四半期報告書-第36期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

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2019/08/14 15:40
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33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、依然として先行きが見通しづらい状況が続いています。トランプ大統領の安全保障や知的財産権侵害等を理由とした中国製品の関税引き上げにより経済大国間の貿易摩擦が顕在化し、中国経済の減速が鮮明になると同時に、その副作用により米国経済の成長も鈍化し始めています。また、BREXITの混迷による英国市場、EU市場の先行きも極めて不透明です。中東や極東における地政学的リスクも高まっています。
国内経済は、安倍総理大臣の続投による政治的安定を背景に、政府主導の金融政策、財政出動の継続、東京オリンピック・パラリンピックに向けた経済効果等により景気が下支えされています。しかし、世界の二大経済大国である米国と中国の貿易摩擦の煽りを受け、両国との結びつきが強い日本経済の先行き不透明感も急速に強まっています。デフレ経済から抜け出せない流通・小売等の国内産業は厳しい状況に置かれており、マイナス金利政策の副作用やフィンテックの台頭により、金融機関の経営環境も厳しさが増しています。また、中国経済の減速と相まって、製造業を中心とする一部の輸出型企業の業績は下降局面に向かいつつあります。2019年10月に予定されている消費税増税に対する警戒感も根強く、軽減税率適用による混乱の可能性も指摘されており、それらが今後の景気動向のリスク・ファクターにもなり得る状況です。働き方改革が叫ばれる中、企業や行政における生産性の向上は待ったなしの状況であり、AI(人工知能)やRPA等を活用した業務改革は喫緊の課題です。
当第1四半期連結累計期間における企業の設備投資は、米中貿易摩擦の煽りで製造業での投資の減速が懸念されながらも、急激な投資意欲の減退は見られず、比較的前向きな姿勢を維持しています。また、AIやIoTなど新技術分野に対する積極的な研究開発投資が行われているものの、それ以外の分野では設備投資の優先度が下げられる傾向もあり、分野毎の濃淡が出始めています。インターネットを中心にした破壊的イノベーションが既存市場の構造を変え、異業種間競争も激化しつつあります。また、日本経済における自律的・持続的成長を軌道に乗せるためには、経済政策の三本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略が重要となりますが、その道筋はまだ不透明であり、デフレ経済からの脱却には至っておりません。
世界各地でサイバー攻撃による被害や個人情報の流出が報告されていること等を背景に、官・民におけるサイバー攻撃に対する防衛力強化が牽引する形で、情報セキュリティ関連需要は旺盛です。GDPR(EU一般データ保護規則)の施行など、世界的に個人情報の保護や域外移転に関する規制強化の流れが生まれており、情報セキュリティの重要性は高まっています。また、物・サービス・場所等を共有・交換して利用する社会的仕組み「シェアリングエコノミー」の台頭から、企業においてもIT投資の方向性は、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化し、IT資産のオフバランス化の進行、クラウドサービスの利用拡大が続いています。
今後は、IT(情報技術)の社会への更なる浸透と、外部環境の凄まじい変化により、社会全体の産業構造がこれから劇的に変化して行くことが予想されます。このような状況下で、当社は2018年5月22日に中期経営計画「GO BEYOND 3.0」を発表しました。旧中期経営計画「TMX 3.0」を超えるという意味の「GO BEYOND 3.0」は、この大きな社会的変化の中で、当社グループらしさを全面に出し、未来に向けて持続可能な成長基盤を構築するため、より一層の覚悟を持って自らの事業構造改革を断行することを目的としています。
「GO BEYOND 3.0」における中核的事業戦略
■クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進(継続)
■セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求(継続)
これらの継続的戦略の実行に加え、以下の追加的な戦略を実行します。
■事業運営体制の多様化(資本提携、業務提携、大学・研究機関との連携、オープンイノベーション)
■サービス化の加速(全事業領域)
■データの利活用(ビッグデータ解析、AIの利用を含む)
■BtoC(消費者向けビジネス)への参入
■海外市場での事業を加速(市場探査モードから次のステップへ)
■事業運営基盤の強化(グループ横断・事業部門内での人財や技術の有効活用、各分野の融合による新しい価値
の創出、人財への投資と次世代の育成、企業理念に基づく採用・育成・評価・リテンション)
■M&A(金庫株の活用を視野)
当社グループでは、上記戦略に基づき、以下の取り組みを行いました。
① 積極的に新しいビジネスの立ち上げを行い、IT需要の変化を先取りする取り組みを行いました。
◇情報基盤事業
当第1四半期連結会計期間
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、インターネットを安全に利用できるインターネット分離を実現する新しいクラウドソリューションサービス「Ericom Shield (エリコム シールド)」の提供を開始
