訂正有価証券報告書-第18期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2022/12/01 12:04
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74項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、生産、輸出、雇用、家計などにおいて底堅い内外需を背景とした継続的かつ緩やかな上向き基調である一方、引き続き不安定な国際情勢に端を発する海外発の景気下振れリスクにより依然として先行きが不透明な状況にもあります。
このような経済環境の中、インターネットサービスを取り巻く環境は5Gなど次世代通信網の高速化、インターネットサービスに接続される端末数の増加やセンサー技術の発達、またAIに代表される人と機械の新たなコミュニケーション手段の進展がより一層進むことが予想されます。またその環境下で様々な履歴(ログ)や、大量の情報、コンテンツなどのデータがインターネット上で保管、流通される状況がさらに進みます。それらの新しいネットワーク、テクノロジー、データの有効な利活用において、新たな産業構造が生まれる可能性が生まれています。
そのなかで、あらゆるコンテンツ(音楽・映像・書籍・テレビ・イベントなど)体験の機会においても、緩やかにかつ確実な変化が起きております。その変化の波は、より大きなものになり、日々の生活の中でより多くのコンテンツに接触する機会が増加することによるコンテンツ関連市場の飛躍的な活性化に大きな事業機会があります。
またインターネットにつながるデバイスが、家電、テレビ、自動車など生活に密着した機器にまで広がるIoTと大量データを自律的に学習するAIの普及、データ解析や予測技術の進展、これらを通じて新たな価値を生み出すデータベース関連サービスの事業機会の増加が予想されます。またスマートフォン時代の次にくる「ポストスマートフォン」「スマートデバイス」においては、画面を伴わないコミュニケーション、つまり人と機械がより自然に会話し、情報のみならず感情までもやりとりする対話型インターネットサービスの進展も予想されます。
このような環境のもと、当社は「データベース・サービスカンパニー」として、『人の想像力をつなぐ』ことをミッションに、コンテンツに紐づく情報をデータベース化したオリジナルのメディアサービスデータベース(以下「MSDB」といいます)を開発し、通信会社およびインターネットサービス会社を対象に、データ提供、検索機能提供、推薦(レコメンド・パーソナライズ)機能提供、データ分析などの多様なデータベース関連サービスの開発および提供を行っております。
当社の強みは、人間が持つ感情や感性を体系的、網羅的、詳細にデータベース化を行い、国内最大級のエンターテイメント系のデータベースであるMSDBとして自社開発、運用していること、およびそれらで蓄積した「感性データ」を活用したデータ分析やAIを例とするデータ活用応用技術にあります。
MSDBで培った「感情を科学する技術」を発展させ、一般商材、施設情報、放送情報、イベントなどにデータ開発の領域が広がり、エンターテイメントから始まりあらゆる分野の感性データを連携するオリジナル各種マーケティングサービスが提供可能となりつつあります。
具体的には、メディアビジネスにおいて音楽・映像・書籍・一般商材などの「専門検索サービス」、それらが感情という軸でつながりをもった「クロスカテゴリー検索サービス」、「レコメンド(おすすめ紹介)サービス」、サービス利用者の一人ひとりの嗜好性を分析し、サービス利用者の好みにあわせた情報を提供する「パーソナライズサービス」、データ分析による商品の調達予測支援をはじめとした「データ分析サービス」、当社が体系化したデータベースを提供する「データ提供サービス」、インターネットを活用した「ストリーミングサービス」および、コンテンツビジネスを展開しております。
これらのサービスについては、ユーザーベースをもつパートナー企業への技術ライセンス提供として、KDDI株式会社、株式会社レコチョクを通じた株式会社NTTドコモ、ヤフー株式会社、楽天株式会社、LINE MUSIC株式会社などのサービスにて利用されております。
また独自に開発した「感性AI」を活用した「人の感情、感性を理解するテクノロジー」に関する特定パートナー企業との実証実験、プロトタイプ開発も当期において進捗しております。
当事業年度はエンターテイメント分野のみならず食品、飲料、衣料、家電などの一般商材のオリジナルデータベース化の取り組みも進展し、それらの結果として売上高は前事業年度比93.9%の1,604,065千円となりました。
売上原価は、利益率の高いデータライセンス事業の進展や既存事業の開発・運用の効率化により、前事業年度比86.0%の994,554千円となりました。売上総利益は、前事業年度比110.3%の609,511千円、販売費及び一般管理費は、研究開発活動の活発化により前事業年度比106.0%の540,950千円となりました。また法人税等調整額として、繰延税金資産を8,879千円計上しております。
これらの事業活動の結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,604,065千円(前事業年度比93.9%)、営業利益68,561千円(前事業年度比163.6%)、経常利益67,832千円(前事業年度比177.8%)、当期純利益64,367千円(前事業年度比90.0%)となりました。
当事業年度末における総資産は、1,236,605千円(前事業年度末比29,694千円増)となりました。流動資産につきましては898,668千円(同81,306千円増)となりました。増減の主な要因としましては、現金及び預金の増加(同15,610千円増)、売掛金の増加(同60,412千円増)があったことによります。固定資産につきましては、投資有価証券の取得により投資その他の資産の増加(同25,951千円増)などがありましたが、減価償却費によるソフトウェアの減少(同75,019千円減)により、337,937千円(同51,612千円減)となりました。
負債は、256,165千円(同48,615千円減)となりました。増減の主な要因としましては、返済による長期借入金の減少(同75,090千円減)があったことによります。
以上の結果、純資産は、980,439千円(同78,310千円増)となり、自己資本比率は、前事業年度末の71.9%から76.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は前事業年度末に比べ、15,610千円増加し、572,787千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、165,134千円となりました。主な収入要因としては、税引前当期純利益67,049千円の計上、減価償却費141,702千円の計上などがありました。一方で主な支出要因としては、売上債権の増加60,412千円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、80,653千円となりました。主な支出要因としては、無形固定資産の取得57,925千円、投資有価証券の取得15,014千円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、68,870千円となりました。主な支出要因としては、長期借入金の返済75,090千円などであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績において、当社は単一セグメントとしているため、サービスライン別に示すと次のとおりであります。
