訂正有価証券報告書-第48期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績等の状況
当社賃貸・割賦事業では主要顧客である官公庁・自治体等との良好な取引関係を活かして取引規模の拡大に努めると共に、相談型営業の展開強化や新たなベンダーファイナンスプログラムへの取り組みによる民需の掘り起こしを行った結果、当連結会計年度における成約高及び契約実行高は共に前期を大幅に上回る結果となりました。
ファイナンス事業においては、従来のNECグループ商流に留まらない幅広い顧客に対するファイナンス案件の取り組みや、メガバンクをはじめとした各金融機関とのパートナーシップ強化、個別ファクタリングの受注強化を行ったことから、成約高、契約実行高共に、前期を大幅に上回る実績となっております。
リサ事業においては、大型の営業投資有価証券の売却や、債権投資の回収益等があったことにより、売上高、営業利益共に前期を大幅に上回りました。
その他の事業においては、太陽光を中心とした再生可能エネルギーの収益化を図ると共に、ICT資産に関する各種運用サービスメニューの展開やヘルスケアリートの取り組みなど新たな事業収益の拡大を図ったものの、営業利益については営業投資有価証券の減損を計上したことから減益となりました。
これらの事業活動の展開により、賃貸・割賦事業及びファイナンス事業共に契約実行高は前期比増加となり、営業資産残高の積み上げも実現しております。また、リサ事業における大型案件の計上やヘルスケア関連の販売用不動産の売却などにより売上高は増収となり、経常利益、当期純利益においても前期を大幅に上回る結果となっております。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,314億32百万円(前期比7.3%増)、営業利益126億74百万円(同110.4%増)、経常利益134億55百万円(同105.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益60億6百万円(同70.8%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a. 賃貸・割賦事業
賃貸・割賦事業の売上高は、前期比2.5%減の1,640億11百万円となったものの、営業利益は貸倒引当金戻入額の計上等により、前期比12億61百万円増加し44億96百万円となりました。
b. ファイナンス事業
ファイナンス事業の売上高は、配当収益や金利収入等により前期比30.4%増の61億27百万円となり、営業利益は前期比11億53百万円増加の31億32百万円となりました。
c. リサ事業
リサ事業の売上高は、前期に大型の販売用不動産の売却があったものの、当期にファンドによる営業投資有価証券の売却があったことから前期比5.6%増の174億42百万円となり、営業利益は前期比46億98百万円増加し66億18百万円となりました。
d. その他の事業
その他の事業の売上高は、大型のヘルスケア関連不動産の売却があったことから、前期比67.1%増の438億98百万円となったものの、営業利益は営業投資有価証券の減損を実施したこと等により、前期比3億82百万円減少し1億37百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて460億12百万円増加し、9,064億95百万円となりました。主な要因としては、販売用不動産が217億52百万円減少したものの、営業貸付金が377億53百万円、リース債権及びリース投資資産が181億84百万円、投資有価証券が109億29百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて438億44百万円増加し、7,955億5百万円となりました。主な要因としては、短期借入金が76億67百万円減少したものの、コマーシャル・ペーパーが310億円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が200億円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて21億68百万円増加し、1,109億89百万円となりました。主な要因としては、非支配株主持分が32億44百万円減少したものの、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益等により50億58百万円、その他の包括利益累計額が3億54百万円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、351億24百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は315億96百万円(前期は58億66百万円の支出)となりました。これは主に販売用不動産の減少額209億87百万円があったものの、営業貸付金の増加額389億60百万円並びにリース債権及びリース投資資産の増加額181億84百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は129億22百万円(前期は91億27百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入78億4百万円及び投資有価証券の売却による収入24億89百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出228億15百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は361億96百万円(前期は288億39百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,120億42百万円及び非支配株主への配当金の支払額137億91百万円があったものの、長期借入れによる収入1,099億77百万円、コマーシャル・ペーパーの増加額310億円及び社債の発行による収入200億円があったことによります。
