有価証券報告書-第26期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態
当事業年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりです。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、209,897千円増加し、3,498,411千円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べ45,068千円減少し2,544,665千円となりました。これは主として、現金及び預金の増加177,077千円、仕掛品の増加194,308千円、前払費用の増加6,875千円、売掛金の減少381,850千円、前渡金の減少39,791千円などによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ254,966千円増加し953,746千円となりました。これは主として、工具、器具及び備品の増加34,551千円増加、ソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加167,077千円、投資有価証券の増加24,534千円増加、その他の固定資産の増加41,664千円増加などによるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ42,882千円増加し1,066,973千円となりました。これは主として、受注損失引当金の増加231,592千円、買掛金の減少102,790千円、未払法人税等の減少46,497千円、賞与引当金の減少36,950千円などによるものであります。
純資産は、前事業年度末に比べ167,015千円増加し2,431,437千円となりました。これは主に当期純利益の計上293,059千円、配当金の支払143,105千円などによるものであります。
②経営成績
当事業年度の業績は、売上高4,258,759千円(前期比6.5%減)、売上総利益1,409,775千円(前期比19.7%減)、営業利益416,630千円(前期比37.0%減)、経常利益423,784千円(前期比36.2%減)、当期純利益293,059千円(前期比36.1%減)となりました。
各セグメント別の業績は、次のとおりであります。
Object Browser事業の売上高は657,050千円(前期比14.4%減)、営業利益は223,207千円(前期比31.7%減)となりました。
E-Commerce事業の売上高は831,187千円(前期比0.2%増)、営業利益は212,049千円(前期比3.0%増)となりました。
ERP・AI事業の売上高は2,733,716千円(前期比6.2%減)、営業利益は31,758千円(前期比82.6%減)となりました。
その他は、報告セグメントに該当しない新規事業を含んでおり、売上高36,805千円(前期比13.2%減)、営業損失50,384千円(前期は54,539千円の損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,473,588千円となりました。主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは683,559千円のプラス(前事業年度は450,890千円のプラス)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上423,784千円、減価償却費の計上128,178千円、受注損失引当金の増加231,592千円、売上債権の減少381,850千円などの資金増加要因が、たな卸資産の増加194,300千円、仕入債務の減少102,790千円、法人税等の支払額173,587千円などの資金減少要因を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは363,693千円のマイナス(前事業年度は246,551千円のマイナス)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出39,518千円、無形固定資産の取得による支出277,991千円、敷金及び保証金の差し入れによる支出46,683千円などによるものであります。無形固定資産の取得による主な支出は、自社パッケージ開発に伴うソフトウェアの増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは142,788千円のマイナス(前事業年度は227,102千円のマイナス)となりました。これは主に配当金の支払額142,788千円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、当期総制作費用であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年5月27日)現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、また、新型コロナウイルス感染症による国内経済への影響や企業の設備投資動向など当社事業活動に影響を及ぼす可能性も加味したうえで合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。重要な会計方針及び見積りの内容は「注記事項」に記載しておりますが、当社の財務諸表に与える影響が大きいと考えられるものは以下のとおりです。
a.受注損失引当金
請負契約等に係る開発案件のうち、事業年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、将来の損失に備えるため、翌期以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。将来の損失の見積りは、見積時点での原価の発生状況、開発プロジェクトの進捗状況、開発体制の状況等を勘案し、可能な限り慎重に算定しておりますが、将来における不確実性を含むため、見積金額との差異が発生した場合には、財務諸表に重大な影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産の評価
