有価証券報告書-第35期(令和2年6月1日-令和3年5月31日)
(1) 経営成績の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における業績は、売上高52,324百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益1,246百万円(前年同期比20.4%増)、経常利益1,288百万円(前年同期比25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は426百万円(前年同期比26.2%減)となりました。
売上高につきましては、令和元年10月1日付けで連結子会社化した株式会社メディカルフロント、令和2年3月1日付けで連結子会社化した株式会社ヘルシーワーク、令和2年3月31日付けで取得した株式会社ウィーク及び令和2年4月1日付けで取得した有限会社サン・メディカルが増収に寄与し、令和2年4月の薬価改定の影響や、新型コロナウイルス感染症の影響による処方せん枚数の減少、不採算店舗の閉局・閉店の影響があるものの、前年同期比2.5%の増収となりました。
利益面においても、新たな連結子会社が加わったことに加え、売上原価の抑制効果、販管費のコントロールによる経費削減の効果等を主な要因として、営業利益は前年同期比20.4%増益、経常利益については前年同期比25.9%増益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に法人税等調整額△231百万円を計上していたこと等により前年同期比減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(調剤薬局事業)
当連結会計年度における調剤薬局店舗は8店舗増加、4店舗減少で、当連結会計年度末時点において当社グループが運営する店舗数は298店舗となりました。増加した店舗は、ファーマライズ株式会社の新規開局の東京都2店舗、神奈川県1店舗、大阪府1店舗、沖縄県1店舗、株式会社ヘルシーワークの新規開局の奈良県1店舗、及び、有限会社サン・メディカルの新規取得の千葉県1店舗、新規開局の石川県1店舗であります。
薬局運営面につきましては、選ばれる「かかりつけ薬局」となるために、①地域医療(在宅医療及び施設調剤)の実施、②後発医薬品推進、③患者情報の一元管理や重複投与・飲み合わせ・残薬確認強化の観点から電子お薬手帳「ポケットファーマシー」の利用促進、④24時間対応に向けた取組みを継続しております。また、一般用医薬品や健康食品等のセルフメディケーション関連商品の販売及び健康支援プログラムの推進等を実施するセルフメディケーション・サポート店舗の展開に対する取組みも、継続的に推進しております。
また、薬機法改正の薬剤師による継続的な薬剤使用状況の把握・服薬指導義務の法制化、テレビ電話等による服薬指導の導入についても、当社グループで開発している電子お薬手帳に実装している服薬フォロー機能、オンライン服薬指導アプリのポケットミーティングで対応が可能となっており実績も増えてきております。更に、当社グループでも、地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の認定取得に向け準備を進めるとともに、現行でも注力しております健康サポート薬局においても引き続き対応をしていく予定です。
当連結会計年度における調剤薬局事業の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響による処方せん枚数の減少等の影響もありましたが、新たな事業会社が連結子会社化したこと等もあり、売上高は42,530百万円(前年同期比5.2%増)と増収に、セグメント利益は1,444百万円(前年同期比9.1%増)と増益になりました。
(物販事業)
物販事業の主な内容は、ファーマライズ株式会社によるドラッグストア等の運営事業及び化粧品等販売事業、並びにコンビニエンスストアの運営事業であります。
本事業における当連結会計年度の業績は、売上高は7,963百万円(前年同期比9.7%減)、セグメント損失は42百万円(前年同期はセグメント損失136百万円)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、不採算店舗の閉店や経費削減により、採算の改善が図られてきていることによるものです。
なお、当連結会計年度における調剤を併設しない本セグメントの店舗数は3店舗増加、2店舗減少で、当連結会計年度末時点において当社グループが運営する店舗数は49店舗となりました。
(医学資料保管・管理事業)
医学資料保管・管理事業は、調剤薬局事業の周辺業務として、株式会社寿データバンクが手掛ける紙カルテやレントゲンフィルム等の保管・管理事業であります。現時点では医学資料の保管・管理に対する需要は継続的に発生しておりますが、保管年数の短縮化等、経費削減の動きが徐々に発生してきており、新規需要の獲得に向け積極的な営業活動を展開しております。
このような環境下、当連結会計年度における業績は、売上高は622百万円(前年同期比6.8%減)、セグメント利益は64百万円(前年同期比11.7%減)となりました。
(医療モール経営事業)
医療モール経営事業は、ファーマライズ株式会社がJR札幌駅内の「JRタワーオフィスプラザさっぽろ」で運営している医療モールに係る事業です。
医療モール経営事業における当連結会計年度の業績は、売上高は491百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益は60百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
(その他)
その他の事業の主な内容は、①株式会社ミュートスで行っている製薬企業等向けのシステムインテグレーション事業等、②株式会社メディカルフロントで行っている医療関連ITソリューション事業等、③株式会社レイケアセンターによる人材派遣事業、④株式会社ウィークによる有料職業紹介事業並びに製薬企業向けプロモーション資材の企画販売事業等であります。