(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
平成30年3月31日現在
②資金調達内訳
平成30年3月31日現在
③業種別貸付金残高内訳
平成30年3月31日現在
④担保別貸付金残高内訳
平成30年3月31日現在
⑤期間別貸付金残高内訳
平成30年3月31日現在
(3) 営業取引の状況
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社の取引が大半を占めているため、提出会社の状況について記載しております。
(注)賃貸・割賦事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度におけるリサ事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が9,017百万円、買取債権が18,471百万円、営業投資有価証券が11,273百万円、販売用不動産が6,453百万円、賃貸資産が410百万円、投資有価証券が21,143百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①賃貸・割賦事業……情報・事務用機器、産業・土木・建設機械等の賃貸(リース・レンタル)及び
割賦販売業務等
②ファイナンス事業…金銭の貸付業務、ファクタリング業務及び営業目的の収益を得るために所有する
有価証券の投資業務等
③リサ事業……………株式会社リサ・パートナーズが行っている企業投資、債権投資、不動産、
ファイナンス及びアドバイザリー業務
④その他の事業………物品売買、賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却、手数料取引、
ベンチャー企業向け投資、ヘルスケア関連及び太陽光発電売電業務等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高、利益共に前期実績及び期初計画を大きく上回る結果となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、上場来最高益を更新しております。これは、リサ事業におけるファンドの大型売却益があったことに加え、ファイナンス事業の伸長、与信関連費用の戻入、為替差益の計上等が主な要因です。これら押上げ効果により、当連結会計年度の利益水準は、期初の予想を大きく上回る水準となっております。来期については、こうした要因を除いて予想を行った結果、減収減益の予想となっております。しかしながら、これは「中期計画2017」で当初計画した利益水準を満たすものであり、3ヶ年の利益計画は順調に推移していると考えております。
また、「中期計画2017」の初年度、という観点から当連結会計年度を振り返ると、CSV経営実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識しております。既存事業であるコア領域では、当社の強みである「NECとの連携」「金融サービス」「ICT資産に関するサービス」を融合させた当社ならではの様々なサービスの創出に注力しております。当期はICT製品の複合提案を核に、NECグループの営業部門との連携を強化し、受注額を大幅に伸ばすなどの成果が出ております。また注力する海外事業においても、海外のプロジェクトファイナンス案件でリードアレンジャーを務めるなどの実績を積み上げることが出来ました。新事業領域においては、太陽光発電が中心であった従来のエネルギー関連において、バイオマス発電や水素ステーションの拡充プロジェクトに参画する等、ビジネスの対象となる領域の幅を広げております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日銀の異次元金融緩和政策が挙げられます。この影響により、銀行をはじめとする金融機関の国内における競合が激化し、国内のリース市場全体の取扱高が前期比で減少するなど、当連結会計年度は厳しい事業環境が続きました。こうした事業環境は、当社の営業状況を示す契約実行高に影響を与えることとなりますが、官公庁領域での長年のノウハウの蓄積による強固な営業力や、顧客の課題解決を金融面からサポートする「相談型営業」などの展開により、当社グループにおいては、官公庁、民需とも前期を上回る水準を達成しました。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになっておりますが、これは営業資産の積み上げによるものであり、当連結会計年度においてアセットビジネスが拡大した証左でもあります。これに応じるため、資金調達残高を増加させましたが、資金の調達源としては、コストの低減を図るため、前連結会計年度に比べ、コマーシャル・ペーパーによる調達比率を上げております。流動性リスクへの備えを図りつつ、コマーシャル・ペーパー活用による資金調達コスト低減については、今後も継続していく予定です。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべきほどの大規模の資本的支出はありません。
b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
賃貸割賦事業
契約実行高は前期を上回り、与信コストの戻入益等により営業利益についても前期を上回る結果となりました。しかしながら、リースビジネスを取り巻く事業環境は厳しく、売上高、売上総利益については前期を割り込むこととなりました。これは主に、前期末に大型の解約があったこと、厳しい事業環境の中で新規獲得した資産の利回りが伸び悩んでいることなどが要因です。従来の情報通信機器のリースに加え、航空機や建物などのリース、付帯サービス収益や再リース収益が期待できるリース契約などに取り組むことで、収益力の向上を図っていく予定です。
