を推進する「DX支援事業」のサービス提供を行っております。DX化による働き方改革に取り組む企業や団体が増えている中、働く人がシステムによって可視化された自らのアクティビティを定量的に分析し、生産性向上につなげるシステムMeihoAMS(※3)、多拠点施設や設備の新設・改修の同時進行一元管理、維持保全業務のタスク及び顧客が意思決定に必要な関連情報を可視化・一元管理することで、顧客施設管理のDX化を支援するシステムMPSへのニーズが高まっております。最近では、顧客側の人材不足対策に伴う保有施設の維持保全プロセスの効率化等、顧客の視点に基づくMPS機能の充実化を推進し、DX支援事業に多くの引き合いを頂きました。
当事業年度のDX支援事業の売上高は、406百万円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益71百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
また、当社は、2024年4月に、経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定されました。当社における情報処理技術(デジタル)活用の目的と、顧客への価値提供について、「デジタルガバナンス・コード」に対応し、DXによって自らのビジネスを変革する準備と、ステークホルダーへの適切な情報開示等の基準を満たしていることが評価され、認定を取得しました。
・発注者支援事業の将来性と企業価値向上
当社は、CM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援事業)を専業とする唯一の上場企業として、各種法令を遵守するための体制や規程等を整備し、自ら「隠し事」が出来ない独自の経営基盤を構築し、「明朗経営」の下で、日々事業に取り組んでおります。
今後の社会の変化に向けた対応として、顧客の人手不足対策やサステナビリティへの対応等を考慮し、新築から維持保全まで施設のライフサイクル全般への支援、高い専門性に基づく脱炭素化支援、働き方改革や優秀な人材獲得を目的としたオフィス構築支援などDXと一体となったサービスを新たな事業として推進し、発注者支援事業の価値を更に向上させ、企業としての将来性を高めてまいります。
また、CMの価値向上と更なる進化の礎となる人的資本経営を重要な経営マターとして位置づけ、人材の採用・育成、更なる顧客本位のCMサービス提供体制構築、ナレッジ活用の向上、働き方改革等を推進しております。今では「フェアネス」「透明性」「顧客側に立つプロ」の企業理念が企業風土として定着し、社員一人ひとりが顧客に価値を提供することで、自らの成長と達成感を実感し、高い志の下に社員一丸となって行動しております。
優秀な人材の採用と人材育成システムの向上に一層力を入れて取り組み、社員一人ひとりの成長と組織力強化による顧客本位の「明豊のCM」を徹底することで事業の社会性を高め、継続的な企業価値向上を実現してまいります。
※1 社内で管理する粗利益は、顧客との契約金額(受注高・売上高)から、システム開発の一部外部委託等の外注費を控除したものです。当社は、この「粗利益」にて、収益の伸びを社内で管理しております。
※2 MPS(Meiho Project Management System)は、新設プロジェクト管理情報や施設の維持保全に関する情報を可視化・データベース化することで、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全及び「過去からの学び」を目的とする、情報の一元管理システム。
※3 MeihoAMS(Meiho Activity Management System)は、20年以上当社で活用している、個人のアクティビティの可視化・定量化・気づきの確認、そして社員一人ひとり及び全社員の生産性や働き方向上を目的とするマンアワーシステム。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社における生産状況は、施工管理、施工技術、機械力、資金力及び資材調達力等の総合によるものであり、工事内容が多様化しており、また当社自体で生産している割合が低いことから具体的に表示することが困難であるため、記載を省略しております。
(2)受注実績
当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(3)販売実績
当事業年度の販売状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2025年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。
当社経営陣は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、収益の認識、対応する原価の計上、貸倒損失、税効果、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当社の当事業年度の財政状態は、以下の通りであります。
①資産の部
流動資産は、前事業年度末に比べて、452百万円増加し、6,324百万円となりました。これは、契約資産が1,178百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて、251百万円増加し、1,702百万円となりました。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ703百万円増加し、8,027百万円となりました。
②負債の部
流動負債は、前事業年度末に比べて、141百万円増加し、1,605百万円となりました。これは、賞与引当金が164百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて、49百万円増加し、825百万円となりました。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ191百万円増加し、2,430百万円となりました。
③純資産の部
純資産合計は、前事業年度末に比べて、512百万円増加し、5,597百万円となりました。これは、利益剰余金が456百万円増加したことなどによります。
(3)経営成績の分析