その他の事業における当連結会計年度の業績は、売上高は716百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は40百万円(前年同期はセグメント損失6百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は10,546万円となり、前連結会計年度末残高10,676百万円に対し、130百万円減少しました。この主な要因は、現金及び預金が前連結会計年度末残高4,472百万円に対し132百万円増加の4,604百万円となった一方で、売上債権等(「売掛金」と「未収入金」の合計額)が前連結会計年度末残高3,334百万円に対し238百万円減少の3,096百万円となったことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は14,175百万円となり、前連結会計年度末残高14,524百万円に対し、349百万円減少しました。この主な要因は、差入保証金が前連結会計年度末残高1,416百万円に対し294百万円増加の1,710百万円となった一方で、のれんが前連結会計年度末残高4,697百万円に対し672百万円減少の4,025百万円となったことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は9,392百万円となり、前連結会計年度末残高10,036百万円に対し、643百万円減少しました。この主な要因は、未払法人税等が前連結会計年度末残高324百万円に対し248百万円増加の573百万円となった一方で、買掛金が前連結会計年度末残高5,192百万円に対し582百万円減少の4,609百万円となり、また、1年内償還予定の社債及び1年内返済予定の長期借入金の合計額が前連結会計年度末残高2,809百万円に対し243百万円減少の2,565百万円となったことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は9,000百万円となり、前連結会計年度末残高9,223百万円に対し、223百万円減少しました。この主な要因は、リース債務が前連結会計年度末残高587百万円に対し141百万円減少の446百万円となったことと、長期借入金が前連結会計年度末残高6,037百万円に対し86百万円減少の5,950百万円となったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は6,331百万円となり、前連結会計年度末残高5,946百万円に対し、385百万円増加しました。この主な要因は、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,604百万円(前年同期比140百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、1,945百万円(前年同期比373百万円増加)となりました。この主な要因は、仕入債務が582百万円減少し、法人税等の支払額が609百万円となった一方で、税金等調整前当期純利益を1,202百万円、減価償却費を606百万円、のれん償却額を738百万円計上し、売上債権が365百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,076百万円(前年同期比342百万円増加)となりました。この主な要因は、差入保証金の回収による収入が68百万円となった一方で、新規開局等に伴う有形固定資産の取得による支出が508百万円、差入保証金の差入による支出が373百万円、長期前払費用の取得による支出が126百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、728百万円(前年同期比38百万円減少)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入が2,500百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が2,729百万円、社債の償還による支出が128百万円、リース債務の返済による支出が281百万円、配当金の支払額が129百万円となったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに記載しますと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
(1) 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに記載しますと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 当連結会計年度の調剤薬局事業における地区別の店舗数及び販売実績は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 調剤実績
当連結会計年度における処方せん応需実績は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主な活動領域である調剤薬局事業におきましては、隔年で実施される調剤報酬・薬価改定(薬価については令和元年より毎年改定)が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国民医療費抑制の方針から、調剤報酬・薬価自体は今後も全体としては実質引き下げ方向での改定が予想されます。