ファイナンス事業
契約実行高、営業利益ともに前期を大幅に上回る結果となりました。契約実行高については、短期のファクタリングの大型案件を複数獲得できたことから前期比伸長となりました。顧客ニーズを捉えたさまざまな融資の需要について今後も積極的に取り込んでいきたいと考えております。営業利益の増加は、契約実行高の積み上げに加え、前年を大幅に上回る投資案件の収益計上などが要因となっております。アセットの積み上げが奏功し、この大型収益を除いたベースでも、前期を上回る水準となっています。従来の企業融資や貸付に加え、投資案件の選別を行いつつ収益力の向上を図っていく必要があると考えております。
リサ事業
大型の営業投資有価証券の売却や債券投資の回収益などがあったことから、前期実績を大幅に上回る利益水準となりました。株式会社リサ・パートナーズを連結対象としてから当連結会計年度で7年が経過しました。リスク管理を強化しつつ資産の入れ替えを進めた結果、毎期安定的な収益を確保できるようになりました。当連結会計年度の利益水準は大型案件による押し上げ効果を含むものであったことから、来期は減益予想となりますが、来期以降も「中期計画2017」で計画した水準の収益確保を見込んでおります。
その他の事業
ヘルスケア関連の売却があったことにより、売上高は前期比大幅伸長しました。一方で、営業投資有価証券の減損処理などを行ったことから、営業利益については減益となりました。今回の減損処理について、当連結会計年度で見れば減益理由ではありますが、投資ビジネスにおけるリスク許容範囲内のものであり、引き続き案件選別を行いつつ投資ビジネスに取り組んでいく予定です。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2017」において、連結ROAを公表しております。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3ヶ年における収益性の向上を測るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAは1.5%であり、これは「中期計画2017」において最終年度に達成する目標とした1.0%を大きく上回る水準となりました。しかしながら、これは前述したとおり、複数の押し上げ要因があったことによるものであり、当社グループの主要な営業資産から生み出されるストックベースの収益については、1.0%の水準には達していないと考えております。現状取り組みを進めている各種施策の着実な遂行を通して、「中期計画2017」に掲げた目標を達成できるよう努力していく所存であります。
d. 今後の見通し
平成30年度のわが国経済は、国内外の不確実な要素により、アベノミクスに端を発した緩やかな拡大局面が持続できるか、先行き不透明な状況になりつつあると考えられます。国外においては、米中貿易摩擦の懸念、アメリカの利上げに伴う新興国経済への影響、朝鮮半島情勢などが挙げられ、国内では政治状況の不安定化に伴う政策遂行の停滞が懸念される状況となっております。
このような事業環境において、当社グループは、社名に「NEC」の3文字を冠する企業として成長し、また「日本」の復興・発展に寄与するべく、各種ソリューションを通して、企業と社会双方に共通の価値を生み出すCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)経営を推進していく所存です。その基本方針として策定したのが、グループビジョン「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」であります。
上記の環境、方針のもと、来期は「中期計画2017」の2年目として、初年度に引き続き「コア領域の完成と新事業立上げ」を目指していきます。賃貸・割賦事業の契約実行高を伸長させることで賃貸・割賦事業の売上総利益を確保すると共に、PFIやICTをはじめとした当社ならではの独自サービスの提供や、グローバル事業の拡大に加え、環境・エネルギー関連や多様なアセットへの取り組みによる事業機会の拡大を図ってまいります。
平成31年3月期の通期連結売上高予想は、当期にヘルスケア関連の大型不動産売却があったことから、当期比13.6%減の2,000億円を見込んでおります。
また、平成31年3月期の通期連結の利益予想は、当期に大型の営業投資有価証券の売却益や、与信コストの戻入益等があったことにより、経常利益は当期比40.5%減の80億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比33.4%減の40億円を予想しております。なお、これらの利益水準は「中期計画2017」策定時の計画水準を上回るものであり、3ヶ年の利益計画は順調に推移していると認識しております。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①経営成績等の状況
当社賃貸・割賦事業では主要顧客である官公庁・自治体等との良好な取引関係を活かして取引規模の拡大に努めると共に、相談型営業の展開強化や新たなベンダーファイナンスプログラムへの取り組みによる民需の掘り起こしを行った結果、当連結会計年度における成約高及び契約実行高は共に前期を大幅に上回る結果となりました。
ファイナンス事業においては、従来のNECグループ商流に留まらない幅広い顧客に対するファイナンス案件の取り組みや、メガバンクをはじめとした各金融機関とのパートナーシップ強化、個別ファクタリングの受注強化を行ったことから、成約高、契約実行高共に、前期を大幅に上回る実績となっております。
リサ事業においては、大型の営業投資有価証券の売却や、債権投資の回収益等があったことにより、売上高、営業利益共に前期を大幅に上回りました。
