有価証券報告書-第26期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/24 16:28
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【項目】
85項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当期(2019年10月~2020年9月)におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善により緩やかに回復基調にありましたが、2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、一転して先行き不透明な状況となりました。
日本国内では4月27日の政府からの緊急事態宣言の発出により、5月の全国移動者数は300,861人(昨年対比28.1%減、以下同)と大幅に落ち込んだものの、5月下旬の緊急事態宣言解除以降、徐々に回復し、通期では3.16%減にとどまりました(総務省「住民基本台帳人口移動報告」より)。
当社の主要な顧客である建設・不動産業界においては、当期における新設住宅着工件数は820,052件(10.75%減)と大幅に減少し、緊急事態宣言中には政府の外出自粛要請に応じてモデルルームや店舗の営業自粛を行った事業者が多く発生しました。5月下旬の緊急事態宣言解除による経済活動の再開に伴い営業活動が再開され、リモートワークの普及に伴って新しい働き方に対応した住環境を求める新たな需要も出てきてはいるものの、首都圏の新築マンション発売件数は25,418件(23.7%減)、中古マンションの成約件数は34,792件(10.0%減)と減少し、供給戸数の減少などを背景に販売価格は新築が4.2%、中古は4.1%上昇しています(国土交通省「建築着工統計調査報告」、株式会社不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向」、公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」より)。
日本の広告市場(2019年1月~12月)においては、「新聞広告」「雑誌広告」「ラジオ広告」「テレビメディア広告」での不動産・住宅設備領域は7.0%減となりましたが、当社グループが主としてサービスを行っているインターネット広告市場は14.8%増と6年連続で二桁成長を継続、初めてテレビ広告費を超えて2.1兆円に拡大しています。今後も従来のマスメディア広告からインターネット広告への移行はさらに加速していくものと考えられます(株式会社電通「2019年日本の広告費」より)。
海外においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、地域によっては都市封鎖や移動制限等の対応が断続的に実施されておりますが、現時点で収束時期は見通しがついておらず、経済全体に深刻な影響が出ているものと思われます。
当社グループでは、感染拡大防止と従業員並びに関係者の皆様の安全確保を目的として、従業員の在宅勤務やオンライン商談を推奨しており、現時点で事業運営に大きな問題は生じておりません。
このような状況のもと、当期においては先行き不透明な状況においても持続的な企業活動を継続するため、実施予定であった投資計画を見直してコスト効率化及び削減に取り組んでまいりました。
また海外における感染拡大が続いている状況を踏まえ、海外事業に関する将来計画を見直した結果、これにかかるのれんの減損損失を計上いたしました。
その結果、当期における連結業績は、売上収益35,402,758千円(前期比△9.9%)、EBITDA 4,504,280千円(同△16.0%)、税引前当期利益2,148,590千円(同△40.7%)、当期利益1,175,551千円(同△50.2%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,170,782千円(同△51.4%)となりました。
なお、当期におけるセグメント毎の売上収益及びセグメント利益は、以下のとおりです。
(単位:千円)
セグメントの名称売上収益セグメント利益(損失△)
金額前期比(%)金額前期比(%)
(1) HOME'S関連事業27,179,155△8.53,910,463+18.1
(2) 海外事業6,574,892△15.7807,703△21.2
(3) その他1,927,526△3.4△396,933(注2)

