有価証券報告書-第37期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
※当社グループは当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ社会・経済活動に一定の回復が見られたものの、2021年1月に2度目の緊急事態宣言の発出や、まん延防止等重点措置の適用、ワクチン接種の大幅な遅れなどにより、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、引き続き先行きは不透明な状況にあります。
このような中、当社は、従業員及び取引先企業をはじめとした全てのステークホルダーの安全と健康を守り、安定的な事業運営を維持・拡大していくことが最重要課題と捉えております。また、当社では、在宅勤務の積極的活用を続けながらも、取引先企業への安定的な製品・サービスの提供、サポート体制の維持を実現しております。社会全体においても、現在、在宅勤務等の新しい働き方への急速なシフトが起こっています。テレワークや医療分野におけるオンライン診療、教育現場におけるオンライン授業、クラウド型サービスの利用等、デジタル技術を活用した新しい社会の在り方を見据え、対面・書面・捺印原則の撤廃などの規制改革や攻めの政策が強く求められています。また、様々な手続きがオンライン完結し、場所や時間を問わず人々が働くようになると、サイバー攻撃や個人情報の流出リスク等に適切に対処する必要があります。そのような状況下、官・民におけるサイバー攻撃に対する防衛力強化がより一層必要となり、経済の逆風が吹く中、情報セキュリティ関連需要は旺盛です。また、GDPR(EU一般データ保護規則)の施行など、世界的に個人情報の保護や域外移転に関する規制強化の流れが生まれており、情報セキュリティ対策の重要性は高まっています。また、迅速なシステム環境の整備、構築の観点から、クラウド型サービスの利活用は拡大傾向が続いており、情報セキュリティ対策分野も例外ではありません。新型コロナウイルスのパンデミック終息後の世界は、社会におけるIT(情報技術)の更なる浸透と外部環境の加速度的な変化が進み、もはやパンデミック前の社会の状態に戻ることはなく、不可逆的に社会構造が変化して行くと予想されます。
当社は2018年5月22日に中期経営計画「GO BEYOND 3.0」を発表しました。旧中期経営計画「TMX 3.0」を超えるという意味の「GO BEYOND 3.0」は、この大きな社会的変化の中で、当社グループらしさを全面に出し、未来に向けて持続可能な成長基盤を構築するため、より一層の覚悟を持って自らの事業構造改革を断行することを目的としています。
「GO BEYOND 3.0」における中核的事業戦略
■クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進(継続)
■セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求(継続)
これらの継続的戦略の実行に加え、以下の追加的な戦略を実行します。
■事業運営体制の多様化(資本提携、業務提携、大学・研究機関との連携、オープンイノベーション)
■サービス化の加速(全事業領域)
■データの利活用(ビッグデータ解析、AIの利用を含む)
■BtoC(消費者向けビジネス)への参入
■海外市場での事業を加速(市場探査モードから次のステップへ)
■事業運営基盤の強化(グループ横断・事業部門内での人財や技術の有効活用、各分野の融合による新しい価値
の創出、人財への投資と次世代の育成、企業理念に基づく採用・育成・評価・リテンション)
■M&A(金庫株の活用を視野)
当社グループでは、上記戦略に従い、以下の取り組みを行いました。
① 積極的に新しいビジネスの立ち上げを行い、IT需要の変化を先取りする取り組みを行いました。
◇情報基盤事業
第1四半期連結会計期間
・クロス・ヘッド株式会社が、自社サービス「CROSSLink」シリーズに新機能-cybozu.comとMicrosoftOffice365のユーザー情報を同期-
・クロス・ヘッド株式会社が、24x7 ITサービスセンターを97%リモートワーク化
・クロス・ヘッド株式会社が、「お手軽!リモートワーク接続パック」の提供を開始
・クロス・ヘッド株式会社が、テレワーク時代の情報漏洩対策と生産性向上をワンストップサービスで実現する「CROSS HEAD Advanced Security Service」の提供を開始
・クロス・ヘッド株式会社が、情報漏洩対策と生産性向上を実現するBitLocker管理ソリューション「BitManaクラウドサービス」の提供を開始
第2四半期連結会計期間
・grasys社とパートナー契約締結
・統合監視/インシデント対応を行うサービス「TPS」にサイバーセキュリティ保険を自動付帯し提供を開始
・福岡県福岡市に九州営業所を開設、西日本地域でのサービス提供を強化
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、株式会社ロゼッタと販売代理店契約を締結・業務提携
・クロス・ヘッド株式会社が、ファイル暗号化ソリューション「DataClasys」とメール誤送信対策ソリューション「BRODIAEA safeAttach」との連携によるソリューションの提供を開始
・クロス・ヘッド株式会社が、サイボウズGaroonとMicrosoft Teamsとの予定同期を可能にするサービスの提供を開始
第3四半期連結会計期間
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、株式会社オーシーシーと日本HP製のリモートアクセスツールを利用した映像制作者向けテレワークサービスの提供開始
・Dell Technologies より Services Delivery Excellence Award を受賞
・F5ネットワークス「NGINXアプリケーションプラットフォーム」の販売を開始
・セキュリティアナリストの判断・分析業務を行うAIをクロス・ヘッドと共同開発
・パロアルトネットワークス株式会社より2020年のJAPAN Distribution Partner of the Year を受賞
当第4四半期連結会計期間
・統合監視とインシデント対応支援を提供するサービス『TPS』に脆弱性管理オプションサービスを拡充
・日本プルーフポイント株式会社より 「PARTNER OF THE YEAR」 を受賞
・クロス・ヘッド株式会社が、サイボウズGaroonからMicrosoft Teamsへの連携API「CROSSLink 365 Teams連携」プラグイン版の提供を開始
・インシデント対応とフォレンジック※14を提供する新サービスの提供を開始
◇アプリケーション・サービス事業
第1四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORIが、エムスリー株式会社と業務提携
・医療分野:株式会社NOBORIが、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスを提供開始
・医療分野:株式会社NOBORIが、インドDeepTek社へ出資、資本・業務提携
・医療分野:株式会社NOBORIが、COVID-19遠隔読影と画像診断支援AIシステムを全国の医療機関100施設に期間限定で無償提供
・医療分野:株式会社NOBORIが、エルピクセル株式会社との業務提携に合意、エムスリー株式会社と共同で運営する医用画像診断支援AIプラットフォームにてエルピクセル社EIRL aneurysm サービスの提供を開始
・医療分野:株式会社NOBORIが、AI医療技術「COVID-19肺炎画像解析プログラム Ali-M3」の販売開始
・ソフトウェア品質保証分野:AI技術によるセルフヒーリング機能やレコメンド機能でSelenium※15のテストを強化する「Parasoft Selenic」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:強力なオブジェクト認識能力を誇るUIテスト自動化ツール 「Ranorex日本語版」に最新版のVersion 9.3が登場
・ビジネスソリューション分野:学校法人軽井沢風越学園向けに学びの個別化を実現するコミュニケーション・プラットフォーム「typhoon」(タイフーン)を新規開発・導入
・ビジネスソリューション分野:LIBOR廃止を見据えた金融商品評価・分析ツール 「F3」最新版の国内販売を開始
第2四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORIが、TXP Medical株式会社と業務提携
・医療分野:株式会社NOBORIが、COVID-19肺炎AIの無償支援プロジェクト拡大を発表
・ビジネスソリューション分野:F3 CVA※16試算計測サービスを強化 各取引の CVAへの影響度確認に有効な「マージナルCVA計測機能」を追加
・ソフトウェア品質保証分野:アーキテクチャ分析ツール「Lattix 日本語版」 Version 11の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:Java対応テスト自動化ツール「Jtest 2020.1」の販売を開始
・株式会社カサレアルが、HashiCorp社とトレーニングパートナー契約を締結
第3四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORI、京都府の肺がん検診における胸部X線画像診断補助ツールの試験導入を支援
・医療分野:株式会社NOBORI、医用画像診断支援AIプラットフォームにおける画像診断支援ソフトウェアサービス提供を拡充
当第4四半期連結会計期間
・CRM分野:従業員のコンディションと生産性の関係性について研究を開始
・CRM分野:日本電気株式会社と販売代理店契約を締結
・CRM分野:水戸市との協働による市民の声・広聴業務向けシステム「FastHelp Ce」試験導入による実証実験結果を公表
・ソフトウェア品質保証分野:DXのデータ連携に欠かせないAPI※17のテスト自動化と仮想化を1ツールで実現する「SOAtest/Virtualize 2020.2」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:C 言語/C++言語対応テストツール「C++test 2020.2」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:C#/VB.NET 対応静的解析・動的解析ツール「dotTEST 2020.2」の販売を開始
・ビジネスソリューション分野:教育業界向けにスクール・コミュニケーション・プラットフォーム + 校務支援システム「ツムギノ(tsumugino)」を販売開始
・ビジネスソリューション分野:金融商品評価・分析ツール「FINCAD Analytics Suite 2021」国内販売を開始
・株式会社カサレアルが、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンのビジネスパートナー制度に参加
② 情報基盤事業における保守、運用・監視サービスの受注に加えて、アプリケーション・サービス事業におけるCRM分野や医療分野である株式会社NOBORIや合同会社医知悟のサービスを拡販する等、ストック型収益の拡大に向けた取り組みを加速しました。
③ 独自クラウドサービス「テクマクラウド」を活用したMicrosoft Office365向け通信の自動制御ソリューションやデバイス制御を含むリモートアクセス・ソリューション、ファイル無害化ソリューション、セキュリティ監視サービスなど、情報基盤事業においても、独自付加価値サービスの開発・拡販に注力しました。
④ クロス・ヘッド株式会社、沖縄クロス・ヘッド株式会社、株式会社カサレアル、株式会社NOBORI、合同会社医知悟、株式会社A-Line及び山崎情報設計株式会社との相乗効果を最大化し、グループとして総合力を発揮するための取り組みを継続しています。特に、保守、運用・監視サービスや受託開発等、従来グループ外に発注していた機能をグループ内に取り込むことにより、グループ内での自活の取り組みを推進しました。
⑤ クラウドネイティブ時代を代表するオープンソース系ツールの販売、オープンソース・コミュニティの運営、オープンソース系プログラミング技術の企業向け研修事業等に取り組みました。
⑥ 成長を続けるASEANを中心とした海外市場で、CRM分野のクラウドサービス等の事業展開を推進しました。
⑦ 市場シェアの拡大や事業の多角化を目指し、オープンイノベーションを意識したベンチャー企業を含む外部企業や大学、異業種との協業促進、あるいは、同業他社や当社グループの事業を補完しうる事業者に対してより大胆なM&Aや資本業務提携を行うための資金として手元資金を活用することを模索しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、309億28百万円と前期比33億29百万円(12.1%)の増加、売上総利益は112億17百万円と前期比10億85百万円(10.7%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加のため、76億39百万円と前期比2億7百万円(2.8%)の増加となりました。この結果、営業利益は35億83百万円と前期比8億47百万円(31.0%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は34億6百万円と前期比6億77百万円(24.8%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億1百万円と前期比4億70百万円(25.7%)の増加となりました。
売上収益、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、すべて過去最高となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 情報基盤事業
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、前期までに積み上げた受注残と新規大型案件の受注により、大変好調に推移しました。案件が大規模化する傾向にあり、過去最大規模の大型受注も獲得しています。サブスクリプション型のクラウドサービスの受注も拡大を続けています。特に、第1四半期では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、リモートワークを支援するセキュリティ関連製品の需要が急増しました。一方で、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点の減少により新規商談につながる営業リードの獲得に苦戦しましたが、第2四半期以降は、オンラインでのプライベートイベントの開催や、ネットを活用したマーケティング活動やオンラインでの営業活動を活性化させ、新規営業リードの獲得に努めました。
