四半期報告書-第41期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/14 15:19
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30項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間について、国内は、大型台風や豪雨、地震の災害がありましたが、良好な企業収益や雇用環境の改善による堅調な個人消費等により、緩やかな回復基調を維持しております。海外は、米中の保護主義的な通商政策による貿易摩擦で、景気の下振れリスクが高まり、先行きの不透明感が増しております。
当社の主たるビジネスであるセキュリティ分野では、働き方改革の導入もありネットワークの複雑化、利用機器の多様化が進み、情報管理が一段と難しくなってきております。同時にサイバー攻撃も高度化しており、これらをカバーするセキュリティ対策にも高度化・専門化が加速度的に求められており、通常の民間企業では運用/管理、障害発生時の対応に限界を迎え、「物の販売」から「サービスの提供」への要望が増加するパラダイムシフトが起きております。
当社もこの流れに追従し既存製品のクラウドサービス化を以前より進めておりますが、売上の計上タイミングの遅れと開発費用の増加に伴い利益が圧迫されています。このような環境下、当社グループの業績について、売上高は10,789百万円(前年同期比12.5%減)となり、営業利益は589百万円(前年同期比52.9%減)、経常利益は526百万円(前年同期比60.2%減)となりました。また、特別利益で投資有価証券売却益239百万円を計上する一方、特別損失でソフトウェア除去損199百万円、のれんの減損損失198百万円等を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は37百万円(前年同期比95.3%減)となりました。当社は、市場ニーズに合わせた製品ポートフォリオの改編と新規サービスの開発に着手しております。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
① ITセキュリティ事業
売上高は10,257百万円(前年同期比12.7%減)、セグメント利益は1,440百万円(前年同期比26.2%減)となりました。
自治体情報システム強靭性向上等の官公庁向けや特定顧客向けの製品入れ替えの特需が剥落したことにより、減収減益となりました。官民ともにセキュリティへの需要は堅調に拡大しているものの、前述のように特に民間企業において、サービスの提供への要望が顕在化しており、その対応を鋭意進めております。なお、当社が得意とするセキュリティの基盤である「認証」において、パスワードを不要にすることで管理/運用コストを削減しつつ利便性を向上させる新しいサービスを開発しております。
② 映像コミュニケーション事業
売上高は428百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント損失は160百万円(前年同期はセグメント損失146百万円)となりました。
監視カメラ管理ソフトウェアで圧倒的な世界シェアを持つデンマークのMilestone Systems A/S(以下、マイルストーン社)と提携し、市街地などに張り巡らされている監視カメラのネットワークに、当社の「Smart-telecaster Zao-S」が動く監視カメラとして接続/運用されます。一挙にリアルタイムの対処あるいは緊急対応の機能が発揮されることになります。当社は今、国内外でパブリックセイフティ(Public Safety)分野への販売を積極的に進めております。
③ エコ・デバイス事業
売上高は103百万円(前年同期比44.1%減)、セグメント損失は159百万円(前年同期はセグメント損失87百万円)となりました。受託開発を縮小し、オリジナルの商品開発に力を注いでいます。
オリジナルの微小信号センサーの販売は継続中です。また、映像コミュニケーション事業と協力し取り組んでいる超短遅延映像伝送システムを発展させ、株式会社小松製作所(以下、コマツ)が進めている建機のリモート運転を実現、平成30年10月に開催される「CEATEC JAPAN 2018」のデモを行います。このリモート運転は、自動運転を補完する技術として今後、市場が急拡大すると注目されています。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の当社グループの総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,193百万円減少し、12,742百万円となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,023百万円減少し、10,091百万円となりました。これは主にその他が667百万円増加した一方、現金及び預金が1,009百万円、受取手形及び売掛金が568百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて169百万円減少し、2,650百万円となりました。これは主に差入保証金が107百万円、ソフトウェア仮勘定が73百万円増加した一方、のれんが416百万円減少したことによるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて816百万円減少し、6,252百万円となりました。これは主に前受収益が214百万円増加した一方、未払法人税等が406百万円、支払手形及び買掛金が279百万円、賞与引当金が266百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて116百万円減少し、492百万円となりました。これは主に長期借入金が135百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産の部については、前連結会計年度末に比べて260百万円減少し、5,997百万円となりました。これは主に、自己株式が99百万円増加し、利益剰余金が176百万円減少したことによるものであります。
なお自己資本比率は46.9%(前連結会計年度末比2.1ポイント増加)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更、または新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費は402百万円であり、この他売上原価に算入されているソフトウェア開発費用859百万円と合わせ、開発活動に関する費用の総額は、1,261百万円でした。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。