当社は、繰延税金資産について、事業計画等に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や過程に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用が計上される可能性があります。
②事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
a.経営成績等
1)財政状態
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、209,897千円増加し、3,498,411千円となっています。これは主に現金及び預金の増加177,077千円、仕掛品の増加194,308千円、ソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加167,077千円、売掛金の減少381,850千円などによるものです。自己資本比率は前事業年度末の68.9%から当事業年度末は69.5%と0.6ポイント上昇し、財務健全性は高い水準を維持しております。また、総資産経常利益率は前事業年度は22.0%でしたが、当事業年度は12.5%と9.5ポイントの減少となりましたが、これは主にERP・AI事業での受注損失引当金231,609千円の計上にともなう経常利益の減少が原因となっており、当事業年度特有のマイナス要因となります。
2)経営成績
中期経営計画「Break 2018」の3年目となる当期では、立案当初に掲げた①「既存事業のシェア拡大」、②「海外拠点の確立」、③「AI事業の確立」、④「社員のスキル向上」、⑤「国内TOPの合理化企業」という5つの目標に向けた最後の仕上げの年度となりました。最初の2年は着実に中期経営計画を推進して2年連続で過去最高の売上高・経常利益を更新できたのですが、集大成となるべき当期に大幅な減速となってしまいました。
(売上高)
新型コロナウイルス感染拡大にともなう企業活動減退の影響により、Object Browser事業の売上高が前期比14.4%減と大幅に減少しました。また、ERP・AI事業では不採算プロジェクトの発生により、新規開発案件の受注に影響が及びERP・AI事業の売上高が前期比6.2%減となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ6.5%減少の4,258,759千円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前事業年度に比べ345,873千円減少の1,409,775千円となりました。当期はERP・AI事業における受注損失引当金231,609千円の計上による影響が大きく、売上総利益率は、前事業年度に比べ5.5ポイント低下し、33.1%となっています。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ101,278千円減少の993,144千円となりました。当事業年度は、新型コロナウイルス感染拡大による経済状況のマイナス影響を見込み、積極的な投資の停止や広告宣伝活動の縮小などのコスト削減を行いました。
(営業利益・経常利益)
営業利益は、新型コロナウイルス感染拡大にともなう企業活動減退の影響によるObject Browser事業の事業利益減少と、ERP・AI事業の受注損失引当金の計上の影響により、全社営業利益は、前事業年度に比べ244,594千円減少の416,630千円となりました。
経常利益は、地方企業向け教育研修による講演料等収入が前事業年度に比べ3,967千円増加し、5,672千円となりましたが、営業利益の減少により前事業年度に比べ240,893千円減少の423,784千円となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ165,500千円減少の293,059千円となりました。
これは、営業利益の減少によるもので、課税所得、税効果計算、税額計算において特別な事象はありません。
3)キャッシュフローの状況
なお、当事業年度のキャッシュフローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要・③キャッシュフローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「a.経営成績等 2)経営成績」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
資金については、現金及び預金が当事業年度末は1,473,588千円と前事業年度末に比べ177,077千円増加しております。これらの資金は、今後の事業拡大のため、既存製品の機能拡充のための製品開発投資、人工知能ビジネス拡大のための研究開発投資、社員教育及び人材採用等の人材開発投資、及びベトナム拠点設置等の海外投資資金として活用していく予定としております。
財務政策
当社は、財務の基本方針として設備投資等の資金需要については、まずは自己資金を充当することとしており、一時的に多額の資金が必要となる場合には、必要に応じ金融機関からの借入れを行うこととしております。当事業年度末における手元資金は1,473,588千円と資産合計の42.1%を占めており、現時点では借入れを要する多額の投資等の予定はありません。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営方針は、「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作る。その働きやすい雰囲気の中で創造力・技術力を常に高め、品質の高いソリューションをお客様に提供し続ける。」というものです。
ソフトウェア企業にとって人材こそが最も価値ある資産であり、ソフトウェア開発には、創造力や技術力が必要です。良い発想やアイデアは良い労働環境なくしては生まれてきません。そして、その環境は会社が一方的に与えるものではなく、社員全員で創り出していくものだと考えています。
当社では、風通しの良さ、相互尊重の精神を実現するため、部下が管理職を評価する行動指針アンケート、働きやすい職場環境を実現するための社員満足度アンケートを毎年実施しています。これらの取組みにより比較的離職率が高いといわれるIT業界において、当社の離職率は5%未満を維持してきました。残念ながら当事業年度は、新型コロナウイルス感染防止でリモートワーク率を高めたことによるコミュニケーションの低下が要因となり、離職率は6.9%となっています。
