四半期報告書-第26期第1四半期(令和2年3月1日-令和2年5月31日)
(1)経営成績の分析
当第1四半期累計期間の業績は、売上高914,052千円(前年同四半期比16.8%増)、売上総利益338,749千円(前年同四半期比3.4%増)、営業利益64,015千円(前年同四半期比5.6%増)、経常利益65,896千円(前年同四半期比8.3%増)、四半期純利益45,062千円(前年同四半期比11.8%増)となりました。新型コロナウイルス感染拡大による企業経済活動の縮小の影響も受け始めてはいますが、現時点では売上高、利益ともに前年同期比でプラスになっています。
中期経営計画「Break 2018」の3年目となる当期では、立案当初に掲げた①「既存事業のシェア拡大」、②「海外拠点の確立」、③「AI事業の確立」、④「社員のスキル向上」、⑤「国内TOPの合理化企業」という5つの目標に向けた最後の仕上げの年度となります。前期は堅調な市場環境を背景に既存事業を拡充しながら、その収益を海外展開やAI事業、社員教育、合理化推進といった将来を見据えた展開に投資することで、中期経営計画を着実に推進し、過去最高の売上高・経常利益を更新することができました。
当期は、上記5つの目標は持ち続けながらも、新型コロナウイルスの感染拡大による市場環境の大きな変化に適応するため、「攻め」から「守り」の経営に切り替え、利益確保を最優先とする堅実路線に舵を切っています。具体的には、すぐに必要な投資以外は抑えるなど経費予算を全社的に見直し、また海外事業の推進もスケジュールの見直しを行い、当期は国内事業に集中するよう方針転換しています。
当社は2017年に総務省「テレワーク先駆者百選」に選ばれており、早い段階からリモートワークに取り組んできました。その経験とノウハウを生かして、営業活動においては、テレビ会議システムを活用したデジタル営業を推進することで、集客や商談件数を極力減らさないよう取り組んでいます。
各セグメント別の業績は、次のとおりです。
① Object Browser事業
Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」、統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」及びアプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」の4製品から構成されています。「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」は、ソフトウェア開発の生産性を向上させるツールとして業界で多く利用されており、安定した収益源となっています。最近は、クラウドの普及に伴ってクラウド市場での利用拡大を図っています。
これらのツール群については、毎年安定的に売上高を計上してきましたが、4月の緊急事態宣言の発令後、企業の購買活動が減退した影響により売上高が大幅に減少しました。緊急事態宣言の解除に伴って徐々に回復してきていますが、「新型コロナショック」前の水準に戻るにはまだまだ時間がかかると予想しています。今後はネット広告やWebセミナーなど、「新型コロナ時代」に即したマーケティング活動を推進することで売上高を回復させていきます。
統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」は、発売以来着実に市場浸透が進み、市場からも高い評価を得て導入企業実績は190社を超えました。本製品の強みは、プロジェクト管理の事実上の世界標準であるPMBOKの管理エリアを統合していることです。ERPのノウハウ・構想力がないと作れないという参入障壁があるため、このコンセプトで競合する製品はほとんどありません。これまで顧客のサーバーに導入するオンプレミス型が中心でしたが、クラウドサービスの利用料として毎月一定額を請求するサブスクリプション型での導入が増加しています。2021年度にはサブスクリプションモデルへ完全移行し、ストック比率を高める戦略です。
また、2020年7月1日から中小企業向けのERP連携として「勘定奉行クラウド(注1)」と連携する「奉行API連携オプション」の販売を開始しました。この連携を新たな武器として中小企業に拡販し、サブスクリプション販売を強化してストック型ビジネスを拡大していきます。
アプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」は、ソフトウェア開発におけるCADという新しい発想の製品です。今後、ソフトウェア業界がCADを用いて設計作業を行うようになることを見込んで、既に特許を取得しています。IT業界の人手不足が深刻になる中、生産性を高めるツールとして注目されています。2019年6月から販売を開始した完全Web版は、クラウドサービスのサブスクリプションモデルとなっており、設計作業の生産性を大幅に向上させるツールとして販売を拡大しています。
以上の結果、Object Browser事業の主力製品である「SI Object Browser」と「SI Object Browser PM」の2製品が、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動縮小の影響を受けていることと、「SI Object Browser PM」のサブスクリプションモデルへの移行に伴う影響もあり、当第1四半期累計期間の売上高は170,604千円(前年同四半期比12.9%減)、営業利益は58,186千円(前年同四半期比38.0%減)となりました。
