有価証券報告書-第16期(平成29年5月1日-平成30年4月30日)

【提出】
2018/07/27 12:32
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【項目】
106項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景に緩やかな回復基調が続いておりますが、一方で米国の政策動向や近隣諸国における地政学リスクの高まり等により、先行きは未だ不透明な状況が続いております。
美容業界におきましては、顧客単価の下落や来店頻度の減少といった厳しい事象が続いており、結果として低価格店の登場や専門店への細分化、フリーランスの増加等、ビューティサロンの経営環境も変化してきており、生き残りをかけた店舗間競争が激化してきております。
そのような厳しい競争環境下におきましては、当然ながらビューティサロン側でのコスト意識の高まりが顕著になってきており、低価格を売りとする当社にとっては大いに追い風となっております。
当連結会計年度では、その成長機会をしっかり捉えるべく、リピート商材の大幅拡充による「フロー&ストック型収益構造」への転換に大いに注力するとともに、「開業+経営支援」のサービス領域拡充に向けて、各種取組を継続的に実施いたしました。また美容業界向け各種展示会への出展、大阪総合ショールームの開設および東京総合ショールームの大幅リニューアル、通販カタログ4種の発刊を行うなどの積極的なプロモーション施策も実施してまいりました。
また当連結会計年度において2件のM&Aを実施いたしました。平成29年11月には当社子会社である株式会社タフデザインプロダクトにて、金属製家具・用品の製造から販売まで手掛ける株式会社足立製作所(以下「足立製作所」という。)の全発行済株式を取得し、子会社化(当社の孫会社化)いたしました。今回の子会社化により、当社グループ内において、初めて日本製製品の製造体制を内包することができました。(足立製作所については第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めております。)
平成29年12月には当社にて、シンガポールで美容商材卸販売業を展開し、マレーシアにも子会社HARU GLOBAL BEAUTY SDN.BHD.(現 BEAUTY GARAGEMALAYSIA SDN.BHD.)を有するHARU GLOBAL BEAUTY PTE.LTD.(現 BEAUTY GARAGE SINGAPORE PTE.LTD.)の第三者割当増資を引受け、子会社化いたしました。今回の子会社化により、当社はグローバル市場へ本格進出を進めてまいる予定です。(海外子会社2社については、当連結会計期間においては連結の範囲に含めておりません。)
この結果、当連結会計年度における売上高は11,680,469千円(前年同期比21.1%増)、売上総利益は3,745,493千円(前年同期比16.3%増)、営業利益は648,277千円(前年同期比16.6%増)、経常利益は653,096千円(前年同期比22.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は449,588千円(前年同期比43.0%増)となりました。
これは、平成29年6月12日に公表した「中期経営計画2017-19」における連結売上高目標11,070,000千円に対して610,469千円の増収(5.5%増)、連結経常利益目標600,000千円に対して53,096円の増益(8.8%増)となっております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
①物販事業
物販事業においては、インターネット通販サイト「BEAUTY GARAGE Online Shop」、全国主要都市のショールーム+法人営業チーム、カタログ通販誌「BG STYLE」および「EYELASH GARAGE」を通して、理美容機器や化粧品・消耗品等のプロ向け美容商材を全国の理美容室、エステサロン、リラクゼーションサロン、ネイルサロン、アイラッシュサロン向けに提供しております。
累計登録会員総数は345,229口座(前年同期比11.7%増)、アクティブユーザー数(過去1年間で1回以上購入したユーザー数)は98,169口座(前年同期比8.3%増)、ロイヤルユーザー数(過去1年間で6回以上購入したユーザー数)は24,524口座(前年同期比24.5%)となり、リピート顧客の増加が顕著となりました。
