有価証券報告書-第12期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績等の状況の概要
(ⅰ)経営成績
当連結会計年度の業績は、売上収益は1兆1,781億円(前年同期比9.3%減)、連結営業利益は962億円(前年同期比15.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、3,823億円計上しましたが、この主な内容は、広告宣伝及び販売促進費が1,307億円、従業員給付費用が1,334億円等であり、その結果、営業利益は962億円(前年同期比15.6%減)となりました。
金融収益は9億円となりました。また、金融費用は29億円となりました。この主な要因は、支払利息を21億円、為替差損を6億円計上したこと等によるものです。
これらの結果、税引前利益は942億円(前年同期比16.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は522億円(前年同期比24.2%減)となりました。また、1株当たり当期利益は168円97銭となりました。
また、報告セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。
[日本事業]
売上収益は6,330億円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益は370億円(前年同期比30.8%減)となりました。
[欧州事業]
売上収益は1,900億円(前年同期比14.6%減)、セグメント利益は272億円(前年同期比17.5%減)となりました。
[アジア事業]
売上収益は2,120億円(前年同期比8.5%減)、セグメント利益は279億円(前年同期比10.8%増)となりました。
[オセアニア事業]
売上収益は530億円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は65億円(前年同期比5.2%増)となりました。
[米州事業]
売上収益は901億円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益は91億円(前年同期比10.4%増)となりました。
(ⅱ)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、現金及び現金同等物の増加等により、前連結会計年度末に比べ70億円増加して1兆5,743億円となりました。
負債は、仕入債務及びその他の債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ150億円減少して7,147億円となりました。
資本合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ220億円増加して8,596億円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は49.7%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,529円95銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ239億円増加し、1,675億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益942億円、減価償却費及び償却費707億円等があったものの、仕入債務及びその他の債務の減少13億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ366億円減少し、1,340億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出625億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ18億円増加し、612億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出572億円等があったものの、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加302億円、長期借入れによる収入300億円等により、資金の支出は前連結会計年度に比べ684億円減少し、468億円の支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は、最終販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.生産実績には外注分を含んでいます。
(ⅱ)受注実績
当社グループは、原則として見込み生産を主体としているため、記載を省略しています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。重要な見積り及び判断については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。また、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)による影響は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断(追加情報)」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、中期経営戦略及び中期経営計画を「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期経営戦略及び(3)中期経営計画」に記載のとおり策定しています。その実現に向けて、当社グループが実施した活動は以下のとおりです。
当社グループは、お客様の嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客様の生活に豊かさをお届けするという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、品質の向上に取り組みました。また、将来の持続的な成長に向け、各エリアにおける事業基盤の強化にも注力しました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を受けた主要各国におけるロックダウンや営業自粛要請の影響により、人の動き・流れが大きく変化し、当社グループの国内外の事業も大きく影響を受けました。このように外部環境が大きく変化する中、日本で「伊右衛門」のリニューアルを実施するなど、各国においてコアブランドへの集中活動を展開し、連結売上収益は1兆1,781億円(前年同期比9.3%減)となりました。