近年の改定は、在宅医療の充実や後発医薬品の使用促進の方針を今まで以上に明確に反映しており、地域包括ケアシステムの構築や国民医療費抑制といった国の方針に、より沿った内容となっております。また、平成28年4月に実施された調剤報酬改定はこれまでの流れに沿い、かつ平成27年10月発表の「患者のための薬局ビジョン」が反映され、「かかりつけ薬剤師・薬局化」を促すものとなっております。そして、平成30年4月に実施された調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師の評価、後発医薬品の使用促進、薬局の評価の見直し等が、また、令和2年4月においても調剤基本料、地域支援体制加算、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料等の改定が行われ、その影響は大変厳しいものとなっていると考えておりますが、これらの改定への対応如何では収益力の低下を抑え、更には競争力の強化に繋げることも可能であると考えております。
当社グループは、従来から、地域医療への貢献を経営方針に掲げ在宅医療や施設調剤を積極的に推進し、また、後発医薬品につきましても、推奨ジェネリック医薬品(後発医薬品)を選定し、安全と効果の検証を前提にした推進を加速させてまいりました。加えて「かかりつけ薬剤師・薬局化」を積極的に取り組むことにより、これからも、医療制度改革の動向や事業環境の変化にいち早く対応し、高水準の医療サービスを提供することで、地域医療への更なる貢献を果たしてまいります。
このうち、地域医療や施設調剤の事業拡大については、在宅施設運営会社への法人営業の強化を進めており、売上高、処方せん枚数についても安定的な獲得がなされており、売上高、処方せん枚数ともに前期比増となっております。
なお、後発医薬品の使用促進について、平成29年6月の閣議決定において、「2020年(平成32年)9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」と定められました。当社としては、令和元年5月期時点で後発医薬品の数量シェア80%は達成しており、令和3年5月末現在で後発医薬品体制加算3を算定する店舗が184店舗と計画を上回って推移したこともあり、令和3年5月期末時点においては83.5%と更に数字を伸ばしております。
この結果、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症等の影響による処方せん枚数の減少はみられるものの、こうした着実な技術料の獲得等もあり、売上高、営業利益ともに前年比増を達成することができました。
また、「第2 事業の状況2事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウィルス感染症が終息せず長期化する場合、調剤薬局事業において、医療機関の受診抑制及び患者による医療機関受診回避による処方箋日数の長期化により、処方箋枚数が減少する等の状況が継続することになり、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。また、物販事業においては、在宅勤務の広がりや企業活動の自粛等の影響により、都心部等において店舗利用者が減少し、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、オンラインでの診療や服薬指導に対する需要の高まりを受け、急速に普及する可能性がある遠隔服薬指導の特区における取り組みや、令和2年4月10日に厚生労働省からの事務連絡で示された「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」への対応(0410対応)等を行ってまいりましたが、引き続き、グループ全体での体制整備を進めてまいります。
④ 経営戦略の現状と見直し
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」において記載のとおり、平成30年11月8日に「中期経営計画SFG(Steps for Future Growth)2021 ~成長を目指した経営基盤の構築」を公表しました。
本中期経営計画に基づき、当社では今後予想される厳しい経営環境変化の中でも、適正な利益水準を確保しながら力強く成長を継続する経営基盤を構築していくために、調剤薬局事業における競争力の強化及び新規出店並びにM&Aの加速、物販事業の拡大及び収益性の向上、及び業務手法とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善を推進しており、最終年度となる令和4年(2022年)5月期に営業利益15億円を目指しております。
これに関連し、規模の拡大においては、当社グループではこれまでも取り組んできたドミナントでの新規出店、M&Aを続けており、当連結会計年度は、関東エリアに調剤3店舗、コンビニ併設ドラッグストア2店舗、北陸エリアに調剤1店舗、東海エリアに鍼灸・マッサージ院1店舗、関西エリアに調剤2店舗の新規出店、関東エリアに1店舗のM&Aを行ってまいりました。閉店した店舗もありますので、結果として、連結合計で調剤薬局店舗は298店舗、非調剤店舗は49店舗、グループ合計としては347店舗となりましたが、今後とも店舗開発力の強化による収益性の高い新規出店とM&Aを積極的に取り組んでまいります。
また、令和元年12月4日には、5年ぶりとなる「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の改正があり、薬剤師による継続的な薬剤使用状況の把握・服薬指導義務の法制化、テレビ電話等による服薬指導の導入、添付文書の電子的提供の原則化、地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の導入等が行われました。
中でも、薬剤師による継続的な薬剤使用状況の把握・服薬指導義務の法制化、テレビ電話等による服薬指導の導入については、当社で開発している電子お薬手帳に実装している服薬フォロー機能、オンライン服薬指導アプリのポケットミーティングで対応が可能となっております。
