有価証券報告書-第51期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社賃貸・割賦事業の契約実行高は前期比0.3%増、成約高は同4.6%増となりました。前期にWindows10の入替需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加や大型のベンダーファイナンス案件の獲得等があったものの、当期はコロナ禍におけるGIGAスクール案件やテレワーク対応の需要等を着実に取り込んだことに加え、米国のNEC Financial Services, LLCを連結子会社化したことなどが奏功し、契約実行高、成約高共に前期比増加となりました。
ファイナンス事業においては、主に短期の貸付である個別ファクタリングの減少により、契約実行高、成約高共に前期を下回る結果となりました。これは主に、顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことや、大型案件の減少によるものであります。
リサ事業においては、前期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却等を計上したことにより、売上高、営業利益共に前期を下回る結果となりました。また、当期においては不動産ビジネス等の先行費用を計上したこと等により、第3四半期連結累計期間では営業損失となっておりましたが、第4四半期において不動産の売却収益等を計上したことから年間の営業利益はプラスに転じております。
その他の事業においては、前期に大型の案件を計上したことから売上高は減少しているものの、当期に高収益の売却案件を計上したことや、ヘルスケアの賃料収入、及び太陽光売電売上の増加等により、売上総利益、営業利益共に前期を上回りました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,212億55百万円(前期比0.2%増)、営業利益59億65百万円(同28.1%減)、経常利益60億89百万円(同33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益41億18百万円(同19.5%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a. 賃貸・割賦事業
賃貸・割賦事業の売上高は、前期比10.1%増の1,925億73百万円となり、営業利益は売上高の増加等により、前期比7億17百万円増加し35億57百万円となりました。
b. ファイナンス事業
ファイナンス事業の売上高は、金利収益の減少等により前期比9.2%減の66億17百万円となり、営業利益は貸倒引当金繰入額の計上等により、前期比4億28百万円減少し26億77百万円となりました。
c. リサ事業
リサ事業の売上高は、前期にファンドによる大型の営業投資有価証券の売却や販売用不動産の売却があったことから、前期比57.9%減の68億1百万円となり、営業利益は売上高の減少等により、前期比30億90百万円減少し9億55百万円となりました。
d. その他の事業
その他の事業の売上高は、前期に大型の賃貸資産の売却があったこと等により、前期比31.8%減の153億12百万円となり、営業損益は当期に高収益の賃貸資産の売却があったことなどから、前期比5億28百万円改善し3億97百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて601億42百万円増加し、1兆576億53百万円となりました。主な要因としては、営業貸付金が117億92百万円減少したものの、リース債権及びリース投資資産が464億66百万円、営業投資有価証券が93億67百万円、販売用不動産が67億33百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて515億6百万円増加し、9,437億68百万円となりました。主な要因としては、コマーシャル・ペーパーが60億円減少したものの、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が324億62百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が100億円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて86億36百万円増加し、1,138億85百万円となりました。主な要因としては、非支配株主持分が57億91百万円、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により28億29百万円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。なお、金融環境の変化に対応した財務戦略を実施した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は390億32百万円となりました。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン等契約の当連結会計年度末時点における未使用総額は2,974億69百万円となっております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、388億28百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は287億65百万円(前期は699億2百万円の支出)となりました。これは主にリース債権及びリース投資資産の増加額348億円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は67億4百万円(前期は35億29百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入94億34百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出136億67百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出35億34百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は309億56百万円(前期は956億27百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,077億54百万円があったものの、長期借入れによる収入1,389億85百万円があったことによります。
(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
2021年3月31日現在
②資金調達内訳
2021年3月31日現在
③業種別貸付金残高内訳
2021年3月31日現在
④担保別貸付金残高内訳
2021年3月31日現在
⑤期間別貸付金残高内訳
2021年3月31日現在
(3) 営業取引の状況
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社の取引が大半を占めているため、提出会社の状況について記載しております。