連結営業利益は962億円(前年同期比15.6%減)となり、グループ全体で対前年同期178億円の減益となりました。
税引前利益は、連結営業利益の減少により、前年同期から180億円減少して942億円(前年同期比16.1%減)となりました。
法人所得税費用は、前年同期においてオランダで2021年以降の法人税率を20.5%から21.7%に引き上げる法案が上院で可決されたことにより、オランジーナ・シュウェップス・グループで計上する商標権に係る繰延税金負債の積み増しが13億円発生し、更に、当期において同国で2021年以降の法人税率を21.7%から25.0%に引き上げる法案が上院で可決されたことにより、同社で計上する商標権に係る繰延税金負債の積み増しが35億円発生しました。これが当期における実際負担税率を上昇させており、税引前利益の減少に伴う法人所得税費用の減少を一部相殺し、当連結会計年度においては前年同期に比べ22億円減少して299億円となりました。この結果、当期利益は643億円(前年同期比19.7%減)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、Suntory PepsiCo Beverage (Thailand) Co., Ltd.やSuntory PepsiCo Vietnam Beverage Co., Ltd.において業績が伸長した影響により9億円増加し、親会社の所有者に帰属する当期利益は、522億円(前年同期比24.2%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[日本事業]
水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心にコアブランドの強化に取り組みましたが、天候不順や、引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響もあり、販売数量は清涼飲料市場を上回ったものの前年同期を下回りました。「サントリー天然水」は、大容量需要の高まりや、リニューアルした「サントリー天然水 スパークリング」シリーズの好調等が下支え、ブランド全体の販売数量は前年同期並みとなりました。「BOSS」は、マーケティング活動を積極的に展開、新たに「ボス カフェベース」や「クラフトボス レモンティー」を発売する等、市場の活性化を図りましたが、ブランド全体の販売数量は前年同期を下回りました。無糖茶カテゴリーでは、4月にリニューアルした「伊右衛門」がお客様からの支持を獲得し、ブランド全体の販売数量が前年同期を大きく上回りました。「GREEN DA・KA・RA」は、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」が引き続き好調を維持し、ブランド全体の販売数量は前年同期並みとなりました。
収益面では、原材料市況の改善やコスト削減活動、加えて販促広告費の効率化に取り組みましたが、販売数量の減少及びチャネルミックスの変化が引き続きマイナスに影響しました。
これらの結果、日本事業の売上収益は6,330億円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益は370億円(前年同期比30.8%減)となりました。
[欧州事業]
フランスでは、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響により、主力ブランド「Orangina」及び「Oasis」の販売数量が前年同期を下回りました。夏場には好天の影響もあり回復の兆しがみられたものの、10月から実施された2度目のロックダウンの影響を受けました。英国では、「Lucozade」はブランド全体の販売数量は前年同期を下回ったものの、抗ストレスニーズを捉えた「Lucozade Energy」は引き続き堅調でした。スペインでは、主力ブランド「Schweppes」の販売数量が、家庭用では健闘したものの、業務用では営業制限の影響を受け、前年同期を下回りました。
収益面では、マーケティング費用の効率化、原材料市況の改善がプラスに寄与したものの、売上減少の影響を受け、利益も減少しました。
これらの結果、欧州事業の売上収益は1,900億円(前年同期比14.6%減)、セグメント利益は272億円(前年同期比17.5%減)となりました。
[アジア事業]
清涼飲料事業では、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響を受けて売上は前年同期を下回ったものの、ベトナムではコアブランドへの集中活動、タイでは低糖新商品の投入により市場を上回ることができました。
健康食品事業では、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響が大きく、売上は前年同期を下回りましたが、主力の 「BRAND'S Essence of Chicken」はこれまでの継続的な活動強化の効果もあり、販売トレンドは着実に戻ってきています。
収益面では、原材料市況の改善や、販促広告費の効率化がプラスに寄与しました。
これらの結果、アジア事業の売上収益は2,120億円(前年同期比8.5%減)となりました。セグメント利益は279億円(年同期比10.8%増)となりました。
[オセアニア事業]
清涼飲料事業では、「V」をはじめとするエナジードリンクが好調に推移、フレッシュコーヒー事業では主力ブランドの強化を図りました。4月のロックダウン解除以降、特に新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響を受けていた業務店・コンビニエンスストアの販売トレンドも回復基調にあります。
これらの結果、オセアニア事業の売上収益は530億円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は65億円(前年同期比5.2%増)となりました。
[米州事業]
主力炭酸ブランドの更なる販売強化に取り組むとともに、水やコーヒー飲料等、伸長している非炭酸カテゴリーにも注力しました。新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響は続いているものの、家庭用需要が伸長し、売上は前年同期を上回りました。
