有価証券報告書-第15期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

【提出】
2021/01/28 15:39
【資料】
PDFをみる
【項目】
150項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気動向は大きく落ち込んだものの、政府や自治体による経済対策が後押しし、一部で持ち直しの動きもみられました。しかしながら、依然として収束が見通せないことから、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要事業領域である新築マンション市場におきましては、2019年11月から2020年10月までの1年間での契約率が首都圏で65.3%(前年比5.7%増)、当社主要取扱物件エリアである都区部で62.9%(前年比4.2%増)と好調の目安と言われる70%を下回る結果となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響等により発売戸数は減少いたしましたが、生活様式の変化による住居用物件の需要が高まったこと等から、前年同期間と比べると契約率は増加いたしました(株式会社不動産経済研究所調べ)。
当社グループにおきましては、このような経営環境のもと、東京23区を中心に「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの新築マンションとして、「GENOVIA green veil(ジェノヴィア グリーンヴェール)」、「GENOVIA skygarden(ジェノヴィア スカイガーデン)」及び「GENOVIA skyrun(ジェノヴィア スカイラン)」の企画・開発及び販売の拡大、顧客サポート体制の充実、さらにブランド力の強化を図ってまいりました。新型コロナウイルスの影響でホテルやオフィスの稼働率が低下している中、特に、業者販売において、好立地の物件を好条件で販売できたことにより、利益面で大幅な増益となる等、当社グループが供給する投資用マンションは、高利回りで安定的な投資商品として評価され、1棟単位での販売も増加いたしました。
これにより、当連結会計年度においては29棟、全750戸を販売し、仕入につきましても、24棟、全1,439戸の仕入を行いました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は26,323百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益は2,829百万円(同61.2%増)、経常利益は2,644百万円(同60.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,826百万円(同62.0%増)となりました。
また、当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、総資産25,915百万円(前連結会計年度末比70.6%増)、負債17,518百万円(同114.3%増)、純資産8,397百万円(同19.7%増)となり、自己資本比率は32.4%となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
なお、当社グループの業績管理の方法として、販売先ではなく、部門別の販売によって管理しており、「自社販売」又は「業者販売」セグメントに属するそれぞれの事業本部が外国人投資家に販売する場合、「自社販売」又は「業者販売」に分類する等、国内に限らないため、従来の「国内自社販売」を「自社販売」に、「国内業者販売」を「業者販売」に名称を変更しております。
また、2020年9月9日に株式会社ルームバンクインシュアの全株式を取得し、完全子会社化したことに伴い、新規事業として家賃債務保証事業を開始いたしました。なお、当該事業は、賃貸事業とのシナジー効果が高いため、従来の報告セグメント「不動産管理」に含め、「不動産管理等」に名称を変更しております。
加えて、2019年12月より新規事業として不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品の販売を開始したことに伴い、第1四半期連結会計期間より、「Good Com Fund」を報告セグメントに追加しております。
A.自社販売
自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルーム及びファミリータイプを個人投資家に対し、当連結会計年度では、219戸(前年同期は205戸)を販売いたしました。
以上の結果、売上高は7,870百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益は230百万円(同6.9%減)となりました。
B.業者販売
自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルーム及びファミリータイプを不動産会社等に対し、当連結会計年度では、529戸(前年同期は645戸)を販売いたしました。
以上の結果、売上高は17,211百万円(前年同期比9.7%増)、セグメント利益は2,123百万円(同80.8%増)となりました。
C.不動産管理等
建物管理戸数、賃貸管理戸数の堅調な増加に加え、月末入居率99%超を毎月達成いたしました。
以上の結果、売上高は1,199百万円(前年同期比59.6%増)、セグメント利益は551百万円(同52.5%増)となりました。
D.海外販売
自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルームタイプを海外の個人投資家に対し、当連結会計年度では、1戸を販売いたしました。
以上の結果、売上高は29百万円、セグメント損失は18百万円(前年同期は42百万円のセグメント損失)となりました。
E.Good Com Fund
不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品を販売し、当連結会計年度では、1戸を販売いたしました。
以上の結果、売上高は47百万円、セグメント損失は75百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ1,618百万円増加し、6,578百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、6,112百万円の資金減少(前連結会計年度は2,642百万円の資金減少)となりました。主な要因は、たな卸資産の増加額が8,825百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、582百万円の資金減少(前連結会計年度は56百万円の資金減少)となりました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が527百万円及び無形固定資産の取得による支出が29百万円それぞれあったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、8,312百万円の資金増加(前連結会計年度は1,845百万円の資金増加)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出が6,686百万円あった一方で、長期借入れによる収入が13,162百万円及び短期借入金の純増額が2,002百万円それぞれあったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
A.生産実績
該当事項はありません。
B.受注実績
該当事項はありません。
C.販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年11月1日
至 2020年10月31日)
販売戸数(戸)金額(千円)
前年同期比(%)
自社販売2197,870,006113.2
業者販売52917,211,117109.7
不動産管理等-1,199,701159.6
海外販売129,269-
Good Com Fund147,066-
合計75026,357,161112.65