注1:「勘定奉行クラウド」は、株式会社オービックビジネスコンサルタントのERP製品で、中堅・中規模向けERPでシェアNo.1の導入実績を誇る同社のクラウド会計システムです。
② E-Commerce事業
E-Commerce事業は、日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」を主力製品として構成されています。EC市場は堅調に発展し続けており、この先もさらに伸びるものと思われます。市場の拡大につれて競争が激化して採算悪化に陥る同業他社が多い中、20年以上もECサイト構築事業を行ってきたノウハウを生かして、大規模なECサイトを着実に稼働して売上を増やす技術力が評価されています。また、一昨年より実施している開発手法の見直しや業務改善の取り組みが奏効し、営業利益率を年々向上させることに成功して、利益率の高いビジネスに変革しています。現在は、他事業にも同様の取り組みを展開し、全事業においても利益率の改善に取り組んでいます。
当期は、第三者機関によるセキュリティ診断を受けた最新バージョン「SI Web Shopping Ver.12.8」を2020年6月1日にリリースし、本製品の強みである「堅牢なセキュリティ」を更に強化し、顧客ニーズに応えています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、人々の購買行動を実店舗での買い物からインターネット通販サイトでの買い物へと変化させています。ただし、当社のE-Commerce事業は大規模なECサイトが多いので今のところ直接的なプラス効果はありません。4月の緊急事態宣言により、一時的に顧客の意思決定スピードが鈍化したことで、新規受注のタイミングにズレが生じていますが、潜在需要は堅調なことから、今後の受注増加に対応できるよう開発体制を整えています。
以上の結果、E-Commerce事業の当第1四半期累計期間の売上高は168,044千円(前年同四半期比39.0%増)、営業利益は16,958千円(前年同四半期は1,234千円)と増収増益となっています。新型コロナウイルス感染拡大による顧客の活動低下の影響を受けている割には順調なスタートとなりました。
③ ERP・AI事業
ERP・AI事業は、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」とAI製品シリーズであるディープラーニング異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」を主力製品として構成されています。「GRANDIT」はコンソーシアム方式なので、同一製品を複数のコンソーシアム企業が販売しています。当社は「GRANDIT」の企画・開発から携わった開発力と製造業向けの知識、ノウハウを強みに、生産管理アドオンモジュールを自社で開発し、当社のお客様だけでなく他のコンソーシアム企業にも販売してきました。2019年8月には、製造業での、生産、販売、据付・設置、アフターサービスの業態に一気通貫で対応できる以下のアドオンモジュールをバージョンアップおよび新規リリースしました。
・生産管理アドオンモジュール
・工事管理アドオンモジュール
・原価管理アドオンモジュール
・継続取引管理アドオンモジュール
これらの製品の効果で製造業、工事・エンジニアリング業、プロジェクト単位で業務を行う業種向けに販売数が増えています。当社の強みは、自社内の基幹業務に「GRANDIT」を利用し、当社の自社開発パッケージ「SI Object Browser PM」と密接に連携させた上で、「継続取引管理アドオンモジュール」も利用することにより、自らIT企業における理想的な合理化モデルを実現している点で、自社で使っているならではの効果的な提案ができています。
また、当社では社員が開発した優れたプログラムを商品化する「買い取り制度」があります。前期はその第一号として、「GRANDIT」のソースコードを一切変更せずに、お客様の特別な仕様を簡単に追加開発できる「コーディングレス開発ツール」を商品化し販売開始しました。これにより、追加開発における従来のプログラミング負荷を20~30%削減でき、ERPビジネスでの価格競争力強化に大きく貢献するものと期待できます。また、当社はGRANDITコンソーシアム内において、1年間に最もGRANDITを販売した企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」を過去5回受賞しています。この度、2019年のアワードを取得できて6度目の受賞となり、名実ともにGRANDIT事業をリードしています。
最近はクラウド上に基幹業務システムを構築するケースがほとんどです。当社でも「GRANDIT」や「SI Object Browser PM」をアマゾンウェブサービス(AWS)クラウドに移行し、その構築・運用ノウハウをベースに、インターネットイニシアティブ「GIOインフラストラクチャーP2」、アマゾンウェブサービス(AWS)クラウドやマイクロソフト「Azure」などお客様のシステム要件に合った複数のクラウドサービスを提案し、単なるシステム構築だけでなく運用も含めてワンストップでサポートするパートナー企業として事業拡大を行っています。また、2019年3月からは「GRANDIT」サブスクリプションモデルも提供しています。ノウハウや機能はそのままに、より低コストかつ短納期での導入が可能となるため、中小企業も含めてターゲット範囲を拡大しています。