これらの結果、米州事業の売上収益は901億円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益は91億円(前年同期比10.4%増)となりました。
セグメント利益合計は962億円(前年同期比15.6%減)であり、連結損益計算書の営業利益と一致しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の蔓延により、消費者の嗜好や購買行動が変化しています。2021年度は、当該変化をチャンスと捉え、各報告セグメントにおいて成長戦略と構造改革を推進し、売上成長と利益成長を目指します。
また、各セグメントにおいては以下の取組みに注力します。
日本では、「自販機ビジネスのモデル革新」「コアブランドの成長加速」「サプライチェーン構造改革」を事業戦略の重点領域とし、取り組んでいきます。
アジアパシフィックでは、清涼飲料事業と健康食品事業においてコアブランドへの集中活動に取り組み、アジアでの二桁以上の成長を計画しています。
欧州では、コアブランドイノベーション加速による売上成長を目指すとともに、業務用ビジネスの構造改革に取り組んでいきます。
米州では、炭酸・エナジーカテゴリー強化と営業革新により成長加速を目指します。
経営陣一体となって、以上の取組みを、強力に迅速に進めていきます。
(ⅱ)財政状態の分析
当社グループは日本のみならず欧州、アジア、オセアニア、米州の各地に活動拠点を有しています。各拠点の機能通貨で算定された資産・負債は連結財務諸表の表示通貨である日本円に換算するため、当社グループの資産・負債残高は各種通貨の日本円に対する為替変動に大きく影響されます。各通貨の期首及び期末の為替レートについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (3)外貨換算」をご参照ください。当連結会計年度は主要な通貨が期末にかけて円高に推移したことが要因となり、負債は減少したものの、資産は現金及び現金同等物の増加等で、増加しています。
のれん及び無形資産は当社グループの資産総額の約41.6%を占める重要な構成要素であり、これまでに実施したM&Aの結果、取得したブランドや統合により得られるシナジーを評価して計上したものです。このうち、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については定期的な償却は行われず、主に年に一度実施する減損テストを通じて適切な回収可能額で評価されます。減損テストは直近のブランド損益を基礎とした将来見込みを用いて、客観的手法によって割引計算されます。その結果、当社グループは当連結会計年度において減損損失の計上を行いませんでした。ブランドごとに販売する地域の景気や天候、ブランドコンディションには違いがあり、今年度以降、個別には減損損失が発生する場合がありますが、現時点において、当社グループがこれまでに実施したM&Aとその後の統合プロセスはいずれも全体としては順調に推移していると評価しています。当社グループは、今後も無形資産の適正な評価に取り組む方針です。
また、負債は、買掛金と設備未払金の減少等により減少しています。借入金が毎期着実に減少しており、ネットD/Eレシオは0.1となりました。
(ⅲ)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ239億円増加し、1,675億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の減少180億円や前連結会計年度は仕入債務及びその他の債務の増加による収入89億円でしたが、当連結会計年度は仕入債務及びその他の債務の減少による支出13億円等により、資金の収入が前連結会計年度に比べ366億円減少し、1,340億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得が37億円増加したこと等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ18億円増加し、612億円の支出となりました。フリーキャッシュフローは728億円の収入となり、前連結会計年度から384億円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は短期借入金の減少による支出95億円でしたが、当連結会計年度は短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加による収入302億円や長期借り入れによる収入300億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ684億円減少し、468億円の資金の支出となりました。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、事業投資、有利子負債の返済及び運転資金等です。当社グループは資金の流動性確保のため、市場環境や長短のバランスを勘案して、銀行借入やリース等による間接調達のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の直接調達を行い、資金調達手段の多様化を図っています。
また、事業活動等により創出したキャッシュ・フローに加えて、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保しており、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の拡大による業績、キャッシュ・フロー悪化リスク等、緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備えています。
なお、今後予定されている設備投資に係る資金需要の主なものは、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」をご覧ください。
①財政状態及び経営成績等の状況の概要
(ⅰ)経営成績
当連結会計年度の業績は、売上収益は1兆1,781億円(前年同期比9.3%減)、連結営業利益は962億円(前年同期比15.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、3,823億円計上しましたが、この主な内容は、広告宣伝及び販売促進費が1,307億円、従業員給付費用が1,334億円等であり、その結果、営業利益は962億円(前年同期比15.6%減)となりました。