製品別では、リモートアクセス用セキュリティ技術である「SSL-VPN」※18ライセンスの追加需要が堅調でした。また、主力の次世代ファイアウォール※19は、クラウド型のサービスに対する需要が急拡大しており、リモートワーク環境の迅速な整備や各拠点のセキュリティ対策の一元化を目的とした大型案件を受注するなど、事業の拡大に貢献しました。個人認証システムは、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークが急速に広がったため、受注が好調でした。ストレージ製品も順調に受注を伸ばしました。
また、統合セキュリティ運用・監視サービスの売上も順調に推移しました。加えて、クラウド時代のセキュリティに対応した「CASB(Cloud Access Security Broker)※20」、「SASE(Secure Access Service Edge)※21」、「 SOAR (Security Orchestration, Automation and Response) ※22」、「 EDR (Endpoint Detection and Response)※23」等、新しい世代のセキュリティ対策製品も注目度が高い状況で、実績も増えてきました。
クロス・ヘッド株式会社では、インフラ構築案件の新規受注にやや苦戦しています。
沖縄クロス・ヘッド株式会社では、セキュリティ関連製品やテレワークの浸透によりリモートデスクトップ・サービスが好調に推移しました。また、事業構造改革が奏功し採算性が向上しました。
以上により、同事業の売上収益は209億43百万円と前期比28億89百万円(16.0%)の増加、営業利益は27億41百万円と前期比6億86百万円(33.4%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
② アプリケーション・サービス事業
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、情報基盤事業と同様に、前期までに積み上げた受注残と新規案件の受注により堅調に推移しました。
医療分野では、株式会社NOBORIの医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注しています。一方、コンシューマ(患者)をターゲットとしたPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスの開発や、AIベンチャー・医師らと組んだ医用画像診断支援システムの共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果が上がっています。合同会社医知悟は、新型コロナウイルスの感染拡大により、健診施設を中心に画像検査件数が一時的に減少したため、読影依頼件数は伸び悩みましたが、1度目の緊急事態宣言解除後は、健診施設や医療機関の活動も徐々に正常化しており、読影依頼件数は平常時の水準に戻ってきました。株式会社A-Lineが開発する医療被ばく線量管理システム「MINCADI」の受注も順調に増加しました。
CRM分野では、次世代製品及び機能強化したFAQシステムの市場への投入により競争力が強化され、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い、新規受注は堅調です。
ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェアを開発する製造業などで組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性は益々高まっています。第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大による製造業の投資減速の懸念がある中、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点が減少しましたが、顧客企業からの問い合わせは徐々に回復傾向にあり、期末に向けては需要が前年並みに回復しました。一方で、エンタープライズ系のソフトウェア開発分野では、プロジェクトの遅れや棚上げが目立ち始め、需要の戻りが遅い印象です。
ビジネスソリューション分野では、既存顧客である学術系公共機関向けのシステム開発案件が堅調でした。また、ベンチャーキャピタル向けのファンド運営・管理システムの需要が好調です。株式会社カサレアルでは、第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面型IT研修のキャンセルが多く発生し、教育事業がマイナス影響を受けましたが、オンライン研修の開発・拡販に積極的に取り組みました。また、第2四半期以降は、対面型IT研修も徐々に需要が回復してきましたが、直近の感染拡大の影響を受け、需要が再び鈍化しています。しかしながら、IT研修に対する潜在的な需要は高く、期末においてはIT研修の駆け込み需要がありました。
以上により、同事業の売上収益は99億85百万円と前期比4億39百万円(4.6%)の増加、営業利益は8億41百万円と前期比1億60百万円(23.6%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、146億34百万円と前期比8億86百万円(6.4%)の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、前渡金や契約負債の増加等により、収入は35億16百万円と前期比5億14百万円(17.1%)の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、投資の売却による収入や子会社株式の取得による収入が発生しなかったこと等により、支出は8億41百万円と前期比3億円(55.5%)の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、新株予約権の行使による自己株式の処分による収入が発生しなかったこと等により、支出が17億90百万円と前期比12億21百万円(214.6%)の増加となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
4 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、主に前連結会計年度は日本基準の金額、当連結会計年度はIFRSの金額での比較によるものであります。内容については、注記「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示) (3) 調整表 ① 調整に関する注記 (ⅲ) 認識及び測定の差異 A.売上収益」をご参照ください。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額は、実際仕入額であり消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは、主に前連結会計年度は日本基準の金額、当連結会計年度はIFRSの金額での比較によるものであります。内容については、注記「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示) (3) 調整表 ① 調整に関する注記 (ⅲ) 認識及び測定の差異 A.売上収益」をご参照ください。
(3) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 当連結会計年度において、受注残高に著しい変動がありました。これは、主に前連結会計年度は日本基準の金額、当連結会計年度はIFRSの金額での比較によるものであります。内容については、注記「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示) (3) 調整表 ① 調整に関する注記 (ⅲ) 認識及び測定の差異 A.売上収益」をご参照ください。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 売上割合が10%以上の取引先はありません。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
なお、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大により、リモートアクセスに関するセキュリティ製品など一部の取扱製品に需要の増加があったほか、連結子会社において実施している技術者向けの研修において一部受講のキャンセルがありましたが、当連結会計年度の連結財務諸表の作成においては、新型コロナウイルス感染症拡大が大きな影響やリスクを与えたとの認識はしておりません。
また、連結財務諸表の作成における見積りに与える影響について、本有価証券報告書の提出日現在においては、新型コロナウイルス感染症拡大を理由とする重要な会計上の見積りの見直し等を行っておりません。今後、経済活動の動向等により顧客業績が悪化するなどして、顧客において当社グループの取扱製品やサービスに対する購入・投資意欲の減退が見られた場合に、当社の財政状態に影響を与える可能性はございますが、本有価証券報告書の提出日時点においては、従前と比較して連結財務諸表の作成の見積りにあたり、新型コロナウイルス感染症拡大を理由として、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼす事象の発生等は認識しておりません。
(2)経営成績の分析
情報基盤事業の売上収益は209億43百万円と前期比28億89百万円(16.0%)の増加、営業利益は27億41百万円と前期比6億86百万円(33.4%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、前期までに積み上げた受注残と新規大型案件の受注により、大変好調に推移しました。案件が大規模化する傾向にあり、過去最大規模の大型受注も獲得しています。サブスクリプション型のクラウドサービスの受注も拡大を続けています。特に、第1四半期では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、リモートワークを支援するセキュリティ関連製品の需要が急増しました。一方で、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点の減少により新規商談につながる営業リードの獲得に苦戦しましたが、第2四半期以降は、オンラインでのプライベートイベントの開催や、ネットを活用したマーケティング活動やオンラインでの営業活動を活性化させ、新規営業リードの獲得に努めました。
製品別では、リモートアクセス用セキュリティ技術である「SSL-VPN」ライセンスの追加需要が堅調でした。また、主力の次世代ファイアウォールは、クラウド型のサービスに対する需要が急拡大しており、リモートワーク環境の迅速な整備や各拠点のセキュリティ対策の一元化を目的とした大型案件を受注するなど、事業の拡大に貢献しました。個人認証システムは、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークが急速に広がったため、受注が好調でした。ストレージ製品も順調に受注を伸ばしました。
また、統合セキュリティ運用・監視サービスの売上も順調に推移しました。加えて、クラウド時代のセキュリティに対応した「CASB(Cloud Access Security Broker)」、「SASE(Secure Access Service Edge)」、「 SOAR (Security Orchestration, Automation and Response)」、「 EDR (Endpoint Detection andResponse)」等、新しい世代のセキュリティ対策製品も注目度が高い状況で、実績も増えてきました。
クロス・ヘッド株式会社では、インフラ構築案件の新規受注にやや苦戦しています。
沖縄クロス・ヘッド株式会社では、セキュリティ関連製品やテレワークの浸透によりリモートデスクトップ・サービスが好調に推移しました。また、事業構造改革が奏功し採算性が向上しました。
アプリケーション・サービス事業の売上収益は99億85百万円と前期比4億39百万円(4.6%)の増加、営業利益は8億41百万円と前期比1億60百万円(23.6%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、情報基盤事業と同様に、前期までに積み上げた受注残と新規案件の受注により堅調に推移しました。
医療分野では、株式会社NOBORIの医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注しています。一方、コンシューマ(患者)をターゲットとしたPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスの開発や、AIベンチャー・医師らと組んだ医用画像診断支援システムの共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果が上がっています。合同会社医知悟は、新型コロナウイルスの感染拡大により、健診施設を中心に画像検査件数が一時的に減少したため、読影依頼件数は伸び悩みましたが、1度目の緊急事態宣言解除後は、健診施設や医療機関の活動も徐々に正常化しており、読影依頼件数は平常時の水準に戻ってきました。株式会社A-Lineが開発する医療被ばく線量管理システム「MINCADI」の受注も順調に増加しました。
CRM分野では、次世代製品及び機能強化したFAQシステムの市場への投入により競争力が強化され、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い、新規受注は堅調です。ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェアを開発する製造業などで組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性は益々高まっています。第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大による製造業の投資減速の懸念がある中、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点が減少しましたが、顧客企業からの問い合わせは徐々に回復傾向にあり、期末に向けては需要が前年並みに回復しました。一方で、エンタープライズ系のソフトウェア開発分野では、プロジェクトの遅れや棚上げが目立ち始め、需要の戻りが遅い印象です。
