有価証券報告書-第20期(2023/03/01-2024/02/29)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(自2023年3月1日至2024年2月29日)における日本経済は、5月に新型コロナ感染症が第5類へ移行したことによる個人消費のリバウンド需要や、入国制限の大幅な緩和による訪日外国人数の回復に伴うインバウンド需要拡大など、アフターコロナ下での経済活動の正常化が進みました。個人消費については、原材料費の高騰や為替等の影響により多くの分野で商品・サービス価格が上昇し、秋口からやや弱含みとなりましたが、インバウンド需要が引き続き拡大したことや、内需企業でコスト上昇分の価格転嫁が進んだこと、輸出企業についても円安が追い風となったことなど企業業績全般が拡大し、2023年暦年の実質GDPは前年比1.9%増と3年連続のプラス成長となり、景気は緩やかながらも回復基調で推移いたしました。
景況感の回復に伴い、企業の設備投資意欲は回復してきております。中でも、既存システムの刷新やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進への投資意欲が高まっており、特にDXについては、新型コロナ禍における一過性・限定的なDX投資から、業務効率の向上や改善、省人化などへ向けた普遍的・積極的なDX化への投資が引き続き力強いものとなっております。また、産業分野だけではなく、デジタル化による新しい生活様式へ向けて、教育、健康、医療、決済、行政、エンターテインメント等のあらゆる領域で構造変化の流れが継続しており、今後も、IoT(インターネット・オブ・シングス)市場の成長や生成AIの普及・利用などと相まって、DXおよびICT市場は引き続き成長していくことが予想されます。
こうした状況の中、当社グループにおいては、昨年10月に当連結会計年度を1年目とする中期経営計画を発表いたしました。従来の受託系事業中心から収益性の高い自社事業へと軸足を移すことを目指すものであり、ライフデザイン事業ではゲームソフト、キッズアプリなどのコンシューマ事業やヘルスケア、FinTech等のBtoBサービス、AI&クラウド事業ではAIチャットボットなどのSaaS関連や生成AIを活用したAIソリューション、コネクテッド事業ではaiwa事業など自社製品事業の拡大により収益性の向上を図り、中長期的な成長と収益性向上を目指すものです。当連結会計年度においては、酒販業界におけるキャッシュレス決済等のDXサービスを提供する「スマはっちゅう㈱)」の運営開始、医療介護向けプラットフォーム「KarteConnect」の導入やAI健康アプリ等で健康管理サービスを展開している「㈱リンクアンドコミュニケーション」の連結子会社化、AIチャットボット事業の拡大や自社製品aiwa事業の本格立上げなど、中期経営計画で策定した各セグメントの重点戦略は順調に進みました。
一方で足許の業績としては、コネクテッド事業はコロナ禍明けによるODM事業の復調やaiwa事業の成長による増収、AI&クラウド事業はSaaS事業の採算改善による増益で推移したものの、昨年度利益構成として最大であったライフデザイン事業が、大きく減益となりました。ライフデザイン事業においては、2021年度国内、2022年度海外において大きく販売を伸ばしたゲームソフトの需要一巡に加え、新作ゲームソフトの発売時期を年度末に見直したこと、ソリューション系事業において不採算プロジェクトが発生したこと、これに加えて㈱リンクアンドコミュニケーションの子会社化に伴いネオス㈱のヘルスケア事業の2024年1月、2月が連結除外となったことなどが減益の大きな要因です。以上により営業利益は損失計上となりましたが、コネクテッド事業における為替予約オペレーションによる為替差益、ホールディングカンパニーにおける有価証券売却益や投資組合運用益により、経常利益、純利益は夫々利益を計上する結果となりました。
これらにより、当連結会計年度における当社グループの売上高は8,736,684千円(前期比0.9%増)、営業損失は122,979千円(前期は営業利益180,578千円)、経常利益は132,661千円(前期比65.7%減)、純利益は73,927千円(前期比71.9%減)となりました。
セグメント別の事業動向については以下の通りです。
<ライフデザイン事業>当連結会計年度におけるライフデザイン事業の売上高は2,672,528千円(前期比20.3%減)、セグメント利益は5,125千円(前期比98.9%減)となりました。
ライフデザイン事業については、コンシューマ事業において、前期はゲームソフトの海外版が通期で収益貢献したのに対し、当期は、これらの需要が一巡したことに加え、新作ゲームソフトNintendo Switch「クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』」の発売を年度末時期に見直したこと、ソリューション系の事業において自社事業のBtoBサービスにリソースをシフトしたことによる売上減少や不採算プロジェクト案件が発生したこと、また、㈱リンクアンドコミュニケーションの子会社化に伴いネオス㈱のヘルスケア事業の2024年1月、2月が連結除外となったことなどから、大きく減収減益となりました。
今期においては特にBtoBサービス分野の強化に努め、従来から展開している健康支援サービス「RenoBody」やハウス電子マネー決済サービス「ValueWallet」の更なる拡大、新たなサービスとして、キャッシュレス決済を含む酒販向けDXサービス「スマはっちゅう」の導入や医療介護向けプラットフォーム「KarteConnect」の提供開始、さらに、AI健康アプリ「カロママプラス」事業を営む㈱リンクアンドコミュニケーションの連結子会社化によるヘルスケア事業基盤の強化などに取り組みました。また、年度末に国内で発売した新作ゲームソフトについては、本年5月2日にアジア地域での完全ローカライズ版の発売を計画しており、今期においてはアジア各国における予約活動を開始したほか、世界展開に向けての準備を進めております。