(注)賃貸・割賦事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度におけるリサ事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が13,542百万円、買取債権が7,613百万円、営業投資有価証券が20,701百万円、販売用不動産が12,709百万円、投資有価証券が21,665百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①賃貸・割賦事業……情報通信機器、事務用機器、産業・土木・建設機械等の賃貸(リース・レンタル)及び
割賦販売業務等
②ファイナンス事業…金銭の貸付業務、ファクタリング業務及び営業目的の収益を得るために所有する
有価証券の投資業務等
③リサ事業……………株式会社リサ・パートナーズが行っている企業投資、債権投資、不動産、
ファイナンス及びアドバイザリー業務
④その他の事業………物品売買、賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却、手数料取引、
ベンチャー企業向け投資、ヘルスケア関連及び太陽光発電売電業務等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
当社グループの連結財務諸表に関して、認識している重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
貸倒引当金
当社は、官公庁・自治体等や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等の営業取引を行っており、これらの営業債権の回収は、景気変動やその他の事由により延滞や倒産等が生じた場合、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があります。そのため当社の営業債権である割賦債権、リース債権及びリース投資資産、賃貸料等未収入金並びに営業貸付金等については、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、重要な会計上の見積りを必要とします。
当社の営業債権に関する信用リスクの管理にあたっては、社内管理規程に沿って顧客毎の状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。取組時において個別案件毎の与信審査、与信限度額、与信情報管理、内部格付及び成約条件の設定を行っておりますが、途上の与信管理で与信不安情報等を入手した際は与信ランクの変更をしております。
当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおり、営業債権の貸倒損失に備えるため、顧客の信用リスクの度合いに応じて債務者区分を決定し、債務者区分に基づき債権を一般債権、貸倒懸念債権及び破産更生債権等に分類しております。貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については保全による回収見込額に加え債務者の財政状態及び経営成績を考慮して個別に回収可能性を検討することにより、回収不能見込額を計上しております。
債務者区分の判定は、予め定めている債務者区分別引当基準に基づき、延滞情報を含む返済状況及び顧客の財務指標等の定量的要因並びに将来の業績見通し等の定性的要因に関連する情報を勘案して行っており、また、債務者区分の判定には、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞等が顧客の財政状態及び資金繰りに与える影響並びにその回復可能性の見積りに関する判断が含まれております。
当社は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、保有する営業債権の回収期間が中長期にわたることから、経済及びその他の事象または状況の変化や新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に伴う顧客の経営成績・財政状態の悪化により、顧客の延滞・倒産等の不測の事態を被り、翌連結会計年度に追加の引当金の計上が必要となってくる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,212億55百万円(前期比0.2%増)、営業利益59億65百万円(同28.1%減)、経常利益60億89百万円(同33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益41億18百万円(同19.5%減)となりました。売上高は、リサ事業、その他の事業が減少となるものの賃貸・割賦事業が伸長したことから前期並みとなりましたが、売上総利益は、前期にリサ事業において大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却益等があったことから前期を下回りました。売上総利益の減少に伴い、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても前期を下回る結果となりました。
以上により、「中期計画2020」で掲げた2021年3月期の当初計数目標(経常利益65億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円)については、経常利益はリサ事業においてファンドビジネスの収益が想定よりも減少したことから未達であったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は目標を達成いたしました。
「中期計画2020」のスタートは、新型コロナウイルス感染症拡大という、前例のない状況と対峙しながら事業に取り組んだ一年となりましたが、「中期計画2020」の初年度、という観点から当連結会計年度を振り返ると、CSV経営実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識しております。
「中期計画2020」では「コア領域の拡充」と「新事業の収益化」を目標に掲げています。
「コア領域の拡充」においては、強みを活かした当社らしいサービスの進化に向けて、大きく3つの観点から取り組みを進めております。
第一は「ベンダーとの新たなサービスの確立」です。当連結会計年度においては、2020年11月にサービス化で先行する北米市場において米国のNEC Financial Services, LLCを買収し、北米における新たな事業機会獲得に向けた態勢を整えました。国内では、NECグループ連携強化によるGIGAスクール、消防案件の取り組みが大幅に伸長するなど、賃貸・割賦事業の営業資産の着実な積み上げを実現すると共に、賃貸・割賦事業の売上総利益の前年比増加をより確実なものにすることが出来ました。また、外資系ICTベンダーと新規取り組みの開始や、医療機器やICT機器におけるサービスモデル確立に向けた取り組みの進展など、新たなサービスの確立に向けた活動を着実に推進することが出来ました。