ビジネスソリューション分野では、既存顧客である学術系公共機関向けのシステム開発案件が堅調でした。また、ベンチャーキャピタル向けのファンド運営・管理システムの需要が好調です。株式会社カサレアルでは、第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面型IT研修のキャンセルが多く発生し、教育事業がマイナス影響を受けましたが、オンライン研修の開発・拡販に積極的に取り組みました。また、第2四半期以降は、対面型IT研修も徐々に需要が回復してきましたが、直近の感染拡大の影響を受け、需要が再び鈍化しています。しかしながら、IT研修に対する潜在的な需要は高く、期末においてはIT研修の駆け込み需要がありました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、309億28百万円と前期比33億29百万円(12.1%)の増加、売上総利益は112億17百万円と前期比10億85百万円(10.7%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費等の増加のため、76億39百万円と前期比2億7百万円(2.8%)の増加となりました。この結果、営業利益は35億83百万円と前期比8億47百万円(31.0%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は34億6百万円と前期比6億77百万円(24.8%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億1百万円と前期比4億70百万円(25.7%)の増加となりました。売上収益、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、すべて過去最高となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末(以下「前年度末」という)から44億26百万円(16.6%)増加し、311億69百万円となりました。前渡金が42億79百万円増加したことが主な要因であります。非流動資産の残高は、前年度末から1億74百万円(1.9%)減少し、88億26百万円となりました。その他の非流動資産の長期前払費用が1億16百万円減少したことが主な要因であります。以上により、総資産は前年度末から42億51百万円(11.9%)増加し、399億96百万円となりました。
流動負債の残高は、前年度末から28億73百万円(17.9%)増加し、189億2百万円となりました。契約負債が36億56百万円増加したことが主な要因であります。非流動負債の残高は、前年度末から5億43百万円(10.3%)減少し、47億39百万円となりました。リース負債が4億45百万円減少したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、前年度末から23億30百万円(10.9%)増加し、236億41百万円となりました。
資本合計の残高は、前年度末から19億21百万円(13.3%)増加し、163億54百万円となりました。利益剰余金が16億59百万円増加したことが主な要因であります。以上により、親会社所有者帰属持分比率は37.1%となりました。
(4)戦略的現状と見通し
ITが注目される一方で、「ITは技術的専門性の高い企業だけが扱える」という時代は終焉を迎えようとしています。オープンソースの普及、クラウド化の流れとともに、企業におけるシステム開発の内製化の流れはより加速していきます。また、ソフトウェア開発の内製化が浸透している一方で、どの企業にも必要とされる共通サービスや、特定業界向けの業務システムについては、自社で開発するのではなく、クラウドサービス等の外部サービスを積極的に利用する傾向が強くなっています。従い、「ベストプラクティス」をシステム化したクラウドサービスは、サプライサイドが今後も継続して提供して行くべきビジネスの中心となっていくことが想定されます。また、あらゆるものがインターネットにつながる「IoT」技術により、世界各地で毎日、センサー、ソーシャルネットワーク(SNS)やクラウドサービス等を通じて、企業の活動や個人の行動等から膨大な量のデータが生み出されています。これを「新たな資産」としてつぶさに分析し、これからのビジネス拡大の原動力とする動きが始まっています。データ収集と解析を行う技術が進化した昨今、新しいタイプのITサービス企業は、データを利活用し、個人向け(BtoCビジネス)や企業向けの斬新なサービスを生み出しています。データを持つ者が、今後のビジネス競争においては、圧倒的な差別化を実現することができます。AI等を用いてデータを利活用することにより、未来を予想したり、複雑な意思決定を行ったりすることも可能となります。さらに、データが「新たな資産」としてより価値を増し、IoTにより何百億というモノがインターネット接続される時代が到来しています。悪意ある者にとって侵入できるポイントはそれだけ増えているということであり、企業や官公庁・自治体がデータ資産を守るため、サイバーセキュリティ対策の重要性はより増しているといえます。サイバーセキュリティ対策は、もはや国家戦略、企業戦略の一部となっており、官民を挙げて、対策の後押しをする状況が継続しています。サイバー攻撃に対する防衛と検知に対する投資は、今や企業や公的機関等の経営責任の一つともなっています。サイバーセキュリティ市場は今後も堅調に拡大することが想定されます。
新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」
既に公表した新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」に基づき、「デジタル化を支える情報基盤・技術・サービスの提供」と「最善の手法である「Best Practice」を誰にも使いやすいUXを通してクラウド型で提供すること」を中核コンセプトとして事業展開を進めていきます。
■情報基盤事業部門
クラウド時代に対応し、従来のITインフラストラクチャー(企業ネットワーク等)のサイバー攻撃の防御に止まらず、より広範囲なクラウド及び仮想化された環境下の防御を実現する次世代のネットワークセキュリティ関連商材及びサービスの拡充を目指します。クラウドサービスやSNSが普及し、スマートフォンユーザが増加したことにより、インターネット上の通信量は飛躍的に増加しており、情報セキュリティに関する脅威が増している状況の中、データセンター事業者、クラウドサービス事業者や一般企業における情報基盤への設備投資は前向きな状態が続くと判断しています。最先端のネットワークセキュリティ関連技術の動向を先取りし、積極的に新規商材を発掘し、各種自社サービスと組み合わせ、競合他社との差別化を推進して行きます。
昨今、セキュリティ関連技術自体がクラウド化してきており、またエンドポイントにおける防御・検知技術の進歩も加速度的に進んでいます。また、サイバーセキュリティ対策は、より高度化、巧妙化するサイバー攻撃の脅威とのイタチごっこでもあります。企業は継続的に検知及び監視に費用を投じざるを得ず、また、より高度化する脅威に対して、より専門的な人材による対応も必要になってきています。その専門性故、企業が個別に対応していくことに限界が見えてきているため、サイバー攻撃の防御を行うセキュリティ機器の販売だけでなく、マネージドサービス等付加価値の高いサービスの開発に積極的に投資してまいります。当該セグメントにおける連結子会社との事業連携も加速させ、情報基盤のライフサイクル全般をカバーする総合的なサービス提供力の向上に努めます。
足元では、新型コロナウイルス禍におけるテレワーク需要の急増を背景に、リモートアクセスを実現するセキュリティ製品やクラウドセキュリティ製品の需要が拡大しております。特に、クラウドセキュリティ製品の需要が強く、セキュリティ対策のクラウド化を一気に進めるべく、商談も大型化の傾向にあります。
<新中期経営計画における主な基本戦略>『デジタル化を支える情報基盤・技術・サービスの提供』
・取扱製品/サービスの拡大
・代理店(パートナー)と戦略アカウントの深掘り
・プロダクト組織とアカウント組織のマトリックス化
・専門性の更なる強化と技術力の可視化 (保守対応の可視化、技術情報発信など)
・統合監視セキュリティサービス(TPS)の拡販
・センター集約型ビジネスの拡大(付加価値の追求)
・サブスクリプション販売への移行促進(ストックビジネス強化)
■アプリケーション・サービス事業部門
医療分野、CRM分野、ビジネスソリューション分野、ソフトウェア品質保証分野夫々において、クラウドサービス(SaaS)を加速度的に推進します。また、顧客企業でソフトウェア開発の内製化が進む中で、顧客向けの受託開発を担当していた技術リソースの一部を「自社独自サービス開発(ベストプラクティスのクラウドサービス)」や「自社付加価値を高める既存クラウドサービスの拡充」に戦略的にシフトしていきます。
医療分野においては、当社グループが他社に先行してサービスを開始した医療情報クラウドサービス「NOBORI」は、クラウド型PACS(医用画像管理システム)市場において圧倒的なシェアを獲得しており、同市場を牽引しています。「NOBORI」は医用画像データの管理に留まらず、医療情報クラウドサービスのプラットフォーム「NOBORI PAL」として、当社及びパートナー企業の新たなクラウドサービスの拡充を目指します。また、戦略的業務提携によって、医用画像診断支援のAIプラットフォーム事業を積極的に推進しており、蓄積されたデータの利活用を加速させています。また、医療機関のみならずコンシューマ(患者)をターゲットとしたPHRサービスは、患者個人への課金をスタートし、本格的な普及と事業の収益化を目指しています。
CRM分野においては、従来の電話やメールといったコミュニケーション手段にとどまらず、SNS等の多様なチャネルに対応したコンタクトセンターCRMソリューションを提供しています。AIを活用したチャット・ボット等の最先端技術を活用し、コンタクトセンターの運用効率化に貢献していきます。当該分野においても、クラウド化を推し進めると同時に、民間のみならず自治体の広聴業務向けの事業拡大に取り組みます。また、急速に発展しているASEAN(特にタイとインドネシア)地域での顧客拡大に取り組み、ビジネスのグローバル化を推進していきます。
ソフトウェア品質保証分野においては、様々なデバイスがインターネットで相互接続されるIoTやM2M(機器間の通信)の拡がりにより、組込みソフトウェアの品質向上は社会的にも非常に重要な課題となってきています。医療機器、自動車、鉄道、電子機器等様々な分野で機能安全の国際規格への対応が必要となってきています。組込みソフトウェアの品質向上・機能安全(セイフティ)に対する需要を的確に捉えて行くと同時に、複雑化、大規模化する企業内情報システム分野におけるソフトウェア品質向上のニーズにも応えて行きます。DevOpsやOSSに対応した開発支援ツールの提供にも力を入れます。当該分野においても、クラウド型のサービスの提供を開始しました。
ビジネスソリューション分野では、従来の特定顧客向け受託開発ビジネスで積み上げてきた技術力を活かし、新しい分野でのベストプラクティスをシステム化したクラウドサービスの創出に取り組んでいます。政府のGIGAスクール構想により急速にデジタル化が進む教育分野においては、10年振りに改訂された学習指導要領において「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)や「個別最適な学び」の実現が謳われています。その目標を実現するためには、これまでの発想とは全く違う新しいコミュニケーション・プラットフォームや校務支援クラウドサービスが必要です。この市場の変化と新しいニーズに対応するため、当社ではクラウドサービス「ツムギノ」を開発し、既に複数の学校に対して提供を開始しました。また、金融工学の技術を活用し、金融機関向けのリスク管理分野でのビジネス拡大に取り組んで行きます。
当該セグメントにおける連結子会社は、単体事業との事業シナジーを追求しつつ、夫々の専門分野で事業の拡大を図ります。
<新中期経営計画における主な基本戦略>『最善の手法である「Best Practice」を誰にも使いやすいUXを通してクラウド型で提供』
・AI医療診断支援サービス事業の加速
・PHR事業の拡大
・CRMサービスのワンストップ化に向けた他ベンダーとの連合・グループの組成
・グローバル展開(ASESAN)の加速
・AI技術を活用した製品/サービスの創出
・ポートフォリオの拡充(ソフトウェア開発基盤ソリューションの独自開発等)
・ツールを活用した第三者テスト/検証市場への参入
・独自のビジネス分析ソリューションの開発・提供
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、取扱い製品であるネットワーク関連機器の保守用機材の購入等の設備投資資金及び販売用ソフトウェアの開発費等であります。
③ 資金の源泉
当連結会計年度末において146億34百万円の現金及び現金同等物の残高があり、当面の資金需要に充当し得る十分な資金を保有しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが成長を続けていくためには多くの課題が残されていると考えております。具体的には、①業界動向や顧客ニーズ等の「外部環境変化への対応力強化」と、②人材面や業務プロセスの効率化等の「内部の課題解決」の二つに大別されます。
① 外部環境変化への対応力強化
・ 持続的な成長シナリオの構築
現在、当社グループの事業セグメントにおいては、ニッチ市場ながらも競争力の高い製品やサービスを展開しておりますが、今後も持続的に成長するためには、市場ニーズに対応した新しい製品やサービスを切れ目なく立ち上げていく必要があります。
・ ビジネスモデルの多様化
企業のITシステム投資の方向性が、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化しております。IT資産においてもオフバランス化が進み、「持たざる経営」がITの分野にも浸透しつつあります。