当連結会計年度におけるAI&クラウド事業の売上高は1,828,233千円(前期比4.6%増)、セグメント利益は129,412千円(前期比114.6%増)となりました。
AI&クラウド事業については、自社製のAIチャットボットにOpenAI社のChatGPTを取り込んだ“OfficeBot powered by ChatGPT API”を他社に先駆けて製品化したことが奏功し、SaaS事業の売上高は大きく拡大いたしました。AIチャットボットへの問い合わせ数、顧客獲得数は順調に増えており、月次ベースでは採算面も大きく改善しつつあります。一方、ソリューション事業については、LLM(ラージ・ランゲージ・モデル)の知見や技術を活かしたソリューションなど当社として特徴のある分野に注力するためのリソースシフトを行い、一般受託開発の案件の絞り込みを行ったため売上高は減少しましたが、一方で、オフショア活用を含めた開発コストの改善が進み、これらの結果、セグメント業績は増収増益という結果となりました。なお、ソリューション分野におけるAI取り組み強化に向けては、本年2月に法人・自治体向けのセキュアな GPTモデルの活用環境の構築からカスタマイズまで対応したフレームワーク「AIdea Suite(アイデアスウィート)」の提供を開始しております。
<コネクテッド事業>当連結会計年度におけるコネクテッド事業の売上高は4,346,549千円(前期比16.9%増)、セグメント利益は18,812千円(前期はセグメント損失52,824千円)、為替差益を含めた実質セグメント利益は134,658千円(前期比9.7%減)となりました。
自社製品事業であるaiwa製品については、当年度が実質的に本格展開の初年度となりましたが、新製品投入によるラインアップ拡充に加え、マーケティング展開の強化に努め、オーディオで親しまれてきたaiwaブランドのデジタル製品という新しい顔についての顧客認知向上に力を入れてきました。製品についての評価も頂き、タブレットPCの各種販売ランキングでは複数機種が上位に定常的に入り、市場シェア拡大が進むなど、法人向け・個人向けの両市場でプレゼンスは高まりつつあります。
ODM事業についても、アフターコロナを背景にIoT関連の受注・売上高は拡大いたしましたが、利益面については、円安元高の為替変動が影響しました。顧客に提供する際に為替予約対策を行い日本円での提供価格については、為替変動を受けない対策を取っていますが、全ての部品に対して為替の影響から逃れることは出来ないこと、元高環境における顧客との価格、数量折衝において数量を確保するために原価率が上がることを許容せざる得ない局面があること等の要因があり、aiwa製品導入のためのマーケティング展開という費用増加面とあわせ、増収ながらも実質セグメント利益は減少することとなりました。なお、2023年3月に拡張移転した中国の新工場は順調に稼働し、ODM、aiwa製品の両事業の生産活動に貢献しております。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。
また、セグメント別の事業動向に記載の各セグメントの売上高については、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加えた金額を記載しております。詳細は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,662,384千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、60,689千円(前期は699,812千円の支出)となりました。これは主に前渡金の増加242,300千円、投資有価証券売却益114,142千円などの減少要因があったものの、減価償却費263,566千円、棚卸資産の減少242,374千円などの増加要因が減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,258,299千円(前期は601,303千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出610,306千円、出資金の払込による支出450,000千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、807,105千円(前期は783,710千円の支出)となりました。これは長期借入金による収入1,249,016千円などが主な要因であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は売上原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)3.当連結会計年度における株式会社ビットキーの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
4.前連結会計年度における株式会社サイン・ハウスの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は10,110,131千円となり、前連結会計年度末と比べて2,088,240千円増加いたしました。この増加の主な要因は、のれんが1,210,980千円、出資金が474,638千円、ソフトウェアが456,579千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債については、3,767,031千円となり、前連結会計年度末と比べ、1,339,106千円増加しておりますが、この増加の主たる要因は、金融機関からの借入金によるものであります。