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 前期のセグメント損失は340,858千円であります。
①HOME'S関連事業
当セグメントは、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」と不動産事業者向け業務支援サービス、及び関連事業で構成されています。
当期は、「LIFULL HOME’S」の「ブランド力強化」と「メディア力の強化」を目指し、新たな住まいの探し方を提案するコンテンツ制作と、それに連動したプロモーション等への投資を継続したほか、掲載情報の充実を目指した料金改定や、情報精度の向上を目指したツールの提供に取り組んでまいりました。
また2020年7月には健美家株式会社を子会社化いたしました。両社の持つユーザーや不動産投資に関わる情報、顧客基盤といった経営資源を相互に活用することで、不動産投資分野における収益を拡大すると共に、不動産流通市場の活性化にむけ取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、緊急事態宣言中の営業を自粛されたLIFULL HOME’S会員様へのサービス停止期間中の料金割引を実施する等、事業者支援と市場の下支えを優先して行ってまいりました。事業環境が日々変化する中で柔軟な事業運営を可能にするべく、コスト計画の見直し及び抑制努力を合わせて実施しており、収益性は改善しております。
以上の結果、当事業の売上収益は27,179,155千円(前期比△8.5%)、セグメント利益は3,910,463千円(同+18.1%)となりました。
②海外事業
当セグメントは、主にLIFULL CONNECTが運営する不動産・住宅、中古車、転職・求人、ファッションの情報サイト等により構成されています。
当期は組織統合を通じ、Trovit社、Mitula社、RESEM社の持つ技術やノウハウを融合し、各サービスの高度化やWEB集客力の強化に取り組むだけでなく、さらなる競争力強化に向けた採用にも注力してまいりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、様々な国や地域で移動制限や都市封鎖等の対応が実施され、主要な顧客である各国の不動産ポータルサイトにおいてもサイト訪問者数が減少していること等を背景に、広告出稿量が抑制されたため、コスト計画の見直し及び抑制努力を行いました。
以上の結果、当事業の売上収益は6,574,892千円(同△15.7%)、セグメント利益は807,703千円(同△21.2%)となりました。
③その他事業
その他事業は、老人ホーム・介護施設の検索サイト「LIFULL 介護」、レンタル収納スペース情報検索サイト「LIFULL トランクルーム」、引越し見積り・予約サイト「LIFULL 引越し」等により構成されております。
また当期においては、「LIFULL HOME'S空き家バンク」や「LivingAnywhere Commons」をはじめとする地方創生事業への投資を強化してまいりました。
以上の結果、当事業の売上収益は1,927,526千円(同△3.4%)、セグメント利益は△396,933千円(前期はセグメント損失340,858千円、56,074千円の悪化)となりました。
以下の項目等、より詳しい決算内容に関しては、当社IRサイトより、2020年11月13日発表の「2020年9月期 決算説明資料」をご覧ください。
参考URL:https://lifull.com/ir/ir-data/
<決算説明資料の主な項目>・簡易損益計算書 ・・・ 簡易損益計算書(IFRS)
・セグメント別売上収益 ・・・ セグメント別売上収益(IFRS)
・業績予想の進捗状況 ・・・ 簡易損益計算書、サービス別売上収益
・事業の状況 ・・・ セグメント毎の主な取組状況
・四半期別の業績推移 ・・・ 連結損益計算書(簡易版)、連結セグメント別損益
・外部市況データ月別推移 ・・・ マンション発売戸数、マンション価格、新設住宅着工戸数、日本全国移動者数、日本人口
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。
①販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
HOME'S関連事業27,179,155△8.5
海外6,574,892△15.7
その他1,927,526△3.4
内部取引△278,815
合計35,402,758△9.9

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
(流動資産)
流動資産の残高は23,083,211千円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)に比べ6,928,442千円増加しております。主な要因は、現金及び現金同等物の増加6,723,719千円、売掛金及びその他の短期債権の減少771,222千円、その他の短期金融資産の増加342,196千円、その他の流動資産の増加633,749千円であります。
(非流動資産)
非流動資産の残高は32,236,387千円となり、前期末に比べ4,718,532千円増加しております。主な要因は、使用権資産の増加4,476,985千円、のれんの増加55,538千円、無形資産の減少214,012千円、持分法で会計処理されている投資の減少224,043千円、その他の長期金融資産の増加227,709千円、及び、繰延税金資産の増加344,888千円等であります。
以上の結果、当期末の資産合計は55,319,599千円となり、前期末に比べ11,646,974千円増加しております。
(流動負債)
流動負債の残高は16,016,038千円となり、前期末に比べ6,530,257千円増加しております。主な要因は、買掛金及びその他の短期債務の減少965,549千円、借入金の増加5,331,569千円、リース負債の増加827,597千円、未払法人所得税の増加562,429千円、及び、その他の流動負債の増加731,876千円等であります。
(非流動負債)
非流動負債の残高は5,656,232千円となり、前期末に比べ4,096,872千円増加しております。主な要因は、借入金の増加508,998千円、リース負債の増加3,644,611千円、繰延税金負債の減少348,094千円、及び、その他の非流動負債の増加341,288千円等であります。
以上の結果、当期末の負債合計は21,672,270千円となり、前期末に比べ10,627,130千円増加しております。
(資本)
当期末における資本の残高は33,647,328千円となり、前期末に比べ1,019,844千円増加しております。主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益による利益剰余金の増加1,170,782千円、剰余金の配当による利益剰余金の減少590,327千円、自己株式の取得による自己株式の増加1,000,148千円、その他の包括利益によるその他の資本の構成要素の増加1,363,553千円、及び、非支配持分の増加75,460千円等であります。

(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
区分前連結会計年度
(自 2018年10月1日至 2019年9月30日)
当連結会計年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー2,166,1154,884,1502,718,035
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,836,909△1,730,4771,106,432
財務活動によるキャッシュ・フロー2,782,8033,391,985609,182
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)1,667,7146,723,7195,056,004