新事業としては、2018年10月からディープラーニング異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」の販売を開始しています。前期からこの事業をERP事業と統合して、ERPビジネスで蓄積された業務ノウハウを武器に製造業へのAIビジネスの展開を行っています。これまでに多くの企業から、工場で行っている目視検査を代替できないかという引き合いを受け、案件をこなしながらノウハウを蓄積して製品強化、ソリューション力向上を行っています。現在の状況は導入に向けてのPoC(概念実証)を顧客と協力しながら、実施しています。開発にあたっては、カメラメーカーや製造ラインメーカーなど顧客企業のみならず様々な企業と連携して実施しています。
以上の結果、ERP・AI事業の当第1四半期累計期間の売上高は566,028千円(前年同四半期比23.7%増)、営業損失は625千円(前年同四半期は25,373千円の営業損失)となりました。ERP事業は景気後退の影響を受けやすい事業ですが、今のところ新型コロナウイルス感染拡大による経済活動縮小の影響はあまりなく、企業の投資意欲は引き続き堅調です。今後事業環境に変化がある可能性がありますが、ERP・AI事業の当第1四半期の業績は好調なスタートとなっています。
④ その他の事業
その他の事業には、プログラミングスキル判定サービスの「TOPSIC」、その他の研究開発費投資が含まれています。
・プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」
日本のIT人材は2030年には78万人不足すると言われており、現在でもIT業界は深刻な人手不足の状態にあります。この状況を解決するためには、まずはプログラミング力を身につけたエンジニアを増やし、育てていくことが重要だと当社は考えています。日本のIT人材育成を目的とした事業として2018年よりプログラミングスキルを判定できるオンラインテストサービス「TOPSIC」を新規事業としてスタートしました。
「TOPSIC」はオンライン・リアルタイムで受験者のプログラミングスキルを判定できるクラウドサービスです。企業の中途採用者のスクリーニングや社員のプログラミング教育などのニーズをとらえて、売上高は順調に推移しています。
また、小学校、中学校といった各教育現場での「プログラミング」の必修化を見据え、2019年4月から
「TOPSIC」の「アカデミックプラン」と「研修サービスプラン」を開始し、法政大学や多摩大学、立教池袋中学・高等学校に導入するなど教育現場への事業拡大も順調に進んでいます。本製品はサブスクリプション型の収益モデルとなっており、サービス開始から契約社数は順調に増加し続けています。しかしながら、この分野も新型コロナウイルス感染拡大による経済活動縮小の影響により契約延期や解約するお客様も出ており、今後、いかに解約を抑えるかが重要な局面となっています。
イベント事業として2018年から注力しているプログラミングコンテスト「PG Battle」は、年々知名度が高まっており、2018年の第1回目が260チーム、780名に参加いただき、2019年の第2回では444チーム、1,332名まで大幅に増加しています。当期は、2020年10月24日に第3回目の開催を予定しており、業界内外からも高い注目を集め、更なる増加が見込まれます。なお、第2回目からスポンサー制度を採用し、23社(うちメディアスポンサー3社)の協賛をいただきました。本イベントを通じてIT業界全体の活性化にも寄与してまいります。
「TOPSIC」は、小中学生向けのプログラミング教育を行う非営利団体へ無償提供も行っており、日本におけるプログラミング人材の育成、増加に貢献するための持続可能な事業として、今後も拡大していきたいと考えています。
(2)財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ198,793千円減少し2,390,940千円となりました。これは主として、現金及び預金の増加239,497千円、売掛金の減少632,740千円、仕掛品の増加143,085千円、その他の流動資産の増加51,385千円などによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ80,004千円増加し778,783千円となりました。これは主として、有形固定資産の増加25,914千円、ソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加29,828千円、投資その他の資産の増加24,261千円などによるものであります。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ118,788千円減少し3,169,724千円となりました。
(負債)
負債は、前事業年度末に比べ23,756千円減少し1,000,334千円となりました。これは主として、買掛金の減少127,055千円、前受金の増加138,601千円、賞与引当金の減少110,393千円、その他の流動負債の増加52,975千円などによるものであります。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べ95,032千円減少し2,169,390千円となりました。これは主として、四半期純利益の計上45,062千円、配当金の支払143,105千円などによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期累計期間の研究開発費の総額は8,011千円であります。
