四半期報告書-第35期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/14 15:39
【資料】
PDFをみる
【項目】
29項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、依然として先行きが見通しにくい状況が続いています。米国経済は、強い雇用環境や連邦法人税率の引き下げ、政府財政支出の拡大等が景気拡大を後押しし、ファンダメンタルの強さにより堅調な推移を示しています。一方、トランプ大統領の安全保障や知的財産権侵害等を理由にした関税の引き上げは、経済大国間の貿易戦争に発展する可能性が高く、多国籍企業や金融市場は警戒感を強めています。
国内経済は、政府主導の金融政策、財政出動の継続、消費増税の先送り、東京オリンピックに向けた経済効果等により下支えされています。一方、現政権の政治スキャンダルにより長引く国会の混乱は、現経済政策の継続性に影響を与えかねません。また、デフレ経済から抜け出せない流通・小売等の国内産業は厳しい状況に置かれており、マイナス金利政策の副作用やフィンテックの台頭により、金融機関の経営環境も厳しさが増しています。
当第1四半期連結累計期間における企業の設備投資は、堅調な業績を背景に、比較的前向きな姿勢を維持しています。また、AIやIoTなど新技術分野に対する積極的な研究開発投資が行われているものの、それ以外の分野では設備投資の優先度が下げられる傾向もあり、分野毎の濃淡が出始めています。インターネットを中心にした破壊的イノベーションが既存市場の構造を変えつつあり、異業種間競争も激化しつつあります。また、日本経済における自律的・持続的成長を軌道に乗せるためには、経済政策の三本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略が重要となりますが、その道筋はまだ不透明であり、デフレ経済からの脱却には至っておりません。
世界各地でランサムウェアに感染する被害が報告されたこと等を背景に、官・民におけるサイバー攻撃に対する防衛力強化が牽引する形で、情報セキュリティ関連需要は旺盛です。EU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)の施行など、世界的に個人情報の保護や域外移転に関する規制強化の流れが生まれており、情報セキュリティの重要性は高まっています。また、物・サービス・場所等を共有・交換して利用する社会的仕組み「シェアリングエコノミー」の台頭から、企業においてもIT投資の方向性は、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化し、IT資産のオフバランス化の進行、クラウドサービスの利用拡大が続いています。
当社は、2015年5月に、従来のIT産業の労働集約的な請負型ビジネスからの脱却を標榜し、自らITサービスを創造し、提供する「次世代のITサービスクリエーター」、「次世代のITサービスプロバイダー」への変貌を実現することを基本方針とし、中期経営計画「TMX 3.0」を発表しました。2017年度までの中期経営計画期間3か年において、「クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進」及び「セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求」という中核的事業戦略に沿った一定の成果を確認することができました。
今後は、ITの社会への更なる浸透と、外部環境の凄まじい変化により、社会全体の産業構造がこれから劇的に変化して行くことが予想されます。このような状況下で、当社は2018年5月22日に新中期経営計画「GO BEYOND 3.0」を発表しました。「TMX 3.0」を超えるという意味の「GO BEYOND 3.0」は、この大きな社会的変化の中で、当社グループらしさを全面に出し、未来に向けて持続可能な成長基盤を構築するため、より一層の覚悟を持って自らの事業構造改革を断行することを目的としています。
「GO BEYOND 3.0」における中核的事業戦略
■クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進(継続)
■セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求(継続)
これらの継続的戦略の実行に加え、以下の追加的な戦略を実行します。
■事業運営体制の多様化(資本提携、業務提携、大学・研究機関との連携、オープンイノベーション)
■サービス化の加速(全事業領域)
■データの利活用(ビッグデータ解析、AIの利用を含む)
■BtoC(消費者向けビジネス)への参入
■海外市場での事業を加速(市場探査モードから次のステップへ)
■事業運営基盤の強化(グループ横断・事業部門内での人財や技術の有効活用、各分野の融合による新しい価値
の創出、人財への投資と次世代の育成、企業理念に基づく採用・育成・評価・リテンション)
■M&A(金庫株の活用を視野)
当社グループでは、上記戦略に基づき、以下の取り組みを行いました。
