有価証券報告書-第64期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 13:00
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【項目】
113項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
その他重要な会計方針は「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)におけるわが国経済は、金融緩和策が引続き維持されるなか、政府の打ち出すさまざまな経済再生政策、いわゆるアベノミクスによる円安・株高を背景に、企業、個人の景況感も持ち直しつつあるように見受けられます。一方で、地政学リスク増大への懸念、新興国経済の下振れリスク、円安の進行に伴う輸入価格の上昇等の景気押し下げ要因もあり、尚、先行き警戒感は残る状況となりました。
当社グループの属する防災業界におきましても、民間設備投資は、景況感の持ち直しを背景に堅調に推移すると見込まれているものの、公共投資については前年比マイナスが見込まれており、円安の進行に伴う原材料価格の上昇、とりわけ労働市場の逼迫等の影響もあり、先行きへの懸念は払拭できませんが、政府の打ち出す新成長戦略のもと、消費マインドの改善とともに、一段の景気上昇への期待感は高まっているように見受けられます。
このような経済状況のもと、当社グループは、引き続き総合防災企業としての立ち位置を強化しつつ、積極的な営業活動を推進してまいりました。また、各種防災設備の設計・施工、消火器及び消防自動車等の製造そしてそれらのメンテナンスを通じて、世の中に安心・安全を提供し、より良質な社会インフラを構築するという社会的使命を果たすべく、グループ一丸となって注力しております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の売上高は33,797百万円(前連結会計年度比3,378百万円増加)となりました。利益につきましては、営業利益1,865百万円(同296百万円増加)、経常利益1,874百万円(同307百万円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益1,136百万円(同85百万円増加)となりました。
(3)経営戦略の現状と見通し
当社グループは昭和30年4月会社設立以来、粉末消火設備をはじめとして各種防災設備の設計・施工、消火器を主力商品とする防災機器の製造・販売を主たる事業目的とし、その後、消防自動車の製造及び販売等に進出し、平成24年10月に各種自動火災報知設備の設計・施工、火災報知関連機器の製造・販売を主たる事業目的とした株式会社ヒューセック(旧商号 沖電気防災株式会社)の子会社化を通じ、防災事業の領域を広げてまいりました。
現代社会において、各種のインテリジェントビル、商業ビル、高層マンション等さまざまな都市構造物、発電所、工場等のプラント施設、各種の公共施設、福祉施設、更には一般家庭等における防災や安全に対するニーズはますます高まっており、その内容は高度化、多機能化、多様化が求められております。それら市場の要請の変化、動向に対して、当社グループとしてソフト、ハード両面から適時、適切に対応していくために、設計・施工の総合力を強化し、エンジニアリング機能を高めていくとともに、環境への対応を最優先に、環境にやさしい新製品、新防災システムの開発にも取り組んでいく方針でおります。
このような状況のもと、当社は、事業領域の更なる拡大、提携先とのシナジーを目指し、平成24年5月、株式会社初田製作所との基本業務提携契約の締結、平成25年2月、新日本空調株式会社との資本業務提携契約の締結、同年4月、松山酸素株式会社との共同出資による株式会社イナートガスセンターの立ち上げ、平成26年8月、沖電気工業株式会社との資本業務提携契約の締結、そして、平成28年2月、綜合警備保障株式会社との資本業務提携契約の締結を進めてまいりました。
今後も、当社グループは、総合防災企業グループとして、事業領域の拡大および業容の拡大に努めるとともに、環境にやさしい製品、防災システムの開発、進行する高齢化社会へのニーズの先取り、魅力的な海外製品の本邦市場への積極導入、更には海外市場の開拓等を通じて、さらなる成長、企業価値の増大を目指してまいります。
(4)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、25,547百万円(前連結会計年度末比2,756百万円増加)となりました。
流動資産は、18,216百万円(同197百万円増加)となりました。主な内容は、現金及び預金1,360百万円(同694百万円減少)、受取手形、売掛金及び完成工事未収入金14,041百万円(同674百万円増加)、商品及び製品1,024百万円(同47百万円増加)、原材料及び貯蔵品529百万円(同57百万円減少)、繰延税金資産362百万円(同149百万円増加)等であります。
固定資産は、7,330百万円(同2,558百万円増加)となりました。主な内容は、有形固定資産4,368百万円(同2,546百万円増加)、のれん1,494百万円(同124百万円減少)、投資その他の資産1,248百万円(同107百万円増加)等であります。
負債合計は、15,646百万円(同1,389百万円増加)となりました。
流動負債は、12,413百万円(同1,000百万円増加)となりました。主な内容は、支払手形、買掛金及び工事未払金7,781百万円(同93百万円増加)、短期借入金2,000百万円(同400百万円増加)、未成工事受入金428百万円(同182百万円増加)、賞与引当金536百万円(同168百万円増加)等であります。
固定負債は、3,232百万円(同389百万円増加)となりました。主な内容は、社債80百万円(同160百万円減少)、長期借入金1,194百万円(同12百万円減少)、退職給付に係る負債926百万円(同71百万円増加)、繰延税金負債491百万円(同491百万円増加)等であります。
純資産合計は、9,900百万円(同1,366百万円増加)となりました。第三者割当による新株式の発行により、資本金700百万円(同282百万円増加)、資本剰余金3,620百万円(同282百万円増加)となりました。配当金の支払232百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益1,136百万円を計上したことにより、利益剰余金は5,565百万円(同904百万円増加)となりました。また、その他有価証券評価差額金92百万円(同52百万円減少)、退職給付に係る調整累計額△78百万円(同49百万円減少)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は38.8%となりました。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,360百万円となり、前連結会計年度末から694百万円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、1,655百万円の収入(前連結会計年度は193百万円の支出)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益1,865百万円、減価償却費287百万円、未成工事受入金の増加182百万円等であり、主な支出は、売上債権の増加674百万円、未払消費税等の減少136百万円、法人税等の支払額433百万円等であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、3,066百万円の支出(同702百万円の支出)となりました。主な収入は、保険積立金の解約による収入24百万円、敷金及び保証金の回収による収入11百万円等であり、主な支出は、有形固定資産の取得による支出2,764百万円、投資有価証券の取得による支出201百万円等であります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、717百万円の収入(同663百万円の支出)となりました。主な収入は、短期借入金の増加400百万円、長期借入れによる収入700百万円、株式の発行による収入564百万円であり、主な支出は、長期借入金の返済による支出545百万円、社債の償還による支出160百万円、配当金の支払額232百万円等であります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況、4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。