第二は「成長分野における専門事業の加速」です。新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク需要を着実に取り込み、 PCレンタル等のICT関連サービスが前年のWindows10更新特需を上回る伸長を実現することが出来ました。リサ事業においては、前期に大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却益等があったことから減益とはなっておりますが、国内外の投資案件の着実な取り込みにより、期初計画を達成することが出来ました。一方で、PFI・PPP事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、案件の延期や計画の見直しなどが発生しております。
第三は「顧客基盤の拡充と営業企画・推進機能の活用」です。全社横断的な役割を担う営業推進本部の機能強化を図り、顧客ニーズ・市場動向等の情報収集・把握、およびクロスセル活動活性化による収益性向上を実現しました。また、顧客基盤の深耕・拡充活動が進展し、賃貸・割賦事業の民需成約高は、Windows10更新特需の影響がない一昨年対比で2割増を達成しました。
第二の目標である「新事業の収益化」においては、非金融を含む当社ならではの新事業の収益化に向けて、取り組みを進めております。当社が新事業として取り組みを進めている4つの領域(エネルギー、観光、農業、ヘルスケア)について、金融サービス周辺で着実に収益を獲得すると共に、ノウハウやプレゼンスを向上し、地域活性化につながる当社ならではのサービスの実現を目指しています。
当連結会計年度における取り組みとして、エネルギー領域では、従来から取り組んでいる太陽光、バイオマス、水力分野などへの取り組みを継続すると共に、新たにPPA(電力販売契約)サービスを開始、NECプラットフォームズ社と契約締結を行いました。観光領域では、阿寒湖や白馬岩岳などにおける各地域の観光資源活性化を通した事業創出、茨城県稲敷市での官民連携まちづくりなど、地域経済活性化に向けた取り組みを継続推進しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、収益貢献は限定的となりました。農業領域では、米の生産、加工、販売を主事業としている株式会社みらい共創ファーム秋田において、秋田の気候風土に沿った、米と畑作の複合農業への取り組みに加え、鹿児島でのミニトマト栽培や国内バナナ生産等の取り組みを継続しております。ヘルスケア領域ではヘルスケア施設のリート向けウェアハウジング事業の取組みが着実に進展し当期に5物件を新規獲得することで、収益貢献に結びつけることが出来ました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日銀の異次元金融緩和政策が挙げられます。この影響により、銀行をはじめとする金融機関の競合が激化し、国内のリース市場にも影響を与えていると考えております。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国内外の経済の停滞や混乱は、国内設備投資の減少やリース市場へのマイナス影響にもつながる可能性があるものと想定されます。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー共に、問題ない状態と考えております。外貨調達に関してはFRBの金融緩和政策の維持もあり、会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。また、円貨調達においても、日銀の金融緩和政策の継続に伴い、同じく会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべき資本的支出はありません。
b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
賃貸・割賦事業
契約実行高は前期にWindows10の更新需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加や大型のベンダーファイナンス案件の獲得等があったものの、当期はコロナ禍におけるGIGAスクール案件やテレワーク対応の需要等を着実に取り込んだことに加え、米国のNEC Financial Services, LLCを連結子会社化したことなどが奏功し、契約実行高、成約高共に前期比増加となりました。こうした好調な営業成績に伴い、営業資産残高は2008年3月末以来の6,000億円の大台を回復すると共に、賃貸・割賦事業の売上高は前期比10.1%増、売上総利益は同9.3%増、営業利益は同25.3%増と前年を大幅に上回ることができました。なお、賃貸・割賦事業における新型コロナウイルスの影響については、政府が掲げる「新しい生活様式」を支えるインフラとしてのICT機器の重要性がこれまで以上に大きくなるものと期初に想定したとおり、ICT機器の需要は底堅く、NECグループの一員である当社にとって、引き続き大きなビジネスチャンスの獲得につながる可能性があると考えております。
ファイナンス事業
ファイナンス事業においては、主に短期の貸付である個別ファクタリングの減少により、契約実行高、成約高共に前期を下回る結果となりました。これは主に、顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことや、大型案件の減少によるものであります。これに伴い売上高は減少したものの、資金原価の減少等により売上総利益はほぼ前期並みの水準を維持しました。営業利益については、与信関連費用の計上等により前期比減となりました。なお、ファイナンス事業における新型コロナウイルスの影響については、足下では一時的な与信コストの増加などにつながっておりますが、今後については新型コロナウイルス感染拡大の状況・それによる影響を慎重に見極めつつ取り組んでいく所存です。
リサ事業
リサ事業においては、前期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却等を計上したことにより、売上高、売上総利益、営業利益共に前期を下回る結果となりました。また、当期においては不動産ビジネス等の先行費用を計上したこと等により、第3四半期連結累計期間では営業損失となっておりましたが、第4四半期において不動産の売却収益等を計上したことから年間の営業利益はプラスに転じ、期初の計画値を達成することが出来ました。当社グループが株式会社リサ・パートナーズを連結対象としてから当連結会計年度で10年が経過しておりますが、リスク管理を強化しながら資産の入れ替えを進めた結果、毎期安定的に期首計画を達成する高い収益力を確保できるようになりました。なお、リサ事業における新型コロナウイルスの影響については限定的であり、リサ・パートナーズが持つファンド機能やアドバイザリー機能を活用して、投資先や顧客企業における金融と経営ノウハウの両面からの支援ニーズの高まりに応えることで、新たなビジネスチャンスの獲得につなげられるものと考えております。
その他の事業