また当社は働き方改革にも積極的に取り組んでいます。社員が心身ともに健康であることが良い仕事をするために重要であり、ワークライフバランスを保つことが必要です。そのためには生産性の向上が不可欠です。当社は中期経営計画「Break2018」の重点施策として国内トップの合理化企業を目指し、IT活用による業務の効率化、自動化に取り組みました。フレックスタイム制度や在宅勤務など多様な働き方の整備にも取り組んできたことにより、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令時には、全社一斉の在宅勤務に素早く切り替えることができました。
当社の経営戦略は、「Catch and Grow」です。時代のニーズをいち早くキャッチして新製品を企画・開発し、これをデファクトスタンダード製品に育てていきます。特定製品や特定分野に依存しないことで事業リスクを分散し、着実な成長を図っていくことができます。また、当社は「社員全員が一流の技術者」であることを社是に掲げ、技術力で勝負をする会社でありたいと考えています。特定製品や特定分野に依存しない「Catch and Grow」戦略は、世の先端をいく新しい技術を事業に取り入れていく戦略でもあります。当社は時代ニーズに合わせ常に進化を続ける会社であり、社員もまた同様に日々研鑽を重ねて成長していくことができます。この「Catch and Grow」戦略で現在までに、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」、プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM(OBPM Neo)」の4製品を収益の柱に育て、次の新たな柱に育てる新製品としてプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」、AI(人工知能)を使った「AISI∀」シリーズ製品を次々と生み出しています。新中期経営計画「SDGs Mind 2021」では、新製品の研究開発や既存製品の機能拡張などを行いながら2022年2月期には経常利益636,000千円、経常利益率13.1%を目標としています。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態
当事業年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりです。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、209,897千円増加し、3,498,411千円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べ45,068千円減少し2,544,665千円となりました。これは主として、現金及び預金の増加177,077千円、仕掛品の増加194,308千円、前払費用の増加6,875千円、売掛金の減少381,850千円、前渡金の減少39,791千円などによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ254,966千円増加し953,746千円となりました。これは主として、工具、器具及び備品の増加34,551千円増加、ソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加167,077千円、投資有価証券の増加24,534千円増加、その他の固定資産の増加41,664千円増加などによるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ42,882千円増加し1,066,973千円となりました。これは主として、受注損失引当金の増加231,592千円、買掛金の減少102,790千円、未払法人税等の減少46,497千円、賞与引当金の減少36,950千円などによるものであります。
純資産は、前事業年度末に比べ167,015千円増加し2,431,437千円となりました。これは主に当期純利益の計上293,059千円、配当金の支払143,105千円などによるものであります。
②経営成績
当事業年度の業績は、売上高4,258,759千円(前期比6.5%減)、売上総利益1,409,775千円(前期比19.7%減)、営業利益416,630千円(前期比37.0%減)、経常利益423,784千円(前期比36.2%減)、当期純利益293,059千円(前期比36.1%減)となりました。
各セグメント別の業績は、次のとおりであります。
Object Browser事業の売上高は657,050千円(前期比14.4%減)、営業利益は223,207千円(前期比31.7%減)となりました。
E-Commerce事業の売上高は831,187千円(前期比0.2%増)、営業利益は212,049千円(前期比3.0%増)となりました。
ERP・AI事業の売上高は2,733,716千円(前期比6.2%減)、営業利益は31,758千円(前期比82.6%減)となりました。
その他は、報告セグメントに該当しない新規事業を含んでおり、売上高36,805千円(前期比13.2%減)、営業損失50,384千円(前期は54,539千円の損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,473,588千円となりました。主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは683,559千円のプラス(前事業年度は450,890千円のプラス)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上423,784千円、減価償却費の計上128,178千円、受注損失引当金の増加231,592千円、売上債権の減少381,850千円などの資金増加要因が、たな卸資産の増加194,300千円、仕入債務の減少102,790千円、法人税等の支払額173,587千円などの資金減少要因を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは363,693千円のマイナス(前事業年度は246,551千円のマイナス)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出39,518千円、無形固定資産の取得による支出277,991千円、敷金及び保証金の差し入れによる支出46,683千円などによるものであります。無形固定資産の取得による主な支出は、自社パッケージ開発に伴うソフトウェアの増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは142,788千円のマイナス(前事業年度は227,102千円のマイナス)となりました。これは主に配当金の支払額142,788千円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) | |