これまで、企業はITシステム(ハードウェア、ソフトウェア、開発)を資産として購入・運用してきましたが、ITシステムを資産として保有せず、外部事業者のサービスをインターネット越しに活用するクラウドサービスの利用が広がっております。これにより、企業側はITシステムの初期投資や運用・保守等の負担を低減することができます。当社グループでは、アプリケーション・サービス事業において、自社開発ソフトウェア・パッケージの販売、保守を行ってまいりましたが、これらソフトウェアの機能をインターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス事業に参入しております。売り切り販売中心のフロー事業に加え、継続的に収入が得られるサービス事業によるビジネスのストック化を更に推進します。クラウド時代の顧客企業ニーズの変化に積極的に対応し、ストック型ビジネスを中心戦略とした「持たざる経営」を支えるサービス・プロバイダー、サービス・クリエーターとしての地位の確立を進めてまいります。
・ サービスのフルライン化
上述のとおり、IT業界ではクラウドという新しいビジネスモデルへの対応が必要となる一方で、従来どおりITシステムの自社所有を希望する企業があります。このため、当社グループは、システム導入以降に必要となる保守・運用サービスについても積極的に拡充し、システムのライフサイクル全てをカバーするフルラインのサービス提案を行ってまいります。また、グループ経営を一層強化することにより、システムのフルアウトソーシングの請負にも注力し、継続的な取引機会の確保に努めてまいります。24時間対応のオンサイト保守やリモート監視業務については、外部委託からクロス・ヘッド株式会社への委託へ切り替え、グループ内での機能の自活、内製化を進めております。また、株式会社カサレアルの完全子会社化によりソフトウェアの開発要員を拡充しておりますので、開発業務についても同社技術力を活用した効率化を進めます。以上の取り組みにより、グループの総合力を発揮するとともに、サービスのフルライン化を進めます。
・ 業界構造
一般的に、ソフトウェア開発会社は人的資源中心のビジネスであり、大規模な初期投資を必要としないことから、少人数の企業から大手のシステム・インテグレーターまで多数の企業が存在します。業界全体が多重の下請け構造になっているため、下請け構造の下層に位置する企業は、規模の大小にかかわらず苦しい経営を強いられております。このため、生き残りを図るためには、付加価値の高いサービスを提供し、顧客企業への直販、直接契約を志向することが重要であり、フルラインでのサービス提供と総合力の発揮、一定規模の開発体制が求められます。当社グループは、今後もM&Aの活用を経営の選択肢に取り入れ、スピード感を持って付加価値の向上、総合力の発揮、規模の拡大を目指してまいります。
② 内部の課題解決
・ 人材の採用と育成
当社グループは、これまで即戦力の中途入社社員の採用により事業の拡大を図ってまいりましたが、中堅社員層の比率が相対的に高くなっているため、将来的なコストアップを防ぐためにも、今後は、若手社員の拡充に軸足を移し、新卒や第二新卒の採用活動に力を入れていく必要があります。
また、一般的な労働集約型ビジネスではない、高付加価値なストック型ビジネスの拡大や、新規事業の創発等の事業戦略の実現に向け、今後のIT の技術革新や業界を取り巻く環境変化にキャッチアップし、新たな価値を創造できる人材育成計画の策定及び実現を進めてまいります。
・ 品質カイゼン活動
ITシステムは、社会インフラ化しており、また、企業経営にとっても経営戦略を具現化するためのツールとして、ITシステムの果たす役割は一層重要性を増しております。ITシステムを構成するハードウェアの性能は日進月歩で向上しておりますが、人的資源に依存するソフトウェアの開発においては、依然として属人的な要素が少なくありません。開発プロセスの標準化や科学的手法によるテストの合理化、既存ソフトウェア部品の有効活用等、さまざまな努力を重ね、ソフトウェア品質、サービス品質の向上に努めなければなりません。高品質な製品・サービスの提供は勿論のこと、企業業績の安定化のためにも、品質カイゼン活動を積極的に推進してまいります。
・ 社内ITシステムの充実
業務プロセスを効率化、合理化していくため、また、事業上の迅速な意思決定を促進するためにはITシステムの積極的な活用が不可欠であると認識しております。具体的には、RPAの活用により、人の手で行っている定型業務の自動化の推進や、社内SNSツールの導入による社内コミュニケーションの促進、円滑化に取り組んでおります。加えて、上場企業として求められる内部統制を着実に実行していくためにも、ITによる業務統制は重要な役割を担っていると考えております。当社グループは、社内ITシステムの継続的な開発を通じて、業務プロセスの効率化、企業活動の可視化を図ってまいります。
(7)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、千円未満を切り捨てして記載しております。
① 要約連結貸借対照表
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2018年3月30日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号2018年3月30日)が2018年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしております。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。
この結果、当連結会計年度の売上高が5,166,223千円減少し、売上原価は4,494,898千円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ671,325千円減少しております。また、利益剰余金の当期首残高は716,035千円減少しております。なお、当連結会計年度の1株当たり純資産額は29円74銭減少し、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益はそれぞれ11円72銭、11円69銭減少しております。
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
従来、当社及び一部の連結子会社は有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、定率法(ただし、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備を除く)を採用しておりましたが、当連結会計年度の期首より、定額法に変更しております。
この変更は、これまでリースで調達していた有形固定資産を、原則として自社での購入とする方針に変更することを契機に有形固定資産の使用実態を再検討した結果、一定期間にわたり平均的に使用していくことが当社グループのビジネスモデルであることから、減価償却方法を定額法に変更することにより、その使用実態をより適切に反映した費用配分が可能になると判断したことによるものであります。
なお、当連結会計年度において、連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
(8)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示)」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(連結の範囲)
日本基準では、重要性の乏しい一部の子会社は連結の範囲から除いておりましたが、IFRSでは当該子会社を連結範囲に含めております。
この影響により、IFRSでは、日本基準に比べて売上収益及び売上総利益がそれぞれ379,936千円、43,693千円増加し、営業利益及び税引前利益がそれぞれ75,864千円、77,416千円減少しております。
(退職給付に係る費用)
数理計算上の差異及び過去勤務費用について、日本基準では発生時にその他の包括利益として認識し、将来の一定期間にわたり費用処理しておりますが、IFRSでは、数理計算上の差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金へ振替を行い、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しております。
また、日本基準では退職給付債務に割引率を乗じて利息費用を認識しておりましたが、IFRSでは、確定給付資産(負債)の純額に割引率を乗じた金額を利息費用として純損益で認識しております。
この影響により、IFRSでは、日本基準に比べて販売費及び一般管理費が31,345千円減少しております。
(リース会計)
当社及び子会社において、IFRS第16号「リース」を適用しております。
この影響により、IFRSでは、日本基準に比べ使用権資産が2,818,313千円増加し、リース負債が同額増加しております。また、財務活動によるキャッシュ・フローが673,897千円減少し、営業活動によるキャッシュ・フローが同額増加しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ社会・経済活動に一定の回復が見られたものの、2021年1月に2度目の緊急事態宣言の発出や、まん延防止等重点措置の適用、ワクチン接種の大幅な遅れなどにより、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、引き続き先行きは不透明な状況にあります。
このような中、当社は、従業員及び取引先企業をはじめとした全てのステークホルダーの安全と健康を守り、安定的な事業運営を維持・拡大していくことが最重要課題と捉えております。また、当社では、在宅勤務の積極的活用を続けながらも、取引先企業への安定的な製品・サービスの提供、サポート体制の維持を実現しております。社会全体においても、現在、在宅勤務等の新しい働き方への急速なシフトが起こっています。テレワークや医療分野におけるオンライン診療、教育現場におけるオンライン授業、クラウド型サービスの利用等、デジタル技術を活用した新しい社会の在り方を見据え、対面・書面・捺印原則の撤廃などの規制改革や攻めの政策が強く求められています。また、様々な手続きがオンライン完結し、場所や時間を問わず人々が働くようになると、サイバー攻撃や個人情報の流出リスク等に適切に対処する必要があります。そのような状況下、官・民におけるサイバー攻撃に対する防衛力強化がより一層必要となり、経済の逆風が吹く中、情報セキュリティ関連需要は旺盛です。また、GDPR(EU一般データ保護規則)の施行など、世界的に個人情報の保護や域外移転に関する規制強化の流れが生まれており、情報セキュリティ対策の重要性は高まっています。また、迅速なシステム環境の整備、構築の観点から、クラウド型サービスの利活用は拡大傾向が続いており、情報セキュリティ対策分野も例外ではありません。新型コロナウイルスのパンデミック終息後の世界は、社会におけるIT(情報技術)の更なる浸透と外部環境の加速度的な変化が進み、もはやパンデミック前の社会の状態に戻ることはなく、不可逆的に社会構造が変化して行くと予想されます。
当社は2018年5月22日に中期経営計画「GO BEYOND 3.0」を発表しました。旧中期経営計画「TMX 3.0」を超えるという意味の「GO BEYOND 3.0」は、この大きな社会的変化の中で、当社グループらしさを全面に出し、未来に向けて持続可能な成長基盤を構築するため、より一層の覚悟を持って自らの事業構造改革を断行することを目的としています。
「GO BEYOND 3.0」における中核的事業戦略
■クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進(継続)
■セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求(継続)
これらの継続的戦略の実行に加え、以下の追加的な戦略を実行します。
■事業運営体制の多様化(資本提携、業務提携、大学・研究機関との連携、オープンイノベーション)
■サービス化の加速(全事業領域)
■データの利活用(ビッグデータ解析、AIの利用を含む)
■BtoC(消費者向けビジネス)への参入
■海外市場での事業を加速(市場探査モードから次のステップへ)
■事業運営基盤の強化(グループ横断・事業部門内での人財や技術の有効活用、各分野の融合による新しい価値
の創出、人財への投資と次世代の育成、企業理念に基づく採用・育成・評価・リテンション)
■M&A(金庫株の活用を視野)
当社グループでは、上記戦略に従い、以下の取り組みを行いました。
① 積極的に新しいビジネスの立ち上げを行い、IT需要の変化を先取りする取り組みを行いました。
◇情報基盤事業
第1四半期連結会計期間
・クロス・ヘッド株式会社が、自社サービス「CROSSLink」シリーズに新機能-cybozu.comとMicrosoftOffice365のユーザー情報を同期-
・クロス・ヘッド株式会社が、24x7 ITサービスセンターを97%リモートワーク化
・クロス・ヘッド株式会社が、「お手軽!リモートワーク接続パック」の提供を開始
・クロス・ヘッド株式会社が、テレワーク時代の情報漏洩対策と生産性向上をワンストップサービスで実現する「CROSS HEAD Advanced Security Service」の提供を開始
・クロス・ヘッド株式会社が、情報漏洩対策と生産性向上を実現するBitLocker管理ソリューション「BitManaクラウドサービス」の提供を開始
第2四半期連結会計期間
・grasys社とパートナー契約締結
・統合監視/インシデント対応を行うサービス「TPS」にサイバーセキュリティ保険を自動付帯し提供を開始
・福岡県福岡市に九州営業所を開設、西日本地域でのサービス提供を強化
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、株式会社ロゼッタと販売代理店契約を締結・業務提携
・クロス・ヘッド株式会社が、ファイル暗号化ソリューション「DataClasys」とメール誤送信対策ソリューション「BRODIAEA safeAttach」との連携によるソリューションの提供を開始
・クロス・ヘッド株式会社が、サイボウズGaroonとMicrosoft Teamsとの予定同期を可能にするサービスの提供を開始
第3四半期連結会計期間
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、株式会社オーシーシーと日本HP製のリモートアクセスツールを利用した映像制作者向けテレワークサービスの提供開始