その他の事業においては、前期に大型の案件を計上したことから売上高は減少しているものの、当期に高収益の売却案件を計上したことや、ヘルスケアの賃料収入、及び太陽光売電売上の増加等により、売上総利益、営業利益共に前期を上回りました。今後においてはファンド収益の拡大やフィービジネスの強化により、営業損益の黒字拡大を図ってまいります。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2020」において、連結ROAを公表しております。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3ヶ年における収益性の向上を測るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAは0.6%であり、「中期計画2020」において初年度の目標とした0.7%を下回る結果となりましたが、これはリサ事業のファンドビジネス比率が減少したことによる非支配株主に帰属する利益の減少によるものであり、親会社株主に帰属する当期純利益については目標を達成しております。現状取り組みを進めている各種施策の着実な遂行を通して、中計最終年度の連結ROA目標を達成できるよう努力していく所存であります。
d. 今後の見通し
2021年度のわが国経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けるものと想定されます。ワクチン接種の開始や「ニューノーマル」に向けたICTインフラの整備が進む一方で、変異株による国内外の感染再拡大が懸念されるなど、先行きに対する不透明感は依然として払拭されない状況が続いております。
こうした状況を踏まえ、当社は2020年7月に公表した「中期計画2020」の方針に沿って、2021年度の事業展開を行ってまいります。2020年1月下旬以降、全世界に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症は、ビジネスや日常生活の在り方に大きな影響を与え、且つ、今後もその影響は継続していくものと想定されます。既存ルールの破壊や既成概念のパラダイムシフトによって、社会全体に不可逆的な変化が起きるなか、当社の事業活動においては、様々なリスクが想定される一方、新たな社会価値を創出する機会とすることも可能と考えております。例えば、非接触、非対面、三密回避など、withコロナ、afterコロナにおける社会課題の解決には、NECグループの金融サービス会社として当社がこれまでに蓄積してきたノウハウが、大きな力を発揮できるものと考えております。当社はwithコロナ、afterコロナの事業環境を前提に「中期計画2020」で掲げた「金融とICTで社会の変革を先導していく企業」を目指し、社会課題の解決を図りながら着実な成長を実現してまいります。
上記の方針のもと、2022年3月期の通期の連結業績予想は、賃貸・割賦事業の持続的な成長とリサ事業の収益拡大に加え、新事業の収益化を図ることにより、経常利益は当期比64.2%増の100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比33.5%増の55億円といたしました。
また、配当予想につきましては、安定配当の維持を基本方針とする当社の配当政策を前提に、利益予想の増加を踏まえ、当期比4円増配の1株当たり年間64円の配当(うち中間配当32円)を実施する予想とさせていただいております。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①経営成績の状況
当社賃貸・割賦事業の契約実行高は前期比0.3%増、成約高は同4.6%増となりました。前期にWindows10の入替需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加や大型のベンダーファイナンス案件の獲得等があったものの、当期はコロナ禍におけるGIGAスクール案件やテレワーク対応の需要等を着実に取り込んだことに加え、米国のNEC Financial Services, LLCを連結子会社化したことなどが奏功し、契約実行高、成約高共に前期比増加となりました。
ファイナンス事業においては、主に短期の貸付である個別ファクタリングの減少により、契約実行高、成約高共に前期を下回る結果となりました。これは主に、顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことや、大型案件の減少によるものであります。
リサ事業においては、前期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却等を計上したことにより、売上高、営業利益共に前期を下回る結果となりました。また、当期においては不動産ビジネス等の先行費用を計上したこと等により、第3四半期連結累計期間では営業損失となっておりましたが、第4四半期において不動産の売却収益等を計上したことから年間の営業利益はプラスに転じております。
その他の事業においては、前期に大型の案件を計上したことから売上高は減少しているものの、当期に高収益の売却案件を計上したことや、ヘルスケアの賃料収入、及び太陽光売電売上の増加等により、売上総利益、営業利益共に前期を上回りました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,212億55百万円(前期比0.2%増)、営業利益59億65百万円(同28.1%減)、経常利益60億89百万円(同33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益41億18百万円(同19.5%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a. 賃貸・割賦事業
賃貸・割賦事業の売上高は、前期比10.1%増の1,925億73百万円となり、営業利益は売上高の増加等により、前期比7億17百万円増加し35億57百万円となりました。
b. ファイナンス事業
ファイナンス事業の売上高は、金利収益の減少等により前期比9.2%減の66億17百万円となり、営業利益は貸倒引当金繰入額の計上等により、前期比4億28百万円減少し26億77百万円となりました。
c. リサ事業
リサ事業の売上高は、前期にファンドによる大型の営業投資有価証券の売却や販売用不動産の売却があったことから、前期比57.9%減の68億1百万円となり、営業利益は売上高の減少等により、前期比30億90百万円減少し9億55百万円となりました。
d. その他の事業