| Object Browser事業 | 246,473 | 97.5 | |
| E-Commerce事業 | 445,072 | 106.4 | |
| ERP・AI事業 | 1,774,772 | 94.1 | |
| 報告セグメント計 | 2,466,317 | 96.5 | |
| その他 | 39,112 | 110.8 | |
| 合計 | 2,505,429 | 96.7 | |
(注)1 金額は、当期総制作費用であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) | |
| Object Browser 事業 | 655,190 | 87.4 | 10,708 | 85.2 | |
| E-Commerce事業 | 852,806 | 109.8 | 69,865 | 144.8 | |
| ERP・AI事業 | 2,548,738 | 71.9 | 1,028,261 | 84.8 | |
| 報告セグメント計 | 4,056,735 | 80.0 | 1,108,834 | 87.0 | |
| その他 | 39,955 | 94.2 | 3,150 | ― | |
| 合計 | 4,096,691 | 80.1 | 1,111,984 | 87.3 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) | |
| Object Browser 事業 | 657,050 | 85.6 | |
| E-Commerce事業 | 831,187 | 100.2 | |
| ERP・AI事業 | 2,733,716 | 93.8 | |
| 報告セグメント計 | 4,221,954 | 93.6 | |
| その他 | 36,805 | 86.8 | |
| 合計 | 4,258,759 | 93.5 | |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年5月27日)現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、また、新型コロナウイルス感染症による国内経済への影響や企業の設備投資動向など当社事業活動に影響を及ぼす可能性も加味したうえで合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。重要な会計方針及び見積りの内容は「注記事項」に記載しておりますが、当社の財務諸表に与える影響が大きいと考えられるものは以下のとおりです。
a.受注損失引当金
請負契約等に係る開発案件のうち、事業年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、将来の損失に備えるため、翌期以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。将来の損失の見積りは、見積時点での原価の発生状況、開発プロジェクトの進捗状況、開発体制の状況等を勘案し、可能な限り慎重に算定しておりますが、将来における不確実性を含むため、見積金額との差異が発生した場合には、財務諸表に重大な影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産の評価
当社は、繰延税金資産について、事業計画等に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や過程に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用が計上される可能性があります。
②事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
a.経営成績等
1)財政状態
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、209,897千円増加し、3,498,411千円となっています。これは主に現金及び預金の増加177,077千円、仕掛品の増加194,308千円、ソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加167,077千円、売掛金の減少381,850千円などによるものです。自己資本比率は前事業年度末の68.9%から当事業年度末は69.5%と0.6ポイント上昇し、財務健全性は高い水準を維持しております。また、総資産経常利益率は前事業年度は22.0%でしたが、当事業年度は12.5%と9.5ポイントの減少となりましたが、これは主にERP・AI事業での受注損失引当金231,609千円の計上にともなう経常利益の減少が原因となっており、当事業年度特有のマイナス要因となります。
2)経営成績
中期経営計画「Break 2018」の3年目となる当期では、立案当初に掲げた①「既存事業のシェア拡大」、②「海外拠点の確立」、③「AI事業の確立」、④「社員のスキル向上」、⑤「国内TOPの合理化企業」という5つの目標に向けた最後の仕上げの年度となりました。最初の2年は着実に中期経営計画を推進して2年連続で過去最高の売上高・経常利益を更新できたのですが、集大成となるべき当期に大幅な減速となってしまいました。
(売上高)