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年11月1日
至 2019年10月31日)
当連結会計年度
(自 2019年11月1日
至 2020年10月31日)
金額
(千円)
割合
(%)
金額
(千円)
割合
(%)
ピーピーエフエー・ジャパン・
スリー特定目的会社
--9,706,80036.9
株式会社MAXIV3,135,58513.4--

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮した上で行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、結果としてこれらの見積りと実績が異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「追加情報」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、26,323百万円となり、前連結会計年度の23,376百万円に比べ12.6%増加いたしました。
自社販売の売上高は、219戸を販売し、7,870百万円(前年度13.2%増)となりました。営業効率を上げるためファミリータイプの販売に注力し、前連結会計年度に比べファミリータイプでは25戸増の115戸を販売いたしました。
業者販売の売上高は、529戸を販売し、17,211百万円(同9.7%増)となりました。前連結会計年度の645戸に比べ、116戸減少しておりますが、好立地物件の1棟単位での販売が5棟あり、同時にファミリータイプを81戸販売することができたため、戸当たり単価が上昇いたしました。(前年度は11戸の販売)
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、4,790百万円となり、前連結会計年度の3,492百万円に比べ37.2%増加いたしました。これは主に、好立地物件を好条件で販売できたことによるものであります。
また、売上総利益率は、前連結会計年度の14.9%に比べ、3.3ポイント上昇し、18.2%となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,961百万円となり、前連結会計年度の1,737百万円に比べ12.9%増加いたしました。これは主に、人員増に伴う人件費及び仕入増による借入に伴う費用の増加によるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、35百万円となり、前連結会計年度の31百万円に比べ12.4%増加いたしました。これは主に、雑収入が2百万円増加したためであります。
当連結会計年度の営業外費用は、220百万円となり、前連結会計年度の137百万円に比べ61.1%増加いたしました。これは主に、仕入戸数の増加に伴う借入金が増加し、支払利息及び支払手数料が71百万円増加したためであります。
B.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は24,936百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,036百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が1,618百万円、仕入増による販売物件の増加により販売用不動産が7,024百万円、仕掛販売用不動産が1,693百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は979百万円となり、前連結会計年度末に比べ687百万円増加いたしました。主な要因は、2020年9月9日付で株式会社ルームバンクインシュアの全株式を取得したことによりのれんを539百万円計上したこと及び投資その他の資産のその他に含まれる繰延税金資産が75百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は12,925百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,742百万円増加いたしました。主な要因は、仕入増による販売物件の増加により短期借入金が2,002百万円、1年内返済予定の長期借入金が4,127百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は4,592百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,601百万円増加いたしました。主な要因は、仕入増による販売物件の増加により長期借入金が2,348百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,397百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,380百万円増加いたしました。主な要因は、配当の支払により利益剰余金が338百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,826百万円増加したことによるものであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容、経済状況、法的規制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。当社グループは、これらのリスク要因について注視するとともに、リスクを低減できるよう適切な対応を行ってまいります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、販売用不動産の取得資金であります。資金調達については、物件ごとに借入条件を勘案し、金融機関から借入れております。また、当社グループが成長を続けるためには、仕入物件の確保及び財務能力の健全性の維持が重要であると認識しておりますので、金融機関からの借入れや社債の発行、新株式発行による増資等、手許資金とのバランスを考慮し、成長原資である物件の確保、自己資本比率の上昇及び有利子負債依存度の低減により、財務能力の健全性を確保いたします。
なお、当連結会計年度末及び前連結会計年度末の有利子負債依存度については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。