有価証券報告書-第18期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)

【提出】
2020/07/31 11:29
【資料】
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【項目】
146項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦、消費増税の影響等もありながら第3四半期までは緩やかな回復基調が続いておりましたが、第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の自粛等の影響により、景気が急速に悪化し、極めて厳しい経済状況になるとともに先行きも不透明な状況と変わりました。
美容業界におきましても、経済活動の自粛に伴う各店舗の休業措置や時短営業、顧客の不安心理増大に伴う来店数減少、新規出店の中止・延期等といった厳しい事象が続いております。
そのような状況下、当社グループでは提供する商品・サービスの拡充とレベルアップに努めるとともに、WEBマーケティング施策による既存顧客の活性化と新規顧客の獲得増加に向けて注力することで、順調に業績を拡大してまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、第4四半期とりわけ2020年4月単月業績への影響が一定程度ありました。
この結果、当連結会計年度における売上高は15,730,294千円(前年同期比13.6%増)、売上総利益は4,774,953千円(前年同期比13.3%増)、営業利益は730,038千円(前年同期比16.2%増)、経常利益は747,337千円(前年同期比15.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は408,002千円(前年同期比7.1%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
①物販事業
物販事業においては、インターネット通販サイト「BEAUTY GARAGE Online Shop」、全国主要都市のショールーム+法人営業チーム、カタログ通販誌「BG STYLE」および海外営業拠点を通して、理美容機器や化粧品・消耗品等のプロ向け美容商材を、国内外の理美容室、エステサロン、リラクゼーションサロン、ネイルサロン、アイラッシュサロン向けに提供しております。
当連結会計期間におきましては、ECサイトのUI/UXの着実な改善と進化を継続することで、EC経由売上高のさらなる拡大を目指してまいりました。「BEAUTY GARAGE Online Shop」経由の売上高は物販事業売上高の約4分の3を占めており、当社の最も重要な販売経路となっております。特にスマートフォン専用ECサイトやスマートフォンアプリ「BGスマート発注」経由による受注が増加しております。また商品ラインアップの拡充にも努め、ヘア化粧品メーカー様との取引口座拡充などにより取り扱い販売商品数を大幅に増やしてまいりました。その一方で、NB比率および化粧品・材料比率の増加に伴い、売上総利益率はやや低下傾向となりました。
この結果、EC売上高が前年同期比20.8%増(物販売上構成比76.4%)、化粧品・材料売上高が前年同期比23.4%増(物販売上構成比48.4%)と伸長し、物販事業全体としての売上高は11,991,750千円(前年同期比14.2%増)、セグメント利益は611,974千円(前年同期比19.2%増)となりました。
②店舗設計事業
店舗設計事業におきましては、連結子会社である株式会社タフデザインプロダクトにより東京・金沢・福岡・大阪・名古屋において店舗設計・工事施工監理を提供しております。
トレンドを捉えたデザイン性の高い店舗設計デザインの提案を行うことで独立開業を目指す顧客から高い支持を得ていることから、設計士やデザイナーの増員を行い積極的な営業活動を行った結果、新規開業顧客に加えて大手チェーン店本部からの受注が増加しました。この結果、当事業の売上高は3,246,605千円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は190,755千円(前年同期比34.3%増)となりました。
③その他周辺ソリューション事業
その他周辺ソリューション事業におきましては、ビューティサロンの開業と経営に必要なサポートとして開業プロデュース、居抜き物件仲介、集客支援、講習・アカデミー、損害保険、システム導入支援、店舗リース、M&A仲介等の各種ソリューションサービスを、各専門インターネットサイトと全国主要都市のショールームを通して提供しております。
当該事業は、単体での収益化以上に当社グループの主力事業である物販事業や店舗設計事業への入口、繋ぎ役としての役割に重きを置くようになっております。
当連結会計年度におきましては、理美容室・エステ・ネイル・アイラッシュサロン向けの居抜き物件に特化した「サロン不動産ネット」の全面刷新も行いました。各種サービスのうち、開業サービス、店舗リース、講習・アカデミーのソリューションサービスが堅調に伸長したことにより、当事業の売上高は491,938千円(前年同期比17.0%増)、セグメント利益は45,576千円(前年同期比106.8%増)となっております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ159,677千円増加し、2,212,210千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、133,641千円(前年同期は607,930千円の資金増加)となりました。これは、主にたな卸資産の増加、法人税等の支払及び未払金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上及び売上債権の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、175,681千円(前年同期は320,460千円の資金減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出及び敷金・保証金の差入れによる支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、67,779千円(前年同期は142,024千円の資金増加)となりました。これは、主に借入債務の返済による支出及び自己株式の取得による支出があったものの、長期借入れによる収入があったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
店舗設計事業2,832,867+9.8