その他の事業の売上高は、前期に大型の賃貸資産の売却があったこと等により、前期比31.8%減の153億12百万円となり、営業損益は当期に高収益の賃貸資産の売却があったことなどから、前期比5億28百万円改善し3億97百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて601億42百万円増加し、1兆576億53百万円となりました。主な要因としては、営業貸付金が117億92百万円減少したものの、リース債権及びリース投資資産が464億66百万円、営業投資有価証券が93億67百万円、販売用不動産が67億33百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて515億6百万円増加し、9,437億68百万円となりました。主な要因としては、コマーシャル・ペーパーが60億円減少したものの、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が324億62百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が100億円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて86億36百万円増加し、1,138億85百万円となりました。主な要因としては、非支配株主持分が57億91百万円、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により28億29百万円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。なお、金融環境の変化に対応した財務戦略を実施した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は390億32百万円となりました。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン等契約の当連結会計年度末時点における未使用総額は2,974億69百万円となっております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、388億28百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は287億65百万円(前期は699億2百万円の支出)となりました。これは主にリース債権及びリース投資資産の増加額348億円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は67億4百万円(前期は35億29百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入94億34百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出136億67百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出35億34百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は309億56百万円(前期は956億27百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,077億54百万円があったものの、長期借入れによる収入1,389億85百万円があったことによります。
(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
2021年3月31日現在
| 貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 | |||||
| 無担保(住宅向を除く) | ― | ― | ― | ― | ― |
| 有担保(住宅向を除く) | ― | ― | ― | ― | ― |
| 住宅向 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 計 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 事業者向 | |||||
| 計 | 4,862 | 100.00 | 214,912 | 100.00 | 1.97 |
| 合計 | 4,862 | 100.00 | 214,912 | 100.00 | 1.97 |
②資金調達内訳
2021年3月31日現在
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
| 金融機関等からの借入 | 504,036 | 0.48 | |
| その他 | 356,902 | 0.12 | |
| 社債・CP | 350,000 | 0.11 | |
| 合計 | 860,939 | 0.33 | |
| 自己資本 | 92,693 | ― | |
| 資本金・出資額 | 3,776 | ― | |
③業種別貸付金残高内訳
2021年3月31日現在
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 農業、林業、漁業、鉱業 | 2 | 0.46 | 1,409 | 0.66 |
| 建設業 | 14 | 3.21 | 6,008 | 2.80 |
| 製造業 | 93 | 21.33 | 71,602 | 33.30 |
| 電気、ガス、熱供給、水道業 | 25 | 5.73 | 18,381 | 8.55 |
| 情報通信業 | 20 | 4.59 | 7,108 | 3.31 |
| 運輸業 | 16 | 3.67 | 6,669 | 3.10 |
| 卸売・小売業 | 42 | 9.63 | 9,945 | 4.63 |
| 金融・保険業 | 34 | 7.80 | 25,263 | 11.76 |
| 不動産業 | 50 | 11.47 | 28,956 | 13.47 |
| 飲食店、宿泊業 | 15 | 3.44 | 2,613 | 1.22 |
| 医療、福祉 | 5 | 1.15 | 4,082 | 1.90 |
| 教育、学習支援業 | 4 | 0.92 | 1,650 | 0.77 |
| サービス業 | 115 | 26.37 | 30,746 | 14.31 |
| 個人 | ― | ― | ― | ― |
| その他 | 1 | 0.23 | 474 | 0.22 |
| 合計 | 436 | 100.00 | 214,912 | 100.00 |
④担保別貸付金残高内訳
2021年3月31日現在
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
| 有価証券 | 1,042 | 0.48 | |
| うち株式 | 1,042 | 0.48 | |
| 債権 | 12,717 | 5.92 | |
| うち預金 | 1,107 | 0.52 | |
| 商品 | 160 | 0.07 | |
| 不動産 | 34,885 | 16.23 | |
| 財団 | 398 | 0.19 | |
| その他 | 14,392 | 6.70 | |
| 計 | 63,597 | 29.59 | |
| 保証 | 1,111 | 0.52 | |
| 無担保 | 150,203 | 69.89 | |
| 合計 | 214,912 | 100.00 | |
⑤期間別貸付金残高内訳
2021年3月31日現在
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | 3,608 | 74.21 | 90,644 | 42.18 |
| 1年超 5年以下 | 839 | 17.26 | 72,926 | 33.93 |
| 5年超 10年以下 | 341 | 7.01 | 31,567 | 14.69 |
| 10年超 15年以下 | 36 | 0.74 | 8,148 | 3.79 |
| 15年超 20年以下 | 36 | 0.74 | 9,777 | 4.55 |