・Dell Technologies より Services Delivery Excellence Award を受賞
・F5ネットワークス「NGINXアプリケーションプラットフォーム」の販売を開始
・セキュリティアナリストの判断・分析業務を行うAIをクロス・ヘッドと共同開発
・パロアルトネットワークス株式会社より2020年のJAPAN Distribution Partner of the Year を受賞
当第4四半期連結会計期間
・統合監視とインシデント対応支援を提供するサービス『TPS』に脆弱性管理オプションサービスを拡充
・日本プルーフポイント株式会社より 「PARTNER OF THE YEAR」 を受賞
・クロス・ヘッド株式会社が、サイボウズGaroonからMicrosoft Teamsへの連携API「CROSSLink 365 Teams連携」プラグイン版の提供を開始
・インシデント対応とフォレンジック※14を提供する新サービスの提供を開始
◇アプリケーション・サービス事業
第1四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORIが、エムスリー株式会社と業務提携
・医療分野:株式会社NOBORIが、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスを提供開始
・医療分野:株式会社NOBORIが、インドDeepTek社へ出資、資本・業務提携
・医療分野:株式会社NOBORIが、COVID-19遠隔読影と画像診断支援AIシステムを全国の医療機関100施設に期間限定で無償提供
・医療分野:株式会社NOBORIが、エルピクセル株式会社との業務提携に合意、エムスリー株式会社と共同で運営する医用画像診断支援AIプラットフォームにてエルピクセル社EIRL aneurysm サービスの提供を開始
・医療分野:株式会社NOBORIが、AI医療技術「COVID-19肺炎画像解析プログラム Ali-M3」の販売開始
・ソフトウェア品質保証分野:AI技術によるセルフヒーリング機能やレコメンド機能でSelenium※15のテストを強化する「Parasoft Selenic」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:強力なオブジェクト認識能力を誇るUIテスト自動化ツール 「Ranorex日本語版」に最新版のVersion 9.3が登場
・ビジネスソリューション分野:学校法人軽井沢風越学園向けに学びの個別化を実現するコミュニケーション・プラットフォーム「typhoon」(タイフーン)を新規開発・導入
・ビジネスソリューション分野:LIBOR廃止を見据えた金融商品評価・分析ツール 「F3」最新版の国内販売を開始
第2四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORIが、TXP Medical株式会社と業務提携
・医療分野:株式会社NOBORIが、COVID-19肺炎AIの無償支援プロジェクト拡大を発表
・ビジネスソリューション分野:F3 CVA※16試算計測サービスを強化 各取引の CVAへの影響度確認に有効な「マージナルCVA計測機能」を追加
・ソフトウェア品質保証分野:アーキテクチャ分析ツール「Lattix 日本語版」 Version 11の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:Java対応テスト自動化ツール「Jtest 2020.1」の販売を開始
・株式会社カサレアルが、HashiCorp社とトレーニングパートナー契約を締結
第3四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORI、京都府の肺がん検診における胸部X線画像診断補助ツールの試験導入を支援
・医療分野:株式会社NOBORI、医用画像診断支援AIプラットフォームにおける画像診断支援ソフトウェアサービス提供を拡充
当第4四半期連結会計期間
・CRM分野:従業員のコンディションと生産性の関係性について研究を開始
・CRM分野:日本電気株式会社と販売代理店契約を締結
・CRM分野:水戸市との協働による市民の声・広聴業務向けシステム「FastHelp Ce」試験導入による実証実験結果を公表
・ソフトウェア品質保証分野:DXのデータ連携に欠かせないAPI※17のテスト自動化と仮想化を1ツールで実現する「SOAtest/Virtualize 2020.2」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:C 言語/C++言語対応テストツール「C++test 2020.2」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:C#/VB.NET 対応静的解析・動的解析ツール「dotTEST 2020.2」の販売を開始
・ビジネスソリューション分野:教育業界向けにスクール・コミュニケーション・プラットフォーム + 校務支援システム「ツムギノ(tsumugino)」を販売開始
・ビジネスソリューション分野:金融商品評価・分析ツール「FINCAD Analytics Suite 2021」国内販売を開始
・株式会社カサレアルが、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンのビジネスパートナー制度に参加
② 情報基盤事業における保守、運用・監視サービスの受注に加えて、アプリケーション・サービス事業におけるCRM分野や医療分野である株式会社NOBORIや合同会社医知悟のサービスを拡販する等、ストック型収益の拡大に向けた取り組みを加速しました。
③ 独自クラウドサービス「テクマクラウド」を活用したMicrosoft Office365向け通信の自動制御ソリューションやデバイス制御を含むリモートアクセス・ソリューション、ファイル無害化ソリューション、セキュリティ監視サービスなど、情報基盤事業においても、独自付加価値サービスの開発・拡販に注力しました。
④ クロス・ヘッド株式会社、沖縄クロス・ヘッド株式会社、株式会社カサレアル、株式会社NOBORI、合同会社医知悟、株式会社A-Line及び山崎情報設計株式会社との相乗効果を最大化し、グループとして総合力を発揮するための取り組みを継続しています。特に、保守、運用・監視サービスや受託開発等、従来グループ外に発注していた機能をグループ内に取り込むことにより、グループ内での自活の取り組みを推進しました。
⑤ クラウドネイティブ時代を代表するオープンソース系ツールの販売、オープンソース・コミュニティの運営、オープンソース系プログラミング技術の企業向け研修事業等に取り組みました。
⑥ 成長を続けるASEANを中心とした海外市場で、CRM分野のクラウドサービス等の事業展開を推進しました。
⑦ 市場シェアの拡大や事業の多角化を目指し、オープンイノベーションを意識したベンチャー企業を含む外部企業や大学、異業種との協業促進、あるいは、同業他社や当社グループの事業を補完しうる事業者に対してより大胆なM&Aや資本業務提携を行うための資金として手元資金を活用することを模索しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、309億28百万円と前期比33億29百万円(12.1%)の増加、売上総利益は112億17百万円と前期比10億85百万円(10.7%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加のため、76億39百万円と前期比2億7百万円(2.8%)の増加となりました。この結果、営業利益は35億83百万円と前期比8億47百万円(31.0%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は34億6百万円と前期比6億77百万円(24.8%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億1百万円と前期比4億70百万円(25.7%)の増加となりました。
売上収益、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、すべて過去最高となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 情報基盤事業
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、前期までに積み上げた受注残と新規大型案件の受注により、大変好調に推移しました。案件が大規模化する傾向にあり、過去最大規模の大型受注も獲得しています。サブスクリプション型のクラウドサービスの受注も拡大を続けています。特に、第1四半期では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、リモートワークを支援するセキュリティ関連製品の需要が急増しました。一方で、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点の減少により新規商談につながる営業リードの獲得に苦戦しましたが、第2四半期以降は、オンラインでのプライベートイベントの開催や、ネットを活用したマーケティング活動やオンラインでの営業活動を活性化させ、新規営業リードの獲得に努めました。
製品別では、リモートアクセス用セキュリティ技術である「SSL-VPN」※18ライセンスの追加需要が堅調でした。また、主力の次世代ファイアウォール※19は、クラウド型のサービスに対する需要が急拡大しており、リモートワーク環境の迅速な整備や各拠点のセキュリティ対策の一元化を目的とした大型案件を受注するなど、事業の拡大に貢献しました。個人認証システムは、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークが急速に広がったため、受注が好調でした。ストレージ製品も順調に受注を伸ばしました。
また、統合セキュリティ運用・監視サービスの売上も順調に推移しました。加えて、クラウド時代のセキュリティに対応した「CASB(Cloud Access Security Broker)※20」、「SASE(Secure Access Service Edge)※21」、「 SOAR (Security Orchestration, Automation and Response) ※22」、「 EDR (Endpoint Detection and Response)※23」等、新しい世代のセキュリティ対策製品も注目度が高い状況で、実績も増えてきました。
クロス・ヘッド株式会社では、インフラ構築案件の新規受注にやや苦戦しています。
沖縄クロス・ヘッド株式会社では、セキュリティ関連製品やテレワークの浸透によりリモートデスクトップ・サービスが好調に推移しました。また、事業構造改革が奏功し採算性が向上しました。
以上により、同事業の売上収益は209億43百万円と前期比28億89百万円(16.0%)の増加、営業利益は27億41百万円と前期比6億86百万円(33.4%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
② アプリケーション・サービス事業
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、情報基盤事業と同様に、前期までに積み上げた受注残と新規案件の受注により堅調に推移しました。
医療分野では、株式会社NOBORIの医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注しています。一方、コンシューマ(患者)をターゲットとしたPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスの開発や、AIベンチャー・医師らと組んだ医用画像診断支援システムの共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果が上がっています。合同会社医知悟は、新型コロナウイルスの感染拡大により、健診施設を中心に画像検査件数が一時的に減少したため、読影依頼件数は伸び悩みましたが、1度目の緊急事態宣言解除後は、健診施設や医療機関の活動も徐々に正常化しており、読影依頼件数は平常時の水準に戻ってきました。株式会社A-Lineが開発する医療被ばく線量管理システム「MINCADI」の受注も順調に増加しました。
CRM分野では、次世代製品及び機能強化したFAQシステムの市場への投入により競争力が強化され、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い、新規受注は堅調です。
ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェアを開発する製造業などで組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性は益々高まっています。第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大による製造業の投資減速の懸念がある中、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点が減少しましたが、顧客企業からの問い合わせは徐々に回復傾向にあり、期末に向けては需要が前年並みに回復しました。一方で、エンタープライズ系のソフトウェア開発分野では、プロジェクトの遅れや棚上げが目立ち始め、需要の戻りが遅い印象です。
ビジネスソリューション分野では、既存顧客である学術系公共機関向けのシステム開発案件が堅調でした。また、ベンチャーキャピタル向けのファンド運営・管理システムの需要が好調です。株式会社カサレアルでは、第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面型IT研修のキャンセルが多く発生し、教育事業がマイナス影響を受けましたが、オンライン研修の開発・拡販に積極的に取り組みました。また、第2四半期以降は、対面型IT研修も徐々に需要が回復してきましたが、直近の感染拡大の影響を受け、需要が再び鈍化しています。しかしながら、IT研修に対する潜在的な需要は高く、期末においてはIT研修の駆け込み需要がありました。