その他の事業においては、太陽光を中心とした再生可能エネルギーの収益化を図ると共に、ICT資産に関する各種運用サービスメニューの展開やヘルスケアリートの取り組みなど新たな事業収益の拡大を図ったものの、営業利益については営業投資有価証券の減損を計上したことから減益となりました。
これらの事業活動の展開により、賃貸・割賦事業及びファイナンス事業共に契約実行高は前期比増加となり、営業資産残高の積み上げも実現しております。また、リサ事業における大型案件の計上やヘルスケア関連の販売用不動産の売却などにより売上高は増収となり、経常利益、当期純利益においても前期を大幅に上回る結果となっております。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,314億32百万円(前期比7.3%増)、営業利益126億74百万円(同110.4%増)、経常利益134億55百万円(同105.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益60億6百万円(同70.8%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a. 賃貸・割賦事業
賃貸・割賦事業の売上高は、前期比2.5%減の1,640億11百万円となったものの、営業利益は貸倒引当金戻入額の計上等により、前期比12億61百万円増加し44億96百万円となりました。
b. ファイナンス事業
ファイナンス事業の売上高は、配当収益や金利収入等により前期比30.4%増の61億27百万円となり、営業利益は前期比11億53百万円増加の31億32百万円となりました。
c. リサ事業
リサ事業の売上高は、前期に大型の販売用不動産の売却があったものの、当期にファンドによる営業投資有価証券の売却があったことから前期比5.6%増の174億42百万円となり、営業利益は前期比46億98百万円増加し66億18百万円となりました。
d. その他の事業
その他の事業の売上高は、大型のヘルスケア関連不動産の売却があったことから、前期比67.1%増の438億98百万円となったものの、営業利益は営業投資有価証券の減損を実施したこと等により、前期比3億82百万円減少し1億37百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて460億12百万円増加し、9,064億95百万円となりました。主な要因としては、販売用不動産が217億52百万円減少したものの、営業貸付金が377億53百万円、リース債権及びリース投資資産が181億84百万円、投資有価証券が109億29百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて438億44百万円増加し、7,955億5百万円となりました。主な要因としては、短期借入金が76億67百万円減少したものの、コマーシャル・ペーパーが310億円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が200億円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて21億68百万円増加し、1,109億89百万円となりました。主な要因としては、非支配株主持分が32億44百万円減少したものの、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益等により50億58百万円、その他の包括利益累計額が3億54百万円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、351億24百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は315億96百万円(前期は58億66百万円の支出)となりました。これは主に販売用不動産の減少額209億87百万円があったものの、営業貸付金の増加額389億60百万円並びにリース債権及びリース投資資産の増加額181億84百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は129億22百万円(前期は91億27百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入78億4百万円及び投資有価証券の売却による収入24億89百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出228億15百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は361億96百万円(前期は288億39百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,120億42百万円及び非支配株主への配当金の支払額137億91百万円があったものの、長期借入れによる収入1,099億77百万円、コマーシャル・ペーパーの増加額310億円及び社債の発行による収入200億円があったことによります。
(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
平成30年3月31日現在
| 貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 | |||||
| 無担保(住宅向を除く) | ― | ― | ― | ― | ― |
| 有担保(住宅向を除く) | ― | ― | ― | ― | ― |
| 住宅向 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 計 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 事業者向 | |||||
| 計 | 5,240 | 100.00 | 233,350 | 100.00 | 1.97 |
