有価証券報告書-第16期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/03/24 14:30
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)におけるわが国経済は、景気の緩やかな回復基調となった一方で、エネルギー価格の高騰や為替変動、中東情勢の影響など、景気を下押しするリスク要因もあり、不確実性が高い状況が継続しました。
IT投資動向に関しては、業務改革だけでなく生成AIを利用した新たなデジタルサービスの創出など、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが活発となりました。当社グループのお客様においても働き方改革や人手不足への対応に留まらず、生産性向上を目的としたサプライチェーンの再構築やデジタル行政への対応をはじめ、幅広い領域でIT投資が積極化しました。
このような経営環境のもと、当社グループは中期経営計画(2022-2028)に掲げる2つの成長戦略「クラウドの浸透」「サービスの拡張」を推進しています。具体的には、パッケージソフトをご利用中のモビリティ産業のお客様によるクラウドソフト『.cシリーズ』への切り替えを計画的に行うとともに、新たなお客様の獲得にも注力しています。また、クラウドソフトのメニュー拡充や性能向上に加え、当社グループが保有するビッグデータやAI技術を活用したプラットフォーム型サービスの研究開発を進めています。
当連結会計年度においては、パッケージソフトからクラウドソフトへの切り替えが進んだほか、新たなお客様の獲得も順調に推移したことから、クラウドサービス売上は前期比48.6%の増加となりました。また、モビリティ産業のお客様によるクラウドソフトへの切り替えが順調に進む中、非モビリティ産業向けパッケージソフトの大口案件の獲得により、パッケージシステム売上は同1.1%の増加となりました。
クラウドソフトへの切り替えに伴いサービス区分別売上の構成比に変化が生じますが、全体売上にとって増加要因となります。この増加要因は、モビリティ産業のお客様によるクラウドソフトへの移行が完了する2028年まで継続する見込みです。
コスト面では、クラウドソフトの機能拡張や性能向上に向けた開発を積極化するとともに、業務プロセスの効率化を推進しました。さらに、営業活動や管理業務におけるコストの最適化を進め、販売費及び一般管理費は前期比1億12百万円の減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は180億45百万円(前期比17.3%増)となりました。営業利益は6億74百万円(前期19億2百万円の損失)、税引前利益は5億45百万円(同19億21百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3億43百万円(同14億87百万円の損失)となり、いずれも前期比で黒字転換しました。
なお、財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a) 財政状態の分析」に記載しております。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により得られた資金が65億31百万円、投資活動により使用した資金が43億8百万円、財務活動により使用した資金が18億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億86百万円増加の43億6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、65億31百万円(前期比90.7%増)となりました。この主な要因は、契約負債の増加額31億17百万円、減価償却費及び償却費29億18百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、43億8百万円(前期比17.4%増)となりました。この主な要因は、投資の売却及び償還による収入3億31百万円があったものの、無形資産の取得による支出45億53百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、18億35百万円(前期は7億5百万円の収入)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入47億円増加があったものの、短期借入金の純減額29億円、長期借入金の返済による支出26億27百万円、リース負債の返済による支出8億80百万円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループは、単一セグメントのため、製品及びサービス分野ごとに記載しております。
区分当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
クラウドサービス (千円)7,781,413148.6%
パッケージシステム (千円)10,263,902101.1%
合計(千円)18,045,315117.3%

(注)金額は販売価格によっております。
(b) 受注実績
当社グループは、主に業務アプリケーション製品の開発、販売及び保守の事業を行っており、個別受注に基づく製品の生産の割合が少ないため記載を省略しております。
(c) 販売実績
当社グループは、単一セグメントのため、製品及びサービス分野ごとに記載しております。
区分当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
クラウドサービス (千円)7,781,413148.6%
パッケージシステム (千円)10,263,902101.1%
合計(千円)18,045,315117.3%

