有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社賃貸・割賦事業では、主要顧客である官公庁・自治体等との良好な取引関係を活かして取引規模の拡大を図ると共に、大型のベンダーファイナンス案件の獲得やWindows10の入替需要を取り込んだICTレンタルの増加等により、当連結会計年度における契約実行高、成約高共に前期を大幅に上回る結果となりました。
ファイナンス事業においては、それぞれの顧客の資金需要に沿った幅広いファイナンススキームの提案や、顧客基盤の拡充、深耕等により、契約実行高、成約高共に前期を上回る結果となりました。
リサ事業においては、ファンドビジネスにおける投資有価証券の売却や配当収益により、売上高、営業利益共に前期を上回る結果となりました。
また、その他の事業においては、当期に大型の売却収益を計上したことから、売上高は前期を上回り、営業損失は改善しました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,207億16百万円(前期比8.1%増)、営業利益82億92百万円(同7.1%減)、経常利益90億92百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益51億17百万円(同19.9%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a. 賃貸・割賦事業
賃貸・割賦事業の売上高は、前期比4.8%増の1,748億93百万円となったものの、営業利益は販売費及び一般管理費の増加等により、前期比12億47百万円減少し28億39百万円となりました。
b. ファイナンス事業
ファイナンス事業の売上高は、配当収益や金利収入等により前期比9.7%増の72億86百万円となったものの、営業利益は販売費及び一般管理費の増加等により、前期比2億15百万円減少し31億6百万円となりました。
c. リサ事業
リサ事業の売上高は、当期の大型のファンドによる営業投資有価証券の売却や配当収益により前期比15.1%増の161億68百万円となり、営業利益は前期比4億12百万円増加し40億46百万円となりました。
d. その他の事業
その他の事業の売上高は、当期に大型の賃貸資産の売却等があったことから、前期比34.8%増の224億37百万円となり、営業損失は前期比2億24百万円改善し1億30百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,018億27百万円増加し、9,975億10百万円となりました。主な要因としては、リース債権及びリース投資資産が517億78百万円、現金及び預金が222億97百万円、販売用不動産が127億56百万円、割賦債権が93億10百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて1,025億78百万円増加し、8,922億62百万円となりました。主な要因としては、債権流動化に伴う長期支払債務(債権流動化に伴う支払債務を含む)が40億79百万円減少したものの、コマーシャル・ペーパーが880億円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が194億30百万円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて7億50百万円減少し、1,052億48百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により38億25百万円増加したものの、非支配株主持分が45億9百万円、その他の包括利益累計額が66百万円減少したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。なお、当連結会計年度末につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による資金調達面のリスクを考慮し、例年よりも手許現預金を増加させております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、430億22百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は699億2百万円(前期は56億61百万円の収入)となりました。これは主にリース債権及びリース投資資産の増加額517億78百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は35億29百万円(前期は97百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入118億63百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出143億16百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は956億27百万円(前期は199億99百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,443億41百万円があったものの、長期借入れによる収入1,645億79百万円及びコマーシャル・ペーパーの増加額880億円があったことによります。
(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
2020年3月31日現在
②資金調達内訳
2020年3月31日現在
③業種別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在
④担保別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在
⑤期間別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在
(3) 営業取引の状況
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社の取引が大半を占めているため、提出会社の状況について記載しております。
(注)賃貸・割賦事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度におけるリサ事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が9,010百万円、買取債権が10,640百万円、営業投資有価証券が11,866百万円、販売用不動産が11,228百万円、投資有価証券が19,897百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①賃貸・割賦事業……情報・事務用機器、産業・土木・建設機械等の賃貸(リース・レンタル)及び
割賦販売業務等