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は製造原価によっております。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
物販事業8,052,837+13.5
その他周辺ソリューション事業191,393+15.6
合計8,244,230+13.5

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は仕入価格によっております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
店舗設計事業3,330,394+19.8279,114+42.9

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
区分前連結会計年度当連結会計年度
物販事業10,504,50811,991,750+14.2
理美容機器5,178,9645,570,161+7.6
化粧品等4,704,4745,807,529+23.4
金属スチール家具621,068614,060△1.1
店舗設計事業2,927,1573,246,605+10.9
その他周辺ソリューション事業420,435491,938+17.0
合計13,852,10115,730,294+13.6

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.6%増加し、6,000,291千円となりました。これは、主に現金及び預金と棚卸資産の増加があったことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べて8.5%減少し、1,283,134千円となりました。これは、主に無形固定資産及び投資その他の資産の減少によるものであります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて4.8%減少し、2,548,707千円となりました。これは、主に仕入債務及び未払金の減少によるものであります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べて86.6%増加し、632,112千円となりました。これは、主に長期借入金の増加があったことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて7.7%増加し、4,102,606千円となりました。これは、主に自己株式の取得による減少97,556千円と配当金の支払に伴い利益剰余金の減少57,379千円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加408,002千円があったことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は15,730,294千円(前年同期比13.6%増)となりました。売上高の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は4,774,953千円(同 13.3%増)となりました。売上総利益の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は4,044,914千円(同 12.8%増)となりました。販売費及び一般管理費の分析につきましては「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は730,038千円(同 16.2%増)となりました。これは、主に売上総利益率の増加によるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度において営業外収益として24,894千円(同 12.9%減)、営業外費用として7,595千円(同 24.4%減)を計上しております。これは、主に投資有価証券の売却益を計上したこと等によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は747,337千円(同 15.6%増)となりました。これは、前述の要因等により、経常利益が100,793千円増加したことによるものであります。経営上の目標の達成状況につきましては「(業績等の概要)(1)業績」をご参照ください。
(特別損益)
当連結会計年度において、特別損失として32,749千円を計上しております。これは、減損損失を計上したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は714,588千円(同12.7%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は308,614千円(同24.8%増)、非支配株主に帰属する当期純損失は2,029千円となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は408,002千円(同7.1%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
「(業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」のほか「金融機関からの借入」「新株予約権等の行使を含む株式の発行による収入」等であります。
当社は、中長期的な企業価値向上に向けた成長戦略の実現を図るため、その必要資金の確保を目指し、2018年3月16日開催の取締役会において第三者割当による第7回新株予約権(行使価額修正選択権付)の発行を決議いたしました。その概要につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」に記載しております。
一方、当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資資金、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。
そのうち、運転資金としては、物販事業における商品ラインナップ拡充のための資金、店舗リース事業における投資資金などがあり、また設備投資資金としては新規出店や集客力アップのためのリニューアルなどの店舗投資、EC・基幹システムへの投資、物流関連への投資など、その他にM&Aのための資金、グローバル市場への進出に係る資金などの需要があります。
資金の流動性や調達手段に関しましては、当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するとともに、成長を加速させることを目的としながらも、自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全性指標やROEを注視しながら、最適な選択を実施して参ります。
(5) 戦略的現状と見通し
当社グループは、「開業と繁盛を総合支援する、サロンコンシェルジュNo.1企業」となることを企業理念内の事業ビジョンとして掲げております。現状におきましては、開業支援のワンストップソリューションサービスを既に構築しており、新規開業顧客のニーズに応えられる体制はある程度完成してはいるものの、開業後の経営支援分野におきましてはまだまだ充分なサービスを提供出来る体制が確立されているとは言えない状況にあります。
今後は、当社の最大の資産でもある多数の既存会員(顧客)に向けた経営支援体制を確立していくことで、サロン経営で問題を抱える顧客のニーズにもしっかりと応えてまいりたいと考えております。
また「経営支援体制の確立」は、当社グループにとっても、フロー売上中心のスタイルから「フロー&ストック」の収益構造に転換出来ることになり、結果として持続的な成長と安定的な収益基盤の確立に繋がるものと考えております。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。