なお、当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期累計期間の業績は、売上高914,052千円(前年同四半期比16.8%増)、売上総利益338,749千円(前年同四半期比3.4%増)、営業利益64,015千円(前年同四半期比5.6%増)、経常利益65,896千円(前年同四半期比8.3%増)、四半期純利益45,062千円(前年同四半期比11.8%増)となりました。新型コロナウイルス感染拡大による企業経済活動の縮小の影響も受け始めてはいますが、現時点では売上高、利益ともに前年同期比でプラスになっています。
中期経営計画「Break 2018」の3年目となる当期では、立案当初に掲げた①「既存事業のシェア拡大」、②「海外拠点の確立」、③「AI事業の確立」、④「社員のスキル向上」、⑤「国内TOPの合理化企業」という5つの目標に向けた最後の仕上げの年度となります。前期は堅調な市場環境を背景に既存事業を拡充しながら、その収益を海外展開やAI事業、社員教育、合理化推進といった将来を見据えた展開に投資することで、中期経営計画を着実に推進し、過去最高の売上高・経常利益を更新することができました。
当期は、上記5つの目標は持ち続けながらも、新型コロナウイルスの感染拡大による市場環境の大きな変化に適応するため、「攻め」から「守り」の経営に切り替え、利益確保を最優先とする堅実路線に舵を切っています。具体的には、すぐに必要な投資以外は抑えるなど経費予算を全社的に見直し、また海外事業の推進もスケジュールの見直しを行い、当期は国内事業に集中するよう方針転換しています。
当社は2017年に総務省「テレワーク先駆者百選」に選ばれており、早い段階からリモートワークに取り組んできました。その経験とノウハウを生かして、営業活動においては、テレビ会議システムを活用したデジタル営業を推進することで、集客や商談件数を極力減らさないよう取り組んでいます。
各セグメント別の業績は、次のとおりです。
① Object Browser事業
Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」、統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」及びアプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」の4製品から構成されています。「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」は、ソフトウェア開発の生産性を向上させるツールとして業界で多く利用されており、安定した収益源となっています。最近は、クラウドの普及に伴ってクラウド市場での利用拡大を図っています。
これらのツール群については、毎年安定的に売上高を計上してきましたが、4月の緊急事態宣言の発令後、企業の購買活動が減退した影響により売上高が大幅に減少しました。緊急事態宣言の解除に伴って徐々に回復してきていますが、「新型コロナショック」前の水準に戻るにはまだまだ時間がかかると予想しています。今後はネット広告やWebセミナーなど、「新型コロナ時代」に即したマーケティング活動を推進することで売上高を回復させていきます。
統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」は、発売以来着実に市場浸透が進み、市場からも高い評価を得て導入企業実績は190社を超えました。本製品の強みは、プロジェクト管理の事実上の世界標準であるPMBOKの管理エリアを統合していることです。ERPのノウハウ・構想力がないと作れないという参入障壁があるため、このコンセプトで競合する製品はほとんどありません。これまで顧客のサーバーに導入するオンプレミス型が中心でしたが、クラウドサービスの利用料として毎月一定額を請求するサブスクリプション型での導入が増加しています。2021年度にはサブスクリプションモデルへ完全移行し、ストック比率を高める戦略です。
また、2020年7月1日から中小企業向けのERP連携として「勘定奉行クラウド(注1)」と連携する「奉行API連携オプション」の販売を開始しました。この連携を新たな武器として中小企業に拡販し、サブスクリプション販売を強化してストック型ビジネスを拡大していきます。
アプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」は、ソフトウェア開発におけるCADという新しい発想の製品です。今後、ソフトウェア業界がCADを用いて設計作業を行うようになることを見込んで、既に特許を取得しています。IT業界の人手不足が深刻になる中、生産性を高めるツールとして注目されています。2019年6月から販売を開始した完全Web版は、クラウドサービスのサブスクリプションモデルとなっており、設計作業の生産性を大幅に向上させるツールとして販売を拡大しています。
以上の結果、Object Browser事業の主力製品である「SI Object Browser」と「SI Object Browser PM」の2製品が、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動縮小の影響を受けていることと、「SI Object Browser PM」のサブスクリプションモデルへの移行に伴う影響もあり、当第1四半期累計期間の売上高は170,604千円(前年同四半期比12.9%減)、営業利益は58,186千円(前年同四半期比38.0%減)となりました。