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社グループは企業理念である「感謝と喜び」の心を根本として、中期経営計画(2022-2028)で掲げた2つの成長戦略「クラウドの浸透」「サービスの拡張」を推進し、計画最終年度となる2028年12月期の業績計画では、連結売上収益315億円、営業利益130億円(営業利益率41.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益80億円を目指しております。計画3年目の当連結会計年度は、お客様のDXニーズに沿った提案を積極的に実施し、引き続き主力商材『.cシリーズ』への切り替えを進めると共に、新規顧客の開拓を強化したものの、お客様総数は計画を下回る結果となりました。また、クラウドソフトウェアの販売対象となるお客様の規模や業種が広がったことで、ライセンス平均月額売上は計画を上回る結果となりました。
当連結会計年度における取組みとして、2024年5月に当社が開発・提供する製造業向け改善ソリューション『OTRS』が、株式会社日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)の「IoT7つ道具」に認定されました。「IoT7つ道具」とは、総合コンサルティングファームであるJMACが、製造業のクライアントがDX推進を検討する際、多数のDXソリューションの中から何を設定すれば良いか迷う、という課題を解決するため、2019年6月に独自に立ち上げた認定制度です。『OTRS』は、映像による動作分析・時間分析などの機能により、生産・製造現場の作業時間短縮・省力化・コスト低減を実現するソフトウェアです。実際の作業映像を分析することで、ムリ・ムダ・ムラをなくし、作業の標準化や改善によるコストダウン、品質の均一化を図ることができることに加え、作業手順書や動画マニュアルの作成も可能です。このほか、高精度な作業分析を可能にする『OTRS+AI』やモバイル端末で利用できる『Mobile OTRS』など、ものづくりの現場の即戦力として活用できるオプション機能を搭載しております。コロナ禍以降、原材料やエネルギーコストの上昇や人手不足など、大きく事業環境が変化している製造業が発展していくためにDXは必要不可欠であり、『OTRS』を活用した改善活動は、「IoT7つ道具」の評価基準に合致していると評価され、認定されました。
2024年8月には日本最大級の製造業の課題解決メディア『ものづくりドットコム』を運営する連結子会社である株式会社産業革新研究所が、国立大学法人東京工業大学 オープンイノベーション機構の『オープンイノベーションのためのエコシステム構築事業』に協賛機関として参画いたしました。今回の参画を通じて、双方の強みを活かし、製造業の活性化とイノベーションの加速を目指します。
2024年9月にはクラウド型自動車部品流通ネットワークシステム『Partsman.c』の提供を開始しました。当社グループは中期経営計画(2022―2028)において、クラウド基盤である『Broadleaf Cloud Platform』を起点とした「クラウドの浸透」と「サービスの拡張」を基本戦略としております。整備業向けの『Maintenance.c』、鈑金業向けの『Repair.c』に続き、新たに自動車部品商向けの『Partsman.c』の提供を開始したことで、基本戦略のひとつである「クラウドの浸透」を一層加速させるための強固な基盤が整いました。今後は当社のクラウドサービスと、『Broadleaf Cloud Platform』上で展開される様々な業種・業界のパートナー企業の多様なサービスを連携させることで、「サービスの拡張」を実行してまいります。そしてモビリティ産業の事業者のみなさまの業務効率化とともに、事業全体を支えるトータルマネジメントシステムへと進化してまいります。また、自動車ガラス商向けクラウドサービス『Glass.c』の機能拡張を実施し、提供を開始しております。第一弾として、2023年に業務に欠かせない「検索」、「見積」、「発注」に特化した機能の提供を開始いたしましたが、この度の機能拡張により、「受付業務」から「検索」、「見積」、「発注」、「作業指示」、「工程/動態管理」、「販売管理」、「請求業務」、「在庫管理」など、お客様の業務全般をカバーする機能を搭載しました。これにより幅広いユーザーの方々にご利用いただくことが可能になりました。
また、持分法適用関連会社であるZenmov株式会社(以下、Zenmov)は、NEDO(国立研究法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業」の一環である「エネルギー消費行動の変容を目的としたスマートモビリティの実証研究(フィリピン)」(以下、本実証研究)の助成先として採択されています。Zenmovは現地協力企業と連携して、Zenmovが開発したクラウド型交通管制システム「Smart Mobility Operation Cloud」(以下、SMOC)の導入を完了し、2024年9月より実証運転を開始しました。実証運転の対象地は、フィリピンのスマートシティとして開発中のクラークエリアです。SMOCを導入・運用することで、同エリアでの公共交通の利便性、輸送効率を向上させ、エネルギー消費量と温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指します。
当連結会計年度の目標の進捗状況は、以下のとおりであります。
経営上の目標の達成状況
2024年12月期
目標
2024年12月期
実績
達成率(%)
売上収益(百万円)17,60018,045102.5
営業利益(百万円)506741,348.2
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)40343858.2