②ファイナンス事業…金銭の貸付業務、ファクタリング業務及び営業目的の収益を得るために所有する
有価証券の投資業務等
③リサ事業……………株式会社リサ・パートナーズが行っている企業投資、債権投資、不動産、
ファイナンス及びアドバイザリー業務
④その他の事業………物品売買、賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却、手数料取引、
ベンチャー企業向け投資、ヘルスケア関連及び太陽光発電売電業務等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
当社グループの連結財務諸表に関して、認識している重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
貸倒引当金
当社は、官公庁・自治体等や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等の営業取引を行っており、これらの営業債権の回収は、景気変動やその他の事由により延滞や倒産等が生じた場合、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があります。そのため当社の営業債権である割賦債権、リース債権及びリース投資資産、賃貸料等未収入金並びに営業貸付金等については、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、重要な会計上の見積りを必要とします。
当社の営業債権に関する信用リスクの管理にあたっては、社内管理規程に沿って顧客毎の状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。取組時において個別案件毎の与信審査、与信限度額、与信情報管理、内部格付及び成約条件の設定を行っておりますが、途上の与信管理で与信不安情報等を入手した際は与信ランクの変更をしております。
貸倒引当金については、債権の貸倒損失に備えるため、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(4)重要な引当金の計上基準 ①貸倒引当金」に記載のとおり、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
当社は、債務者区分と商品形態別に与信ランクと引当基準を設けており、当該引当基準に基づいて、担保・物件処分等による回収見込額や貸倒実績率等を勘案した貸倒引当金の計上を行っております。引当率は過去の貸倒実績に基づいて見積りしております。
また、債務者区分の判定は、顧客の財務指標や返済状況等の定量的要因と将来の業績見通し等の定性的要因に関連する情報を基礎として行っており、特に定性的要因に基づく債務者区分の判定は重要な見積りを必要とします。
当社は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、保有する営業債権の回収期間が中長期にわたることから、経済及びその他の事象または状況の変化により、顧客の延滞・倒産等の不測の事態を蒙り、追加の引当金の計上が必要となってくる可能性があります。
与信コストは主に債務者区分、非保全額及び引当率の3つの見積り要素の影響を受けており、与信コストの変動は当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症(以下、本感染症という)拡大に端を発した経済環境の変化による信用リスクへの影響については、本感染症による影響が収束するまで今後半年から1年程度かかるものと想定しており、一定の仮定に基づき貸倒引当金を計上しております。
本感染症の影響により、手許流動性確保を目的とした顧客からの支払猶予要請を受けた営業債権については、顧客の直近の財政状態や支払猶予の影響等を勘案した貸倒引当金の見積りをしておりますが、本感染症の影響が長期化すること等により債権の回収に懸念が生じた場合には、追加の引当金が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,207億16百万円(前期比8.1%増)、営業利益82億92百万円(同7.1%減)、経常利益90億92百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益51億17百万円(同19.9%減)となりました。売上高及び売上総利益は、営業資産の積み上げや投資有価証券の売却等により、賃貸・割賦事業をはじめ、すべてのセグメントで前期を上回りました。営業利益は、第4四半期連結会計期間に新型コロナウイルス感染拡大の影響等により与信費用の計上を行ったことから減益となっておりますが、経常利益については、前期の為替評価損が当期は評価益になったこと、及び投資事業組合等の投資利益を獲得したこと等により増益となっております。親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税等や非支配株主に帰属する当期純利益の増加により前期を下回る結果となりました。
以上により、中期計画2017で掲げた2020年3月期の当初計数目標(経常利益85億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円)については、それを上回る経常利益90億92百万円、親会社株主に帰属する当期純利益51億17百万円を計上しました。また、これに伴い中期計画3ヶ年累計の利益計画についても、親会社株主に帰属する当期純利益の3ヶ年累計目標120億円に対して3ヶ年累計実績が175億円となっており、大幅に達成することができました。
「中期計画2017」の最終年度、という観点から当連結会計年度を振り返ると、CSV経営実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識しております。「中期計画2017」の3年目は、グループビジョン実現に向けた10年間の、第二ステップが完了する年度であり、その実現に向けた各種取り組みの進捗を確認する二回目のポイントでもあります。