・「包括的な脅威の検出と可視化」及び「セキュリティ運用」を最大限に効率化することを目的とした、統合監視サービス「TechMatrix Premium Support powered by TRINITY」の提供を開始
・クロス・ヘッド株式会社が、Amazon Web Service(AWS)から、APNアドバンストコンサルティングパートナーの認定を取得
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、JR九州システムソリューションズ株式会社と地域間データセンター連携の可能性についての共同検証を開始
◇アプリケーション・サービス事業
当第1四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORIが、日本メジフィジックス株式会社と業務提携
・医療分野:株式会社NOBORIが、株式会社A-Lineと業務提携
・ビジネスソリューション分野:リスクモンスター株式会社とAI活用による与信格付精度向上の実証実験を実施
・ソフトウェア品質保証分野:テスト管理ツール「TestRail」の総販売代理権を取得・販売を開始
・CRM分野:AIを活用してコンタクトセンターの生産性を向上させるソリューションをHmcomm株式会社と共同で開発し、提供を開始
・カサレアル株式会社が、JetBrains社とトレーニングパートナー契約を締結
② 情報基盤事業における保守、運用・監視サービスの受注に加えて、アプリケーション・サービス事業におけるCRM分野や医療分野である株式会社NOBORIや合同会社医知悟のサービスを拡販する等、ストック型※1収益の拡大に向けた取り組みを加速しました。
③ 独自クラウドサービス「テクマクラウド」を活用したMicrosoft Office365向け通信の自動制御ソリューション、ファイル無害化ソリューション、セキュリティ監視サービスなど、情報基盤事業においても、独自付加価値サービスの開発・拡販に注力しました。
④ クロス・ヘッド株式会社、沖縄クロス・ヘッド株式会社、株式会社カサレアル、株式会社NOBORI、並びに合同会社医知悟との相乗効果を最大化し、グループとして総合力を発揮するための取り組みを継続しています。特に、保守、運用・監視サービスや受託開発等、従来グループ外に発注していた機能をグループ内に取り込むことにより、グループ内での自活の取り組みを推進しました。
⑤ クラウド・ネイティブ時代を代表するオープンソース系ツールの販売、オープンソース・コミュニティの運営、オープンソース系プログラミング技術の企業向け研修事業等に取り組みました。
⑥ 成長を続けるアジア新興国を中心とした海外市場で、CRM分野のクラウドサービス等の事業展開を推進しました。
⑦ 経済産業省と東京証券取引所による「攻めの IT 経営銘柄 2019」において、「IT 経営注目企業 2019」に選定されました。昨年に引き続き、2年連続の選定となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、63億62百万円と前年同四半期に比べ7億3百万円(12.4%)の増加、売上総利益は22億60百万円と前年同四半期に比べ3億3百万円(15.5%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費等の増加のため、17億1百万円と前年同四半期に比べ98百万円(6.1%)の増加となりました。この結果、営業利益は5億59百万円と前年同四半期に比べ2億5百万円(58.2%)の増加となりました。
営業外収益は、為替差益6百万円等により11百万円を計上しました。また、営業外費用は、支払利息5百万円等により11百万円を計上しました。この結果、経常利益は5億58百万円と前年同四半期に比べ2億38百万円(74.6%)の増加となりました。
以上により、税金等調整前四半期純利益は5億58百万円と前年同四半期に比べ2億38百万円(74.6%)の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億69百万円と前年同四半期に比べ1億55百万円(73.1%)の増加となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 情報基盤事業
ランサムウェア等の標的型攻撃に代表されるサイバー攻撃の脅威が益々高まっています。負荷分散装置は、サイバー攻撃対策としての「暗号化通信の可視化」や「WAF(Web Application Firewall)」といったセキュリティ関連機能による差別化が奏功し、受注は堅調です。また、主力の次世代ファイアウォール※2や、フォレンジック※3製品、Webサイト脆弱性監査ツール、不正侵入防御アプライアンス、Webセキュリティ製品等の販売は官需・民需を含め好調で、受注が増加しています。
加えて、ネットワーク端末脅威対策プラットフォーム製品※4、次世代型メールセキュリティ製品※5、AIを活用した次世代アンチウィルス製品等の新しい分野のセキュリティ対策製品等も順調に受注実績を積み上げています。また、セキュリティに関連する運用・監視サービスの売上も順調に推移しました。
ストレージ製品は、放送業界を中心にメディア・エンターテイメント業界向けの売上が好調でした。西日本地域や中部地域での地域戦略も奏功し、地方拠点においても官需・民需共に順調に受注を伸ばしています。
クロス・ヘッド株式会社では、クラウドへの移行サービスの受注規模が拡大しており、グループウェア構築に関連するITサービスの受注も堅調です。
