有価証券報告書-第41期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/27 16:28
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138項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境が改善する中で、景気が緩やかな回復基調にあると言われています。一方で、中東情勢の緊迫化やウクライナ情勢の長期化等による原材料・エネルギー価格の高騰に加え、不安定な金融市場の動向により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、トランプ政権による他国への関税措置の影響等、米国の政策動向による今後の世界経済への懸念が高まっています。
情報基盤事業では、大手企業を中心としたサイバー攻撃の頻度の高まり、攻撃手法の高度化・巧妙化、法的規制、ガバナンスの強化に伴い、セキュリティ対策は経営課題として捉えられており、サイバーセキュリティ対策製品やサービスの需要は、依然として拡大しています。このような状況下、当社のコア事業である情報基盤事業においては、クラウド型セキュリティ対策製品の需要が、引き続き好調に拡大しています。また、当社が提供する統合セキュリティ監視サービスも堅調で、付加価値向上に向けた戦略が進捗しつつあります。また、海外市場での事業拡大を目的に、マレーシアの最大手サイバーセキュリティ事業会社 Firmus Sdn.Bhd. の全株式を取得し、同社を完全子会社化しました。
アプリケーション・サービス事業では、CRM分野において、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの協業により、ビジネスは堅調に推移しており、また、サブスクリプション化により、ビジネスが着実に積み上がっています。また、先期に実施したモビルス株式会社との資本業務提携を足掛かりに、生成AI技術の活用によるソリューションの拡充を進めました。ソフトウェア品質保証分野では、企業向けシステムや組込ソフトウェアの品質を担保するためのテストツールの需要は、引き続き堅調です。特に、自動車のIT化に伴い、車載ソフトウェアなど組込みソフトウェアの品質向上の需要は底堅く、引き続き好調な受注環境を維持しています。ビジネスソリューション分野においては、入札案件等の案件の積上げが鈍化しており、引き続き受注の積み上げに注力している状況です。教育分野においては、引き続き引き合いが順調で、公立校・私立校それぞれにおいて新規採用が進みました。また、当社の提供するフルクラウド型校務支援システム「ツムギノ」が、株式会社ベネッセコーポレーションが高等学校向けに提供を開始する校務支援システム「ベネッセ校務クラウド」に正式採用されました。今後も同社との連携強化を図りつつ、ビジネス拡大に取り組んでいきます。
医療システム事業においては、2022年4月1日に新たにスタートした新生PSP株式会社において、顧客基盤の統合、サービス・製品の集約と統合を進めるとともに、医用画像管理システム(PACS)のストック型ビジネス化を推進しています。また、デジタル病理関連事業の推進を目的に、メドメイン株式会社との資本業務提携を行い、病理分野でのソリューションの提供を開始しました。さらに同社は、医用画像(医用イメージング)領域を事業とするレギュラス株式会社を完全子会社化しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、648億82百万円と前期比115億78百万円(21.7%)の増加、売上総利益は205億54百万円と前期比23億51百万円(12.9%)の増加となり、過去最高となりました。販売費及び一般管理費は、主に人件費が増加したことにより、135億61百万円と前期比12億51百万円(10.2%)の増加となりました。この結果、営業利益は66億68百万円と前期比8億18百万円(14.0%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は64億24百万円と前期比5億69百万円(9.7%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は40億60百万円と前期比5億20百万円(14.7%)の増加となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、273億25百万円と前期比59百万円(0.2%)の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、前渡金の増加等により、収入は68億36百万円と前期比21億45百万円(23.9%)の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、子会社株式の取得による支出等により、支出は59億55百万円と前期比40億17百万円(207.3%)の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、その他の金融負債による収入等により、支出が7億99百万円と前期比9億46百万円(-%)の増加となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比