金融収益は9億円となりました。また、金融費用は29億円となりました。この主な要因は、支払利息を21億円、為替差損を6億円計上したこと等によるものです。
これらの結果、税引前利益は942億円(前年同期比16.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は522億円(前年同期比24.2%減)となりました。また、1株当たり当期利益は168円97銭となりました。
また、報告セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。
[日本事業]
売上収益は6,330億円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益は370億円(前年同期比30.8%減)となりました。
[欧州事業]
売上収益は1,900億円(前年同期比14.6%減)、セグメント利益は272億円(前年同期比17.5%減)となりました。
[アジア事業]
売上収益は2,120億円(前年同期比8.5%減)、セグメント利益は279億円(前年同期比10.8%増)となりました。
[オセアニア事業]
売上収益は530億円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は65億円(前年同期比5.2%増)となりました。
[米州事業]
売上収益は901億円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益は91億円(前年同期比10.4%増)となりました。
(ⅱ)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、現金及び現金同等物の増加等により、前連結会計年度末に比べ70億円増加して1兆5,743億円となりました。
負債は、仕入債務及びその他の債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ150億円減少して7,147億円となりました。
資本合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ220億円増加して8,596億円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は49.7%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,529円95銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ239億円増加し、1,675億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益942億円、減価償却費及び償却費707億円等があったものの、仕入債務及びその他の債務の減少13億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ366億円減少し、1,340億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出625億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ18億円増加し、612億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出572億円等があったものの、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加302億円、長期借入れによる収入300億円等により、資金の支出は前連結会計年度に比べ684億円減少し、468億円の支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 523,626 | 86.1 |
| 欧州 | 149,709 | 83.6 |
| アジア | 199,194 | 89.0 |
| オセアニア | 45,814 | 103.7 |
| 米州 | 76,239 | 99.1 |
| 合計 | 994,584 | 87.8 |
(注)1.金額は、最終販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.生産実績には外注分を含んでいます。
(ⅱ)受注実績
当社グループは、原則として見込み生産を主体としているため、記載を省略しています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 633,002 | 89.9 |
| 欧州 | 189,970 | 85.4 |
| アジア | 211,998 | 91.5 |
| オセアニア | 53,027 | 99.6 |
| 米州 | 90,138 | 102.7 |
| 合計 | 1,178,137 | 90.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。重要な見積り及び判断については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。また、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)による影響は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断(追加情報)」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、中期経営戦略及び中期経営計画を「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期経営戦略及び(3)中期経営計画」に記載のとおり策定しています。その実現に向けて、当社グループが実施した活動は以下のとおりです。