更に、「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、患者が自身に適した薬局を選択できるよう、特定の機能を有する薬局として、「地域連携薬局」及び、「専門医療機関連携薬局」の認定を行うことが示されております。これにより、患者が地域で様々な療養環境(外来、入院、在宅施設、介護施設など)を移行する場合や、複数の疾患を有し、多剤を服用している場合にも、自身に適した安全かつ有効な薬物療法を切れ目なく受けられることが期待されております。そして、現行の「健康サポート薬局」については、引き続き推進することとなっております。
これを受け、当社グループでも地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の認定取得に向け準備を進めております。具体的には、専門医療機関連携薬局については、大学病院での社外研修を実施しており、これにより社内薬剤師の専門性の強化、専門医療機関との連携強化が図れると考えております。
そして、中期経営計画における「業務手法とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善」については、利益構造、効率、オペレーション、制度の大きく4つの分野で改革を行っております。当社グループでは、令和元年1月より各々の分野について12のプロジェクトチームを結成し、抜本的な改革を推進しております。特に大きな取り組みとして、ITシステムの変更による効率改革、これに伴う業務フローの見直し、現金管理、医療用医薬品の自動発注などのオペレーションの改革、人事制度や組織設計の見直しによる制度の改革を推進しております。
すでに、当連結会計年度よりこれらの施策の効果が出てきており、当期の営業利益改善に寄与するとともに、翌期の出店戦略等含め、調剤事業、物販事業を中心に更なる躍進を図る計画であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フロー
当連結会計年度における状況については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b. 資金の需要
当社の運転資金需要の主なものは、調剤のための医療用医薬品仕入、物販のための商品仕入のほか、店舗運営の製造経費、全社に係る販売費及び一般管理費によるものであります。
なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入金により資金調達することとしております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における業績は、売上高52,324百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益1,246百万円(前年同期比20.4%増)、経常利益1,288百万円(前年同期比25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は426百万円(前年同期比26.2%減)となりました。
売上高につきましては、令和元年10月1日付けで連結子会社化した株式会社メディカルフロント、令和2年3月1日付けで連結子会社化した株式会社ヘルシーワーク、令和2年3月31日付けで取得した株式会社ウィーク及び令和2年4月1日付けで取得した有限会社サン・メディカルが増収に寄与し、令和2年4月の薬価改定の影響や、新型コロナウイルス感染症の影響による処方せん枚数の減少、不採算店舗の閉局・閉店の影響があるものの、前年同期比2.5%の増収となりました。
利益面においても、新たな連結子会社が加わったことに加え、売上原価の抑制効果、販管費のコントロールによる経費削減の効果等を主な要因として、営業利益は前年同期比20.4%増益、経常利益については前年同期比25.9%増益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に法人税等調整額△231百万円を計上していたこと等により前年同期比減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(調剤薬局事業)
当連結会計年度における調剤薬局店舗は8店舗増加、4店舗減少で、当連結会計年度末時点において当社グループが運営する店舗数は298店舗となりました。増加した店舗は、ファーマライズ株式会社の新規開局の東京都2店舗、神奈川県1店舗、大阪府1店舗、沖縄県1店舗、株式会社ヘルシーワークの新規開局の奈良県1店舗、及び、有限会社サン・メディカルの新規取得の千葉県1店舗、新規開局の石川県1店舗であります。
薬局運営面につきましては、選ばれる「かかりつけ薬局」となるために、①地域医療(在宅医療及び施設調剤)の実施、②後発医薬品推進、③患者情報の一元管理や重複投与・飲み合わせ・残薬確認強化の観点から電子お薬手帳「ポケットファーマシー」の利用促進、④24時間対応に向けた取組みを継続しております。また、一般用医薬品や健康食品等のセルフメディケーション関連商品の販売及び健康支援プログラムの推進等を実施するセルフメディケーション・サポート店舗の展開に対する取組みも、継続的に推進しております。
また、薬機法改正の薬剤師による継続的な薬剤使用状況の把握・服薬指導義務の法制化、テレビ電話等による服薬指導の導入についても、当社グループで開発している電子お薬手帳に実装している服薬フォロー機能、オンライン服薬指導アプリのポケットミーティングで対応が可能となっており実績も増えてきております。更に、当社グループでも、地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の認定取得に向け準備を進めるとともに、現行でも注力しております健康サポート薬局においても引き続き対応をしていく予定です。
当連結会計年度における調剤薬局事業の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響による処方せん枚数の減少等の影響もありましたが、新たな事業会社が連結子会社化したこと等もあり、売上高は42,530百万円(前年同期比5.2%増)と増収に、セグメント利益は1,444百万円(前年同期比9.1%増)と増益になりました。