「中期計画2017」では「コア領域の完成」と「ビジョン実現に向けた新事業の立ち上げ」を目標に掲げています。「コア領域の完成」においては、大きく3つの観点から取り組みを進めております。 第一は「NECとの戦略的なパートナーシップの確立と深耕」です。官公庁や民間大企業のお客様向けに、NECとの連携強化により着実に取扱高を増加させております。当連結会計年度においては、中でも学校PCの導入について想定以上の成果を上げることができました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学校PCの導入需要は今後も加速すると想定され、NECとの連携強化により着実にそのビジネスチャンスを捉えていく所存です。なお、これらの取り組みが奏功し、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) セグメント別経営方針」に記載した、「賃貸・割賦事業の売上総利益の下げ止まりと前年比反転」について実現をすることができました。 第二は「独自商流における顧客基盤の拡充」です。外資系ICTベンダーとの連携強化による大型案件の獲得や、大口販社との取り組み強化による小口リースの取り扱い高伸長など、目に見えるかたちでの成果もあがってきました。 第三は「高い利益成長の源泉を確保」です。当中計期間を通して、当社連結経営成績に大きな貢献をした株式会社リサ・パートナーズの持続的な収益性向上に加え、PFI事業の強化拡大、ベンチャーファンド事業の推進など、足元の高い利益成長の源泉を確保しつつ、将来の利益成長の源泉確保に向けても着実に取り組みを遂行しております。 第二の目標である「ビジョン実現に向けた新事業の立ち上げ」においては、当社の取り組むべき社会課題として「エネルギー」「観光」「農業」「ヘルスケア」の4領域を新事業領域と捉え、「中期計画2017」の期間に当社の強みと結び付けてビジネスを立ち上げ、次の「中期計画2020」で収益化するというロードマップを描いています。
当連結会計年度における取り組みとして、エネルギー領域では、太陽光に加え、バイオマス発電、水力発電分野などへの取り組みを推進しております。また、宮古島において、再エネサービスプロバイダ事業の拡大に向けた取り組みについても開始いたしました。観光領域では、阿寒湖や白馬岩岳などにおける各地域の観光資源活性化を通した事業創出、茨城県稲敷市での官民連携まちづくり協定の締結など、地域経済活性化に向けた取り組みを推進しております。農業領域では、米の生産、加工、販売を主事業としている株式会社みらい共創ファーム秋田において、秋田の気候風土に沿った、米と畑作の複合農業への取り組みを継続しております。これに加え、鹿児島でのミニトマト栽培や国内バナナ生産に関する知見獲得など、農業に関する取り組み領域についても拡大しております。ヘルスケア領域ではヘルスケア施設のリート向けウェアハウジング事業の取組みを推進しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日銀の異次元金融緩和政策が挙げられます。この影響により、銀行をはじめとする金融機関の競合が激化し、国内のリース市場にも影響を与えていると考えておりますが、当連結会計年度については、Windows10の入替特需や、労働力不足を補う設備投資需要などを背景に市場全体のリース取扱高は前期比6.2%増となり、5兆円の大台を回復しました。また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」並びに「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した通り、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国内外の経済の停滞や混乱は、今後当社事業の運営に影響を及ぼす可能性があると考えております。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー共に、問題ない状態と考えております。外貨調達に関してはFRBの追加利下げ影響もあり、会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。また、円貨調達においても、日銀の金融緩和政策の継続に伴い、同じく会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。年度末においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりコマーシャル・ペーパーの調達コストの上昇などが見られましたが、当連結会計年度の経営成績に大きな影響を及ぼすものではありませんでした。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべきほどの大規模な資本的支出はありません。
b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
賃貸・割賦事業
契約実行高は3期連続前期比増となり、営業資産残高は2019年3月末につづき、5,000億円の大台を維持したことなどから、賃貸・割賦事業の売上高は前期比4.8%増、売上総利益は前期比反転に転じることができました。営業利益については当期に与信関連費用の計上をしたことや販管費の増加により前期比減となりました。現状では、販管費の増加を売上総利益の増加で補えていない状況となっておりますが、従来の情報通信機器のリースに加え、付帯サービス収益や再リース収益が期待できるリース契約などに継続して取り組むことで収益力の向上を図り、営業利益の前期比増を実現していく予定です。
なお、賃貸・割賦事業における新型コロナウイルスの影響については、現時点で正確な見通しを行うことは難しいものの、政府が掲げる「新しい生活様式」を支えるインフラとしてのICT機器の重要性はこれまで以上に大きくなるものと想定され、NECグループの一員である当社にとって、大きなビジネスチャンスの獲得につながる可能性があると考えております。
ファイナンス事業
契約実行高については、一括ファクタリングの減少はあったものの、個別ファクタリングや企業融資が堅調に推移したことから、ほぼ前期並みの水準を維持しました。営業利益については、与信関連費用の計上により前期比減となりましたが、与信関連費用の計上は一過性のものであると認識していること、配当収入や金利収入は順調に増加していることなどから、今後の事業セグメントの収益拡大を早期に実現できるものと考えております。
なお、ファイナンス事業における新型コロナウイルスの影響については、賃貸・割賦事業と同様に、現時点で正確な見通しを行うことは難しいものの、足下では一時的な与信コストの増加などにつながる懸念があります。一方で、短期の資金繰りに関わるニーズなど、新たな需要の掘り起こしも期待できるものと考えております。
リサ事業
ファンド事業における売却売上により売上高は前期比増となりました。また不動産の売却収益により、営業利益についても前期比増となりました。当社グループが株式会社リサ・パートナーズを連結対象としてから当連結会計年度で9年が経過しましたが、リスク管理を強化しながら資産の入れ替えを進めた結果、足元の実績が示すとおり、毎期安定的な高い収益力を確保できるようになりました。
なお、リサ事業における新型コロナウイルスの影響についても、現時点で正確な見通しを行うことは難しいものの、リサ・パートナーズが持つファンド機能やアドバイザリー機能を活用して、投資先や顧客企業における金融と経営ノウハウの両面からの支援ニーズの高まりに応えることで、あらたなビジネスチャンスの獲得につなげられるものと考えております。
その他の事業