(%)
情報基盤事業30,016,829+31.9
アプリケーション・サービス事業4,831,202+15.2
医療システム事業3,569,734+18.9
全社(共通)32,267△58.3
合計38,450,035+28.1

(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比
(%)
情報基盤事業4,319,838+29.9
アプリケーション・サービス事業333,892+79.8
医療システム事業1,733,424△6.9
合計6,387,155+18.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
情報基盤事業60,482,414+26.966,366,570+33.1
アプリケーション・サービス事業9,924,617+9.46,071,647+14.0
医療システム事業12,459,066+6.315,717,691+17.5
合計82,866,099+21.188,155,910+28.6

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比
(%)
情報基盤事業45,585,696+30.2
アプリケーション・サービス事業9,177,349+11.8
医療システム事業10,119,210+0.3
合計64,882,255+21.7

(注) 1 売上割合が10%以上の取引先はありません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(2)経営成績の分析
情報基盤事業の売上収益は455億85百万円と前期比105億79百万円(30.2%)の増加、営業利益は52億73百万円と前期比13億円(32.7%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、サブスクリプション型のクラウド型セキュリティ対策製品およびオンプレ型のセキュリティ製品の大型受注により、新規案件の受注が好調に推移しました。加えて、複数年契約を含む更新受注も着実に積み上げることができました。売上収益は、前期までの受注残実績に加え、新規案件の獲得およびオンプレ製品の売上により、順調に増加しました。営業利益については、円安の進行、要員数・販管費の増加などの影響をビジネスの伸長で吸収し、前期実績を上回る水準となりました。製品別では、クラウド型セキュリティ対策製品に加え、ランサムウェア攻撃の入り口となるメールを使った攻撃に対応するメールセキュリティ対策製品や、セキュリティ意識向上トレーニング、企業や組織に内在する脆弱性を可視化するソリューションなどのセキュリティ対策製品への注目度が高まってきており実績も増加しています。また、2024年11月に子会社化しましたFirmus Sdn. Bhd.他子会社2社を第3四半期連結会計期間より新たに連結対象会社としています。
クロス・ヘッド株式会社は、ストレージソリューション製品の大型案件を受注したことも含め、受注高、売上収益、営業利益ともに前期実績を大きく上回りました。
OCH株式会社は、受注高は前期実績を大きく上回りましたが、売上収益、営業利益ともに前期実績を下回る結果となりました。中小企業向けの新型UTM(Unified Threat Management)※11製品(SG-ONE)の主要取引代理店の販売実績の減少が主な要因です。現在、新規代理店への販売強化に取り組んでいます。
アプリケーション・サービス事業の売上収益は91億77百万円と前期比9億72百万円(11.8%)の増加となり、過去最高となりました。営業利益は1億41百万円と前期比1億75百万円(55.4%)の減少となりました。
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、受注高、売上収益が前期実績を上回りましたが、営業利益は前年実績を下回りました。
CRM分野では、受注高、売上収益、営業利益のいずれも前期実績を大きく上回りました。売上収益は、サブスクリプションの積み上がりにより増加しております。
ソフトウェア品質保証分野では、引き続き車載分野でのテストツールの需要が旺盛です。また、サブスクリプションの積み上がりにより、受注高、売上収益、営業利益いずれも前期実績を大きく上回りました。
ビジネスソリューション分野では、入札案件などの受注の積上りが伸長しなかったことにより、受注高、売上収益、営業利益ともに前期実績を下回る結果となりました。アレクシアフィンテック株式会社は、受注、売上収益、営業利益ともに前期実績を上回りました。今後は、2023年7月に実施した事業再編による金融システム関連事業を拡大していきます。株式会社カサレアルでは、受注高は前期実績を上回りましたが、売上収益、営業利益については、IT研修などの教育事業の業績の伸び悩みや採算性の悪化により前期実績を下回る結果となりました。
新規事業である教育分野では、私立先進校に加えて、公立校への採用が進みました。また、本サービスの提供に付随して、導入校に対するクラウド型校務支援の基盤の提供案件もあり、受注高、売上収益共に前期実績を上回っています。営業利益については、製品開発、マーケティング、エンジニア・営業人員の増員等の投資を継続していることにより、期初予算よりも赤字幅は拡大しています。なお、当第4四半期連結会計期間において、製品開発等の固定資産を対象に、およそ3億33百万円の減損処理を行いました。