| 合計 | 5,240 | 100.00 | 233,350 | 100.00 | 1.97 |
②資金調達内訳
平成30年3月31日現在
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
| 金融機関等からの借入 | 434,449 | 0.66 | |
| その他 | 291,678 | 0.20 | |
| 社債・CP | 273,000 | 0.14 | |
| 合計 | 726,128 | 0.47 | |
| 自己資本 | 87,318 | ― | |
| 資本金・出資額 | 3,776 | ― | |
③業種別貸付金残高内訳
平成30年3月31日現在
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 農業、林業、漁業、鉱業 | 3 | 0.78 | 2,336 | 1.00 |
| 建設業 | 12 | 3.10 | 3,039 | 1.30 |
| 製造業 | 92 | 23.77 | 87,858 | 37.65 |
| 電気、ガス、熱供給、水道業 | 24 | 6.20 | 19,099 | 8.18 |
| 情報通信業 | 22 | 5.68 | 13,967 | 5.99 |
| 運輸業 | 17 | 4.39 | 9,080 | 3.89 |
| 卸売・小売業 | 51 | 13.18 | 8,737 | 3.74 |
| 金融・保険業 | 34 | 8.78 | 23,708 | 10.16 |
| 不動産業 | 45 | 11.63 | 30,279 | 12.98 |
| 飲食店、宿泊業 | 14 | 3.62 | 3,893 | 1.67 |
| 医療、福祉 | 3 | 0.78 | 2,240 | 0.96 |
| 教育、学習支援業 | 3 | 0.78 | 370 | 0.16 |
| サービス業 | 66 | 17.05 | 28,207 | 12.09 |
| 個人 | ― | ― | ― | ― |
| その他 | 1 | 0.26 | 531 | 0.23 |
| 合計 | 387 | 100.00 | 233,350 | 100.00 |
④担保別貸付金残高内訳
平成30年3月31日現在
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
| 有価証券 | 78 | 0.03 | |
| うち株式 | 78 | 0.03 | |
| 債権 | 13,191 | 5.65 | |
| うち預金 | 20 | 0.01 | |
| 商品 | 340 | 0.15 | |
| 不動産 | 27,874 | 11.95 | |
| 財団 | 554 | 0.24 | |
| その他 | 9,077 | 3.89 | |
| 計 | 51,116 | 21.91 | |
| 保証 | 6,279 | 2.69 | |
| 無担保 | 175,953 | 75.40 | |
| 合計 | 233,350 | 100.00 | |
⑤期間別貸付金残高内訳
平成30年3月31日現在
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | 4,207 | 80.29 | 106,399 | 45.60 |
| 1年超 5年以下 | 714 | 13.62 | 76,972 | 32.98 |
| 5年超 10年以下 | 235 | 4.48 | 26,499 | 11.36 |
| 10年超 15年以下 | 47 | 0.90 | 11,567 | 4.96 |
| 15年超 20年以下 | 37 | 0.71 | 11,911 | 5.10 |
| 20年超 25年以下 | ― | ― | ― | ― |
| 25年超 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 5,240 | 100.00 | 233,350 | 100.00 |
| 一件当たり平均期間 | 16.08月 | |||
(3) 営業取引の状況
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社の取引が大半を占めているため、提出会社の状況について記載しております。
| セグメントの名称 | 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
| 契約実行高 (百万円) | 前期比(%) | 契約実行高 (百万円) | 前期比(%) | ||
| 賃貸・割賦事業 | ファイナンス・リース | 133,087 | △15.0 | 155,218 | 16.6 |
| オペレーティング・リース | 5,327 | △30.4 | 10,401 | 95.3 | |
| 割賦 | 3,968 | △44.5 | 5,516 | 39.0 | |
| 賃貸・割賦事業計 | 142,382 | △16.9 | 171,137 | 20.2 | |
| ファイナンス事業 | 367,984 | 22.3 | 463,015 | 25.8 | |
| その他の事業 | 4,566 | 9.7 | 7,990 | 75.0 | |
| 合計 | 514,934 | 8.1 | 642,143 | 24.7 | |
(注)賃貸・割賦事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 期末残高 (百万円) | 構成比 (%) | 期末残高 (百万円) | 構成比 (%) | ||
| 賃貸・割賦事業 | 466,689 | 60.8 | 492,391 | 59.9 | |
| ファイナンス事業 | 221,207 | 28.8 | 260,733 | 31.7 | |
| リサ事業 | 52,978 | 6.9 | 66,769 | 8.1 | |