当連結会計年度末の純資産については、6,343,099千円となり、前連結会計年度末と比べて749,133千円増加いたしました。この増加の主な要因は、株式会社リンクアンドコミュニケーションの株式取得等に伴い資本剰余金が増加したことなどによるものであります。
③経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載をしましたとおり、当社グループを取り巻く様々なリスク要因が当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。
このため、当社グループは、様々なリスクに対し可能な限りの対策を講じることで、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与えるリスク要因を低減させ、リスク要因に対して適切に対応していく所存であります。
⑤キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、IoT、ICTデバイスの製造やソフトウェア開発に係る人件費のほか、原材料を含む部材調達費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、主に設備投資、業務提携先への出資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や業務提携先への出資、M&A等の資金は、自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの長期借入や新株予約権等の発行を行うなど、資金調達の多様化を図っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は2,662,384千円であり、有利子負債の残高は2,403,917千円となっております。
⑦経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な事業規模拡大と利益の増大、および効率的な株主資本の運用による継続的な企業価値向上を目指しております。このような観点から、当社グループの重視する経営指標は、経常利益、純利益、及び自己資本利益率(ROE)と考えており、これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(自2023年3月1日至2024年2月29日)における日本経済は、5月に新型コロナ感染症が第5類へ移行したことによる個人消費のリバウンド需要や、入国制限の大幅な緩和による訪日外国人数の回復に伴うインバウンド需要拡大など、アフターコロナ下での経済活動の正常化が進みました。個人消費については、原材料費の高騰や為替等の影響により多くの分野で商品・サービス価格が上昇し、秋口からやや弱含みとなりましたが、インバウンド需要が引き続き拡大したことや、内需企業でコスト上昇分の価格転嫁が進んだこと、輸出企業についても円安が追い風となったことなど企業業績全般が拡大し、2023年暦年の実質GDPは前年比1.9%増と3年連続のプラス成長となり、景気は緩やかながらも回復基調で推移いたしました。
景況感の回復に伴い、企業の設備投資意欲は回復してきております。中でも、既存システムの刷新やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進への投資意欲が高まっており、特にDXについては、新型コロナ禍における一過性・限定的なDX投資から、業務効率の向上や改善、省人化などへ向けた普遍的・積極的なDX化への投資が引き続き力強いものとなっております。また、産業分野だけではなく、デジタル化による新しい生活様式へ向けて、教育、健康、医療、決済、行政、エンターテインメント等のあらゆる領域で構造変化の流れが継続しており、今後も、IoT(インターネット・オブ・シングス)市場の成長や生成AIの普及・利用などと相まって、DXおよびICT市場は引き続き成長していくことが予想されます。
こうした状況の中、当社グループにおいては、昨年10月に当連結会計年度を1年目とする中期経営計画を発表いたしました。従来の受託系事業中心から収益性の高い自社事業へと軸足を移すことを目指すものであり、ライフデザイン事業ではゲームソフト、キッズアプリなどのコンシューマ事業やヘルスケア、FinTech等のBtoBサービス、AI&クラウド事業ではAIチャットボットなどのSaaS関連や生成AIを活用したAIソリューション、コネクテッド事業ではaiwa事業など自社製品事業の拡大により収益性の向上を図り、中長期的な成長と収益性向上を目指すものです。当連結会計年度においては、酒販業界におけるキャッシュレス決済等のDXサービスを提供する「スマはっちゅう㈱)」の運営開始、医療介護向けプラットフォーム「KarteConnect」の導入やAI健康アプリ等で健康管理サービスを展開している「㈱リンクアンドコミュニケーション」の連結子会社化、AIチャットボット事業の拡大や自社製品aiwa事業の本格立上げなど、中期経営計画で策定した各セグメントの重点戦略は順調に進みました。
一方で足許の業績としては、コネクテッド事業はコロナ禍明けによるODM事業の復調やaiwa事業の成長による増収、AI&クラウド事業はSaaS事業の採算改善による増益で推移したものの、昨年度利益構成として最大であったライフデザイン事業が、大きく減益となりました。ライフデザイン事業においては、2021年度国内、2022年度海外において大きく販売を伸ばしたゲームソフトの需要一巡に加え、新作ゲームソフトの発売時期を年度末に見直したこと、ソリューション系事業において不採算プロジェクトが発生したこと、これに加えて㈱リンクアンドコミュニケーションの子会社化に伴いネオス㈱のヘルスケア事業の2024年1月、2月が連結除外となったことなどが減益の大きな要因です。以上により営業利益は損失計上となりましたが、コネクテッド事業における為替予約オペレーションによる為替差益、ホールディングカンパニーにおける有価証券売却益や投資組合運用益により、経常利益、純利益は夫々利益を計上する結果となりました。