医療システム事業の売上収益は101億19百万円と前期比26百万円(0.3%)の増加となりました。営業利益は12億53百万円と前期比3億6百万円(19.7%)の減少となりました。
当連結会計年度における医療システム事業の業績は、医療情報クラウドサービス「NOBORI」の受注が堅調に推移し、累積の契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注できており、受注高は前期実績を上回りました。売上収益は医用画像管理システム(PACS)のクラウドシフトの影響等により、前期実績と同水準の結果となりました。営業利益は、期初計画に織り込んでいた医用画像管理システム(PACS)のクラウドシフト、事業拡大に向けた人員の増員、積極的な開発投資により前期比で減少しました。また、医用データの保管のためのパブリッククラウドの費用の増大も大きく影響しました。一般の患者をターゲットとしたPHR※12(Personal Health Record)サービスの開発や、医療機関、AIベンチャー・外部企業との連携による共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果を上げています。
医療関連の連結対象子会社である合同会社医知悟の業績は、大型案件の獲得により、受注高、売上収益、営業利益いずれも前期実績を大きく上回りました。
同じく医療関連の連結対象子会社である株式会社A-Lineについては、医療機関の診療用放射線の安全管理体制に対する投資意欲の向上により、線量管理システム「MINCADI」の受注は増加しています。その結果、売上収益は順調に増加し、営業損失は大幅に縮小しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、648億82百万円と前期比115億78百万円(21.7%)の増加となり、過去最高となりました。売上総利益は205億54百万円と前期比23億51百万円(12.9%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、主に人件費が増加したことにより、135億61百万円と前期比12億51百万円(10.2%)の増加となりました。その結果、営業利益は66億68百万円と前期比8億18百万円(14.0%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は64億24百万円と前期比5億69百万円(9.7%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は40億60百万円と前期比5億20百万円(14.7%)の増加となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末(以下「前年度末」という。)から149億84百万円(21.3%)増加し、854億46百万円となりました。前渡金が108億97百万円増加したことが主な要因であります。非流動資産の残高は、前年度末から47億円(30.7%)増加し、199億94百万円となりました。FirmusSdn. Bhd.の買収によりのれんが39億20百万円増加したことが主な要因であります。以上により、総資産は前年度末から196億85百万円(23.0%)増加し、1,054億41百万円となりました。
流動負債の残高は、前年度末から158億1百万円(30.6%)増加し、674億49百万円となりました。契約負債が154億37百万円増加したことが主な要因であります。非流動負債の残高は、前年度末から9億30百万円(13.2%)増加し、79億95百万円となりました。借入金が16億50百万円増加したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、前年度末から167億31百万円(28.5%)増加し、754億44百万円となりました。
資本合計の残高は、前年度末から29億53百万円(10.9%)増加し、299億96百万円となりました。利益剰余金が28億75百万円増加したことが主な要因であります。以上により、親会社所有者帰属持分比率は23.0%となりました。
(4)戦略的現状と見通し
中期経営計画「Creating Customer Value in the New Era」の数値目標と進捗
連結会計年度指標情報基盤事業アプリケーション・
サービス事業
医療システム事業合計
2025年3月期目標売上収益454.0億円92.0億円98.0億円644.0億円
営業利益51.4億円4.1億円14.5億円70.0億円
2025年3月期結果売上収益455.8億円91.7億円101.1億円648.8億円
営業利益52.7億円1.4億円12.5億円66.6億円
2026年3月期目標売上収益526.0億円102.0億円102.0億円730.0億円
営業利益62.0億円5.0億円9.0億円76.0億円
2027年3月期目標売上収益575.5億円113.5億円111.0億円800.0億円