当期に大型の資産売却を計上したことやベンチャーキャピタルファンドのエグジット収益等により、売上高、売上総利益共に前期比増となり、営業損失は改善しました。今後においてはファンド収益の拡大やフィービジネスの強化により、営業損益の黒字転換を図ってまいります。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2017」において、連結ROAを公表しております。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3ヶ年における収益性の向上を測るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAは1.0%であり、これは「中期計画2017」において最終年度の目標とした1.0%を、前年度に続き達成した水準となりました。現状取り組みを進めている各種施策の着実な遂行を通して、更に高いベンチマークを設定できるよう努力していく所存であります。
d. 今後の見通し
中期計画2017では「コア領域の完成と新事業立上げ」を目指し、賃貸・割賦事業の契約実行高を伸長させると共に、PFIやICTをはじめとした当社ならではの独自サービスの提供や、グローバル事業の展開推進、リサ事業の継続的な収益拡大、更には環境・エネルギー関連や多様なアセットへの取り組みを図ってまいりました。その結果として、3ヶ年の利益計画については大幅達成を果たすことが出来ました。加えて、エネルギー、観光、農業、ヘルスケアの各新事業領域においては、それぞれ立ち上げのためのアプローチを実施し、収益化につながる基盤を構築いたしました。
しかしながら、2020年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、アベノミクスを背景に続いていた緩やかな拡大局面が大きく下方修正される可能性が高まっております。感染症の拡大は、今後様々なリスク要因となって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2013年に掲げたグループビジョン「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」は、中期計画を3回積み重ねて実現を目指すものであり、本来ならば、当決算短信の開示と同時に中期計画2020の公表を行い、各種戦略施策と共に、経営の方向性を明確にすることを予定していました。従来より掲げている中期計画2020の方向性「コア領域の拡充と新事業収益化」について変更はないものの、足元の事業環境の動向を踏まえ、改めて事業計画の見極めが必要との結論に至りました。中期計画2020の初年度にあたる2021年3月期の通期の連結業績予想についても同様の判断をしております。
以上により、2021年3月期の通期の連結業績予想、並びに、中期計画2020についての公表を当面の間延期することといたしました。一方で、配当予想につきましては、安定配当の維持を基本方針とする当社の配当政策に基づき、昨年度並みの、1株当たり年間60円の配当(うち中間配当30円)を実施する予想とさせていただいております。未公表の内容につきましては、明らかになり次第、速やかに開示する予定です。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①経営成績の状況
当社賃貸・割賦事業では、主要顧客である官公庁・自治体等との良好な取引関係を活かして取引規模の拡大を図ると共に、大型のベンダーファイナンス案件の獲得やWindows10の入替需要を取り込んだICTレンタルの増加等により、当連結会計年度における契約実行高、成約高共に前期を大幅に上回る結果となりました。
ファイナンス事業においては、それぞれの顧客の資金需要に沿った幅広いファイナンススキームの提案や、顧客基盤の拡充、深耕等により、契約実行高、成約高共に前期を上回る結果となりました。
リサ事業においては、ファンドビジネスにおける投資有価証券の売却や配当収益により、売上高、営業利益共に前期を上回る結果となりました。
また、その他の事業においては、当期に大型の売却収益を計上したことから、売上高は前期を上回り、営業損失は改善しました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,207億16百万円(前期比8.1%増)、営業利益82億92百万円(同7.1%減)、経常利益90億92百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益51億17百万円(同19.9%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a. 賃貸・割賦事業
賃貸・割賦事業の売上高は、前期比4.8%増の1,748億93百万円となったものの、営業利益は販売費及び一般管理費の増加等により、前期比12億47百万円減少し28億39百万円となりました。
b. ファイナンス事業
ファイナンス事業の売上高は、配当収益や金利収入等により前期比9.7%増の72億86百万円となったものの、営業利益は販売費及び一般管理費の増加等により、前期比2億15百万円減少し31億6百万円となりました。
c. リサ事業
リサ事業の売上高は、当期の大型のファンドによる営業投資有価証券の売却や配当収益により前期比15.1%増の161億68百万円となり、営業利益は前期比4億12百万円増加し40億46百万円となりました。
d. その他の事業
その他の事業の売上高は、当期に大型の賃貸資産の売却等があったことから、前期比34.8%増の224億37百万円となり、営業損失は前期比2億24百万円改善し1億30百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,018億27百万円増加し、9,975億10百万円となりました。主な要因としては、リース債権及びリース投資資産が517億78百万円、現金及び預金が222億97百万円、販売用不動産が127億56百万円、割賦債権が93億10百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて1,025億78百万円増加し、8,922億62百万円となりました。主な要因としては、債権流動化に伴う長期支払債務(債権流動化に伴う支払債務を含む)が40億79百万円減少したものの、コマーシャル・ペーパーが880億円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が194億30百万円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて7億50百万円減少し、1,052億48百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により38億25百万円増加したものの、非支配株主持分が45億9百万円、その他の包括利益累計額が66百万円減少したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。