① 当第1四半期連結累計期間において、アプリケーション・サービス部門の医療システム事業を株式会社NOBORIとして分社化し、三井物産株式会社を引き受け先とする第三者割当増資を実施しました。株式会社NOBORIでは、引続き医療情報クラウドサービス「NOBORI」の拡販をしていくと同時に、これまでに蓄積した画像データや技術を活かし、顧客である医療施設と連携した個人向けのサービスや、AI 技術等を活用したサービスの企画、開発を進めていきます。また、三井物産株式会社との業務提携により、本事業は三井物産株式会社との合弁会社として共同で運営されることとなります。株式会社NOBORIは、三井物産株式会社のグループ会社やその投資先との連携を進めるとともに、同社の海外を含めたネットワークを活用して行きます。
また、医療情報クラウドサービス「NOBORI」の活動が評価され、経済産業省と東京証券取引所による「攻めのIT 経営銘柄 2018」において、「IT 経営注目企業 2018」に選定されました。
② 積極的に新しいビジネスの立ち上げを行い、IT需要の変化を先取りする取り組みを行いました。
◇情報基盤事業
当第1四半期連結会計期間
・クロス・ヘッド株式会社が、エフセキュア株式会社と連携し、GDPR対策の包括的サイバーセキュリティサービスの提供を開始
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、日本ヒューレット・パッカード株式会社の次世代型ハイパーコンバージド製品HPE SimpliVityを対象にした、中小企業向け災害復旧対策バックアップサービスの提供を開始
・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、日本ヒューレット・パッカード株式会社と協業し、アジア諸国向けにITサービスの提供を開始
◇アプリケーション・サービス事業
当第1四半期連結会計期間
・医療分野:株式会社NOBORIが「NOBORI PAL」に新サービスを2種類追加
・ソフトウェア品質保証分野:負荷テスト・パフォーマンステストツール「NeoLoad」の販売を開始
・CRM分野:FAQナレッジ管理システム「FastAnswer」新バージョンの販売を開始
・CRM分野:コンタクトセンターCRMシステム「FastHelp」のWebチャット対応を支援する「FastChat」の販売を開始
③ 情報基盤事業における保守、運用・監視サービスの受注に加えて、アプリケーション・サービス事業におけるCRM分野や医療分野である株式会社NOBORIや合同会社医知悟のサービスを拡販する等、ストック型※1収益の拡大に向けた取り組みを加速しました。
④ 独自クラウドサービス「テクマクラウド」を活用したMicrosoft Office365向け通信の自動制御ソリューション、ファイル無害化ソリューション、セキュリティ監視サービスなど、情報基盤事業においても、独自付加価値サービスの開発・拡販に注力しました。
⑤ クロス・ヘッド株式会社、沖縄クロス・ヘッド株式会社、株式会社カサレアル、株式会社NOBORI、並びに合同会社医知悟との相乗効果を最大化し、グループとして総合力を発揮するための取り組みを継続しています。特に、保守、運用・監視サービスや受託開発等、従来グループ外に発注していた機能をグループ内に取り込むことにより、グループ内での自活の取り組みを推進しました。
⑥ クラウド・ネイティブ時代を代表するオープンソース系ツールの販売、オープンソース・コミュニティの運営、オープンソース系プログラミング技術の企業向け研修事業等に取り組みました。
⑦ 成長を続けるアジア新興国を中心とした海外市場で、クラウドサービス等の事業展開を行うための取り組みを推進しました。当第1四半期連結累計期間において、アプリケーション・サービス事業部門のCRM分野において、コンタクトセンターCRMシステム「Fastシリーズ」のASEAN向け販売活動を支援するため、タイ、バンコクに駐在員事務所を設立しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、56億58百万円と前年同四半期に比べ7億27百万円(14.7%)の増加、売上総利益は19億57百万円と前年同四半期に比べ3億3百万円(18.4%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費等の増加のため、16億3百万円と前年同四半期に比べ53百万円(3.5%)の増加となりました。この結果、営業利益は3億53百万円と前年同四半期に比べ2億50百万円(242.4%)の増加となりました。
営業外費用は、為替差損20百万円等により、41百万円を計上しました。この結果、経常利益は3億20百万円と前年同四半期に比べ74百万円(30.6%)の増加となりました。
以上により、税金等調整前四半期純利益は3億20百万円と前年同四半期に比べ75百万円(31.1%)の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億13百万円と前年同四半期に比べ65百万円(44.2%)の増加となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 情報基盤事業