これらにより、当連結会計年度における当社グループの売上高は8,736,684千円(前期比0.9%増)、営業損失は122,979千円(前期は営業利益180,578千円)、経常利益は132,661千円(前期比65.7%減)、純利益は73,927千円(前期比71.9%減)となりました。
セグメント別の事業動向については以下の通りです。
<ライフデザイン事業>当連結会計年度におけるライフデザイン事業の売上高は2,672,528千円(前期比20.3%減)、セグメント利益は5,125千円(前期比98.9%減)となりました。
ライフデザイン事業については、コンシューマ事業において、前期はゲームソフトの海外版が通期で収益貢献したのに対し、当期は、これらの需要が一巡したことに加え、新作ゲームソフトNintendo Switch「クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』」の発売を年度末時期に見直したこと、ソリューション系の事業において自社事業のBtoBサービスにリソースをシフトしたことによる売上減少や不採算プロジェクト案件が発生したこと、また、㈱リンクアンドコミュニケーションの子会社化に伴いネオス㈱のヘルスケア事業の2024年1月、2月が連結除外となったことなどから、大きく減収減益となりました。
今期においては特にBtoBサービス分野の強化に努め、従来から展開している健康支援サービス「RenoBody」やハウス電子マネー決済サービス「ValueWallet」の更なる拡大、新たなサービスとして、キャッシュレス決済を含む酒販向けDXサービス「スマはっちゅう」の導入や医療介護向けプラットフォーム「KarteConnect」の提供開始、さらに、AI健康アプリ「カロママプラス」事業を営む㈱リンクアンドコミュニケーションの連結子会社化によるヘルスケア事業基盤の強化などに取り組みました。また、年度末に国内で発売した新作ゲームソフトについては、本年5月2日にアジア地域での完全ローカライズ版の発売を計画しており、今期においてはアジア各国における予約活動を開始したほか、世界展開に向けての準備を進めております。
AI&クラウド事業については、自社製のAIチャットボットにOpenAI社のChatGPTを取り込んだ“OfficeBot powered by ChatGPT API”を他社に先駆けて製品化したことが奏功し、SaaS事業の売上高は大きく拡大いたしました。AIチャットボットへの問い合わせ数、顧客獲得数は順調に増えており、月次ベースでは採算面も大きく改善しつつあります。一方、ソリューション事業については、LLM(ラージ・ランゲージ・モデル)の知見や技術を活かしたソリューションなど当社として特徴のある分野に注力するためのリソースシフトを行い、一般受託開発の案件の絞り込みを行ったため売上高は減少しましたが、一方で、オフショア活用を含めた開発コストの改善が進み、これらの結果、セグメント業績は増収増益という結果となりました。なお、ソリューション分野におけるAI取り組み強化に向けては、本年2月に法人・自治体向けのセキュアな GPTモデルの活用環境の構築からカスタマイズまで対応したフレームワーク「AIdea Suite(アイデアスウィート)」の提供を開始しております。
<コネクテッド事業>当連結会計年度におけるコネクテッド事業の売上高は4,346,549千円(前期比16.9%増)、セグメント利益は18,812千円(前期はセグメント損失52,824千円)、為替差益を含めた実質セグメント利益は134,658千円(前期比9.7%減)となりました。
自社製品事業であるaiwa製品については、当年度が実質的に本格展開の初年度となりましたが、新製品投入によるラインアップ拡充に加え、マーケティング展開の強化に努め、オーディオで親しまれてきたaiwaブランドのデジタル製品という新しい顔についての顧客認知向上に力を入れてきました。製品についての評価も頂き、タブレットPCの各種販売ランキングでは複数機種が上位に定常的に入り、市場シェア拡大が進むなど、法人向け・個人向けの両市場でプレゼンスは高まりつつあります。
ODM事業についても、アフターコロナを背景にIoT関連の受注・売上高は拡大いたしましたが、利益面については、円安元高の為替変動が影響しました。顧客に提供する際に為替予約対策を行い日本円での提供価格については、為替変動を受けない対策を取っていますが、全ての部品に対して為替の影響から逃れることは出来ないこと、元高環境における顧客との価格、数量折衝において数量を確保するために原価率が上がることを許容せざる得ない局面があること等の要因があり、aiwa製品導入のためのマーケティング展開という費用増加面とあわせ、増収ながらも実質セグメント利益は減少することとなりました。なお、2023年3月に拡張移転した中国の新工場は順調に稼働し、ODM、aiwa製品の両事業の生産活動に貢献しております。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。