| その他の事業 | 27,042 | 3.5 | 2,059 | 0.3 | |
| 合計 | 767,917 | 100.0 | 821,954 | 100.0 | |
(注)当連結会計年度におけるリサ事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が9,017百万円、買取債権が18,471百万円、営業投資有価証券が11,273百万円、販売用不動産が6,453百万円、賃貸資産が410百万円、投資有価証券が21,143百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 賃貸・割賦事業 | 168,267 | 154,141 | 14,126 | 3,136 | 10,989 |
| ファイナンス事業 | 4,699 | ― | 4,699 | 1,048 | 3,650 |
| リサ事業 | 16,524 | 10,306 | 6,217 | 358 | 5,858 |
| その他の事業 | 26,278 | 23,266 | 3,011 | 155 | 2,856 |
| 調整 | △50 | △11 | △38 | ― | △38 |
| 合計 | 215,718 | 187,701 | 28,017 | 4,700 | 23,316 |
当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 賃貸・割賦事業 | 164,011 | 150,364 | 13,646 | 2,886 | 10,760 |
| ファイナンス事業 | 6,127 | 25 | 6,102 | 1,175 | 4,926 |
| リサ事業 | 17,442 | 6,189 | 11,253 | 372 | 10,880 |
| その他の事業 | 43,898 | 41,307 | 2,590 | 131 | 2,459 |
| 調整 | △48 | △11 | △36 | 32 | △68 |
| 合計 | 231,432 | 197,875 | 33,556 | 4,598 | 28,957 |
(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①賃貸・割賦事業……情報・事務用機器、産業・土木・建設機械等の賃貸(リース・レンタル)及び
割賦販売業務等
②ファイナンス事業…金銭の貸付業務、ファクタリング業務及び営業目的の収益を得るために所有する
有価証券の投資業務等
③リサ事業……………株式会社リサ・パートナーズが行っている企業投資、債権投資、不動産、
ファイナンス及びアドバイザリー業務
④その他の事業………物品売買、賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却、手数料取引、
ベンチャー企業向け投資、ヘルスケア関連及び太陽光発電売電業務等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高、利益共に前期実績及び期初計画を大きく上回る結果となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、上場来最高益を更新しております。これは、リサ事業におけるファンドの大型売却益があったことに加え、ファイナンス事業の伸長、与信関連費用の戻入、為替差益の計上等が主な要因です。これら押上げ効果により、当連結会計年度の利益水準は、期初の予想を大きく上回る水準となっております。来期については、こうした要因を除いて予想を行った結果、減収減益の予想となっております。しかしながら、これは「中期計画2017」で当初計画した利益水準を満たすものであり、3ヶ年の利益計画は順調に推移していると考えております。
また、「中期計画2017」の初年度、という観点から当連結会計年度を振り返ると、CSV経営実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識しております。既存事業であるコア領域では、当社の強みである「NECとの連携」「金融サービス」「ICT資産に関するサービス」を融合させた当社ならではの様々なサービスの創出に注力しております。当期はICT製品の複合提案を核に、NECグループの営業部門との連携を強化し、受注額を大幅に伸ばすなどの成果が出ております。また注力する海外事業においても、海外のプロジェクトファイナンス案件でリードアレンジャーを務めるなどの実績を積み上げることが出来ました。新事業領域においては、太陽光発電が中心であった従来のエネルギー関連において、バイオマス発電や水素ステーションの拡充プロジェクトに参画する等、ビジネスの対象となる領域の幅を広げております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日銀の異次元金融緩和政策が挙げられます。この影響により、銀行をはじめとする金融機関の国内における競合が激化し、国内のリース市場全体の取扱高が前期比で減少するなど、当連結会計年度は厳しい事業環境が続きました。こうした事業環境は、当社の営業状況を示す契約実行高に影響を与えることとなりますが、官公庁領域での長年のノウハウの蓄積による強固な営業力や、顧客の課題解決を金融面からサポートする「相談型営業」などの展開により、当社グループにおいては、官公庁、民需とも前期を上回る水準を達成しました。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになっておりますが、これは営業資産の積み上げによるものであり、当連結会計年度においてアセットビジネスが拡大した証左でもあります。これに応じるため、資金調達残高を増加させましたが、資金の調達源としては、コストの低減を図るため、前連結会計年度に比べ、コマーシャル・ペーパーによる調達比率を上げております。流動性リスクへの備えを図りつつ、コマーシャル・ペーパー活用による資金調達コスト低減については、今後も継続していく予定です。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべきほどの大規模の資本的支出はありません。