注1:「勘定奉行クラウド」は、株式会社オービックビジネスコンサルタントのERP製品で、中堅・中規模向けERPでシェアNo.1の導入実績を誇る同社のクラウド会計システムです。
② E-Commerce事業
E-Commerce事業は、日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」を主力製品として構成されています。EC市場は堅調に発展し続けており、この先もさらに伸びるものと思われます。市場の拡大につれて競争が激化して採算悪化に陥る同業他社が多い中、20年以上もECサイト構築事業を行ってきたノウハウを生かして、大規模なECサイトを着実に稼働して売上を増やす技術力が評価されています。また、一昨年より実施している開発手法の見直しや業務改善の取り組みが奏効し、営業利益率を年々向上させることに成功して、利益率の高いビジネスに変革しています。現在は、他事業にも同様の取り組みを展開し、全事業においても利益率の改善に取り組んでいます。
当期は、第三者機関によるセキュリティ診断を受けた最新バージョン「SI Web Shopping Ver.12.8」を2020年6月1日にリリースし、本製品の強みである「堅牢なセキュリティ」を更に強化し、顧客ニーズに応えています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、人々の購買行動を実店舗での買い物からインターネット通販サイトでの買い物へと変化させています。ただし、当社のE-Commerce事業は大規模なECサイトが多いので今のところ直接的なプラス効果はありません。4月の緊急事態宣言により、一時的に顧客の意思決定スピードが鈍化したことで、新規受注のタイミングにズレが生じていますが、潜在需要は堅調なことから、今後の受注増加に対応できるよう開発体制を整えています。
以上の結果、E-Commerce事業の当第1四半期累計期間の売上高は168,044千円(前年同四半期比39.0%増)、営業利益は16,958千円(前年同四半期は1,234千円)と増収増益となっています。新型コロナウイルス感染拡大による顧客の活動低下の影響を受けている割には順調なスタートとなりました。
③ ERP・AI事業
ERP・AI事業は、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」とAI製品シリーズであるディープラーニング異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」を主力製品として構成されています。「GRANDIT」はコンソーシアム方式なので、同一製品を複数のコンソーシアム企業が販売しています。当社は「GRANDIT」の企画・開発から携わった開発力と製造業向けの知識、ノウハウを強みに、生産管理アドオンモジュールを自社で開発し、当社のお客様だけでなく他のコンソーシアム企業にも販売してきました。2019年8月には、製造業での、生産、販売、据付・設置、アフターサービスの業態に一気通貫で対応できる以下のアドオンモジュールをバージョンアップおよび新規リリースしました。
・生産管理アドオンモジュール
・工事管理アドオンモジュール
・原価管理アドオンモジュール
・継続取引管理アドオンモジュール
これらの製品の効果で製造業、工事・エンジニアリング業、プロジェクト単位で業務を行う業種向けに販売数が増えています。当社の強みは、自社内の基幹業務に「GRANDIT」を利用し、当社の自社開発パッケージ「SI Object Browser PM」と密接に連携させた上で、「継続取引管理アドオンモジュール」も利用することにより、自らIT企業における理想的な合理化モデルを実現している点で、自社で使っているならではの効果的な提案ができています。
また、当社では社員が開発した優れたプログラムを商品化する「買い取り制度」があります。前期はその第一号として、「GRANDIT」のソースコードを一切変更せずに、お客様の特別な仕様を簡単に追加開発できる「コーディングレス開発ツール」を商品化し販売開始しました。これにより、追加開発における従来のプログラミング負荷を20~30%削減でき、ERPビジネスでの価格競争力強化に大きく貢献するものと期待できます。また、当社はGRANDITコンソーシアム内において、1年間に最もGRANDITを販売した企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」を過去5回受賞しています。この度、2019年のアワードを取得できて6度目の受賞となり、名実ともにGRANDIT事業をリードしています。
最近はクラウド上に基幹業務システムを構築するケースがほとんどです。当社でも「GRANDIT」や「SI Object Browser PM」をアマゾンウェブサービス(AWS)クラウドに移行し、その構築・運用ノウハウをベースに、インターネットイニシアティブ「GIOインフラストラクチャーP2」、アマゾンウェブサービス(AWS)クラウドやマイクロソフト「Azure」などお客様のシステム要件に合った複数のクラウドサービスを提案し、単なるシステム構築だけでなく運用も含めてワンストップでサポートするパートナー企業として事業拡大を行っています。また、2019年3月からは「GRANDIT」サブスクリプションモデルも提供しています。ノウハウや機能はそのままに、より低コストかつ短納期での導入が可能となるため、中小企業も含めてターゲット範囲を拡大しています。