なお、当連結会計年度末につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による資金調達面のリスクを考慮し、例年よりも手許現預金を増加させております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、430億22百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は699億2百万円(前期は56億61百万円の収入)となりました。これは主にリース債権及びリース投資資産の増加額517億78百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は35億29百万円(前期は97百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入118億63百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出143億16百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は956億27百万円(前期は199億99百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,443億41百万円があったものの、長期借入れによる収入1,645億79百万円及びコマーシャル・ペーパーの増加額880億円があったことによります。
(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
2020年3月31日現在
| 貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 | |||||
| 無担保(住宅向を除く) | ― | ― | ― | ― | ― |
| 有担保(住宅向を除く) | ― | ― | ― | ― | ― |
| 住宅向 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 計 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 事業者向 | |||||
| 計 | 4,663 | 100.00 | 230,210 | 100.00 | 2.12 |
| 合計 | 4,663 | 100.00 | 230,210 | 100.00 | 2.12 |
②資金調達内訳
2020年3月31日現在
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
| 金融機関等からの借入 | 465,872 | 0.57 | |
| その他 | 354,679 | 0.12 | |
| 社債・CP | 346,000 | 0.10 | |
| 合計 | 820,552 | 0.38 | |
| 自己資本 | 90,559 | ― | |
| 資本金・出資額 | 3,776 | ― | |
③業種別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 農業、林業、漁業、鉱業 | 3 | 0.66 | 2,557 | 1.11 |
| 建設業 | 12 | 2.65 | 6,315 | 2.74 |
| 製造業 | 94 | 20.75 | 57,233 | 24.86 |
| 電気、ガス、熱供給、水道業 | 29 | 6.40 | 21,455 | 9.32 |
| 情報通信業 | 25 | 5.52 | 9,405 | 4.09 |
| 運輸業 | 21 | 4.64 | 8,232 | 3.58 |
| 卸売・小売業 | 46 | 10.15 | 13,064 | 5.68 |
| 金融・保険業 | 34 | 7.51 | 30,356 | 13.19 |
| 不動産業 | 52 | 11.48 | 38,982 | 16.93 |
| 飲食店、宿泊業 | 15 | 3.31 | 2,766 | 1.20 |
| 医療、福祉 | 5 | 1.10 | 4,173 | 1.81 |
| 教育、学習支援業 | 4 | 0.88 | 1,735 | 0.75 |
| サービス業 | 112 | 24.73 | 33,387 | 14.50 |
| 個人 | ― | ― | ― | ― |
| その他 | 1 | 0.22 | 544 | 0.24 |
| 合計 | 453 | 100.00 | 230,210 | 100.00 |
④担保別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
| 有価証券 | 2,763 | 1.20 | |
| うち株式 | 2,763 | 1.20 | |
| 債権 | 14,162 | 6.15 | |
| うち預金 | 1,088 | 0.47 | |
| 商品 | 160 | 0.07 | |
| 不動産 | 47,985 | 20.84 | |
| 財団 | 453 | 0.20 | |
| その他 | 20,050 | 8.71 | |
| 計 | 85,575 | 37.17 | |
| 保証 | 1,410 | 0.61 | |
| 無担保 | 143,224 | 62.22 | |
| 合計 | 230,210 | 100.00 | |
⑤期間別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | 3,313 | 71.06 | 77,674 | 33.74 |
| 1年超 5年以下 | 909 | 19.49 | 89,217 | 38.77 |
| 5年超 10年以下 | 361 | 7.74 | 36,544 | 15.87 |
| 10年超 15年以下 | 38 | 0.81 | 11,911 | 5.17 |
| 15年超 20年以下 | 40 | 0.86 | 13,015 | 5.65 |
| 20年超 25年以下 | 2 | 0.04 | 1,848 | 0.80 |
| 25年超 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 4,663 | 100.00 | 230,210 | 100.00 |
| 一件当たり平均期間 | 21.32月 | |||
(3) 営業取引の状況
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社の取引が大半を占めているため、提出会社の状況について記載しております。
| セグメントの名称 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 契約実行高 (百万円) | 前期比(%) | 契約実行高 (百万円) | 前期比(%) | ||