(物販事業)
物販事業の主な内容は、ファーマライズ株式会社によるドラッグストア等の運営事業及び化粧品等販売事業、並びにコンビニエンスストアの運営事業であります。
本事業における当連結会計年度の業績は、売上高は7,963百万円(前年同期比9.7%減)、セグメント損失は42百万円(前年同期はセグメント損失136百万円)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、不採算店舗の閉店や経費削減により、採算の改善が図られてきていることによるものです。
なお、当連結会計年度における調剤を併設しない本セグメントの店舗数は3店舗増加、2店舗減少で、当連結会計年度末時点において当社グループが運営する店舗数は49店舗となりました。
(医学資料保管・管理事業)
医学資料保管・管理事業は、調剤薬局事業の周辺業務として、株式会社寿データバンクが手掛ける紙カルテやレントゲンフィルム等の保管・管理事業であります。現時点では医学資料の保管・管理に対する需要は継続的に発生しておりますが、保管年数の短縮化等、経費削減の動きが徐々に発生してきており、新規需要の獲得に向け積極的な営業活動を展開しております。
このような環境下、当連結会計年度における業績は、売上高は622百万円(前年同期比6.8%減)、セグメント利益は64百万円(前年同期比11.7%減)となりました。
(医療モール経営事業)
医療モール経営事業は、ファーマライズ株式会社がJR札幌駅内の「JRタワーオフィスプラザさっぽろ」で運営している医療モールに係る事業です。
医療モール経営事業における当連結会計年度の業績は、売上高は491百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益は60百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
(その他)
その他の事業の主な内容は、①株式会社ミュートスで行っている製薬企業等向けのシステムインテグレーション事業等、②株式会社メディカルフロントで行っている医療関連ITソリューション事業等、③株式会社レイケアセンターによる人材派遣事業、④株式会社ウィークによる有料職業紹介事業並びに製薬企業向けプロモーション資材の企画販売事業等であります。
その他の事業における当連結会計年度の業績は、売上高は716百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は40百万円(前年同期はセグメント損失6百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は10,546万円となり、前連結会計年度末残高10,676百万円に対し、130百万円減少しました。この主な要因は、現金及び預金が前連結会計年度末残高4,472百万円に対し132百万円増加の4,604百万円となった一方で、売上債権等(「売掛金」と「未収入金」の合計額)が前連結会計年度末残高3,334百万円に対し238百万円減少の3,096百万円となったことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は14,175百万円となり、前連結会計年度末残高14,524百万円に対し、349百万円減少しました。この主な要因は、差入保証金が前連結会計年度末残高1,416百万円に対し294百万円増加の1,710百万円となった一方で、のれんが前連結会計年度末残高4,697百万円に対し672百万円減少の4,025百万円となったことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は9,392百万円となり、前連結会計年度末残高10,036百万円に対し、643百万円減少しました。この主な要因は、未払法人税等が前連結会計年度末残高324百万円に対し248百万円増加の573百万円となった一方で、買掛金が前連結会計年度末残高5,192百万円に対し582百万円減少の4,609百万円となり、また、1年内償還予定の社債及び1年内返済予定の長期借入金の合計額が前連結会計年度末残高2,809百万円に対し243百万円減少の2,565百万円となったことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は9,000百万円となり、前連結会計年度末残高9,223百万円に対し、223百万円減少しました。この主な要因は、リース債務が前連結会計年度末残高587百万円に対し141百万円減少の446百万円となったことと、長期借入金が前連結会計年度末残高6,037百万円に対し86百万円減少の5,950百万円となったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は6,331百万円となり、前連結会計年度末残高5,946百万円に対し、385百万円増加しました。この主な要因は、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,604百万円(前年同期比140百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、1,945百万円(前年同期比373百万円増加)となりました。この主な要因は、仕入債務が582百万円減少し、法人税等の支払額が609百万円となった一方で、税金等調整前当期純利益を1,202百万円、減価償却費を606百万円、のれん償却額を738百万円計上し、売上債権が365百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,076百万円(前年同期比342百万円増加)となりました。この主な要因は、差入保証金の回収による収入が68百万円となった一方で、新規開局等に伴う有形固定資産の取得による支出が508百万円、差入保証金の差入による支出が373百万円、長期前払費用の取得による支出が126百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、728百万円(前年同期比38百万円減少)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入が2,500百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が2,729百万円、社債の償還による支出が128百万円、リース債務の返済による支出が281百万円、配当金の支払額が129百万円となったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに記載しますと、次のとおりであります。