中期経営計画で成長戦略として掲げている「クラウドの浸透」の達成状況
2024年12月期
実績
クラウド化比率24.0%
『.cシリーズ』ライセンス数14,034
『.cシリーズ』ユーザー維持率99.7%
『.cシリーズ』平均月額売上収益24,319円/月

(a) 財政状態の分析
ⅰ.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より31億45百万円増加の398億95百万円(前期比8.6%増)となりました。流動資産は11億57百万円増加の82億11百万円(前期比16.4%増)、非流動資産は19億87百万円増加の316億84百万円(前期比6.7%増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、営業債権及びその他の債権が6億54百万円、現金及び現金同等物が3億86百万円増加したことによるものです。非流動資産の増加の主な要因は、有形固定資産が3億20百万円減少したものの、無形資産が24億58百万円増加したことによるものです。
ⅱ.負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より24億88百万円増加の167億51百万円(前期比17.4%増)となりました。流動負債は26億2百万円増加の136億81百万円(前期比23.5%増)、非流動負債は1億14百万円減少の30億71百万円(前期比3.6%減)となりました。流動負債の増加の主な要因は、短期有利子負債が9億97百万円減少したものの、契約負債が31億17百万円、その他の流動負債が2億96百万円増加したことによるものです。非流動負債の減少の主な要因は、長期有利子負債が1億17百万円減少したことによるものです。
ⅲ.資本
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末より6億57百万円増加の231億43百万円(前期比2.9%増)となりました。資本合計の増加の主な要因は、利益剰余金が3億50百万円増加、自己株式が1億19百万円減少、資本剰余金が1億10百万円増加したことによるものです。
(b) 経営成績の分析
ⅰ.売上収益
当連結会計年度の売上収益は180億45百万円(前期比17.3%増)となりました。これは、主力商材である『.cシリーズ』への切り替えを進めると共に、新規顧客の開拓を強化したことによりお客様数が増加したことによるものです。
当社グループはITサービス事業の単一セグメントでありますが、売上区分別の状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
区 分前連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前期比(増減額)
クラウドサービス5,2367,7812,546
ソフトウェアサービス4,5877,1972,610
マーケットプレイス649584△65
パッケージシステム10,14910,264115
ソフトウェア販売2,9833,630647
運用・サポート7,1666,634△532
売上収益合計15,38518,0452,660

ⅱ.営業利益
売上原価は63億34百万円(前期比4.8%増)となりました。これは、主にPCやモニター等の周辺機器の仕入高が増加したことによるものです。販売費及び一般管理費は111億10百万円(前期比1.0%減)となりました。これは、主に業務プロセスの効率化を推進し、さらに営業活動や管理業務におけるコストの最適化を進めたことによるものです。その他の営業収益は78百万円(前期比38.3%増)となりました。その他の営業費用は6百万円(前期比92.4%減)となりました。これは、主にのれんの減損損失が減少したことによるものです。
これらの結果、営業利益は6億74百万円(前期19億2百万円の損失)となりました。
ⅲ.当期利益
金融収益は37百万円(前期比31.5%減)となりました。金融費用は79百万円(前期比12.1%増)となりました。法人所得税費用につきましては前連結会計年度より6億9百万円増加の2億13百万円となりました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は3億43百万円(前期14億87百万円の損失)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、外部要因としては①モビリティ産業の環境変化②技術革新への対応③法的規制④訴訟等により影響を受ける可能性があります。
一方、当社グループの経営成績に影響を与える内部要因としては、①システムトラブル②商品不具合③情報管理④知的財産の保護⑤人材の獲得及び育成等が挙げられます。当社グループは、継続的に内部管理体制の改善、組織体制を整備することでこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因についての詳細につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
運転資金及び設備投資資金につきましては、内部留保又は金融機関からの借入により資金調達することとしております。金融機関からの資金調達につきましては、長期借入のほか、効率的な運転資金の調達を図るため、総額38億円のコミットメントラインを設定しております。

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