有価証券報告書-第15期(平成25年12月1日-平成26年11月30日)

【提出】
2015/02/27 10:24
【資料】
PDFをみる
【項目】
102項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

本項の全ての財務情報は、本書に記載している連結財務諸表及び財務諸表に基づいております。また、本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 [連結財務諸表等]」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
(2)財政状態
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から504,134千円増加し、1,739,767千円となりました。新株予約権の行使による株式の発行等により、現金及び預金が332,862千円増加したほか、売上の増加に伴って、売掛金が133,245千円増加しております。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末から142,876千円増加し、415,758千円となりました。障がい者雇用支援サービスのニーズの高まりに対応するため、株式会社エスプールプラスにて第二農園となる茂原ファームを開設したこと等により、有形固定資産が109,547千円増加しました。また、グループ基幹業務システム更新等により無形固定資産が32,752千円増加しております。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から69,089千円増加し、1,256,825千円となりました。主に株式会社エスプールヒューマンソリューションズの売上の増加に伴い、未払消費税等が138,210千円、未払給与を中心に未払費用が52,674千円、それぞれ増加しております。また、連結所得の拡大に伴って、未払法人税等が32,405千円増加しております。一方、約定弁済を進めた結果、短期借入金が166,400千円減少しております。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から9,921千円増加し、142,415千円となりました。新規の長期借入により、長期借入金が10,970千円増加しております。
当連結会計年度末の純資産は、新株予約権の行使による株式の発行より402,276千円、当期純利益により165,434千円増加し、756,284千円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ22.6ポイント改善して35.1%となっております。また、有利子負債自己資本比率は65.5%でありました。
前連結会計年度当連結会計年度
自己資本比率12.4%35.1%
有利子負債自己資本比率355.3%65.5%

(3)経営成績
当連結会計年度における売上高は6,604,945千円(前連結会計年度比1,239,157千円増)、売上総利益は1,638,641千円(前連結会計年度比278,727千円増)、販売費及び一般管理費は1,431,585千円(前連結会計年度比137,866千円増)、営業利益は207,055千円(前連結会計年度比140,861千円増)、経常利益は191,868千円(前連結会計年度比142,859千円増)、当期純利益は165,434千円(前連結会計年度比120,615千円増)となっております。
① 売上高
事業別の外部顧客に対する売上高の増減は以下のとおりです。
前連結会計年度(千円)構成比(%)当連結会計年度(千円)構成比(%)増減(千円)前連結会計年度比(%)
ビジネスソリューション事業2,166,03740.42,684,27940.6518,242123.9
人材ソリューション事業3,199,75059.63,920,66559.4720,915122.5
合計5,365,787100.06,604,945100.01,239,157123.1

事業別でみると、ビジネスソリューション事業、人材ソリューション事業ともに、前連結会計年度を20%以上上回る売上高を達成しました。ビジネスソリューション事業では、主力の障がい者雇用支援サービスとフィールドマーケティングサービスが順調に拡大しました。障がい者雇用支援サービスでは、認知度が向上し、新規に開設した第二農園への参画企業が計画を上回って進んでおります。第一農園では開設から販売完了までおよそ3年半を要しましたが、第二農園については、当連結会計年度末時点ですでに完売の目処が立っております。この好調な農園販売に合わせて人材紹介の売上も大きく増加しております。また、フィールドマーケティングサービスにおいては、スマートメーター関連の業務を開始し、売上が大きく増加することとなりました。
一方、人材ソリューション事業は、主力のコールセンター向けの派遣と携帯電話販売支援業務が増加しました。有効求人倍率が高止まる中、定着支援や社員の現場配置などを積極的に行い、顧客とのパートナー化が進みました。また、コンビニエンスストアチェーンのFC店舗への人材提供を行う人材サポートセンターをコンビニエンスストア・フランチャイザーと共同で開設するなど、新たな取り組みも開始しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比1,239,157千円増の6,604,945千円と増収を達成することができました。
② 売上総利益
売上総利益率は、前連結会計年度から0.5ポイント低下して24.8%となりました。主な要因は、人材ソリューション事業において、業務の長期化に伴い、派遣社員の社会保険料負担が増加したためであります。これにより、人材ソリューション事業の売上総利益率は、前連結会計年度の24.2%から当連結会計年度は23.0%に下がっております。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から137,866千円増加し、1,431,585千円となりました。主な費目別の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度
(千円)
売上に対する比率(%)当連結会計年度
(千円)
売上に対する比率(%)前連結会計年度比
(%)
人件費720,50613.4808,15212.2112.2
地代家賃90,6041.7101,6701.5112.2
減価償却費13,0040.220,6820.3159.0
登録スタッフ募集費97,4051.8112,6641.7115.7
その他372,1986.9388,4145.9104.4
合計1,293,71924.11,431,58521.7110.7