b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
賃貸割賦事業
契約実行高は前期を上回り、与信コストの戻入益等により営業利益についても前期を上回る結果となりました。しかしながら、リースビジネスを取り巻く事業環境は厳しく、売上高、売上総利益については前期を割り込むこととなりました。これは主に、前期末に大型の解約があったこと、厳しい事業環境の中で新規獲得した資産の利回りが伸び悩んでいることなどが要因です。従来の情報通信機器のリースに加え、航空機や建物などのリース、付帯サービス収益や再リース収益が期待できるリース契約などに取り組むことで、収益力の向上を図っていく予定です。
ファイナンス事業
契約実行高、営業利益ともに前期を大幅に上回る結果となりました。契約実行高については、短期のファクタリングの大型案件を複数獲得できたことから前期比伸長となりました。顧客ニーズを捉えたさまざまな融資の需要について今後も積極的に取り込んでいきたいと考えております。営業利益の増加は、契約実行高の積み上げに加え、前年を大幅に上回る投資案件の収益計上などが要因となっております。アセットの積み上げが奏功し、この大型収益を除いたベースでも、前期を上回る水準となっています。従来の企業融資や貸付に加え、投資案件の選別を行いつつ収益力の向上を図っていく必要があると考えております。
リサ事業
大型の営業投資有価証券の売却や債券投資の回収益などがあったことから、前期実績を大幅に上回る利益水準となりました。株式会社リサ・パートナーズを連結対象としてから当連結会計年度で7年が経過しました。リスク管理を強化しつつ資産の入れ替えを進めた結果、毎期安定的な収益を確保できるようになりました。当連結会計年度の利益水準は大型案件による押し上げ効果を含むものであったことから、来期は減益予想となりますが、来期以降も「中期計画2017」で計画した水準の収益確保を見込んでおります。
その他の事業
ヘルスケア関連の売却があったことにより、売上高は前期比大幅伸長しました。一方で、営業投資有価証券の減損処理などを行ったことから、営業利益については減益となりました。今回の減損処理について、当連結会計年度で見れば減益理由ではありますが、投資ビジネスにおけるリスク許容範囲内のものであり、引き続き案件選別を行いつつ投資ビジネスに取り組んでいく予定です。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2017」において、連結ROAを公表しております。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3ヶ年における収益性の向上を測るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAは1.5%であり、これは「中期計画2017」において最終年度に達成する目標とした1.0%を大きく上回る水準となりました。しかしながら、これは前述したとおり、複数の押し上げ要因があったことによるものであり、当社グループの主要な営業資産から生み出されるストックベースの収益については、1.0%の水準には達していないと考えております。現状取り組みを進めている各種施策の着実な遂行を通して、「中期計画2017」に掲げた目標を達成できるよう努力していく所存であります。
d. 今後の見通し
平成30年度のわが国経済は、国内外の不確実な要素により、アベノミクスに端を発した緩やかな拡大局面が持続できるか、先行き不透明な状況になりつつあると考えられます。国外においては、米中貿易摩擦の懸念、アメリカの利上げに伴う新興国経済への影響、朝鮮半島情勢などが挙げられ、国内では政治状況の不安定化に伴う政策遂行の停滞が懸念される状況となっております。
このような事業環境において、当社グループは、社名に「NEC」の3文字を冠する企業として成長し、また「日本」の復興・発展に寄与するべく、各種ソリューションを通して、企業と社会双方に共通の価値を生み出すCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)経営を推進していく所存です。その基本方針として策定したのが、グループビジョン「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」であります。
上記の環境、方針のもと、来期は「中期計画2017」の2年目として、初年度に引き続き「コア領域の完成と新事業立上げ」を目指していきます。賃貸・割賦事業の契約実行高を伸長させることで賃貸・割賦事業の売上総利益を確保すると共に、PFIやICTをはじめとした当社ならではの独自サービスの提供や、グローバル事業の拡大に加え、環境・エネルギー関連や多様なアセットへの取り組みによる事業機会の拡大を図ってまいります。
平成31年3月期の通期連結売上高予想は、当期にヘルスケア関連の大型不動産売却があったことから、当期比13.6%減の2,000億円を見込んでおります。
また、平成31年3月期の通期連結の利益予想は、当期に大型の営業投資有価証券の売却益や、与信コストの戻入益等があったことにより、経常利益は当期比40.5%減の80億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比33.4%減の40億円を予想しております。なお、これらの利益水準は「中期計画2017」策定時の計画水準を上回るものであり、3ヶ年の利益計画は順調に推移していると認識しております。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。