負荷分散装置の販売は、Microsoft社が提供するOffice 365との連携ソリューション等新しい需要の開拓にも努め、受注は堅調です。ランサムウェア等の標的型攻撃に代表されるサイバー攻撃の脅威が増々高まっていることから、主力の次世代ファイアウォール※2や不正侵入防御アプライアンス、アンチウィルス製品等の販売は官需・民需を含め堅調で、引き合いも増加しています。ファイル無害化自動連携ツールは、教育委員会向けなど文教分野への販売に注力しました。セキュリティに関連する運用・監視サービスの売上は順調に増加しました。
ネットワーク端末脅威対策プラットフォーム製品※3、次世代型メールセキュリティ製品、AIを活用した次世代アンチウィルス製品等の新しい分野のセキュリティ対策製品の引き合いも増加傾向です。
クロス・ヘッド株式会社では、従来の保守、運用・監視サービスに加えてクラウド関連のITサービスの引き合いが堅調です。
沖縄クロス・ヘッド株式会社では、沖縄県内のSI※4案件、セキュリティ関連製品や独自の付加価値サービスの販売が好調でした。
以上により、同事業の売上高は38億19百万円と前年同四半期に比べ6億68百万円(21.2%)の増加、営業利益は2億99百万円と前年同四半期に比べ1億78百万円(147.5%)の増加となりました。
② アプリケーション・サービス事業
医療分野では、株式会社NOBORIの医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。合同会社医知悟は、遠隔読影の需要の高まりにより、従来の病院向けサービス提供に加えて、健診施設等の顧客の取り込みや病理分野への事業拡大が進んだため、契約施設数、読影依頼件数、従量課金金額は順調に増加しました。
CRM分野では、新世代製品の市場への投入、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い堅調な引合いが継続しています。
ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェア等の製造業で組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性はますます高まっており、ソフトウェアテストツールの受注は堅調です。
インターネットサービス分野では、金融機関及び既存顧客向けのシステム開発案件やBIツールの販売が堅調でした。一方、事業構造転換に伴い、損益面ではやや苦戦しました。株式会社カサレアルでは、既存顧客からの継続的な受託開発により売上は堅調に推移しています。教育事業においては、新しい教育プログラムの開発、パートナーの発掘などが奏効し、企業向けの新入社員研修や定期開催の技術研修等の受注は好調です。
以上により、同事業の売上高は18億39百万円と前年同四半期に比べ59百万円(3.3%)の増加、営業利益は53百万円(前年同四半期は営業損失17百万円)となりました。

(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末(以下「前年度末」という)から20億22百万円(13.8%)増加し、166億50百万円となりました。受取手形及び売掛金が8億37百万円減少する一方、現金及び預金が22億1百万円増加したことが主な要因であります。固定資産の残高は、前年度末から12百万円(0.3%)増加し、40億10百万円となりました。有形固定資産が22百万円増加したことが主な要因であります。以上により、総資産は前年度末から20億34百万円(10.9%)増加し、206億61百万円となりました。
流動負債の残高は、前年度末から34百万円(0.4%)増加し、95億23百万円となりました。前受保守料が6億14百万円増加したことが主な要因であります。固定負債の残高は、前年度末から67百万円(2.1%)減少し、30億96百万円となりました。長期借入金が75百万円減少したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、前年度末から33百万円(0.3%)減少し、126億20百万円となりました。
純資産の残高は、前年度末から20億67百万円(34.6%)増加し、80億41百万円となりました。企業結合等に伴う資本剰余金の増加11億円が主な要因であります。これにより自己資本比率は前年度末の31.7%から33.2%となりました。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は7百万円であります。
(用語解説)
※1ストック型保守、運用・監視やクラウドサービス(SaaS)等、ユーザに定期的に契約を更新してもらうことにより、中長期に亘って継続的に収益を得るビジネスモデル。
※2次世代ファイアウォール従来のファイアウォールでは防ぐことができないセキュリティ脅威に対応した製品。例えば、通常のインターネット利用に紛れて内部に侵入し、情報漏えいを引き起こす最近のサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフトウェア等による情報漏えいを防ぐ。
※3ネットワーク端末
脅威対策プラット
フォーム製品
業務パソコンやサーバ等のネットワーク端末がサイバー攻撃を受けた際に、その状況
把握、及び攻撃を受けた端末の特定・隔離などの対策を迅速に行うことができる製品
※4SIシステムインテグレーションの略。企業の情報システムの企画、設計、開発、構築、導入、保守・運用等を、一貫して請け負うサービス形態。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。