以上により、同事業の売上収益は99億85百万円と前期比4億39百万円(4.6%)の増加、営業利益は8億41百万円と前期比1億60百万円(23.6%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、146億34百万円と前期比8億86百万円(6.4%)の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、前渡金や契約負債の増加等により、収入は35億16百万円と前期比5億14百万円(17.1%)の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、投資の売却による収入や子会社株式の取得による収入が発生しなかったこと等により、支出は8億41百万円と前期比3億円(55.5%)の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、新株予約権の行使による自己株式の処分による収入が発生しなかったこと等により、支出が17億90百万円と前期比12億21百万円(214.6%)の増加となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比 (%) |
| 情報基盤事業 | 10,918,049 | +56.7 |
| アプリケーション・サービス事業 | 4,713,738 | +20.2 |
| 全社(共通) | 70,747 | △37.3 |
| 合計 | 15,702,536 | +42.7 |
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
4 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、主に前連結会計年度は日本基準の金額、当連結会計年度はIFRSの金額での比較によるものであります。内容については、注記「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示) (3) 調整表 ① 調整に関する注記 (ⅲ) 認識及び測定の差異 A.売上収益」をご参照ください。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比 (%) |
| 情報基盤事業 | 3,387,491 | △47.6 |
| アプリケーション・サービス事業 | 512,956 | △54.6 |
| 合計 | 3,900,447 | △48.6 |
(注) 1 上記の金額は、実際仕入額であり消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは、主に前連結会計年度は日本基準の金額、当連結会計年度はIFRSの金額での比較によるものであります。内容については、注記「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示) (3) 調整表 ① 調整に関する注記 (ⅲ) 認識及び測定の差異 A.売上収益」をご参照ください。
(3) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
| 情報基盤事業 | 27,253,776 | +35.9 | 20,695,674 | +90.7 |
| アプリケーション・サービス事業 | 10,569,447 | △0.7 | 9,499,395 | +12.5 |
| 合計 | 37,823,224 | +23.2 | 30,195,070 | +56.5 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 当連結会計年度において、受注残高に著しい変動がありました。これは、主に前連結会計年度は日本基準の金額、当連結会計年度はIFRSの金額での比較によるものであります。内容については、注記「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示) (3) 調整表 ① 調整に関する注記 (ⅲ) 認識及び測定の差異 A.売上収益」をご参照ください。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比 (%) |
| 情報基盤事業 | 20,943,188 | +16.0 |
| アプリケーション・サービス事業 | 9,985,317 | +4.6 |
| 合計 | 30,928,506 | +12.1 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 売上割合が10%以上の取引先はありません。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
なお、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大により、リモートアクセスに関するセキュリティ製品など一部の取扱製品に需要の増加があったほか、連結子会社において実施している技術者向けの研修において一部受講のキャンセルがありましたが、当連結会計年度の連結財務諸表の作成においては、新型コロナウイルス感染症拡大が大きな影響やリスクを与えたとの認識はしておりません。
また、連結財務諸表の作成における見積りに与える影響について、本有価証券報告書の提出日現在においては、新型コロナウイルス感染症拡大を理由とする重要な会計上の見積りの見直し等を行っておりません。今後、経済活動の動向等により顧客業績が悪化するなどして、顧客において当社グループの取扱製品やサービスに対する購入・投資意欲の減退が見られた場合に、当社の財政状態に影響を与える可能性はございますが、本有価証券報告書の提出日時点においては、従前と比較して連結財務諸表の作成の見積りにあたり、新型コロナウイルス感染症拡大を理由として、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼす事象の発生等は認識しておりません。
(2)経営成績の分析
情報基盤事業の売上収益は209億43百万円と前期比28億89百万円(16.0%)の増加、営業利益は27億41百万円と前期比6億86百万円(33.4%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、前期までに積み上げた受注残と新規大型案件の受注により、大変好調に推移しました。案件が大規模化する傾向にあり、過去最大規模の大型受注も獲得しています。サブスクリプション型のクラウドサービスの受注も拡大を続けています。特に、第1四半期では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、リモートワークを支援するセキュリティ関連製品の需要が急増しました。一方で、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点の減少により新規商談につながる営業リードの獲得に苦戦しましたが、第2四半期以降は、オンラインでのプライベートイベントの開催や、ネットを活用したマーケティング活動やオンラインでの営業活動を活性化させ、新規営業リードの獲得に努めました。
製品別では、リモートアクセス用セキュリティ技術である「SSL-VPN」ライセンスの追加需要が堅調でした。また、主力の次世代ファイアウォールは、クラウド型のサービスに対する需要が急拡大しており、リモートワーク環境の迅速な整備や各拠点のセキュリティ対策の一元化を目的とした大型案件を受注するなど、事業の拡大に貢献しました。個人認証システムは、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークが急速に広がったため、受注が好調でした。ストレージ製品も順調に受注を伸ばしました。
また、統合セキュリティ運用・監視サービスの売上も順調に推移しました。加えて、クラウド時代のセキュリティに対応した「CASB(Cloud Access Security Broker)」、「SASE(Secure Access Service Edge)」、「 SOAR (Security Orchestration, Automation and Response)」、「 EDR (Endpoint Detection andResponse)」等、新しい世代のセキュリティ対策製品も注目度が高い状況で、実績も増えてきました。
クロス・ヘッド株式会社では、インフラ構築案件の新規受注にやや苦戦しています。
沖縄クロス・ヘッド株式会社では、セキュリティ関連製品やテレワークの浸透によりリモートデスクトップ・サービスが好調に推移しました。また、事業構造改革が奏功し採算性が向上しました。
アプリケーション・サービス事業の売上収益は99億85百万円と前期比4億39百万円(4.6%)の増加、営業利益は8億41百万円と前期比1億60百万円(23.6%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、情報基盤事業と同様に、前期までに積み上げた受注残と新規案件の受注により堅調に推移しました。
医療分野では、株式会社NOBORIの医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注しています。一方、コンシューマ(患者)をターゲットとしたPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスの開発や、AIベンチャー・医師らと組んだ医用画像診断支援システムの共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果が上がっています。合同会社医知悟は、新型コロナウイルスの感染拡大により、健診施設を中心に画像検査件数が一時的に減少したため、読影依頼件数は伸び悩みましたが、1度目の緊急事態宣言解除後は、健診施設や医療機関の活動も徐々に正常化しており、読影依頼件数は平常時の水準に戻ってきました。株式会社A-Lineが開発する医療被ばく線量管理システム「MINCADI」の受注も順調に増加しました。
CRM分野では、次世代製品及び機能強化したFAQシステムの市場への投入により競争力が強化され、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い、新規受注は堅調です。ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェアを開発する製造業などで組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性は益々高まっています。第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大による製造業の投資減速の懸念がある中、新規顧客の獲得を目的とした大規模展示会の開催が軒並み中止となるなど、顧客接点が減少しましたが、顧客企業からの問い合わせは徐々に回復傾向にあり、期末に向けては需要が前年並みに回復しました。一方で、エンタープライズ系のソフトウェア開発分野では、プロジェクトの遅れや棚上げが目立ち始め、需要の戻りが遅い印象です。
ビジネスソリューション分野では、既存顧客である学術系公共機関向けのシステム開発案件が堅調でした。また、ベンチャーキャピタル向けのファンド運営・管理システムの需要が好調です。株式会社カサレアルでは、第1四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面型IT研修のキャンセルが多く発生し、教育事業がマイナス影響を受けましたが、オンライン研修の開発・拡販に積極的に取り組みました。また、第2四半期以降は、対面型IT研修も徐々に需要が回復してきましたが、直近の感染拡大の影響を受け、需要が再び鈍化しています。しかしながら、IT研修に対する潜在的な需要は高く、期末においてはIT研修の駆け込み需要がありました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、309億28百万円と前期比33億29百万円(12.1%)の増加、売上総利益は112億17百万円と前期比10億85百万円(10.7%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費等の増加のため、76億39百万円と前期比2億7百万円(2.8%)の増加となりました。この結果、営業利益は35億83百万円と前期比8億47百万円(31.0%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は34億6百万円と前期比6億77百万円(24.8%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億1百万円と前期比4億70百万円(25.7%)の増加となりました。売上収益、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、すべて過去最高となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末(以下「前年度末」という)から44億26百万円(16.6%)増加し、311億69百万円となりました。前渡金が42億79百万円増加したことが主な要因であります。非流動資産の残高は、前年度末から1億74百万円(1.9%)減少し、88億26百万円となりました。その他の非流動資産の長期前払費用が1億16百万円減少したことが主な要因であります。以上により、総資産は前年度末から42億51百万円(11.9%)増加し、399億96百万円となりました。
流動負債の残高は、前年度末から28億73百万円(17.9%)増加し、189億2百万円となりました。契約負債が36億56百万円増加したことが主な要因であります。非流動負債の残高は、前年度末から5億43百万円(10.3%)減少し、47億39百万円となりました。リース負債が4億45百万円減少したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、前年度末から23億30百万円(10.9%)増加し、236億41百万円となりました。
資本合計の残高は、前年度末から19億21百万円(13.3%)増加し、163億54百万円となりました。利益剰余金が16億59百万円増加したことが主な要因であります。以上により、親会社所有者帰属持分比率は37.1%となりました。
(4)戦略的現状と見通し