当社の当事業年度の経営成績は、建設投資の実行に関する様々な課題の難度が高まる中で、発注者を支援する当社への期待が更に高まり、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高を記録しました。
区分ごとの主な内容は、以下の通りであります。
①売上高
当事業年度の売上高は5,716百万円となりました。
②売上原価
当事業年度の売上原価は2,604百万円であり、前期に比べ109百万円増加しました。
③販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,885百万円であり、前期に比べ182百万円増加しました。これは主として、賞与引当金繰入額の増加60百万円であります。
④営業利益
当事業年度の営業利益は1,226百万円であり、前期に比べ157百万円増加しました。
⑤営業外収益・費用
当事業年度の営業外収益は4百万円であり、主として助成金収入1,580千円であります。営業外費用は564千円であり、主として保険解約損558千円であります。
⑥経常利益
当事業年度の経常利益は1,230百万円であり、前期に比べ159百万円増加しました。
当事業年度の経常利益目標1,200百万円(実績1,230百万円)を上回りました。
(4)流動性及び資金の源泉
①キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べ878百万円減少し、829百万円となりました。
当事業年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、213百万円となりました(前事業年度は738百万円の取得)。
支出の主な内訳は、売上債権及び契約資産の増加1,348百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、212百万円となりました(前事業年度は250百万円の支出)。
支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出120百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、453百万円となりました(前事業年度は379百万円の支出)。
支出の主な内訳は、配当金の支払額453百万円であります。
②資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、DX支援事業関連の設備投資であります。当該部分については自己資金により充当しております。
(経営成績等の状況の概要)
当社は、「フェアネス」「透明性」「顧客側に立つプロ」の企業理念に基づき、建設プロジェクトの発注者である顧客側に立ち、顧客の建築・設備プロジェクトの目標達成を支援しております。
当社メイン事業でありますCM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援事業)業界への影響が大きい中・大規模建設投資、設備投資等の現況は、建設資材価格の高騰や労務費の上昇、人材供給力の不足等による納期等の不透明感など、発注者自身が単独で建設投資を実行することが難しい環境が続いており、高い専門性を持ち個々の建設投資におけるリスクを可視化して発注者の意思決定を支援する、当社CMの社会的役割が一層高まっております。
当社は、日本最大の鉄道会社や数多くの自治体等のプロジェクトで品質・コスト・スケジュールの適正化に加え、プロジェクトの早期立ち上げ支援や高度化した建設プロジェクトにおける発注者の意思決定をきめ細かく支援しております。また、脱炭素化、SDGs関連(環境共生・BCP・長寿命化等)の支援、働き方の可視化や施設の維持保全等に係るDX(デジタルトランスフォーメーション)化についても中央省庁の一部本庁舎を始め多くの実績を重ね、当事業年度も発注者へより高い「CMの価値」を提供しております。
当事業年度における社内で管理する受注粗利益(※1)および売上粗利益(※1)は過去最高となり、当社の企業価値向上において重要となる優秀な人材の確保に繋げる処遇向上と、当社をご支援いただいている株主の皆様に対する還元を連続増配という形で実施できました。
これらの結果、当事業年度の売上高は5,716百万円(前年同期比8.6%増)となりました。売上総利益は3,112百万円(同12.3%増)、営業利益は1,226百万円(同14.8%増)、経常利益は1,230百万円(同14.9%増)、当期純利益は910百万円(同15.1%増)となり、過去最高となりました。
事業のセグメントの業績は次のとおりです。
① オフィス事業
当社CM手法によるオフィス移転・新設・改修等のPM(プロジェクト・マネジメント)サービスは、オフィス移転の可否や働き方改革の構想策定、移転先ビルの選定等といったプロジェクト立ち上げ段階から、引越しに至るまでをワンストップで高度な専門性をもって支援を行っております。大規模開発によるオフィスビルの新築と工事費の高騰が続く中で、難度の高い新築ビル竣工同時入居型の大型移転やラボ施設構築などの設備要件が重視されるプロジェクトにおいて、当社の高い専門性への評価が一層高まっております。また、多くの企業が優秀な人材の獲得に積極的に取り組み、新たな働き方とオフィスの在り方を模索する中で、働き方改革及びDXに自ら取り組む先進企業として当社への関心が高まり、大企業のグループ統合や中央省庁等公共団体の施設における働き方改革支援及び執務環境整備プロジェクトの引き合いが増加しました。
当事業年度のオフィス事業の売上高は、1,134百万円(前年同期比13.0%増)、セグメント利益114百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
② CM事業
地方公共団体庁舎や国立大学を始めとする教育施設等、数多くの公共施設において当社のCMサービスが採用されております。民間企業においては、グローバル企業の国内拠点となる大型研究施設、生産施設をはじめ、私立学校法人の教育施設の再構築や、日本最大の鉄道会社による大規模複合施設や各地方拠点の施設、国内大企業等が保有する施設の電気・空調・衛生設備の新設・更新等様々な分野での実績を重ね、更に既存顧客からも継続的に引き合いを頂いております。また、建設を取り巻く環境変化の中で、当社内の専門技術者による強力な体制によって、建設途中のコスト推移や工程検証等の当社が提供する根拠資料により、発注者の意思決定をきめ細かく支援することでプロジェクトの推進を支援し、これらによって当社CMの社会的役割が一層高まり、大手国内企業等の新規顧客からの引き合いも増加しております。