当期における現金及び現金同等物(以下、資金)は、6,723,719千円増加し、15,962,746千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は4,884,150千円となり、前連結会計年度(以下、前期)の増加した資金2,166,115千円と比べ、2,718,035千円の増加となりました。主な要因は、税引前当期利益が2,148,590千円と前期に比べ1,477,540千円減少したこと、減価償却費及び償却費が2,024,509千円と前期に比べ824,218千円増加したこと、減損損失が1,619,202千円と前期に比べ1,276,090千円増加したこと、売掛金及びその他の短期債権の増減額が985,356千円と前期に比べ1,362,045千円増加したこと、買掛金及びその他の短期債務の増減額が△1,161,048千円と前期に比べ1,606,023千円減少したこと、その他が505,632千円と前期に比べ1,194,197千円増加したこと、及び、法人所得税の支払額が1,250,710千円と前期に比べ1,142,577千円減少したこと等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,730,477千円となり、前期の減少した資金2,836,909千円と比べ、1,106,432千円の増加となりました。主な要因は、前期は新設分割により設立した株式会社LHLの株式を売却したことに伴う子会社株式の売却による収入が473,216千円発生していたこと、当期は資本性金融資産の売却による収入が505,127千円発生したこと、有形固定資産の取得による支出が497,451千円と前期に比べ322,473千円増加したこと、無形資産の取得による支出が559,535千円と前期に比べ179,910千円増加したこと、子会社の取得による支出が593,045千円と前期に比べ1,052,418千円減少したこと、関連会社株式の取得による支出が7,212千円と前期に比べ414,288千円減少したこと、貸付による支出が1,085,500千円と前期に比べ187,992千円減少したこと、及び、貸付金の回収による収入が560,518千円と前期に比べ207,022千円減少したこと等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は3,391,985千円となり、前期の増加した資金2,782,803千円と比べ、609,182千円の増加となりました。主な要因は、当期は長期借入金の返済による支出が833,350千円発生したこと、短期借入れによる収入が10,710,128千円と前期に比べ7,110,128千円増加したこと、長期借入れによる収入が2,392,700千円と前期に比べ2,134,400千円増加したこと、短期借入金の返済による支出が6,430,000千円と前期に比べ6,130,000千円増加したこと、配当金の支払額が590,294千円と前期に比べ123,722千円減少したこと、自己株式の取得による支出が1,000,148千円と前期に比べ999,728千円増加したこと、及び、リース負債の返済による支出が905,817千円と前期に比べ901,612千円増加したこと等であります。

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上収益及び営業利益)
当連結会計年度(以下、当期)においては、主力のHOME'S関連事業の更なる競争力強化に向け、新たな住まい探しを提案するコンテンツ制作と、それに連動したプロモーション等への投資を継続したほか、2020年7月に健美家株式会社を子会社化し、不動産投資分野における収益の拡大にも取り組んでまいりました。海外事業では、グローバルにおける競争力強化に向けLIFULL CONNECTのもとに経営統合を進めてまいりました。また新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、先行き不透明な状況においても持続的な企業活動を継続できるよう、投資計画の見直しや、コスト効率化、コスト削減にも取り組んでまいりました。
この結果、当期における売上収益は35,402,758千円、営業利益は2,497,617千円となりました。
(当期利益)
当期は持分法投資損失249,990千円等が発生したこと、また、法人所得税費用973,038千円を計上した結果、当期利益は1,175,551千円となりました。
資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況の分析は「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」を参照ください。
(資金需要)
当社グループの資金需要は販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資や、将来の成長及び企業価値向上を目的としたM&Aによる投資であります。
(財務政策)
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、効率的な資金の確保を最優先しております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めると共に、自己資金を効率的に活用しております。
短期的な運転資金の調達並びに設備投資資金等の調達に関しましては、自己資金及び複数の金融機関より確保している融資枠からの借入金を基本としております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について
①会社の経営の基本方針
「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念とし、日本及び海外において不動産情報サービス事業を中心に、住まいの情報を提供しております。また、住まいの情報のみならず、介護施設やトランクルーム等、暮らしにかかわる様々な情報サービスを提供しております。
②目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、売上収益、EBITDA、EBITDAマージンであり、事業上の指標として、HOME'S関連事業においては掲載物件数、顧客数、一顧客あたり平均売上(ARPA)、サイトの訪問者数、問合せ数(ユーザーから不動産会社等に対するメールや電話での問合せ)等を重視しております。なおIFRS16号の適用により、EBITDA、EBITDAマージンについては事業上の理由によらずに変動していること等を考慮し、2021年9月期より重視する経営指標を、売上収益、営業利益、営業利益率に変更いたします。国際会計基準の上記経営指標及び事業上の一部指標については当社IRサイトにて公表を行っております。
参考URL:https://lifull.com/ir/ir-data/
③中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは「常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念として掲げており、あらゆる人が安心と喜びをもって未来へと進んでいくためのサポートをしたいと考えております。世の中に溢れている大量の情報を蓄積・整理・統合し、情報を必要としているユーザーに対し、様々なデバイスやチャネルを通じて最適な情報を提供することに取り組んでおります。
この戦略に基づき、「HOME'S関連事業の強化」、「海外事業のグローバルにおける競争力強化」、「不動産領域以外の新規領域事業の収益化と新規事業開発」に重点的に取り組んでまいります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

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