名称前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)
メディアビジネス1,653,013101.81,583,89795.8
コンテンツビジネス56,01641.920,16836.0
合計1,709,03097.21,604,06593.9

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、KDDI株式会社に対する販売実績は、各通信事業者の情報料回収代行サービスを利用して、一般ユーザーに有料情報サービスを提供するものが含まれております。
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
KDDI株式会社949,54555.5673,36642.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績などを勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5経理の状況(1)財務諸表[注記事項](重要な会計方針)」に記載しております。
②経営者の視点による経営成績等の状況及び、資本の財源、資金の流動性についての分析
当事業年度は開発収入による売上依存度を下げ、自社開発のプロパティ(資産)を活用したデータライセンス提供に関連する事業を主体にした事業構造の変革を引続き進めております。結果、データライセンス事業売上が売上の4割を超える水準まで伸長しております。この事業構造の変化により売上は6.1%減少、一方前事業年度より引続きデータライセンス事業が伸長したことにより、売上総利益率が前年度32.3%から38.0%まで上昇、営業利益額は41,918千円から68,561千円まで上昇するなど収益構造が継続的に向上しております。
また、当社の主な資金需要は運転資金および研究開発費用であります。
運転資金は人件費支払いに充てるためのものであり、原則として営業活動による収入で賄うこととしております。
研究開発費用は人工知能関連の技術開発、社内で使用するソフトウェアや、ソフトウェア開発に使用するサーバー等が主なものであり、基本的には営業活動による収入を主たる財源としておりますが、資金繰りや金融情勢を勘案し、良好な関係にある金融機関から借入による資金調達も必要に応じ、検討可能な状況であります。
(3)経営戦略の現状と見通し
インターネット関連業界は、通信速度の高速化、通信料の定額化、プラットフォームのオープン化、スマートフォンの急速な普及が進んでおり、スマートフォンやPC、タブレットのみならず家電や自動車、ロボット、産業機械などあらゆる端末機器がインターネットに接続されるIoTの進展は今後ますます急速に進んでいきます。
また、クラウドコンピューティングの発展および大量の行動データの超高速処理環境の発展も進んでいきます。
そのような環境の中で、当社は独自データベースの提供事業であるデータサービスにより音楽・映像・書籍データ分野の事実上の標準化を目指します。具体的には、KDDI株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社TSUTAYAなど現在のデータ関連技術提供先を飛躍的に増やすことを目指します。そのうえで、データ開発分野を音楽・映像・書籍分野のみならず飲料、食品、生活雑貨、家電など一般商材まで広げ、データ提供先をエンターテイメント分野以外の製造メーカーや小売関連業界にも拡大してまいります。
さらに、機械学習や深層学習、自然言語処理などの分析応用技術の開発・活用を進め、レコメンデーション、パーソナライズサービスの進化、分析サービスや予測サービスや開発支援、制作支援、販売促進支援などの当社独自データベースならではの付加価値型データベースマーケティング事業を広げていきます。
これらすべての当社独自データベース関連サービスにおいて重要な要素として創業以来の当社の注力領域である人間の持つ「感情」や「感性」のデータベース化およびその利活用にあります。当社は「人の感情や感性を理解する技術」の開発をより一層進めてまいります。そのための土台となるのが、当社独自感性データベースおよび感性AIの技術となります。それらを利活用し
①エンターテイメントとテクノロジーの連携・融合の可能性を技術開発、事業開発の面で最大限に追求します。
②エンターテイメント分析を通じて培った人間の感情・感性を理解する技術を用途特化型「専門AI」開発に活かし、社会に存在するあらゆる汎用的なAIと連携してまいります。
③「専門AI」を通じて培った技術をコミュニケーション型生活提案サービスなど次世代マーケティングサービスに活用し「感性マーケティングサービス」を実現します。
当社のデータ関連サービスが繋がる機器を、スマートフォンやパソコン・タブレットのみならずIoTとして連携し得る次世代の自動車や家電、ロボット、ウェアラブルコンピュータなどに広げていきます。そのうえで、中長期的には自社にてユーザーベースを持ち得る当社独自のデータベース活用サービスを展開し、国内外で一人でも多くの利用者を増やしていくことで、当社ミッションである世界中の『人間の想像力をつなぐ』ことに寄与していきます。
それらの実現のために、当社独自の人の感情や感性を体系的に情報化したオリジナルデータベースの開発およびそのデータを利活用するデータ関連技術を進めてまいります。
(4)経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営戦略を立案し、実行するように努力しておりますが、当社の属するインターネット業界は開発スピードが速く、その内容も複雑化してきております。また、提供するサービスについても、ユーザーの嗜好や流行の変化を捉え、柔軟な事業展開が必要となり、競合他社との競争が激化する事も予想されます。
そのような事業環境の中で、当社はデータベースを基盤とした事業モデルにより集中し収益体質を強化すべく、通信事業者と事業の再構築の強化、データベースおよび関連技術サービスのライセンス先拡大、拡大のための実証実験サービス、プロトタイプ開発など次期主力事業を目的とした種まきの実施、当社プロパティのプロダクト化およびオープン化などの「事業面の強化」、AI関連技術および感性メタデータベースへの集中開発など「開発面の強化」、事業資産と機会の選択と集中、リーダー層の育成、企業文化のさらなる浸透などの「人材およびマネージメント面の強化」を行っていきます。

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