| 賃貸・割賦事業 | ファイナンス・リース | 157,975 | 1.8 | 197,950 | 25.3 |
| オペレーティング・リース | 13,592 | 30.7 | 19,490 | 43.4 | |
| 割賦 | 10,602 | 92.2 | 18,140 | 71.1 | |
| 賃貸・割賦事業計 | 182,170 | 6.4 | 235,581 | 29.3 | |
| ファイナンス事業 | 456,832 | △1.3 | 478,900 | 4.8 | |
| その他の事業 | 5,805 | △27.3 | 10,856 | 87.0 | |
| 合計 | 644,808 | 0.4 | 725,338 | 12.5 | |
(注)賃貸・割賦事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 期末残高 (百万円) | 構成比 (%) | 期末残高 (百万円) | 構成比 (%) | ||
| 賃貸・割賦事業 | 507,839 | 61.4 | 570,035 | 63.5 | |
| ファイナンス事業 | 254,015 | 30.7 | 258,092 | 28.7 | |
| リサ事業 | 62,070 | 7.5 | 62,644 | 7.0 | |
| その他の事業 | 2,908 | 0.4 | 7,497 | 0.8 | |
| 合計 | 826,834 | 100.0 | 898,270 | 100.0 | |
(注)当連結会計年度におけるリサ事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が9,010百万円、買取債権が10,640百万円、営業投資有価証券が11,866百万円、販売用不動産が11,228百万円、投資有価証券が19,897百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 賃貸・割賦事業 | 166,847 | 152,942 | 13,904 | 3,141 | 10,763 |
| ファイナンス事業 | 6,644 | 465 | 6,178 | 1,285 | 4,893 |
| リサ事業 | 14,051 | 5,408 | 8,643 | 399 | 8,244 |
| その他の事業 | 16,649 | 14,838 | 1,811 | 74 | 1,736 |
| 調整 | △62 | △14 | △47 | - | △47 |
| 合計 | 204,131 | 173,640 | 30,490 | 4,901 | 25,588 |
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 賃貸・割賦事業 | 174,893 | 160,877 | 14,015 | 3,008 | 11,006 |
| ファイナンス事業 | 7,286 | 281 | 7,004 | 1,284 | 5,720 |
| リサ事業 | 16,168 | 7,088 | 9,080 | 362 | 8,717 |
| その他の事業 | 22,437 | 20,164 | 2,273 | 81 | 2,191 |
| 調整 | △69 | △14 | △55 | - | △55 |
| 合計 | 220,716 | 188,398 | 32,318 | 4,736 | 27,581 |
(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①賃貸・割賦事業……情報・事務用機器、産業・土木・建設機械等の賃貸(リース・レンタル)及び
割賦販売業務等
②ファイナンス事業…金銭の貸付業務、ファクタリング業務及び営業目的の収益を得るために所有する
有価証券の投資業務等
③リサ事業……………株式会社リサ・パートナーズが行っている企業投資、債権投資、不動産、
ファイナンス及びアドバイザリー業務
④その他の事業………物品売買、賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却、手数料取引、
ベンチャー企業向け投資、ヘルスケア関連及び太陽光発電売電業務等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
当社グループの連結財務諸表に関して、認識している重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
貸倒引当金
当社は、官公庁・自治体等や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等の営業取引を行っており、これらの営業債権の回収は、景気変動やその他の事由により延滞や倒産等が生じた場合、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があります。そのため当社の営業債権である割賦債権、リース債権及びリース投資資産、賃貸料等未収入金並びに営業貸付金等については、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、重要な会計上の見積りを必要とします。
当社の営業債権に関する信用リスクの管理にあたっては、社内管理規程に沿って顧客毎の状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。取組時において個別案件毎の与信審査、与信限度額、与信情報管理、内部格付及び成約条件の設定を行っておりますが、途上の与信管理で与信不安情報等を入手した際は与信ランクの変更をしております。
貸倒引当金については、債権の貸倒損失に備えるため、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(4)重要な引当金の計上基準 ①貸倒引当金」に記載のとおり、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
当社は、債務者区分と商品形態別に与信ランクと引当基準を設けており、当該引当基準に基づいて、担保・物件処分等による回収見込額や貸倒実績率等を勘案した貸倒引当金の計上を行っております。引当率は過去の貸倒実績に基づいて見積りしております。
また、債務者区分の判定は、顧客の財務指標や返済状況等の定量的要因と将来の業績見通し等の定性的要因に関連する情報を基礎として行っており、特に定性的要因に基づく債務者区分の判定は重要な見積りを必要とします。
当社は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、保有する営業債権の回収期間が中長期にわたることから、経済及びその他の事象または状況の変化により、顧客の延滞・倒産等の不測の事態を蒙り、追加の引当金の計上が必要となってくる可能性があります。