「BEAUTY GARAGE Online Shop」」経由の売上高は物販事業売上高の約7割を占めており、当社の最も重要な販売経路となっております。特にスマホ専用ECサイトやスマホ発注アプリ「BGスマート発注」経由による受注が増加しております。EC経由売上高は前年同期比24.7%増と順調に伸長し続けております。
当連結会計年度におきましては、新ブランドの取扱い開始や新商品の積極投入に加え、欠品防止を目的とした在庫補強を行うなど、各種商品ラインナップの拡充に努めてまいりました。特に理美容化粧品やエステ化粧品、ネイル・まつ毛材料など、化粧品・材料カテゴリーの売上高が全般的に好調に推移し、前年同期比35.2%増と物販事業売上高の前年同期比を大きく上回りました。なお第3四半期連結会計期間から株式会社足立製作所を物販事業のセグメントとして新たに追加しております。
この結果、当事業の売上高は8,968,629千円(前年同期比21.8%増)、セグメント利益は780,177千円(前年同期比33.5%増)となりました。
②店舗設計事業
店舗設計事業におきましては、連結子会社である株式会社タフデザインプロダクトにより東京・金沢・福岡・大阪・名古屋において店舗設計・工事施工監理を提供しております。
これまでトレンドを捉えたデザイン性の高い店舗設計デザインの提案を行うことで独立開業を目指す顧客から高い支持を得ておりましたが、ビューティガレージグループとしての連携強化と人員強化による積極的な営業活動を行った結果、チェーン店本部からの受注や大型店舗からの受注が増加し、当事業の売上高は2,471,169千円(前年同期比22.9%増)、セグメント利益は136,566千円(前年同期比11.6%増)となりました。
③その他周辺ソリューション事業
その他周辺ソリューション事業におきましては、ビューティサロンの開業と経営に必要なサポートとして開業プロデュースサービス、居抜き物件仲介サービス、集客支援サービス、保険サービス、システム導入支援サービス、店舗リース等の各種ソリューションサービスを、各専門インターネットサイトと全国主要都市のショールームを通して提供しております。
当該事業は、単体での収益化以上に当社グループの主力事業である物販事業や店舗設計事業への入口、繋ぎ役としての役割に重きを置くようになっております。
当連結会計年度におきましては、株式会社クレジットエンジンとの共同企画としてサロン向けオンライン融資サービス「LENDY for BEAUTY GARAGE」を開始いたしました。業績面では店舗リースや保険サービスが好調だった一方、集客支援サービスがふるわず、当事業の売上高は240,670千円(前年同期比10.0%減)、セグメント利益は2,856千円(前年同期比95.3%減)となっております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ463,324千円増加し、1,607,648千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、152,543千円(前年同期は473,259千円の資金増加)となりました。これは、主にたな卸資産の増加301,486千円、法人税等の支払額246,930千円及び売上債権の増加241,522千円があったものの、税金等調整前当期純利益652,843千円の計上、仕入債務の増加189,693千円、前受金の増加66,607千円、未払金の増加52,230千円及び減価償却費の計上74,403千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、507,492千円(前年同期は380,125千円の資金減少)となりました。これは、主に無形固定資産の取得による支出134,725千円、投資有価証券の取得による支出95,565千円及び敷金・保証金の差入れによる支出21,122千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、818,733千円(前年同期は25,394千円の資金減少)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出215,320千円及び配当金の支払額41,713千円があったものの、株式の発行による収入646,975千円があったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
店舗設計事業2,186,82825.5