当社グループは、お客様の嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客様の生活に豊かさをお届けするという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、品質の向上に取り組みました。また、将来の持続的な成長に向け、各エリアにおける事業基盤の強化にも注力しました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を受けた主要各国におけるロックダウンや営業自粛要請の影響により、人の動き・流れが大きく変化し、当社グループの国内外の事業も大きく影響を受けました。このように外部環境が大きく変化する中、日本で「伊右衛門」のリニューアルを実施するなど、各国においてコアブランドへの集中活動を展開し、連結売上収益は1兆1,781億円(前年同期比9.3%減)となりました。
連結営業利益は962億円(前年同期比15.6%減)となり、グループ全体で対前年同期178億円の減益となりました。
税引前利益は、連結営業利益の減少により、前年同期から180億円減少して942億円(前年同期比16.1%減)となりました。
法人所得税費用は、前年同期においてオランダで2021年以降の法人税率を20.5%から21.7%に引き上げる法案が上院で可決されたことにより、オランジーナ・シュウェップス・グループで計上する商標権に係る繰延税金負債の積み増しが13億円発生し、更に、当期において同国で2021年以降の法人税率を21.7%から25.0%に引き上げる法案が上院で可決されたことにより、同社で計上する商標権に係る繰延税金負債の積み増しが35億円発生しました。これが当期における実際負担税率を上昇させており、税引前利益の減少に伴う法人所得税費用の減少を一部相殺し、当連結会計年度においては前年同期に比べ22億円減少して299億円となりました。この結果、当期利益は643億円(前年同期比19.7%減)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、Suntory PepsiCo Beverage (Thailand) Co., Ltd.やSuntory PepsiCo Vietnam Beverage Co., Ltd.において業績が伸長した影響により9億円増加し、親会社の所有者に帰属する当期利益は、522億円(前年同期比24.2%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[日本事業]
水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心にコアブランドの強化に取り組みましたが、天候不順や、引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響もあり、販売数量は清涼飲料市場を上回ったものの前年同期を下回りました。「サントリー天然水」は、大容量需要の高まりや、リニューアルした「サントリー天然水 スパークリング」シリーズの好調等が下支え、ブランド全体の販売数量は前年同期並みとなりました。「BOSS」は、マーケティング活動を積極的に展開、新たに「ボス カフェベース」や「クラフトボス レモンティー」を発売する等、市場の活性化を図りましたが、ブランド全体の販売数量は前年同期を下回りました。無糖茶カテゴリーでは、4月にリニューアルした「伊右衛門」がお客様からの支持を獲得し、ブランド全体の販売数量が前年同期を大きく上回りました。「GREEN DA・KA・RA」は、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」が引き続き好調を維持し、ブランド全体の販売数量は前年同期並みとなりました。
収益面では、原材料市況の改善やコスト削減活動、加えて販促広告費の効率化に取り組みましたが、販売数量の減少及びチャネルミックスの変化が引き続きマイナスに影響しました。
これらの結果、日本事業の売上収益は6,330億円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益は370億円(前年同期比30.8%減)となりました。
[欧州事業]
フランスでは、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響により、主力ブランド「Orangina」及び「Oasis」の販売数量が前年同期を下回りました。夏場には好天の影響もあり回復の兆しがみられたものの、10月から実施された2度目のロックダウンの影響を受けました。英国では、「Lucozade」はブランド全体の販売数量は前年同期を下回ったものの、抗ストレスニーズを捉えた「Lucozade Energy」は引き続き堅調でした。スペインでは、主力ブランド「Schweppes」の販売数量が、家庭用では健闘したものの、業務用では営業制限の影響を受け、前年同期を下回りました。
収益面では、マーケティング費用の効率化、原材料市況の改善がプラスに寄与したものの、売上減少の影響を受け、利益も減少しました。
これらの結果、欧州事業の売上収益は1,900億円(前年同期比14.6%減)、セグメント利益は272億円(前年同期比17.5%減)となりました。
[アジア事業]
清涼飲料事業では、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響を受けて売上は前年同期を下回ったものの、ベトナムではコアブランドへの集中活動、タイでは低糖新商品の投入により市場を上回ることができました。
健康食品事業では、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響が大きく、売上は前年同期を下回りましたが、主力の 「BRAND'S Essence of Chicken」はこれまでの継続的な活動強化の効果もあり、販売トレンドは着実に戻ってきています。
収益面では、原材料市況の改善や、販促広告費の効率化がプラスに寄与しました。
これらの結果、アジア事業の売上収益は2,120億円(前年同期比8.5%減)となりました。セグメント利益は279億円(年同期比10.8%増)となりました。
[オセアニア事業]
清涼飲料事業では、「V」をはじめとするエナジードリンクが好調に推移、フレッシュコーヒー事業では主力ブランドの強化を図りました。4月のロックダウン解除以降、特に新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響を受けていた業務店・コンビニエンスストアの販売トレンドも回復基調にあります。
これらの結果、オセアニア事業の売上収益は530億円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は65億円(前年同期比5.2%増)となりました。