新型コロナウイルス感染拡大にともなう企業活動減退の影響により、Object Browser事業の売上高が前期比14.4%減と大幅に減少しました。また、ERP・AI事業では不採算プロジェクトの発生により、新規開発案件の受注に影響が及びERP・AI事業の売上高が前期比6.2%減となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ6.5%減少の4,258,759千円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前事業年度に比べ345,873千円減少の1,409,775千円となりました。当期はERP・AI事業における受注損失引当金231,609千円の計上による影響が大きく、売上総利益率は、前事業年度に比べ5.5ポイント低下し、33.1%となっています。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ101,278千円減少の993,144千円となりました。当事業年度は、新型コロナウイルス感染拡大による経済状況のマイナス影響を見込み、積極的な投資の停止や広告宣伝活動の縮小などのコスト削減を行いました。
(営業利益・経常利益)
営業利益は、新型コロナウイルス感染拡大にともなう企業活動減退の影響によるObject Browser事業の事業利益減少と、ERP・AI事業の受注損失引当金の計上の影響により、全社営業利益は、前事業年度に比べ244,594千円減少の416,630千円となりました。
経常利益は、地方企業向け教育研修による講演料等収入が前事業年度に比べ3,967千円増加し、5,672千円となりましたが、営業利益の減少により前事業年度に比べ240,893千円減少の423,784千円となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ165,500千円減少の293,059千円となりました。
これは、営業利益の減少によるもので、課税所得、税効果計算、税額計算において特別な事象はありません。
3)キャッシュフローの状況
なお、当事業年度のキャッシュフローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要・③キャッシュフローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「a.経営成績等 2)経営成績」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
資金については、現金及び預金が当事業年度末は1,473,588千円と前事業年度末に比べ177,077千円増加しております。これらの資金は、今後の事業拡大のため、既存製品の機能拡充のための製品開発投資、人工知能ビジネス拡大のための研究開発投資、社員教育及び人材採用等の人材開発投資、及びベトナム拠点設置等の海外投資資金として活用していく予定としております。
財務政策
当社は、財務の基本方針として設備投資等の資金需要については、まずは自己資金を充当することとしており、一時的に多額の資金が必要となる場合には、必要に応じ金融機関からの借入れを行うこととしております。当事業年度末における手元資金は1,473,588千円と資産合計の42.1%を占めており、現時点では借入れを要する多額の投資等の予定はありません。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営方針は、「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作る。その働きやすい雰囲気の中で創造力・技術力を常に高め、品質の高いソリューションをお客様に提供し続ける。」というものです。
ソフトウェア企業にとって人材こそが最も価値ある資産であり、ソフトウェア開発には、創造力や技術力が必要です。良い発想やアイデアは良い労働環境なくしては生まれてきません。そして、その環境は会社が一方的に与えるものではなく、社員全員で創り出していくものだと考えています。
当社では、風通しの良さ、相互尊重の精神を実現するため、部下が管理職を評価する行動指針アンケート、働きやすい職場環境を実現するための社員満足度アンケートを毎年実施しています。これらの取組みにより比較的離職率が高いといわれるIT業界において、当社の離職率は5%未満を維持してきました。残念ながら当事業年度は、新型コロナウイルス感染防止でリモートワーク率を高めたことによるコミュニケーションの低下が要因となり、離職率は6.9%となっています。
また当社は働き方改革にも積極的に取り組んでいます。社員が心身ともに健康であることが良い仕事をするために重要であり、ワークライフバランスを保つことが必要です。そのためには生産性の向上が不可欠です。当社は中期経営計画「Break2018」の重点施策として国内トップの合理化企業を目指し、IT活用による業務の効率化、自動化に取り組みました。フレックスタイム制度や在宅勤務など多様な働き方の整備にも取り組んできたことにより、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令時には、全社一斉の在宅勤務に素早く切り替えることができました。
当社の経営戦略は、「Catch and Grow」です。時代のニーズをいち早くキャッチして新製品を企画・開発し、これをデファクトスタンダード製品に育てていきます。特定製品や特定分野に依存しないことで事業リスクを分散し、着実な成長を図っていくことができます。また、当社は「社員全員が一流の技術者」であることを社是に掲げ、技術力で勝負をする会社でありたいと考えています。特定製品や特定分野に依存しない「Catch and Grow」戦略は、世の先端をいく新しい技術を事業に取り入れていく戦略でもあります。当社は時代ニーズに合わせ常に進化を続ける会社であり、社員もまた同様に日々研鑽を重ねて成長していくことができます。この「Catch and Grow」戦略で現在までに、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」、プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM(OBPM Neo)」の4製品を収益の柱に育て、次の新たな柱に育てる新製品としてプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」、AI(人工知能)を使った「AISI∀」シリーズ製品を次々と生み出しています。新中期経営計画「SDGs Mind 2021」では、新製品の研究開発や既存製品の機能拡張などを行いながら2022年2月期には経常利益636,000千円、経常利益率13.1%を目標としています。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容