ITが注目される一方で、「ITは技術的専門性の高い企業だけが扱える」という時代は終焉を迎えようとしています。オープンソースの普及、クラウド化の流れとともに、企業におけるシステム開発の内製化の流れはより加速していきます。また、ソフトウェア開発の内製化が浸透している一方で、どの企業にも必要とされる共通サービスや、特定業界向けの業務システムについては、自社で開発するのではなく、クラウドサービス等の外部サービスを積極的に利用する傾向が強くなっています。従い、「ベストプラクティス」をシステム化したクラウドサービスは、サプライサイドが今後も継続して提供して行くべきビジネスの中心となっていくことが想定されます。また、あらゆるものがインターネットにつながる「IoT」技術により、世界各地で毎日、センサー、ソーシャルネットワーク(SNS)やクラウドサービス等を通じて、企業の活動や個人の行動等から膨大な量のデータが生み出されています。これを「新たな資産」としてつぶさに分析し、これからのビジネス拡大の原動力とする動きが始まっています。データ収集と解析を行う技術が進化した昨今、新しいタイプのITサービス企業は、データを利活用し、個人向け(BtoCビジネス)や企業向けの斬新なサービスを生み出しています。データを持つ者が、今後のビジネス競争においては、圧倒的な差別化を実現することができます。AI等を用いてデータを利活用することにより、未来を予想したり、複雑な意思決定を行ったりすることも可能となります。さらに、データが「新たな資産」としてより価値を増し、IoTにより何百億というモノがインターネット接続される時代が到来しています。悪意ある者にとって侵入できるポイントはそれだけ増えているということであり、企業や官公庁・自治体がデータ資産を守るため、サイバーセキュリティ対策の重要性はより増しているといえます。サイバーセキュリティ対策は、もはや国家戦略、企業戦略の一部となっており、官民を挙げて、対策の後押しをする状況が継続しています。サイバー攻撃に対する防衛と検知に対する投資は、今や企業や公的機関等の経営責任の一つともなっています。サイバーセキュリティ市場は今後も堅調に拡大することが想定されます。
新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」
既に公表した新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」に基づき、「デジタル化を支える情報基盤・技術・サービスの提供」と「最善の手法である「Best Practice」を誰にも使いやすいUXを通してクラウド型で提供すること」を中核コンセプトとして事業展開を進めていきます。
■情報基盤事業部門
クラウド時代に対応し、従来のITインフラストラクチャー(企業ネットワーク等)のサイバー攻撃の防御に止まらず、より広範囲なクラウド及び仮想化された環境下の防御を実現する次世代のネットワークセキュリティ関連商材及びサービスの拡充を目指します。クラウドサービスやSNSが普及し、スマートフォンユーザが増加したことにより、インターネット上の通信量は飛躍的に増加しており、情報セキュリティに関する脅威が増している状況の中、データセンター事業者、クラウドサービス事業者や一般企業における情報基盤への設備投資は前向きな状態が続くと判断しています。最先端のネットワークセキュリティ関連技術の動向を先取りし、積極的に新規商材を発掘し、各種自社サービスと組み合わせ、競合他社との差別化を推進して行きます。
昨今、セキュリティ関連技術自体がクラウド化してきており、またエンドポイントにおける防御・検知技術の進歩も加速度的に進んでいます。また、サイバーセキュリティ対策は、より高度化、巧妙化するサイバー攻撃の脅威とのイタチごっこでもあります。企業は継続的に検知及び監視に費用を投じざるを得ず、また、より高度化する脅威に対して、より専門的な人材による対応も必要になってきています。その専門性故、企業が個別に対応していくことに限界が見えてきているため、サイバー攻撃の防御を行うセキュリティ機器の販売だけでなく、マネージドサービス等付加価値の高いサービスの開発に積極的に投資してまいります。当該セグメントにおける連結子会社との事業連携も加速させ、情報基盤のライフサイクル全般をカバーする総合的なサービス提供力の向上に努めます。
足元では、新型コロナウイルス禍におけるテレワーク需要の急増を背景に、リモートアクセスを実現するセキュリティ製品やクラウドセキュリティ製品の需要が拡大しております。特に、クラウドセキュリティ製品の需要が強く、セキュリティ対策のクラウド化を一気に進めるべく、商談も大型化の傾向にあります。
<新中期経営計画における主な基本戦略>『デジタル化を支える情報基盤・技術・サービスの提供』
・取扱製品/サービスの拡大
・代理店(パートナー)と戦略アカウントの深掘り
・プロダクト組織とアカウント組織のマトリックス化
・専門性の更なる強化と技術力の可視化 (保守対応の可視化、技術情報発信など)
・統合監視セキュリティサービス(TPS)の拡販
・センター集約型ビジネスの拡大(付加価値の追求)
・サブスクリプション販売への移行促進(ストックビジネス強化)
■アプリケーション・サービス事業部門
医療分野、CRM分野、ビジネスソリューション分野、ソフトウェア品質保証分野夫々において、クラウドサービス(SaaS)を加速度的に推進します。また、顧客企業でソフトウェア開発の内製化が進む中で、顧客向けの受託開発を担当していた技術リソースの一部を「自社独自サービス開発(ベストプラクティスのクラウドサービス)」や「自社付加価値を高める既存クラウドサービスの拡充」に戦略的にシフトしていきます。
医療分野においては、当社グループが他社に先行してサービスを開始した医療情報クラウドサービス「NOBORI」は、クラウド型PACS(医用画像管理システム)市場において圧倒的なシェアを獲得しており、同市場を牽引しています。「NOBORI」は医用画像データの管理に留まらず、医療情報クラウドサービスのプラットフォーム「NOBORI PAL」として、当社及びパートナー企業の新たなクラウドサービスの拡充を目指します。また、戦略的業務提携によって、医用画像診断支援のAIプラットフォーム事業を積極的に推進しており、蓄積されたデータの利活用を加速させています。また、医療機関のみならずコンシューマ(患者)をターゲットとしたPHRサービスは、患者個人への課金をスタートし、本格的な普及と事業の収益化を目指しています。
CRM分野においては、従来の電話やメールといったコミュニケーション手段にとどまらず、SNS等の多様なチャネルに対応したコンタクトセンターCRMソリューションを提供しています。AIを活用したチャット・ボット等の最先端技術を活用し、コンタクトセンターの運用効率化に貢献していきます。当該分野においても、クラウド化を推し進めると同時に、民間のみならず自治体の広聴業務向けの事業拡大に取り組みます。また、急速に発展しているASEAN(特にタイとインドネシア)地域での顧客拡大に取り組み、ビジネスのグローバル化を推進していきます。
ソフトウェア品質保証分野においては、様々なデバイスがインターネットで相互接続されるIoTやM2M(機器間の通信)の拡がりにより、組込みソフトウェアの品質向上は社会的にも非常に重要な課題となってきています。医療機器、自動車、鉄道、電子機器等様々な分野で機能安全の国際規格への対応が必要となってきています。組込みソフトウェアの品質向上・機能安全(セイフティ)に対する需要を的確に捉えて行くと同時に、複雑化、大規模化する企業内情報システム分野におけるソフトウェア品質向上のニーズにも応えて行きます。DevOpsやOSSに対応した開発支援ツールの提供にも力を入れます。当該分野においても、クラウド型のサービスの提供を開始しました。
ビジネスソリューション分野では、従来の特定顧客向け受託開発ビジネスで積み上げてきた技術力を活かし、新しい分野でのベストプラクティスをシステム化したクラウドサービスの創出に取り組んでいます。政府のGIGAスクール構想により急速にデジタル化が進む教育分野においては、10年振りに改訂された学習指導要領において「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)や「個別最適な学び」の実現が謳われています。その目標を実現するためには、これまでの発想とは全く違う新しいコミュニケーション・プラットフォームや校務支援クラウドサービスが必要です。この市場の変化と新しいニーズに対応するため、当社ではクラウドサービス「ツムギノ」を開発し、既に複数の学校に対して提供を開始しました。また、金融工学の技術を活用し、金融機関向けのリスク管理分野でのビジネス拡大に取り組んで行きます。
当該セグメントにおける連結子会社は、単体事業との事業シナジーを追求しつつ、夫々の専門分野で事業の拡大を図ります。
<新中期経営計画における主な基本戦略>『最善の手法である「Best Practice」を誰にも使いやすいUXを通してクラウド型で提供』
・AI医療診断支援サービス事業の加速
・PHR事業の拡大
・CRMサービスのワンストップ化に向けた他ベンダーとの連合・グループの組成
・グローバル展開(ASESAN)の加速
・AI技術を活用した製品/サービスの創出
・ポートフォリオの拡充(ソフトウェア開発基盤ソリューションの独自開発等)
・ツールを活用した第三者テスト/検証市場への参入
・独自のビジネス分析ソリューションの開発・提供
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、取扱い製品であるネットワーク関連機器の保守用機材の購入等の設備投資資金及び販売用ソフトウェアの開発費等であります。
③ 資金の源泉
当連結会計年度末において146億34百万円の現金及び現金同等物の残高があり、当面の資金需要に充当し得る十分な資金を保有しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが成長を続けていくためには多くの課題が残されていると考えております。具体的には、①業界動向や顧客ニーズ等の「外部環境変化への対応力強化」と、②人材面や業務プロセスの効率化等の「内部の課題解決」の二つに大別されます。
① 外部環境変化への対応力強化
・ 持続的な成長シナリオの構築
現在、当社グループの事業セグメントにおいては、ニッチ市場ながらも競争力の高い製品やサービスを展開しておりますが、今後も持続的に成長するためには、市場ニーズに対応した新しい製品やサービスを切れ目なく立ち上げていく必要があります。
・ ビジネスモデルの多様化
企業のITシステム投資の方向性が、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化しております。IT資産においてもオフバランス化が進み、「持たざる経営」がITの分野にも浸透しつつあります。
これまで、企業はITシステム(ハードウェア、ソフトウェア、開発)を資産として購入・運用してきましたが、ITシステムを資産として保有せず、外部事業者のサービスをインターネット越しに活用するクラウドサービスの利用が広がっております。これにより、企業側はITシステムの初期投資や運用・保守等の負担を低減することができます。当社グループでは、アプリケーション・サービス事業において、自社開発ソフトウェア・パッケージの販売、保守を行ってまいりましたが、これらソフトウェアの機能をインターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス事業に参入しております。売り切り販売中心のフロー事業に加え、継続的に収入が得られるサービス事業によるビジネスのストック化を更に推進します。クラウド時代の顧客企業ニーズの変化に積極的に対応し、ストック型ビジネスを中心戦略とした「持たざる経営」を支えるサービス・プロバイダー、サービス・クリエーターとしての地位の確立を進めてまいります。
・ サービスのフルライン化
上述のとおり、IT業界ではクラウドという新しいビジネスモデルへの対応が必要となる一方で、従来どおりITシステムの自社所有を希望する企業があります。このため、当社グループは、システム導入以降に必要となる保守・運用サービスについても積極的に拡充し、システムのライフサイクル全てをカバーするフルラインのサービス提案を行ってまいります。また、グループ経営を一層強化することにより、システムのフルアウトソーシングの請負にも注力し、継続的な取引機会の確保に努めてまいります。24時間対応のオンサイト保守やリモート監視業務については、外部委託からクロス・ヘッド株式会社への委託へ切り替え、グループ内での機能の自活、内製化を進めております。また、株式会社カサレアルの完全子会社化によりソフトウェアの開発要員を拡充しておりますので、開発業務についても同社技術力を活用した効率化を進めます。以上の取り組みにより、グループの総合力を発揮するとともに、サービスのフルライン化を進めます。
・ 業界構造
一般的に、ソフトウェア開発会社は人的資源中心のビジネスであり、大規模な初期投資を必要としないことから、少人数の企業から大手のシステム・インテグレーターまで多数の企業が存在します。業界全体が多重の下請け構造になっているため、下請け構造の下層に位置する企業は、規模の大小にかかわらず苦しい経営を強いられております。このため、生き残りを図るためには、付加価値の高いサービスを提供し、顧客企業への直販、直接契約を志向することが重要であり、フルラインでのサービス提供と総合力の発揮、一定規模の開発体制が求められます。当社グループは、今後もM&Aの活用を経営の選択肢に取り入れ、スピード感を持って付加価値の向上、総合力の発揮、規模の拡大を目指してまいります。
② 内部の課題解決
・ 人材の採用と育成
当社グループは、これまで即戦力の中途入社社員の採用により事業の拡大を図ってまいりましたが、中堅社員層の比率が相対的に高くなっているため、将来的なコストアップを防ぐためにも、今後は、若手社員の拡充に軸足を移し、新卒や第二新卒の採用活動に力を入れていく必要があります。
また、一般的な労働集約型ビジネスではない、高付加価値なストック型ビジネスの拡大や、新規事業の創発等の事業戦略の実現に向け、今後のIT の技術革新や業界を取り巻く環境変化にキャッチアップし、新たな価値を創造できる人材育成計画の策定及び実現を進めてまいります。
・ 品質カイゼン活動
ITシステムは、社会インフラ化しており、また、企業経営にとっても経営戦略を具現化するためのツールとして、ITシステムの果たす役割は一層重要性を増しております。ITシステムを構成するハードウェアの性能は日進月歩で向上しておりますが、人的資源に依存するソフトウェアの開発においては、依然として属人的な要素が少なくありません。開発プロセスの標準化や科学的手法によるテストの合理化、既存ソフトウェア部品の有効活用等、さまざまな努力を重ね、ソフトウェア品質、サービス品質の向上に努めなければなりません。高品質な製品・サービスの提供は勿論のこと、企業業績の安定化のためにも、品質カイゼン活動を積極的に推進してまいります。
・ 社内ITシステムの充実