与信コストは主に債務者区分、非保全額及び引当率の3つの見積り要素の影響を受けており、与信コストの変動は当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症(以下、本感染症という)拡大に端を発した経済環境の変化による信用リスクへの影響については、本感染症による影響が収束するまで今後半年から1年程度かかるものと想定しており、一定の仮定に基づき貸倒引当金を計上しております。
本感染症の影響により、手許流動性確保を目的とした顧客からの支払猶予要請を受けた営業債権については、顧客の直近の財政状態や支払猶予の影響等を勘案した貸倒引当金の見積りをしておりますが、本感染症の影響が長期化すること等により債権の回収に懸念が生じた場合には、追加の引当金が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,207億16百万円(前期比8.1%増)、営業利益82億92百万円(同7.1%減)、経常利益90億92百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益51億17百万円(同19.9%減)となりました。売上高及び売上総利益は、営業資産の積み上げや投資有価証券の売却等により、賃貸・割賦事業をはじめ、すべてのセグメントで前期を上回りました。営業利益は、第4四半期連結会計期間に新型コロナウイルス感染拡大の影響等により与信費用の計上を行ったことから減益となっておりますが、経常利益については、前期の為替評価損が当期は評価益になったこと、及び投資事業組合等の投資利益を獲得したこと等により増益となっております。親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税等や非支配株主に帰属する当期純利益の増加により前期を下回る結果となりました。
以上により、中期計画2017で掲げた2020年3月期の当初計数目標(経常利益85億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円)については、それを上回る経常利益90億92百万円、親会社株主に帰属する当期純利益51億17百万円を計上しました。また、これに伴い中期計画3ヶ年累計の利益計画についても、親会社株主に帰属する当期純利益の3ヶ年累計目標120億円に対して3ヶ年累計実績が175億円となっており、大幅に達成することができました。
「中期計画2017」の最終年度、という観点から当連結会計年度を振り返ると、CSV経営実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識しております。「中期計画2017」の3年目は、グループビジョン実現に向けた10年間の、第二ステップが完了する年度であり、その実現に向けた各種取り組みの進捗を確認する二回目のポイントでもあります。
「中期計画2017」では「コア領域の完成」と「ビジョン実現に向けた新事業の立ち上げ」を目標に掲げています。「コア領域の完成」においては、大きく3つの観点から取り組みを進めております。 第一は「NECとの戦略的なパートナーシップの確立と深耕」です。官公庁や民間大企業のお客様向けに、NECとの連携強化により着実に取扱高を増加させております。当連結会計年度においては、中でも学校PCの導入について想定以上の成果を上げることができました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学校PCの導入需要は今後も加速すると想定され、NECとの連携強化により着実にそのビジネスチャンスを捉えていく所存です。なお、これらの取り組みが奏功し、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) セグメント別経営方針」に記載した、「賃貸・割賦事業の売上総利益の下げ止まりと前年比反転」について実現をすることができました。 第二は「独自商流における顧客基盤の拡充」です。外資系ICTベンダーとの連携強化による大型案件の獲得や、大口販社との取り組み強化による小口リースの取り扱い高伸長など、目に見えるかたちでの成果もあがってきました。 第三は「高い利益成長の源泉を確保」です。当中計期間を通して、当社連結経営成績に大きな貢献をした株式会社リサ・パートナーズの持続的な収益性向上に加え、PFI事業の強化拡大、ベンチャーファンド事業の推進など、足元の高い利益成長の源泉を確保しつつ、将来の利益成長の源泉確保に向けても着実に取り組みを遂行しております。 第二の目標である「ビジョン実現に向けた新事業の立ち上げ」においては、当社の取り組むべき社会課題として「エネルギー」「観光」「農業」「ヘルスケア」の4領域を新事業領域と捉え、「中期計画2017」の期間に当社の強みと結び付けてビジネスを立ち上げ、次の「中期計画2020」で収益化するというロードマップを描いています。
当連結会計年度における取り組みとして、エネルギー領域では、太陽光に加え、バイオマス発電、水力発電分野などへの取り組みを推進しております。また、宮古島において、再エネサービスプロバイダ事業の拡大に向けた取り組みについても開始いたしました。観光領域では、阿寒湖や白馬岩岳などにおける各地域の観光資源活性化を通した事業創出、茨城県稲敷市での官民連携まちづくり協定の締結など、地域経済活性化に向けた取り組みを推進しております。農業領域では、米の生産、加工、販売を主事業としている株式会社みらい共創ファーム秋田において、秋田の気候風土に沿った、米と畑作の複合農業への取り組みを継続しております。これに加え、鹿児島でのミニトマト栽培や国内バナナ生産に関する知見獲得など、農業に関する取り組み領域についても拡大しております。ヘルスケア領域ではヘルスケア施設のリート向けウェアハウジング事業の取組みを推進しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日銀の異次元金融緩和政策が挙げられます。この影響により、銀行をはじめとする金融機関の競合が激化し、国内のリース市場にも影響を与えていると考えておりますが、当連結会計年度については、Windows10の入替特需や、労働力不足を補う設備投資需要などを背景に市場全体のリース取扱高は前期比6.2%増となり、5兆円の大台を回復しました。また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」並びに「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した通り、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国内外の経済の停滞や混乱は、今後当社事業の運営に影響を及ぼす可能性があると考えております。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー共に、問題ない状態と考えております。外貨調達に関してはFRBの追加利下げ影響もあり、会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。また、円貨調達においても、日銀の金融緩和政策の継続に伴い、同じく会計年度を通じて安定した調達を行うことができました。年度末においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりコマーシャル・ペーパーの調達コストの上昇などが見られましたが、当連結会計年度の経営成績に大きな影響を及ぼすものではありませんでした。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべきほどの大規模な資本的支出はありません。