当事業年度は、国土交通省の「2024年度地方公共団体における入札契約改善に向けたハンズオン支援業務」を公募にて選定され、国土交通省から11年連続での公募選定となりました。その他、多くの地方自治体における施設建設や公共施設マネジメント等に関するプロポーザルに応募し、審査の結果、当社が発注者支援事業者として数多くの公共プロジェクトで選定されました。
また、一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2025」において、当社がCM業務を行った「ジブリパーク整備事業CM業務」が優秀賞、「墨田区新保健施設等複合施設整備事業」と、都内自治体庁舎初の「ZEB Ready」を取得した「中野区新庁舎整備事業」がCM選奨を受賞しました。
当事業年度のCM事業の売上高は、3,250百万円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益839百万円(前年同期比17.0%増)となりました。
③ CREM事業
公共団体や大手企業における大規模な保有資産の最適化をサポートするCREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業は、当社のプロジェクトマネージャーと技術者集団による透明なプロセス(CM手法)と、当社独自のITシステム活用による情報の可視化やデータベース活用によって、多拠点施設同時進行プロジェクトを一元管理し、新築・改修・移転や基幹設備等の最適化更新や、脱炭素化及び環境・省エネ・ライフサイクルコストの最適化等に関するサービスを提供しております。
当事業年度も新規顧客を含む大企業の多拠点改修同時進行プロジェクトや自治体の数多くの公立学校改築計画、金融機関の各施設再編等を中心に、当社が自社開発したシステムMPS(※2)を活用して、個別プロジェクト(拠点)毎の進捗状況を一元化して可視化し、工事コストやスケジュール管理及び保有資産のデータベース化による資産情報の一元管理とそれらのデータを活用することで、顧客におけるプロジェクト管理や多拠点施設の維持保全の効率化を支援しました。発注者支援事業として人手不足の中顧客の多拠点施設整備を効率化する、DXを活用した当社独自の「CMの価値提供」によって社会的なニーズの変化に応え、評価されております。
当事業年度のCREM事業の売上高は、924百万円(前年同期比8.6%増)、セグメント利益201百万円(前年同期比34.3%増)となりました。
④ DX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業
2021年度以来、当社が自社開発し、社内で10年以上の運用実績がある独自システムを活用して、顧客の働き方や施設の維持保全等に係るDX化を推進する「DX支援事業」のサービス提供を行っております。DX化による働き方改革に取り組む企業や団体が増えている中、働く人がシステムによって可視化された自らのアクティビティを定量的に分析し、生産性向上につなげるシステムMeihoAMS(※3)、多拠点施設や設備の新設・改修の同時進行一元管理、維持保全業務のタスク及び顧客が意思決定に必要な関連情報を可視化・一元管理することで、顧客施設管理のDX化を支援するシステムMPSへのニーズが高まっております。最近では、顧客側の人材不足対策に伴う保有施設の維持保全プロセスの効率化等、顧客の視点に基づくMPS機能の充実化を推進し、DX支援事業に多くの引き合いを頂きました。
当事業年度のDX支援事業の売上高は、406百万円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益71百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
また、当社は、2024年4月に、経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定されました。当社における情報処理技術(デジタル)活用の目的と、顧客への価値提供について、「デジタルガバナンス・コード」に対応し、DXによって自らのビジネスを変革する準備と、ステークホルダーへの適切な情報開示等の基準を満たしていることが評価され、認定を取得しました。
・発注者支援事業の将来性と企業価値向上
当社は、CM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援事業)を専業とする唯一の上場企業として、各種法令を遵守するための体制や規程等を整備し、自ら「隠し事」が出来ない独自の経営基盤を構築し、「明朗経営」の下で、日々事業に取り組んでおります。
今後の社会の変化に向けた対応として、顧客の人手不足対策やサステナビリティへの対応等を考慮し、新築から維持保全まで施設のライフサイクル全般への支援、高い専門性に基づく脱炭素化支援、働き方改革や優秀な人材獲得を目的としたオフィス構築支援などDXと一体となったサービスを新たな事業として推進し、発注者支援事業の価値を更に向上させ、企業としての将来性を高めてまいります。
また、CMの価値向上と更なる進化の礎となる人的資本経営を重要な経営マターとして位置づけ、人材の採用・育成、更なる顧客本位のCMサービス提供体制構築、ナレッジ活用の向上、働き方改革等を推進しております。今では「フェアネス」「透明性」「顧客側に立つプロ」の企業理念が企業風土として定着し、社員一人ひとりが顧客に価値を提供することで、自らの成長と達成感を実感し、高い志の下に社員一丸となって行動しております。
優秀な人材の採用と人材育成システムの向上に一層力を入れて取り組み、社員一人ひとりの成長と組織力強化による顧客本位の「明豊のCM」を徹底することで事業の社会性を高め、継続的な企業価値向上を実現してまいります。
※1 社内で管理する粗利益は、顧客との契約金額(受注高・売上高)から、システム開発の一部外部委託等の外注費を控除したものです。当社は、この「粗利益」にて、収益の伸びを社内で管理しております。