| 20年超 25年以下 | 2 | 0.04 | 1,848 | 0.86 |
| 25年超 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 4,862 | 100.00 | 214,912 | 100.00 |
| 一件当たり平均期間 | 19.76月 | |||
(3) 営業取引の状況
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社の取引が大半を占めているため、提出会社の状況について記載しております。
| セグメントの名称 | 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 契約実行高 (百万円) | 前期比(%) | 契約実行高 (百万円) | 前期比(%) | ||
| 賃貸・割賦事業 | ファイナンス・リース | 197,950 | 25.3 | 205,136 | 3.6 |
| オペレーティング・リース | 19,490 | 43.4 | 18,388 | △5.7 | |
| 割賦 | 18,140 | 71.1 | 12,949 | △28.6 | |
| 賃貸・割賦事業計 | 235,581 | 29.3 | 236,474 | 0.4 | |
| ファイナンス事業 | 478,900 | 4.8 | 362,393 | △24.3 | |
| その他の事業 | 10,856 | 87.0 | 11,162 | 2.8 | |
| 合計 | 725,338 | 12.5 | 610,030 | △15.9 | |
(注)賃貸・割賦事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 期末残高 (百万円) | 構成比 (%) | 期末残高 (百万円) | 構成比 (%) | ||
| 賃貸・割賦事業 | 570,035 | 63.5 | 623,269 | 65.3 | |
| ファイナンス事業 | 258,092 | 28.7 | 241,056 | 25.3 | |
| リサ事業 | 62,644 | 7.0 | 76,232 | 8.0 | |
| その他の事業 | 7,497 | 0.8 | 13,283 | 1.4 | |
| 合計 | 898,270 | 100.0 | 953,841 | 100.0 | |
(注)当連結会計年度におけるリサ事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が13,542百万円、買取債権が7,613百万円、営業投資有価証券が20,701百万円、販売用不動産が12,709百万円、投資有価証券が21,665百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 賃貸・割賦事業 | 174,893 | 160,877 | 14,015 | 3,008 | 11,006 |
| ファイナンス事業 | 7,286 | 281 | 7,004 | 1,284 | 5,720 |
| リサ事業 | 16,168 | 7,088 | 9,080 | 362 | 8,717 |
| その他の事業 | 22,437 | 20,164 | 2,273 | 81 | 2,191 |
| 調整 | △69 | △14 | △55 | - | △55 |
| 合計 | 220,716 | 188,398 | 32,318 | 4,736 | 27,581 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 賃貸・割賦事業 | 192,573 | 178,111 | 14,461 | 2,434 | 12,027 |
| ファイナンス事業 | 6,617 | 29 | 6,587 | 875 | 5,712 |
| リサ事業 | 6,801 | 1,184 | 5,617 | 400 | 5,216 |
| その他の事業 | 15,312 | 12,331 | 2,981 | 76 | 2,904 |
| 調整 | △48 | △14 | △33 | - | △33 |
| 合計 | 221,255 | 191,641 | 29,614 | 3,786 | 25,827 |
(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①賃貸・割賦事業……情報通信機器、事務用機器、産業・土木・建設機械等の賃貸(リース・レンタル)及び
割賦販売業務等
②ファイナンス事業…金銭の貸付業務、ファクタリング業務及び営業目的の収益を得るために所有する
有価証券の投資業務等
③リサ事業……………株式会社リサ・パートナーズが行っている企業投資、債権投資、不動産、
ファイナンス及びアドバイザリー業務
④その他の事業………物品売買、賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却、手数料取引、
ベンチャー企業向け投資、ヘルスケア関連及び太陽光発電売電業務等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
当社グループの連結財務諸表に関して、認識している重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
貸倒引当金
当社は、官公庁・自治体等や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等の営業取引を行っており、これらの営業債権の回収は、景気変動やその他の事由により延滞や倒産等が生じた場合、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があります。そのため当社の営業債権である割賦債権、リース債権及びリース投資資産、賃貸料等未収入金並びに営業貸付金等については、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、重要な会計上の見積りを必要とします。
当社の営業債権に関する信用リスクの管理にあたっては、社内管理規程に沿って顧客毎の状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。取組時において個別案件毎の与信審査、与信限度額、与信情報管理、内部格付及び成約条件の設定を行っておりますが、途上の与信管理で与信不安情報等を入手した際は与信ランクの変更をしております。
当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおり、営業債権の貸倒損失に備えるため、顧客の信用リスクの度合いに応じて債務者区分を決定し、債務者区分に基づき債権を一般債権、貸倒懸念債権及び破産更生債権等に分類しております。貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については保全による回収見込額に加え債務者の財政状態及び経営成績を考慮して個別に回収可能性を検討することにより、回収不能見込額を計上しております。