b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
賃貸・割賦事業
契約実行高は3期連続前期比増となり、営業資産残高は2019年3月末につづき、5,000億円の大台を維持したことなどから、賃貸・割賦事業の売上高は前期比4.8%増、売上総利益は前期比反転に転じることができました。営業利益については当期に与信関連費用の計上をしたことや販管費の増加により前期比減となりました。現状では、販管費の増加を売上総利益の増加で補えていない状況となっておりますが、従来の情報通信機器のリースに加え、付帯サービス収益や再リース収益が期待できるリース契約などに継続して取り組むことで収益力の向上を図り、営業利益の前期比増を実現していく予定です。
なお、賃貸・割賦事業における新型コロナウイルスの影響については、現時点で正確な見通しを行うことは難しいものの、政府が掲げる「新しい生活様式」を支えるインフラとしてのICT機器の重要性はこれまで以上に大きくなるものと想定され、NECグループの一員である当社にとって、大きなビジネスチャンスの獲得につながる可能性があると考えております。
ファイナンス事業
契約実行高については、一括ファクタリングの減少はあったものの、個別ファクタリングや企業融資が堅調に推移したことから、ほぼ前期並みの水準を維持しました。営業利益については、与信関連費用の計上により前期比減となりましたが、与信関連費用の計上は一過性のものであると認識していること、配当収入や金利収入は順調に増加していることなどから、今後の事業セグメントの収益拡大を早期に実現できるものと考えております。
なお、ファイナンス事業における新型コロナウイルスの影響については、賃貸・割賦事業と同様に、現時点で正確な見通しを行うことは難しいものの、足下では一時的な与信コストの増加などにつながる懸念があります。一方で、短期の資金繰りに関わるニーズなど、新たな需要の掘り起こしも期待できるものと考えております。
リサ事業
ファンド事業における売却売上により売上高は前期比増となりました。また不動産の売却収益により、営業利益についても前期比増となりました。当社グループが株式会社リサ・パートナーズを連結対象としてから当連結会計年度で9年が経過しましたが、リスク管理を強化しながら資産の入れ替えを進めた結果、足元の実績が示すとおり、毎期安定的な高い収益力を確保できるようになりました。
なお、リサ事業における新型コロナウイルスの影響についても、現時点で正確な見通しを行うことは難しいものの、リサ・パートナーズが持つファンド機能やアドバイザリー機能を活用して、投資先や顧客企業における金融と経営ノウハウの両面からの支援ニーズの高まりに応えることで、あらたなビジネスチャンスの獲得につなげられるものと考えております。
その他の事業
当期に大型の資産売却を計上したことやベンチャーキャピタルファンドのエグジット収益等により、売上高、売上総利益共に前期比増となり、営業損失は改善しました。今後においてはファンド収益の拡大やフィービジネスの強化により、営業損益の黒字転換を図ってまいります。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2017」において、連結ROAを公表しております。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3ヶ年における収益性の向上を測るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAは1.0%であり、これは「中期計画2017」において最終年度の目標とした1.0%を、前年度に続き達成した水準となりました。現状取り組みを進めている各種施策の着実な遂行を通して、更に高いベンチマークを設定できるよう努力していく所存であります。
d. 今後の見通し
中期計画2017では「コア領域の完成と新事業立上げ」を目指し、賃貸・割賦事業の契約実行高を伸長させると共に、PFIやICTをはじめとした当社ならではの独自サービスの提供や、グローバル事業の展開推進、リサ事業の継続的な収益拡大、更には環境・エネルギー関連や多様なアセットへの取り組みを図ってまいりました。その結果として、3ヶ年の利益計画については大幅達成を果たすことが出来ました。加えて、エネルギー、観光、農業、ヘルスケアの各新事業領域においては、それぞれ立ち上げのためのアプローチを実施し、収益化につながる基盤を構築いたしました。
しかしながら、2020年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、アベノミクスを背景に続いていた緩やかな拡大局面が大きく下方修正される可能性が高まっております。感染症の拡大は、今後様々なリスク要因となって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2013年に掲げたグループビジョン「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」は、中期計画を3回積み重ねて実現を目指すものであり、本来ならば、当決算短信の開示と同時に中期計画2020の公表を行い、各種戦略施策と共に、経営の方向性を明確にすることを予定していました。従来より掲げている中期計画2020の方向性「コア領域の拡充と新事業収益化」について変更はないものの、足元の事業環境の動向を踏まえ、改めて事業計画の見極めが必要との結論に至りました。中期計画2020の初年度にあたる2021年3月期の通期の連結業績予想についても同様の判断をしております。
以上により、2021年3月期の通期の連結業績予想、並びに、中期計画2020についての公表を当面の間延期することといたしました。一方で、配当予想につきましては、安定配当の維持を基本方針とする当社の配当政策に基づき、昨年度並みの、1株当たり年間60円の配当(うち中間配当30円)を実施する予想とさせていただいております。未公表の内容につきましては、明らかになり次第、速やかに開示する予定です。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。