※2 MPS(Meiho Project Management System)は、新設プロジェクト管理情報や施設の維持保全に関する情報を可視化・データベース化することで、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全及び「過去からの学び」を目的とする、情報の一元管理システム。
※3 MeihoAMS(Meiho Activity Management System)は、20年以上当社で活用している、個人のアクティビティの可視化・定量化・気づきの確認、そして社員一人ひとり及び全社員の生産性や働き方向上を目的とするマンアワーシステム。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社における生産状況は、施工管理、施工技術、機械力、資金力及び資材調達力等の総合によるものであり、工事内容が多様化しており、また当社自体で生産している割合が低いことから具体的に表示することが困難であるため、記載を省略しております。
(2)受注実績
当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| オフィス事業 | 1,428,539 | 123.3 |
| CM事業 | 2,956,259 | 94.3 |
| CREM事業 | 1,045,056 | 100.8 |
| DX支援事業 | 442,631 | 102.7 |
| 合計 | 5,872,486 | 101.9 |
(3)販売実績
当事業年度の販売状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| オフィス事業 | 1,134,799 | 113.0 |
| CM事業 | 3,250,635 | 106.7 |
| CREM事業 | 924,575 | 108.6 |
| DX支援事業 | 406,842 | 111.9 |
| 合計 | 5,716,853 | 108.6 |
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2025年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。
当社経営陣は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、収益の認識、対応する原価の計上、貸倒損失、税効果、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当社の当事業年度の財政状態は、以下の通りであります。
①資産の部
流動資産は、前事業年度末に比べて、452百万円増加し、6,324百万円となりました。これは、契約資産が1,178百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて、251百万円増加し、1,702百万円となりました。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ703百万円増加し、8,027百万円となりました。
②負債の部
流動負債は、前事業年度末に比べて、141百万円増加し、1,605百万円となりました。これは、賞与引当金が164百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて、49百万円増加し、825百万円となりました。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ191百万円増加し、2,430百万円となりました。
③純資産の部
純資産合計は、前事業年度末に比べて、512百万円増加し、5,597百万円となりました。これは、利益剰余金が456百万円増加したことなどによります。
(3)経営成績の分析
当社の当事業年度の経営成績は、建設投資の実行に関する様々な課題の難度が高まる中で、発注者を支援する当社への期待が更に高まり、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高を記録しました。
区分ごとの主な内容は、以下の通りであります。
①売上高
当事業年度の売上高は5,716百万円となりました。
②売上原価
当事業年度の売上原価は2,604百万円であり、前期に比べ109百万円増加しました。
③販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,885百万円であり、前期に比べ182百万円増加しました。これは主として、賞与引当金繰入額の増加60百万円であります。
④営業利益
当事業年度の営業利益は1,226百万円であり、前期に比べ157百万円増加しました。
⑤営業外収益・費用
当事業年度の営業外収益は4百万円であり、主として助成金収入1,580千円であります。営業外費用は564千円であり、主として保険解約損558千円であります。
⑥経常利益
当事業年度の経常利益は1,230百万円であり、前期に比べ159百万円増加しました。
当事業年度の経常利益目標1,200百万円(実績1,230百万円)を上回りました。
(4)流動性及び資金の源泉
①キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べ878百万円減少し、829百万円となりました。
当事業年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、213百万円となりました(前事業年度は738百万円の取得)。
支出の主な内訳は、売上債権及び契約資産の増加1,348百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、212百万円となりました(前事業年度は250百万円の支出)。
支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出120百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、453百万円となりました(前事業年度は379百万円の支出)。
支出の主な内訳は、配当金の支払額453百万円であります。
②資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、DX支援事業関連の設備投資であります。当該部分については自己資金により充当しております。