有価証券報告書-第35期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:06
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【項目】
77項目

対処すべき課題

当社は、経営資源を医療関連情報サービス事業に集中し、平成27年3月期より国策として推進が開始されたデータヘルス関連のサービスの内容の充実と販売地域の拡大により中期的な成長を目指します。
当社は、平成8年から医療関連データベースの開発を始め、紙レセプトをコードデータ化する技術を開発し、医療費の適正化とQOL向上のために、レセプトデータを分析して提供するサービスとシステムを開発してまいりました。
現在に至るまでに、レセプトデータを分析する技術で2つの特許を取得するなど、分析技術を高めるとともに、この分野のパイオニアとして、さまざまなサービスを開発し提供しております。
データヘルスは、平成27年3月期にPDCAサイクルのPlan(データヘルス計画)部分が義務化され、平成28年3月期以降にはDo(保健事業の実施)、Check(保健事業の検証)、Act(改善、次年度の計画へ)部分を含めた需要が本格化いたしました。
当社は、経営資源を医療関連情報サービス事業に集中し、レセプトデータ分析における実績と技術的アドバンテージを活かしたデータヘルス関連のサービスを、全国に展開して事業の拡大を目指してまいります。
これを推進していくための対処すべき課題は、①販売体制の強化、②サービスラインアップの強化、③サービス提供体制の強化、④データ作成・分析・抽出技術の向上と認識し、次のとおり取り組んでおります。
① 販売体制の強化
保険者向けサービスは、広島本社を拠点に販売を開始し中四国・九州地域を中心に成果をあげ、平成25年3月期に東京支店を開設し、2拠点体制で拡販をしてまいりました。当事業年度中に東京支店を拡大移転するとともに東京本社と改称し東日本地域の販売を強化、北海道の営業拠点として札幌オフィスを開設いたしました。また、九州地域の販売では、㈱フォレストホールディングスと業務提携するなど、引き続き全国にサービスを提供する体制を構築してまいります。
② サービスラインアップの強化
データヘルス関連市場は、PDCAサイクルのP(データヘルス計画)の立案に続き、D(保健事業の実施)とそのC(保健事業の検証)への需要の拡大が見込まれます。
当社の得意とするレセプト分析により保険者のニーズに合った効果の高い各種保健事業の対象者の抽出と実施、そのモニタリングのサービスのラインアップ強化を行ってまいります。
生活習慣病の重症化予防等のハイリスクアプローチに加え、特定健康診査の受診勧奨や受診結果からのポピュレーションアプローチの充実、多受診(重複受診・重複服薬・頻回受診)の適正化の指導などの様々な保健指導の充実を図ってまいります。
③ サービス提供体制の強化
保険者の多様なニーズに対応したサービスを、短納期で大量に提供するために、社内システムを刷新してまいります。
④ データ作成・分析・抽出技術の向上
当社のレセプトに関する強みは、画像レセプトの効率的なコード化能力、特許(注1,2)も認められたレセプト情報の高度な分析能力および処理能力の高さであります。
今後は、各サービスに必要な分析能力をさらに向上させるための研究開発と、大学等の研究機関と共同で分析を統計的に実証するための研究と実験を行います。
(注1)「医療費分解解析装置、医療費分解解析方法およびコンピュータプログラム」に関する特許(特許第4312757号)
レセプトに記載された複数の疾病に対応する医薬品や診療行為について、いずれの疾病に対応するかを特定することができ、疾病毎の医療費を正確かつ効率的に把握することが可能となります。
(注2)「傷病管理システム」に関する特許(特許第5203481号)
レセプトに記載された傷病識別情報、医薬品識別情報および診療行為識別情報に基づき、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化するものです。この技術により、傷病ごとの重度・軽度を判定し、将来の重症化予測を行うことが可能となります。