営業利益68.4億円6.8億円10.8億円86.0億円

※2025年3月期目標につきましては、2024年10月31日開示の「2025年3月期第2四半期(中間期)業績予想と実績との差異及び通期業績予想の修正ならびに剰余金の配当に関するお知らせ」の通り、2024年5月9日公表の数値から修正しております。
※2026年3月期目標及び2027年3月期目標につきましては、2024年5月9日公表の数値から修正しております。
■情報基盤事業部門
当初の中期経営計画2年目の計画値(売上収益456.0億円、営業利益48.0億円)を修正し、売上収益526.0億円、営業利益62.0億円を見込んでおります。当期において、新規案件、更新案件の受注高が計画を大きく上回ったことにより、順調に受注残高を積みあがっている状況にあるため、売上収益は、ストック型ビジネスの伸長により、安定的かつ継続的な伸長を見込んでおります。営業利益は、サポート体制の強化に向けた積極的な投資を計画していることや、先行き不透明な為替の動向を勘案した見通しとなっております。また、当期第3四半期連結会計期間より新たに連結対象会社となったマレーシアのFirmus Sdn.Bhd.他子会社2社の業績貢献も見込んだ業績見通しとなっています。
■アプリケーション・サービス事業部門
売上収益102.0億円、営業利益5.0億円を見込んでおります。売上収益については、サブスクリプション型ビジネスへの移行が進展しサブスクリプション売上が順調に積み上がっていることにより、安定かつ継続的な伸長を見込んでいます。営業利益については、教育分野における人員の拡充を含め積極的な投資の規模が当初の中期経営計画策定時よりも拡大していますが、将来を見据えた経営判断として断行することを勘案した業績見通しとなっています。
■医療システム事業部門
売上収益102.0億円、営業利益9.0億円を見込んでおります。医用画像管理システム(PACS)のクラウドシフトは、短期的な売上・営業利益の減少要因となりますが、将来を見据えた経営判断として断行すること、また、事業拡大に向けた人員の拡充を含め積極的な開発投資を行うことを勘案した業績の見通しとなっています。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、取扱い製品であるネットワーク関連機器の保守用機材の購入等の設備投資資金及び販売用ソフトウェアの開発費等であります。
③ 資金の源泉
当連結会計年度末において273億25百万円の現金及び現金同等物の残高があり、当面の資金需要に充当し得る十分な資金を保有しております。
なお、資金の機動的かつ安定的な調達枠を確保するとともに、より一層の財務基盤の強化を図ることを目的として取引銀行5行との間に総額57億40百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが成長を続けていくためには多くの課題が残されていると考えております。具体的には、①業界動向や顧客ニーズ等の「外部環境変化への対応力強化」と、②人材面や業務プロセスの効率化等の「内部の課題解決」の二つに大別されます。
① 外部環境変化への対応力強化
・為替変動への対応
当社グループの取扱い製品のうち、海外から仕入れた製品の大部分は米ドル建で契約しております。為替相場の急激な変動があった場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため為替変動によるリスクをヘッジする目的で先物為替予約を行っております。また販売先に対して為替相場の状況に応じた価格交渉を行っております。
・大型の継続取引における資金繰り
昨今、サイバーセキュリティ分野においてもクラウドサービス化が進み、複数年にわたるサブスクリプション契約など顧客との継続取引契約が大型化する傾向にあります。その際は、顧客よりの資金回収が単年度毎となり、一方で、海外ベンダーへの支払いが一括前払いとなるケースがあり資金繰り負担が発生する可能性があります。そのため、回収サイクルと前渡金負担のギャップを注視し、計画的な資金繰りを行って行きます。
・持続的な成長シナリオの構築
現在、当社グループの事業セグメントにおいては、ニッチ市場ながらも競争力の高い製品やサービスを展開しておりますが、今後も持続的に成長するためには、市場ニーズに対応した新しい製品やサービスを切れ目なく立ち上げていく必要があります。
・ビジネスモデルの多様化
企業のITシステム投資の方向性が、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化しております。IT資産においてもオフバランス化が進み、「持たざる経営」がITの分野にも浸透しつつあります。
これまで、企業はITシステム(ハードウェア、ソフトウェア、開発)を資産として購入・運用してきましたが、ITシステムを資産として保有せず、外部事業者のサービスをインターネット越しに活用するクラウドサービスの利用が広がっております。これにより、企業側はITシステムの初期投資や運用・保守等の負担を低減することができます。当社グループでは、アプリケーション・サービス事業において、自社開発ソフトウェア・パッケージの販売、保守を行ってまいりましたが、これらソフトウェアの機能をインターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス事業に参入しております。売り切り販売中心のフロー事業に加え、継続的に収入が得られるサービス事業によるビジネスのストック化をさらに推進します。クラウド時代の顧客企業ニーズの変化に積極的に対応し、ストック型ビジネスを中心戦略とした「持たざる経営」を支えるサービス・プロバイダー、サービス・クリエーターとしての地位の確立を進めてまいります。