債務者区分の判定は、予め定めている債務者区分別引当基準に基づき、延滞情報を含む返済状況及び顧客の財務指標等の定量的要因並びに将来の業績見通し等の定性的要因に関連する情報を勘案して行っており、また、債務者区分の判定には、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞等が顧客の財政状態及び資金繰りに与える影響並びにその回復可能性の見積りに関する判断が含まれております。
当社は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、保有する営業債権の回収期間が中長期にわたることから、経済及びその他の事象または状況の変化や新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に伴う顧客の経営成績・財政状態の悪化により、顧客の延滞・倒産等の不測の事態を被り、翌連結会計年度に追加の引当金の計上が必要となってくる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,212億55百万円(前期比0.2%増)、営業利益59億65百万円(同28.1%減)、経常利益60億89百万円(同33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益41億18百万円(同19.5%減)となりました。売上高は、リサ事業、その他の事業が減少となるものの賃貸・割賦事業が伸長したことから前期並みとなりましたが、売上総利益は、前期にリサ事業において大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却益等があったことから前期を下回りました。売上総利益の減少に伴い、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても前期を下回る結果となりました。
以上により、「中期計画2020」で掲げた2021年3月期の当初計数目標(経常利益65億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円)については、経常利益はリサ事業においてファンドビジネスの収益が想定よりも減少したことから未達であったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は目標を達成いたしました。
「中期計画2020」のスタートは、新型コロナウイルス感染症拡大という、前例のない状況と対峙しながら事業に取り組んだ一年となりましたが、「中期計画2020」の初年度、という観点から当連結会計年度を振り返ると、CSV経営実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識しております。
「中期計画2020」では「コア領域の拡充」と「新事業の収益化」を目標に掲げています。
「コア領域の拡充」においては、強みを活かした当社らしいサービスの進化に向けて、大きく3つの観点から取り組みを進めております。
第一は「ベンダーとの新たなサービスの確立」です。当連結会計年度においては、2020年11月にサービス化で先行する北米市場において米国のNEC Financial Services, LLCを買収し、北米における新たな事業機会獲得に向けた態勢を整えました。国内では、NECグループ連携強化によるGIGAスクール、消防案件の取り組みが大幅に伸長するなど、賃貸・割賦事業の営業資産の着実な積み上げを実現すると共に、賃貸・割賦事業の売上総利益の前年比増加をより確実なものにすることが出来ました。また、外資系ICTベンダーと新規取り組みの開始や、医療機器やICT機器におけるサービスモデル確立に向けた取り組みの進展など、新たなサービスの確立に向けた活動を着実に推進することが出来ました。
第二は「成長分野における専門事業の加速」です。新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク需要を着実に取り込み、 PCレンタル等のICT関連サービスが前年のWindows10更新特需を上回る伸長を実現することが出来ました。リサ事業においては、前期に大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却益等があったことから減益とはなっておりますが、国内外の投資案件の着実な取り込みにより、期初計画を達成することが出来ました。一方で、PFI・PPP事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、案件の延期や計画の見直しなどが発生しております。
第三は「顧客基盤の拡充と営業企画・推進機能の活用」です。全社横断的な役割を担う営業推進本部の機能強化を図り、顧客ニーズ・市場動向等の情報収集・把握、およびクロスセル活動活性化による収益性向上を実現しました。また、顧客基盤の深耕・拡充活動が進展し、賃貸・割賦事業の民需成約高は、Windows10更新特需の影響がない一昨年対比で2割増を達成しました。
第二の目標である「新事業の収益化」においては、非金融を含む当社ならではの新事業の収益化に向けて、取り組みを進めております。当社が新事業として取り組みを進めている4つの領域(エネルギー、観光、農業、ヘルスケア)について、金融サービス周辺で着実に収益を獲得すると共に、ノウハウやプレゼンスを向上し、地域活性化につながる当社ならではのサービスの実現を目指しています。
当連結会計年度における取り組みとして、エネルギー領域では、従来から取り組んでいる太陽光、バイオマス、水力分野などへの取り組みを継続すると共に、新たにPPA(電力販売契約)サービスを開始、NECプラットフォームズ社と契約締結を行いました。観光領域では、阿寒湖や白馬岩岳などにおける各地域の観光資源活性化を通した事業創出、茨城県稲敷市での官民連携まちづくりなど、地域経済活性化に向けた取り組みを継続推進しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、収益貢献は限定的となりました。農業領域では、米の生産、加工、販売を主事業としている株式会社みらい共創ファーム秋田において、秋田の気候風土に沿った、米と畑作の複合農業への取り組みに加え、鹿児島でのミニトマト栽培や国内バナナ生産等の取り組みを継続しております。ヘルスケア領域ではヘルスケア施設のリート向けウェアハウジング事業の取組みが着実に進展し当期に5物件を新規獲得することで、収益貢献に結びつけることが出来ました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日銀の異次元金融緩和政策が挙げられます。この影響により、銀行をはじめとする金融機関の競合が激化し、国内のリース市場にも影響を与えていると考えております。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国内外の経済の停滞や混乱は、国内設備投資の減少やリース市場へのマイナス影響にもつながる可能性があるものと想定されます。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー共に、問題ない状態と考えております。外貨調達に関してはFRBの金融緩和政策の維持もあり、会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。また、円貨調達においても、日銀の金融緩和政策の継続に伴い、同じく会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべき資本的支出はありません。