また、セグメント別の事業動向に記載の各セグメントの売上高については、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加えた金額を記載しております。詳細は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,662,384千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、60,689千円(前期は699,812千円の支出)となりました。これは主に前渡金の増加242,300千円、投資有価証券売却益114,142千円などの減少要因があったものの、減価償却費263,566千円、棚卸資産の減少242,374千円などの増加要因が減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,258,299千円(前期は601,303千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出610,306千円、出資金の払込による支出450,000千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、807,105千円(前期は783,710千円の支出)となりました。これは長期借入金による収入1,249,016千円などが主な要因であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | 前年同期比(%) |
| ライフデザイン事業(千円) | 1,551,343 | 153.2 |
| AI&クラウド事業(千円) | 849,801 | 51.4 |
| コネクテッド事業(千円) | 3,464,014 | 119.4 |
| 合計(千円) | 5,865,159 | 105.4 |
(注)金額は売上原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| ライフデザイン事業 | 2,810,931 | 130.3 | 231,334 | 308.4 |
| AI&クラウド事業 | 1,689,596 | 63.6 | 174,057 | 68.5 |
| コネクテッド事業 | 3,246,452 | 76.1 | 799,606 | 42.9 |
| 合計 | 7,746,980 | 85.3 | 1,204,997 | 54.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | 前年同期比(%) |
| ライフデザイン事業(千円) | 2,654,610 | 79.5 |
| AI&クラウド事業(千円) | 1,769,639 | 108.3 |
| コネクテッド事業(千円) | 4,312,435 | 117.0 |
| 合計(千円) | 8,736,684 | 100.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社ビットキー | 1,008,309 | 11.6 | - | - |
| 株式会社サイン・ハウス | - | - | 916,894 | 10.5 |
(注)3.当連結会計年度における株式会社ビットキーの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
4.前連結会計年度における株式会社サイン・ハウスの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は10,110,131千円となり、前連結会計年度末と比べて2,088,240千円増加いたしました。この増加の主な要因は、のれんが1,210,980千円、出資金が474,638千円、ソフトウェアが456,579千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債については、3,767,031千円となり、前連結会計年度末と比べ、1,339,106千円増加しておりますが、この増加の主たる要因は、金融機関からの借入金によるものであります。
当連結会計年度末の純資産については、6,343,099千円となり、前連結会計年度末と比べて749,133千円増加いたしました。この増加の主な要因は、株式会社リンクアンドコミュニケーションの株式取得等に伴い資本剰余金が増加したことなどによるものであります。
③経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載をしましたとおり、当社グループを取り巻く様々なリスク要因が当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。
このため、当社グループは、様々なリスクに対し可能な限りの対策を講じることで、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与えるリスク要因を低減させ、リスク要因に対して適切に対応していく所存であります。
⑤キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、IoT、ICTデバイスの製造やソフトウェア開発に係る人件費のほか、原材料を含む部材調達費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、主に設備投資、業務提携先への出資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や業務提携先への出資、M&A等の資金は、自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの長期借入や新株予約権等の発行を行うなど、資金調達の多様化を図っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は2,662,384千円であり、有利子負債の残高は2,403,917千円となっております。
⑦経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な事業規模拡大と利益の増大、および効率的な株主資本の運用による継続的な企業価値向上を目指しております。このような観点から、当社グループの重視する経営指標は、経常利益、純利益、及び自己資本利益率(ROE)と考えており、これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。