[米州事業]
主力炭酸ブランドの更なる販売強化に取り組むとともに、水やコーヒー飲料等、伸長している非炭酸カテゴリーにも注力しました。新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響は続いているものの、家庭用需要が伸長し、売上は前年同期を上回りました。
これらの結果、米州事業の売上収益は901億円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益は91億円(前年同期比10.4%増)となりました。
セグメント利益合計は962億円(前年同期比15.6%減)であり、連結損益計算書の営業利益と一致しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の蔓延により、消費者の嗜好や購買行動が変化しています。2021年度は、当該変化をチャンスと捉え、各報告セグメントにおいて成長戦略と構造改革を推進し、売上成長と利益成長を目指します。
また、各セグメントにおいては以下の取組みに注力します。
日本では、「自販機ビジネスのモデル革新」「コアブランドの成長加速」「サプライチェーン構造改革」を事業戦略の重点領域とし、取り組んでいきます。
アジアパシフィックでは、清涼飲料事業と健康食品事業においてコアブランドへの集中活動に取り組み、アジアでの二桁以上の成長を計画しています。
欧州では、コアブランドイノベーション加速による売上成長を目指すとともに、業務用ビジネスの構造改革に取り組んでいきます。
米州では、炭酸・エナジーカテゴリー強化と営業革新により成長加速を目指します。
経営陣一体となって、以上の取組みを、強力に迅速に進めていきます。
(ⅱ)財政状態の分析
当社グループは日本のみならず欧州、アジア、オセアニア、米州の各地に活動拠点を有しています。各拠点の機能通貨で算定された資産・負債は連結財務諸表の表示通貨である日本円に換算するため、当社グループの資産・負債残高は各種通貨の日本円に対する為替変動に大きく影響されます。各通貨の期首及び期末の為替レートについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (3)外貨換算」をご参照ください。当連結会計年度は主要な通貨が期末にかけて円高に推移したことが要因となり、負債は減少したものの、資産は現金及び現金同等物の増加等で、増加しています。
のれん及び無形資産は当社グループの資産総額の約41.6%を占める重要な構成要素であり、これまでに実施したM&Aの結果、取得したブランドや統合により得られるシナジーを評価して計上したものです。このうち、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については定期的な償却は行われず、主に年に一度実施する減損テストを通じて適切な回収可能額で評価されます。減損テストは直近のブランド損益を基礎とした将来見込みを用いて、客観的手法によって割引計算されます。その結果、当社グループは当連結会計年度において減損損失の計上を行いませんでした。ブランドごとに販売する地域の景気や天候、ブランドコンディションには違いがあり、今年度以降、個別には減損損失が発生する場合がありますが、現時点において、当社グループがこれまでに実施したM&Aとその後の統合プロセスはいずれも全体としては順調に推移していると評価しています。当社グループは、今後も無形資産の適正な評価に取り組む方針です。
また、負債は、買掛金と設備未払金の減少等により減少しています。借入金が毎期着実に減少しており、ネットD/Eレシオは0.1となりました。
(ⅲ)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ239億円増加し、1,675億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の減少180億円や前連結会計年度は仕入債務及びその他の債務の増加による収入89億円でしたが、当連結会計年度は仕入債務及びその他の債務の減少による支出13億円等により、資金の収入が前連結会計年度に比べ366億円減少し、1,340億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得が37億円増加したこと等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ18億円増加し、612億円の支出となりました。フリーキャッシュフローは728億円の収入となり、前連結会計年度から384億円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は短期借入金の減少による支出95億円でしたが、当連結会計年度は短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加による収入302億円や長期借り入れによる収入300億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ684億円減少し、468億円の資金の支出となりました。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、事業投資、有利子負債の返済及び運転資金等です。当社グループは資金の流動性確保のため、市場環境や長短のバランスを勘案して、銀行借入やリース等による間接調達のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の直接調達を行い、資金調達手段の多様化を図っています。
また、事業活動等により創出したキャッシュ・フローに加えて、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保しており、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の拡大による業績、キャッシュ・フロー悪化リスク等、緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備えています。
なお、今後予定されている設備投資に係る資金需要の主なものは、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」をご覧ください。