沖縄クロス・ヘッド株式会社では、セキュリティ関連製品や独自の付加価値サービス(沖縄のデータセンターへのバックアップ等)の販売が好調でした。
以上により、同事業の売上高は42億37百万円と前年同四半期に比べ4億17百万円(10.9%)の増加、営業利益は4億10百万円と前年同四半期に比べ1億10百万円(36.8%)の増加となりました。
② アプリケーション・サービス事業
医療分野では、株式会社NOBORIの医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注しています。一方、コンシューマ(患者)をターゲットとしたPHR※6(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスの開発や、AIベンチャー・医師らと組んだ医用画像診断支援システムの共同開発等の新規事業への先行投資を継続しています。合同会社医知悟は、遠隔読影の需要の高まりにより、放射線分野での病院向け読影サービス提供が順調に増加し、健診施設等の顧客の取り込み、病理分野への深耕が進んだため、契約施設数、読影依頼件数、従量課金金額は堅調に推移しました。
CRM分野では、次世代製品及び機能強化したFAQシステムの市場への投入、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い受注が好調です。大型案件の受注実績も増加しました。ASEAN地域での受注実績も増加しています。
ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェアを開発する製造業で組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性は益々高まっています。米中の貿易摩擦の影響による製造業の投資減速懸念がありながらも、ソフトウェアテストツールの受注は好調でした。大手自動車メーカーに対する車載向けテストツールの提供においても、戦略的な取組みが進捗しています。OSS(オープンソースソフトウェア)ライセンス&セキュリティ管理ツールの販売も立ち上がり始めました。
ビジネスソリューション分野では、既存顧客である学術系公共機関向けのシステム開発案件及びBIツールの販売が堅調です。また、事業構造転換が進捗し、損益面は改善しました。株式会社カサレアルでは、教育事業において、新しい教育プログラムの開発、パートナーの発掘などが奏功し、企業向けの新入社員研修や定期開催の技術研修等の受注が好調です。
以上により、同事業の売上高は21億24百万円と前年同四半期に比べ2億85百万円(15.5%)の増加、営業利益は1億48百万円と前年同四半期に比べ95百万円(177.1%)の増加となりました。

(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末(以下「前年度末」という)から11億37百万円(5.4%)増加し、223億31百万円となりました。現金及び預金が14億79百万円増加したことが主な要因であります。固定資産の残高は、前年度末から94百万円(2.1%)増加し、46億33百万円となりました。投資その他資産の出資金が1億円増加したことが主な要因であります。以上により、総資産は前年度末から12億31百万円(4.8%)増加し、269億65百万円となりました。
流動負債の残高は、前年度末から38百万円(0.4%)増加し、104億48百万円となりました。前受保守料が5億54百万円増加したことが主な要因であります。固定負債の残高は、前年度末から97百万円(3.3%)減少し、28億51百万円となりました。長期借入金が75百万円減少したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、前年度末から59百万円(0.4%)減少し、132億99百万円となりました。
純資産の残高は、前年度末から12億91百万円(10.4%)増加し、136億65百万円となりました。資本剰余金が10億36百万円増加したことが主な要因であります。これにより自己資本比率は前年度末の43.2%から46.0%となりました。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は23百万円であります。
(用語解説)
※1ストック型保守、運用・監視やクラウドサービス(SaaS)等、ユーザに定期的に契約を更新してもらうことにより、中長期に亘って継続的に収益を得るビジネスモデル。
※2次世代ファイアウォール従来のファイアウォールでは防ぐことができないセキュリティ脅威に対応した製品。例えば、通常のインターネット利用に紛れて内部に侵入し、情報漏えいを引き起こす最近のサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフトウェア等による情報漏えいを防ぐ。
※3フォレンジック不正アクセスや情報漏洩等のセキュリティ事象が発生した際に、原因究明のため、その痕跡や記録等を収集分析すること。
※4ネットワーク端末脅威対策プラットフォーム製品業務パソコンやサーバ等のネットワーク端末がサイバー攻撃を受けた際に、その状況把握及び攻撃を受けた端末の特定・隔離などの対策を迅速に行うことができる製品。
※5次世代型メールセキュリティ製品従来の攻撃を未然に防ぐ機能だけではなく、潜在的な脅威を検出して無効化を実施する仕組みや、攻撃対象を特定し内容を可視化するなどの機能を備えた製品。
※6PHRPHR(Personal Health Record)とは、個人が自らの健康に関する情報を、自己管理のもとに情報集約化を実現するツールやシステムのことをいう。

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