| 区 分 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前年同期比(%) |
| 調剤薬局事業 | 25,445 | 25,631 | 100.7 |
| 物販事業 | 6,215 | 5,334 | 85.8 |
| 医学資料保管・管理事業 | ― | ― | ― |
| 医療モール経営事業 | ― | ― | ― |
| その他 | 47 | ― | ― |
| 合 計 | 31,708 | 30,966 | 97.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
(1) 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに記載しますと、次のとおりであります。
| 区 分 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前年同期比(%) | ||
| 調剤薬局事業 | 薬剤に係る収入 | 個々の器官系用医薬品 | 11,187 | 11,439 | 102.3 |
| 神経系及び感覚器官系用医薬品 | 5,890 | 5,893 | 100.1 | ||
| 代謝性医薬品 | 7,855 | 8,566 | 109.0 | ||
| その他 | 5,477 | 5,765 | 105.3 | ||
| 小 計 | 30,410 | 31,664 | 104.1 | ||
| 調剤技術に係る収入 | 調剤技術料等 | 9,287 | 10,118 | 108.9 | |
| 一般薬等売上 | 719 | 748 | 104.0 | ||
| 小 計 | 40,417 | 42,530 | 105.2 | ||
| 物販事業 | 8,816 | 7,963 | 90.3 | ||
| 医学資料保管・管理事業 | 667 | 622 | 93.2 | ||
| 医療モール経営事業 | 505 | 491 | 97.2 | ||
| その他 | 623 | 716 | 114.8 | ||
| 合 計 | 51,030 | 52,324 | 102.5 | ||
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 当連結会計年度の調剤薬局事業における地区別の店舗数及び販売実績は、次のとおりであります。
| 地 区 別 | 店舗数 | 前年比増減 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前年同期比(%) |
| 北海道 | 45 | △2 | 7,369 | 7,170 | 97.3 |
| 宮城県 | 10 | ― | 1,373 | 1,290 | 94.0 |
| 秋田県 | 2 | ― | 278 | 263 | 94.5 |
| 山形県 | 1 | ― | 73 | 66 | 89.5 |
| 福島県 | 11 | ― | 1,656 | 1,596 | 96.4 |
| 茨城県 | 3 | ― | 472 | 475 | 100.8 |
| 栃木県 | 1 | ― | 856 | 841 | 98.3 |
| 群馬県 | 7 | ― | 1,015 | 949 | 93.4 |
| 埼玉県 | 7 | ― | 1,421 | 1,278 | 89.9 |
| 千葉県 | 6 | 1 | 367 | 486 | 132.3 |
| 東京都 | 32 | 2 | 3,984 | 3,719 | 93.4 |
| 神奈川県 | 8 | ― | 836 | 1,174 | 140.4 |
| 新潟県 | 15 | ― | 2,001 | 2,034 | 101.6 |
| 富山県 | 4 | ― | 828 | 855 | 103.3 |
| 石川県 | 6 | ― | 1,054 | 999 | 94.7 |
| 福井県 | 7 | ― | 661 | 629 | 95.2 |
| 山梨県 | 1 | ― | 59 | 51 | 85.9 |
| 岐阜県 | 2 | ― | 263 | 236 | 90.0 |
| 静岡県 | 13 | ― | 3,021 | 2,969 | 98.3 |
| 愛知県 | 13 | ― | 2,702 | 2,606 | 96.4 |
| 三重県 | 9 | ― | 1,673 | 1,667 | 99.6 |
| 滋賀県 | 3 | ― | 393 | 339 | 86.3 |
| 京都府 | 8 | ― | 1,253 | 1,231 | 98.3 |
| 大阪府 | 46 | 1 | 3,183 | 5,260 | 165.2 |
| 兵庫県 | 17 | ― | 2,040 | 2,151 | 105.5 |
| 奈良県 | 4 | 1 | ― | 391 | ― |
| 和歌山県 | 4 | ― | 221 | 455 | 206.0 |
| 長崎県 | 6 | ― | 484 | 421 | 87.0 |
| 宮崎県 | 1 | ― | 252 | 248 | 98.5 |
| 沖縄県 | 6 | 1 | 613 | 665 | 108.5 |