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は製造原価によっております。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
物販事業5,818,45917.9
その他周辺ソリューション事業60,622△25.3
合計5,879,08217.2

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は仕入価格によっております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
店舗設計事業2,397,05613.5341,633△17.8

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
区分前連結会計年度当連結会計年度
物販事業7,363,8558,968,62921.8
理美容機器4,681,6315,008,4447.0
化粧品等2,682,2243,626,59635.2
金属スチール家具333,589
店舗設計事業2,010,9492,471,16922.9
その他周辺ソリューション事業267,298240,670△10.0
合計9,642,10311,680,46921.1

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて41.0%増加し、4,915,325千円となりました。これは、主に現金及び預金の増加、棚卸資産及び売上債権の増加があったことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べて76.4%増加し、1,160,869千円となりました。これは、主に無形固定資産の増加によるものであります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて41.8%増加し、2,607,290千円となりました。これは、主に仕入債務、短期借入金及び一年内返済予定長期借入金の増加があったことなどによるものであります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べて40.1%増加し、352,331千円となりました。これは、主に長期借入金の増加があったことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて51.7%増加し、3,116,572千円となりました。これは、主に新株予約権行使による資本金及び資本準備金の増加があったことと、配当金の支払に伴い利益剰余金の減少41,828千円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金の増加449,588千円があったことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は11,680,469千円(前年同期比21.1%増)となりました。売上高の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は3,745,493千円(同 16.3%増)となりました。売上総利益の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,097,216千円(同 16.3%増)となりました。販売費及び一般管理費の分析ににつきましては「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は648,277千円(同 16.6%増)となりました。これは、主に売上総利益率の増加及び販売費及び一般管理費の圧縮に努めた結果によるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度において営業外収益として8,210千円(同 149.6%増)、営業外費用として3,391千円(同 86.0%減)を計上しております。これは、主に為替予約に対する評価益を計上したこと等によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は653,096千円(同 22.1%増)となりました。これは、前述の要因等により、経常利益が118,218千円増加したことによるものであります。経営上の目標の達成状況につきましては「(業績等の概要)(1)業績」をご参照ください。
(特別損益)
当連結会計年度において特別利益として236千円(同 73.0%減)、特別損失として489千円(同 98.5%減)を計上しております。これは、新株予約権行使の失効による戻入益を計上したこと等によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は652,843千円(同 29.6%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は197,051千円(同 5.4%増)、非支配株主に帰属する当期利益は6,203千円となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は449,588 千円(同 43.0%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
「(業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」のほか「金融機関からの借入」「新株予約権等の行使を含む株式の発行による収入」等であります。
当社は、中長期的な企業価値向上に向けた成長戦略の実現を図るため、その必要資金の確保を目指し、平成30年3月16日開催の取締役会において第三者割当による第6回新株予約権(行使価額修正条項付)及び第7回新株予約権(行使価額修正選択権付)の発行を決議いたしました。その概要につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」に記載しております。
一方、当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資資金、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。
そのうち、運転資金としては、物販事業における商品ラインナップ拡充のための資金、店舗リース事業における投資資金などがあり、また設備投資資金としては新規出店や集客力アップのためのリニューアルなどの店舗投資、EC・基幹システムへの投資、物流関連への投資など、その他にM&Aのための資金、グローバル市場への進出に係る資金などの需要があります。
資金の流動性や調達手段に関しましては、当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するとともに、成長を加速させることを目的としながらも、自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全性指標やROEを注視しながら、最適な選択を実施して参ります。
(5) 戦略的現状と見通し
当社グループは、「開業と繁盛を総合支援する、サロンコンシェルジュNo.1企業」となることを企業理念内の事業ビジョンとして掲げております。現状におきましては、開業支援のワンストップソリューションサービスを既に構築しており、新規開業顧客のニーズに応えられる体制はある程度完成してはいるものの、開業後の経営支援分野におきましてはまだまだ充分なサービスを提供出来る体制が確立されているとは言えない状況にあります。
今後は、当社の最大の資産でもある多数の既存会員(顧客)に向けた経営支援体制を確立していくことで、サロン経営で問題を抱える顧客のニーズにもしっかりと応えてまいりたいと考えております。
また「経営支援体制の確立」は、当社グループにとっても、フロー売上中心のスタイルから「フロー&ストック」の収益構造に転換出来ることになり、結果として持続的な成長と安定的な収益基盤の確立に繋がるものと考えております。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。