b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
賃貸・割賦事業
契約実行高は前期にWindows10の更新需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加や大型のベンダーファイナンス案件の獲得等があったものの、当期はコロナ禍におけるGIGAスクール案件やテレワーク対応の需要等を着実に取り込んだことに加え、米国のNEC Financial Services, LLCを連結子会社化したことなどが奏功し、契約実行高、成約高共に前期比増加となりました。こうした好調な営業成績に伴い、営業資産残高は2008年3月末以来の6,000億円の大台を回復すると共に、賃貸・割賦事業の売上高は前期比10.1%増、売上総利益は同9.3%増、営業利益は同25.3%増と前年を大幅に上回ることができました。なお、賃貸・割賦事業における新型コロナウイルスの影響については、政府が掲げる「新しい生活様式」を支えるインフラとしてのICT機器の重要性がこれまで以上に大きくなるものと期初に想定したとおり、ICT機器の需要は底堅く、NECグループの一員である当社にとって、引き続き大きなビジネスチャンスの獲得につながる可能性があると考えております。
ファイナンス事業
ファイナンス事業においては、主に短期の貸付である個別ファクタリングの減少により、契約実行高、成約高共に前期を下回る結果となりました。これは主に、顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことや、大型案件の減少によるものであります。これに伴い売上高は減少したものの、資金原価の減少等により売上総利益はほぼ前期並みの水準を維持しました。営業利益については、与信関連費用の計上等により前期比減となりました。なお、ファイナンス事業における新型コロナウイルスの影響については、足下では一時的な与信コストの増加などにつながっておりますが、今後については新型コロナウイルス感染拡大の状況・それによる影響を慎重に見極めつつ取り組んでいく所存です。
リサ事業
リサ事業においては、前期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却等を計上したことにより、売上高、売上総利益、営業利益共に前期を下回る結果となりました。また、当期においては不動産ビジネス等の先行費用を計上したこと等により、第3四半期連結累計期間では営業損失となっておりましたが、第4四半期において不動産の売却収益等を計上したことから年間の営業利益はプラスに転じ、期初の計画値を達成することが出来ました。当社グループが株式会社リサ・パートナーズを連結対象としてから当連結会計年度で10年が経過しておりますが、リスク管理を強化しながら資産の入れ替えを進めた結果、毎期安定的に期首計画を達成する高い収益力を確保できるようになりました。なお、リサ事業における新型コロナウイルスの影響については限定的であり、リサ・パートナーズが持つファンド機能やアドバイザリー機能を活用して、投資先や顧客企業における金融と経営ノウハウの両面からの支援ニーズの高まりに応えることで、新たなビジネスチャンスの獲得につなげられるものと考えております。
その他の事業
その他の事業においては、前期に大型の案件を計上したことから売上高は減少しているものの、当期に高収益の売却案件を計上したことや、ヘルスケアの賃料収入、及び太陽光売電売上の増加等により、売上総利益、営業利益共に前期を上回りました。今後においてはファンド収益の拡大やフィービジネスの強化により、営業損益の黒字拡大を図ってまいります。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2020」において、連結ROAを公表しております。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3ヶ年における収益性の向上を測るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAは0.6%であり、「中期計画2020」において初年度の目標とした0.7%を下回る結果となりましたが、これはリサ事業のファンドビジネス比率が減少したことによる非支配株主に帰属する利益の減少によるものであり、親会社株主に帰属する当期純利益については目標を達成しております。現状取り組みを進めている各種施策の着実な遂行を通して、中計最終年度の連結ROA目標を達成できるよう努力していく所存であります。
d. 今後の見通し
2021年度のわが国経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けるものと想定されます。ワクチン接種の開始や「ニューノーマル」に向けたICTインフラの整備が進む一方で、変異株による国内外の感染再拡大が懸念されるなど、先行きに対する不透明感は依然として払拭されない状況が続いております。
こうした状況を踏まえ、当社は2020年7月に公表した「中期計画2020」の方針に沿って、2021年度の事業展開を行ってまいります。2020年1月下旬以降、全世界に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症は、ビジネスや日常生活の在り方に大きな影響を与え、且つ、今後もその影響は継続していくものと想定されます。既存ルールの破壊や既成概念のパラダイムシフトによって、社会全体に不可逆的な変化が起きるなか、当社の事業活動においては、様々なリスクが想定される一方、新たな社会価値を創出する機会とすることも可能と考えております。例えば、非接触、非対面、三密回避など、withコロナ、afterコロナにおける社会課題の解決には、NECグループの金融サービス会社として当社がこれまでに蓄積してきたノウハウが、大きな力を発揮できるものと考えております。当社はwithコロナ、afterコロナの事業環境を前提に「中期計画2020」で掲げた「金融とICTで社会の変革を先導していく企業」を目指し、社会課題の解決を図りながら着実な成長を実現してまいります。
上記の方針のもと、2022年3月期の通期の連結業績予想は、賃貸・割賦事業の持続的な成長とリサ事業の収益拡大に加え、新事業の収益化を図ることにより、経常利益は当期比64.2%増の100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比33.5%増の55億円といたしました。
また、配当予想につきましては、安定配当の維持を基本方針とする当社の配当政策を前提に、利益予想の増加を踏まえ、当期比4円増配の1株当たり年間64円の配当(うち中間配当32円)を実施する予想とさせていただいております。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。