| 合 計 | 298 | 4 | 40,417 | 42,530 | 105.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 調剤実績
当連結会計年度における処方せん応需実績は、次のとおりであります。
| 地 区 別 | 前連結会計年度 (千枚) | 当連結会計年度 (千枚) | 構成比(%) | 前年同期比(%) |
| 北海道 | 698 | 656 | 16.3 | 94.0 |
| 宮城県 | 116 | 103 | 2.6 | 88.5 |
| 秋田県 | 25 | 23 | 0.6 | 93.0 |
| 山形県 | 5 | 5 | 0.1 | 100.1 |
| 福島県 | 147 | 131 | 3.3 | 89.2 |
| 茨城県 | 75 | 74 | 1.9 | 99.5 |
| 栃木県 | 42 | 41 | 1.0 | 98.8 |
| 群馬県 | 78 | 71 | 1.8 | 90.6 |
| 埼玉県 | 153 | 139 | 3.5 | 90.7 |
| 千葉県 | 46 | 65 | 1.6 | 141.1 |
| 東京都 | 420 | 378 | 9.4 | 90.1 |
| 神奈川県 | 53 | 79 | 2.0 | 147.5 |
| 新潟県 | 193 | 188 | 4.7 | 97.5 |
| 富山県 | 69 | 67 | 1.7 | 96.7 |
| 石川県 | 90 | 88 | 2.2 | 97.8 |
| 福井県 | 83 | 78 | 1.9 | 94.3 |
| 山梨県 | 8 | 6 | 0.2 | 81.5 |
| 岐阜県 | 25 | 24 | 0.6 | 93.2 |
| 静岡県 | 227 | 221 | 5.5 | 97.1 |
| 愛知県 | 241 | 240 | 6.0 | 99.5 |
| 三重県 | 120 | 114 | 2.8 | 94.8 |
| 滋賀県 | 38 | 31 | 0.8 | 81.5 |
| 京都府 | 113 | 107 | 2.7 | 95.1 |
| 大阪府 | 303 | 572 | 14.2 | 188.5 |
| 兵庫県 | 221 | 228 | 5.7 | 103.5 |
| 奈良県 | ― | 72 | 1.8 | ― |
| 和歌山県 | 20 | 50 | 1.3 | 254.0 |
| 宮崎県 | 6 | 6 | 0.2 | 95.2 |
| 長崎県 | 73 | 64 | 1.6 | 88.0 |
| 沖縄県 | 93 | 91 | 2.3 | 97.2 |
| 合 計 | 3,795 | 4,026 | 100.0 | 106.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主な活動領域である調剤薬局事業におきましては、隔年で実施される調剤報酬・薬価改定(薬価については令和元年より毎年改定)が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国民医療費抑制の方針から、調剤報酬・薬価自体は今後も全体としては実質引き下げ方向での改定が予想されます。
近年の改定は、在宅医療の充実や後発医薬品の使用促進の方針を今まで以上に明確に反映しており、地域包括ケアシステムの構築や国民医療費抑制といった国の方針に、より沿った内容となっております。また、平成28年4月に実施された調剤報酬改定はこれまでの流れに沿い、かつ平成27年10月発表の「患者のための薬局ビジョン」が反映され、「かかりつけ薬剤師・薬局化」を促すものとなっております。そして、平成30年4月に実施された調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師の評価、後発医薬品の使用促進、薬局の評価の見直し等が、また、令和2年4月においても調剤基本料、地域支援体制加算、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料等の改定が行われ、その影響は大変厳しいものとなっていると考えておりますが、これらの改定への対応如何では収益力の低下を抑え、更には競争力の強化に繋げることも可能であると考えております。
当社グループは、従来から、地域医療への貢献を経営方針に掲げ在宅医療や施設調剤を積極的に推進し、また、後発医薬品につきましても、推奨ジェネリック医薬品(後発医薬品)を選定し、安全と効果の検証を前提にした推進を加速させてまいりました。加えて「かかりつけ薬剤師・薬局化」を積極的に取り組むことにより、これからも、医療制度改革の動向や事業環境の変化にいち早く対応し、高水準の医療サービスを提供することで、地域医療への更なる貢献を果たしてまいります。
このうち、地域医療や施設調剤の事業拡大については、在宅施設運営会社への法人営業の強化を進めており、売上高、処方せん枚数についても安定的な獲得がなされており、売上高、処方せん枚数ともに前期比増となっております。
なお、後発医薬品の使用促進について、平成29年6月の閣議決定において、「2020年(平成32年)9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」と定められました。当社としては、令和元年5月期時点で後発医薬品の数量シェア80%は達成しており、令和3年5月末現在で後発医薬品体制加算3を算定する店舗が184店舗と計画を上回って推移したこともあり、令和3年5月期末時点においては83.5%と更に数字を伸ばしております。
この結果、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症等の影響による処方せん枚数の減少はみられるものの、こうした着実な技術料の獲得等もあり、売上高、営業利益ともに前年比増を達成することができました。