新事業としては、2018年10月からディープラーニング異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」の販売を開始しています。前期からこの事業をERP事業と統合して、ERPビジネスで蓄積された業務ノウハウを武器に製造業へのAIビジネスの展開を行っています。これまでに多くの企業から、工場で行っている目視検査を代替できないかという引き合いを受け、案件をこなしながらノウハウを蓄積して製品強化、ソリューション力向上を行っています。現在の状況は導入に向けてのPoC(概念実証)を顧客と協力しながら、実施しています。開発にあたっては、カメラメーカーや製造ラインメーカーなど顧客企業のみならず様々な企業と連携して実施しています。
以上の結果、ERP・AI事業の当第1四半期累計期間の売上高は566,028千円(前年同四半期比23.7%増)、営業損失は625千円(前年同四半期は25,373千円の営業損失)となりました。ERP事業は景気後退の影響を受けやすい事業ですが、今のところ新型コロナウイルス感染拡大による経済活動縮小の影響はあまりなく、企業の投資意欲は引き続き堅調です。今後事業環境に変化がある可能性がありますが、ERP・AI事業の当第1四半期の業績は好調なスタートとなっています。
④ その他の事業
その他の事業には、プログラミングスキル判定サービスの「TOPSIC」、その他の研究開発費投資が含まれています。
・プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」
日本のIT人材は2030年には78万人不足すると言われており、現在でもIT業界は深刻な人手不足の状態にあります。この状況を解決するためには、まずはプログラミング力を身につけたエンジニアを増やし、育てていくことが重要だと当社は考えています。日本のIT人材育成を目的とした事業として2018年よりプログラミングスキルを判定できるオンラインテストサービス「TOPSIC」を新規事業としてスタートしました。
「TOPSIC」はオンライン・リアルタイムで受験者のプログラミングスキルを判定できるクラウドサービスです。企業の中途採用者のスクリーニングや社員のプログラミング教育などのニーズをとらえて、売上高は順調に推移しています。
また、小学校、中学校といった各教育現場での「プログラミング」の必修化を見据え、2019年4月から
「TOPSIC」の「アカデミックプラン」と「研修サービスプラン」を開始し、法政大学や多摩大学、立教池袋中学・高等学校に導入するなど教育現場への事業拡大も順調に進んでいます。本製品はサブスクリプション型の収益モデルとなっており、サービス開始から契約社数は順調に増加し続けています。しかしながら、この分野も新型コロナウイルス感染拡大による経済活動縮小の影響により契約延期や解約するお客様も出ており、今後、いかに解約を抑えるかが重要な局面となっています。
イベント事業として2018年から注力しているプログラミングコンテスト「PG Battle」は、年々知名度が高まっており、2018年の第1回目が260チーム、780名に参加いただき、2019年の第2回では444チーム、1,332名まで大幅に増加しています。当期は、2020年10月24日に第3回目の開催を予定しており、業界内外からも高い注目を集め、更なる増加が見込まれます。なお、第2回目からスポンサー制度を採用し、23社(うちメディアスポンサー3社)の協賛をいただきました。本イベントを通じてIT業界全体の活性化にも寄与してまいります。
「TOPSIC」は、小中学生向けのプログラミング教育を行う非営利団体へ無償提供も行っており、日本におけるプログラミング人材の育成、増加に貢献するための持続可能な事業として、今後も拡大していきたいと考えています。
(2)財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ198,793千円減少し2,390,940千円となりました。これは主として、現金及び預金の増加239,497千円、売掛金の減少632,740千円、仕掛品の増加143,085千円、その他の流動資産の増加51,385千円などによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ80,004千円増加し778,783千円となりました。これは主として、有形固定資産の増加25,914千円、ソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加29,828千円、投資その他の資産の増加24,261千円などによるものであります。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ118,788千円減少し3,169,724千円となりました。
(負債)
負債は、前事業年度末に比べ23,756千円減少し1,000,334千円となりました。これは主として、買掛金の減少127,055千円、前受金の増加138,601千円、賞与引当金の減少110,393千円、その他の流動負債の増加52,975千円などによるものであります。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べ95,032千円減少し2,169,390千円となりました。これは主として、四半期純利益の計上45,062千円、配当金の支払143,105千円などによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期累計期間の研究開発費の総額は8,011千円であります。
なお、当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。