・サービスのフルライン化
上述のとおり、IT業界ではクラウドという新しいビジネスモデルへの対応が必要となる一方で、従来どおりITシステムの自社所有を希望する企業があります。このため、当社グループは、システム導入以降に必要となる保守・運用サービスについても積極的に拡充し、システムのライフサイクル全てをカバーするフルラインのサービス提案を行ってまいります。また、グループ経営を一層強化することにより、システムのフルアウトソーシングの請負にも注力し、継続的な取引機会の確保に努めてまいります。24時間対応のオンサイト保守やリモート監視業務については、外部委託からクロス・ヘッド株式会社への委託へ切り替え、グループ内での機能の自活、内製化を進めております。また、株式会社カサレアルの完全子会社化によりソフトウェアの開発要員を拡充しておりますので、開発業務についても同社技術力を活用した効率化を進めます。以上の取り組みにより、グループの総合力を発揮するとともに、サービスのフルライン化を進めます。
・業界構造
一般的に、ソフトウェア開発会社は人的資源中心のビジネスであり、大規模な初期投資を必要としないことから、少人数の企業から大手のシステム・インテグレーターまで多数の企業が存在します。業界全体が多重の下請け構造になっているため、下請け構造の下層に位置する企業は、規模の大小にかかわらず苦しい経営を強いられております。このため、生き残りを図るためには、付加価値の高いサービスを提供し、顧客企業への直販、直接契約を志向することが重要であり、フルラインでのサービス提供と総合力の発揮、一定規模の開発体制が求められます。当社グループは、今後もM&Aの活用を経営の選択肢に取り入れ、スピード感を持って付加価値の向上、総合力の発揮、規模の拡大を目指してまいります。
② 内部の課題解決
・人材の採用と育成
当社グループは、これまで即戦力の中途入社社員の採用により事業の拡大を図ってまいりましたが、中堅社員層の比率が相対的に高くなっているため、将来的なコストアップを防ぐためにも、今後は、若手社員の拡充に軸足を移し、新卒や第二新卒の採用活動に力を入れていく必要があります。
また、一般的な労働集約型ビジネスではない、高付加価値なストック型ビジネスの拡大や、新規事業の創発等の事業戦略の実現に向け、今後のITの技術革新や業界を取り巻く環境変化にキャッチアップし、2023年4月に新たに策定した「経営戦略を実現する人事戦略」に沿って、新たな価値を創造できる人材育成計画の策定及び実現を進めてまいります。
・ 品質カイゼン活動
ITシステムは、社会インフラ化しており、また、企業経営にとっても経営戦略を具現化するためのツールとして、ITシステムの果たす役割は一層重要性を増しております。ITシステムを構成するハードウェアの性能は日進月歩で向上しておりますが、人的資源に依存するソフトウェアの開発においては、依然として属人的な要素が少なくありません。開発プロセスの標準化や科学的手法によるテストの合理化、既存ソフトウェア部品の有効活用等、さまざまな努力を重ね、ソフトウェア品質、サービス品質の向上に努めなければなりません。高品質な製品・サービスの提供は勿論のこと、企業業績の安定化のためにも、品質カイゼン活動を積極的に推進してまいります。
・ 社内ITシステムの充実
業務プロセスを効率化、合理化していくため、また、事業上の迅速な意思決定を促進するためにはITシステムの積極的な活用が不可欠であると認識しております。経営者のリーダーシップのもと、当社のIT推進部において、デジタル技術の活用による社内生産性の向上及び事業活動の質の向上に向けて自社ITシステム戦略を策定しております。また、月次単位の定期会議を開催し、経営者や他部署を交え、課題の把握及び今後の施策の検討を行っております。具体的には以下のような取り組みテーマがあります。
1 開発・導入のスピードアップ、品質向上
2 人材の育成、充実、体制の再構築
3 能動的な企画・提案活動
4 投資対効果の計測
5 クラウド化の促進
6 セキュリティの安心・安全の追及
上場企業として求められる内部統制を着実に実行していくためにも、ITによる業務統制は重要な役割を担っていると考えております。当社グループは、社内ITシステムの継続的な開発を通じて、業務プロセスの効率化、企業活動の可視化を図ってまいります。
(用語解説)
※11UTMUTM(Unified Threat Management)とは、コンピュータウイルスやハッキングなどの脅威から、コンピューターネットワークを効率的かつ包括的に保護する管理手法のこと。
※12PHRPHR(Personal Health Record)とは、個人が自らの健康に関する情報を、自己管理のもとに情報集約化を実現するツールやシステムのこと。

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