また、「第2 事業の状況2事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウィルス感染症が終息せず長期化する場合、調剤薬局事業において、医療機関の受診抑制及び患者による医療機関受診回避による処方箋日数の長期化により、処方箋枚数が減少する等の状況が継続することになり、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。また、物販事業においては、在宅勤務の広がりや企業活動の自粛等の影響により、都心部等において店舗利用者が減少し、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、オンラインでの診療や服薬指導に対する需要の高まりを受け、急速に普及する可能性がある遠隔服薬指導の特区における取り組みや、令和2年4月10日に厚生労働省からの事務連絡で示された「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」への対応(0410対応)等を行ってまいりましたが、引き続き、グループ全体での体制整備を進めてまいります。
④ 経営戦略の現状と見直し
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」において記載のとおり、平成30年11月8日に「中期経営計画SFG(Steps for Future Growth)2021 ~成長を目指した経営基盤の構築」を公表しました。
本中期経営計画に基づき、当社では今後予想される厳しい経営環境変化の中でも、適正な利益水準を確保しながら力強く成長を継続する経営基盤を構築していくために、調剤薬局事業における競争力の強化及び新規出店並びにM&Aの加速、物販事業の拡大及び収益性の向上、及び業務手法とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善を推進しており、最終年度となる令和4年(2022年)5月期に営業利益15億円を目指しております。
これに関連し、規模の拡大においては、当社グループではこれまでも取り組んできたドミナントでの新規出店、M&Aを続けており、当連結会計年度は、関東エリアに調剤3店舗、コンビニ併設ドラッグストア2店舗、北陸エリアに調剤1店舗、東海エリアに鍼灸・マッサージ院1店舗、関西エリアに調剤2店舗の新規出店、関東エリアに1店舗のM&Aを行ってまいりました。閉店した店舗もありますので、結果として、連結合計で調剤薬局店舗は298店舗、非調剤店舗は49店舗、グループ合計としては347店舗となりましたが、今後とも店舗開発力の強化による収益性の高い新規出店とM&Aを積極的に取り組んでまいります。
また、令和元年12月4日には、5年ぶりとなる「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の改正があり、薬剤師による継続的な薬剤使用状況の把握・服薬指導義務の法制化、テレビ電話等による服薬指導の導入、添付文書の電子的提供の原則化、地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の導入等が行われました。
中でも、薬剤師による継続的な薬剤使用状況の把握・服薬指導義務の法制化、テレビ電話等による服薬指導の導入については、当社で開発している電子お薬手帳に実装している服薬フォロー機能、オンライン服薬指導アプリのポケットミーティングで対応が可能となっております。
更に、「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、患者が自身に適した薬局を選択できるよう、特定の機能を有する薬局として、「地域連携薬局」及び、「専門医療機関連携薬局」の認定を行うことが示されております。これにより、患者が地域で様々な療養環境(外来、入院、在宅施設、介護施設など)を移行する場合や、複数の疾患を有し、多剤を服用している場合にも、自身に適した安全かつ有効な薬物療法を切れ目なく受けられることが期待されております。そして、現行の「健康サポート薬局」については、引き続き推進することとなっております。
これを受け、当社グループでも地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の認定取得に向け準備を進めております。具体的には、専門医療機関連携薬局については、大学病院での社外研修を実施しており、これにより社内薬剤師の専門性の強化、専門医療機関との連携強化が図れると考えております。
そして、中期経営計画における「業務手法とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善」については、利益構造、効率、オペレーション、制度の大きく4つの分野で改革を行っております。当社グループでは、令和元年1月より各々の分野について12のプロジェクトチームを結成し、抜本的な改革を推進しております。特に大きな取り組みとして、ITシステムの変更による効率改革、これに伴う業務フローの見直し、現金管理、医療用医薬品の自動発注などのオペレーションの改革、人事制度や組織設計の見直しによる制度の改革を推進しております。
すでに、当連結会計年度よりこれらの施策の効果が出てきており、当期の営業利益改善に寄与するとともに、翌期の出店戦略等含め、調剤事業、物販事業を中心に更なる躍進を図る計画であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フロー
当連結会計年度における状況については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b. 資金の需要
当社の運転資金需要の主なものは、調剤のための医療用医薬品仕入、物販のための商品仕入のほか、店舗運営の製造経費、全社に係る販売費及び一般管理費によるものであります。
なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入金により資金調達することとしております。