業務プロセスを効率化、合理化していくため、また、事業上の迅速な意思決定を促進するためにはITシステムの積極的な活用が不可欠であると認識しております。具体的には、RPAの活用により、人の手で行っている定型業務の自動化の推進や、社内SNSツールの導入による社内コミュニケーションの促進、円滑化に取り組んでおります。加えて、上場企業として求められる内部統制を着実に実行していくためにも、ITによる業務統制は重要な役割を担っていると考えております。当社グループは、社内ITシステムの継続的な開発を通じて、業務プロセスの効率化、企業活動の可視化を図ってまいります。
| (用語解説) | ||
| ※14 | フォレンジック | 不正アクセスや情報漏洩等のセキュリティ事象が発生した際に、原因究明のため、その痕跡や記録等を収集分析すること。 |
| ※15 | Selenium | UI(User Interface:機器やソフトウェア、システム等とその利用者が情報をやり取りするための仕組み)テストの効率化や自動化するためのオープンソースフレームワークのこと。 |
| ※16 | CVA | CVA(Credit Valuation Adjustment)とは、日本語では「信用調整評価」と呼ばれ、金融取引のうち、デリバティブ取引における信用リスクをデリバティブ取引の時価に反映させる概念のこと。 |
| ※17 | API | API(Application Programming Interface)とは、コンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと。 |
| ※18 | SSL-VPN | SSL技術(インターネット上でのデータの通信を暗号化し、盗聴や改ざんを防ぐ仕組み)を利用した、リモートアクセスVPN(インターネット上に仮想的に構築されたプライベートネットワーク)のこと。 |
| ※19 | 次世代ファイアウォール | 従来のファイアウォールでは防ぐことができないセキュリティ脅威に対応した製品。例えば、通常のインターネット利用に紛れて内部に侵入し、情報漏えいを引き起こす最近のサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフトウェア等による情報漏えいを防ぐ。 |
| ※20 | CASB | CASB(Cloud Access Security Broker)とは、クラウドサービスのユーザーとクラウドサービスのプロバイダー間に位置し、クラウド利用状況の可視化や制御を行い、全体として一貫性のあるセキュリティポリシーを実施できるようにすること。 |
| ※21 | SASE | SASE(Secure Access Service Edge)とは、ネットワークとセキュリティの機能を包括的にクラウドから提供すること。クラウドサービスの普及が進む中で、これまでクラウドのポリシーは利用サービス別に適用されることが多かったが、SASEは単一のクラウドに集約し包括的に管理するという、新しい概念。 |
| ※22 | SOAR | SOAR(Security Orchestration, Automation and Response)とは、セキュリティインシデント発生からの情報収集、分析、判断までのセキュリティオペレーションを迅速に行うために自動化されたフレームワークのこと。サイバー攻撃が悪質・高度化する一方で、世の中のセキュリティ人材が不足しており、SOARへの期待が高まっている。 |
| ※23 | EDR | EDR(Endpoint Detection and Response)とは、PC、サーバー、スマートフォンといった、ネットワークに接続されている「エンドポイント」の操作や動作の監視を行い、サイバー攻撃を受けたことを発見次第対処するソフトウェアのこと。 |
(7)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、千円未満を切り捨てして記載しております。
① 要約連結貸借対照表
| (単位:千円) | ||
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | 24,367,524 | 30,727,820 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | 1,318,257 | 1,467,189 |
| 無形固定資産 | 1,373,047 | 1,409,187 |
| 投資その他の資産 | 2,565,074 | 3,002,890 |
| 固定資産合計 | 5,256,380 | 5,879,266 |
| 資産合計 | 29,623,904 | 36,607,087 |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | 11,908,947 | 17,839,871 |
| 固定負債 | 2,709,948 | 2,450,367 |
| 負債合計 | 14,618,895 | 20,290,239 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | 13,651,763 | 14,640,421 |
| その他の包括利益累計額 | 6,276 | 181,723 |
| 新株予約権 | 77,561 | 98,152 |
| 非支配株主持分 | 1,269,408 | 1,396,551 |
| 純資産合計 | 15,005,009 | 16,316,848 |
| 負債純資産合計 | 29,623,904 | 36,607,087 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
| (単位:千円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 売上高 | 28,553,244 | 30,603,196 |
| 売上原価 | 18,289,042 | 19,423,814 |
| 売上総利益 | 10,264,201 | 11,179,381 |
| 販売費及び一般管理費 | 7,235,897 | 7,493,210 |
| 営業利益 | 3,028,303 | 3,686,171 |
| 営業外収益 | 37,954 | 16,269 |
| 営業外費用 | 47,512 | 47,110 |
| 経常利益 | 3,018,746 | 3,655,330 |
| 特別利益 | 71,302 | - |
| 特別損失 | 175,227 | 145,964 |
| 税金等調整前当期純利益 | 2,914,821 | 3,509,365 |
| 法人税等 | 974,668 | 1,046,395 |
| 当期純利益 | 1,940,153 | 2,462,969 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 76,978 | 122,150 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,863,174 | 2,340,819 |
要約連結包括利益計算書
| (単位:千円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 当期純利益 | 1,940,153 | 2,462,969 |
| その他の包括利益合計 | 13,508 | 180,439 |
| 包括利益 | 1,953,661 | 2,643,409 |
| (内訳) | ||
| 親会社株主に係る包括利益 | 1,873,235 | 2,516,267 |
| 非支配株主に係る包括利益 | 80,425 | 127,142 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
| (単位:千円) | |||||
| 株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 11,128,838 | △3,785 | 60,353 | 1,188,983 | 12,374,390 |
| 当期変動額 | 2,522,924 | 10,061 | 17,207 | 80,425 | 2,630,619 |
| 当期末残高 | 13,651,763 | 6,276 | 77,561 | 1,269,408 | 15,005,009 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| (単位:千円) | |||||
| 株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 13,651,763 | 6,276 | 77,561 | 1,269,408 | 15,005,009 |
| 会計方針の変更を反映した当期首残高 | 12,936,727 | 6,276 | 77,561 | 1,269,408 | 14,288,973 |
| 当期変動額 | 1,704,693 | 175,447 | 20,591 | 127,142 | 2,027,874 |
| 当期末残高 | 14,640,421 | 181,723 | 98,152 | 1,396,651 | 16,316,848 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
| (単位:千円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,469,738 | 2,845,074 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △999,282 | △911,309 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 123,832 | △1,102,505 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △491 | 1,977 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 1,593,797 | 833,236 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 11,802,853 | 13,396,650 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 13,396,650 | 14,229,887 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2018年3月30日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号2018年3月30日)が2018年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしております。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。
この結果、当連結会計年度の売上高が5,166,223千円減少し、売上原価は4,494,898千円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ671,325千円減少しております。また、利益剰余金の当期首残高は716,035千円減少しております。なお、当連結会計年度の1株当たり純資産額は29円74銭減少し、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益はそれぞれ11円72銭、11円69銭減少しております。
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
従来、当社及び一部の連結子会社は有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、定率法(ただし、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備を除く)を採用しておりましたが、当連結会計年度の期首より、定額法に変更しております。
この変更は、これまでリースで調達していた有形固定資産を、原則として自社での購入とする方針に変更することを契機に有形固定資産の使用実態を再検討した結果、一定期間にわたり平均的に使用していくことが当社グループのビジネスモデルであることから、減価償却方法を定額法に変更することにより、その使用実態をより適切に反映した費用配分が可能になると判断したことによるものであります。
なお、当連結会計年度において、連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
(8)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「36.初度適用(IFRSへの移行に関する開示)」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(連結の範囲)
日本基準では、重要性の乏しい一部の子会社は連結の範囲から除いておりましたが、IFRSでは当該子会社を連結範囲に含めております。
この影響により、IFRSでは、日本基準に比べて売上収益及び売上総利益がそれぞれ379,936千円、43,693千円増加し、営業利益及び税引前利益がそれぞれ75,864千円、77,416千円減少しております。
(退職給付に係る費用)
数理計算上の差異及び過去勤務費用について、日本基準では発生時にその他の包括利益として認識し、将来の一定期間にわたり費用処理しておりますが、IFRSでは、数理計算上の差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金へ振替を行い、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しております。
また、日本基準では退職給付債務に割引率を乗じて利息費用を認識しておりましたが、IFRSでは、確定給付資産(負債)の純額に割引率を乗じた金額を利息費用として純損益で認識しております。
この影響により、IFRSでは、日本基準に比べて販売費及び一般管理費が31,345千円減少しております。
(リース会計)
当社及び子会社において、IFRS第16号「リース」を適用しております。
この影響により、IFRSでは、日本基準に比べ使用権資産が2,818,313千円増加し、リース負債が同額増加しております。また、財務活動によるキャッシュ・フローが673,897千円減少し、営業活動によるキャッシュ・フローが同額増加しております。