前連結会計年度と比較して、販売費及び一般管理費は137,866千円増加しておりますが、その主な要因は、事業拡大に向けた人員の積極的な採用であり、人件費の増加だけで87,645千円に上ります。その他、採用市場の需給逼迫の影響を受けて、人材ソリューション事業の登録スタッフ募集費が増加しております。事業別の販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度
(千円)
当連結会計年度
(千円)
前連結会計年度比
(%)
ビジネスソリューション事業392,696457,648116.5
人材ソリューション事業549,368603,373109.8
調整額351,653370,563105.4
合計1,293,7191,431,585110.7

以上の結果、営業利益は前連結会計年度比140,861千円増の207,055千円となりました。
④ 営業外損益等
営業外損益項目、特別損益項目に特筆すべきものはなく、経常利益は前連結会計年度比142,859千円増の191,868千円、当期純利益は前連結会計年度比120,615千円増の165,434千円となりました。
⑤ 次期の見通し
次期の経済環境は、ギリシャ危機再燃のリスクや原油価格下落による株式市場の混乱等の不安要素はあるものの、緩やかな景回復傾向が続くものと見込んでおります。このような環境の下、当社グループでは、平成27年11月期より新たな中期経営計画をスタートさせました。
前中期経営計画の下では、再度の成長軌道への回帰を掲げ、当連結会計年度において売上高、利益ともに過去最高にせまる水準にまで回復するなど、一定の成果を達成することができました。一方で、この3年間において当社を取り巻く環境は大きく変化しています。経済環境はデフレからインフレ基調への転換が進んでいるほか、産業構造の変化に合わせて成熟産業から成長産業への労働移動を促進する動きも加速しております。また、有効求人倍率が22年ぶりの高水準となるなど、労働力不足という当社グループが未経験の状況に直面しております。新中期経営計画の下でこれらの外部環境の変化に対応し、継続的に成長できる経営基盤を構築することに注力してまいります。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが291,978千円の収入(前連結会計年度は64,223千円の収入)となりました。売上高はビジネスソリューション事業、人材ソリューション事業、ともに伸張しており、この売上拡大に伴って売上債権も大きく増加しております。しかし、当連結会計年度においては、未払給与や未払消費税等を中心に営業債務も増加しており、これらに減価償却費等の非現金支出費用が加わり、税金等調整前当期純利益を超えるプラスのキャッシュ・フローを確保いたしました。投資活動によるキャッシュ・フローについては、障がい者雇用支援サービスを中心に積極投資を行い188,814千円の支出(前連結会計年度は130,795千円の支出)となりました。前述の営業活動によるキャッシュ・フローをこれらの投資の財源としております。財務活動によるキャッシュ・フローは229,698千円の収入(前連結会計年度は6,730千円の支出)となりました。新株予約権の発行による収入と当該新株予約権の行使による株式の発行による収入が合わせて402,276千円ありました。これらの財務状況の改善を受け、有利子負債残高は前連結会計年度末比172,524千円減少し、494,700千円となりました。
当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物の残高は819,288千円であります。今後、積極的な事業拡大を計画しておりますが、本書提出日現在ではこの計画遂行に必要な流動性が確保されていると考えております。
(5)資金の源泉について
当社グループの資金需要の主なものは、事業投資資金と経常運転資金の2つであります。事業投資資金には、障がい者雇用支援サービスのための農園建設資金、事業買収に係る資金、拠点開設や移転・増床のための資金及びサーバーやソフトウエア等のIT関連投資資金があります。これらのうち、前者の事業投資資金については、自己資金及び長期借入金による調達を基本としております。一方、後者の経常運転資金については、自己資金を基本としつつ必要に応じて銀行からの短期借入金により調達しております。