有価証券報告書-第20期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 17:04
【資料】
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【項目】
79項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界においては、高齢化社会の進行に伴い、日本の医療費は約40兆円となり、2040年には66兆円を見込み、平均寿命の延伸、高齢者像の変化などの経済社会を踏まえて、医療費の削減や医療の質の向上に向けた抜本的改革が求められております。なかでも医師や看護師をはじめとする医療の担い手不足や地域偏在、そして診療科偏在が課題に挙げられ、医療従事者の需要はますます高まっております。一方、2024年度の医師の働き方改革法案施行に向けた検討が重ねられ、医師の雇用環境は今後大きく変化していきます。
また、政府は、医療・介護分野における最先端技術の活用、ビッグデータの活用及び情報通信技術(ICT)インフラの整備に取り組んでおり、オンライン診療においては、2018年度の診療報酬改定以降、ガイドラインの整備が進み、より一層の適正化を目指しています。
このような状況のなか、当社グループは、関東、関西エリアを中心に営業基盤の強化及び医師や看護師のネットワークの拡大を図り、非常勤医師紹介件数の増加及び前連結会計年度における連結子会社の増加、看護師派遣のエリア拡大が寄与し、売上収益は順調に推移しました。これに伴い、営業人員及び販売網の強化を図り、人件費及び販売活動に係る費用が増加しました。さらに、前連結会計年度における連結子会社の増加により、医師をはじめ、医療従事者の会員数が大幅に増加し、グループ各社が会員に向けたサービスを積極的に行い会員の活性化を図りました。
医療人材以外のその他のサービスにつきましては、開業支援、事業承継・M&Aの仲介サービスの強化、女医によるマーケティング、商品開発やメディア掲載など医師に向けたサービスの多様化を積極的に進めたことにより、売上収益は大きく伸長しております。
「オンライン診療ポケットドクター」につきましては、医療機関への販売網の拡大や診療報酬の改定によりサービスの認知度は向上しておりますが、制度が導入されて間もないため、オンライン診療が有効に活用されるには当面時間を要するものであります。当連結会計年度においては、オンラインによる診療等の普及・浸透に向けたサービス開発を推進しております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計につきましては、3,166,950千円となり、前連結会計年度末に対して993,294千円増加しました。
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,671,302千円となり、前連結会計年度末に対して999,267千円増加しました。
当連結会計年度末における資本合計につきましては、1,495,648千円となり、前連結会計年度末に対して5,972千円減少しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上収益は2,232,245千円(前連結会計年度比48.7%増)、営業利益は52,569千円(同19.0%減)、税引前当期利益は160,053千円(同167.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は97,695千円(同213.7%増)となりました。
また、売上収益の内訳は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)2,090,513千円(同47.6%増)、その他141,732千円(同67.3%増)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ958,788千円増加し、1,786,183千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は87,695千円(前年同期比11.6%減)となりました。これは、主に税引前当期利益160,053千円、減価償却費及び償却費44,084千円、減損損失46,832千円の計上等がありましたが、関連会社の株式一部売却等による持分法で会計処理されている投資利益128,727千円の計上、法人所得税の支払額が89,930千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は41,944千円(同27.0%減)となりました。これは、主にその他の金融資産の償還等による収入が105,000千円ありましたが、有形固定資産の取得による支出が37,019千円、その他の金融資産の取得による支出が90,030千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果獲得した資金は989,556千円(前年同期は65,058千円の支出)となりました。これは、主に連結子会社である株式会社CBキャリアの完全子会社化を目的とする同社株式の追加取得による支出が46,696千円ありましたが、借入及び社債の発行による収入が1,044,863千円、新株予約権行使による株式の発行が8,135千円あったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上収益区分別に示すと、次のとおりであります。
売上区分別の名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
医療人材サービス2,090,51347.6
その他のサービス141,73267.3
合計2,232,24548.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度末における財政状態の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計につきましては、3,166,950千円となり、前連結会計年度末に対して993,294千円増加しました。これは、主に持分法適用関連会社の株式の一部を売却したことにより持分法で会計処理されている投資が102,677千円減少しましたが、金融機関より借入及び社債を発行したこと等により現金及び現金同等物が958,788千円増加、関連会社であった株式を公正価値に評価及び連結範囲変更に伴い連結子会社であった株式を金融資産に計上したこと等により非流動資産その他の金融資産が162,810千円増加したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,671,302千円となり、前連結会計年度末に対して999,267千円増加しました。これは、主に長期的な事業規模拡大及び全国的な拠点展開に向け、今後の増加する資金需要への対応と各地域における金融機関との業務連携などを目的として金融機関より借入及び社債を発行したことにより社債及び借入金が1,028,288千円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における資本合計につきましては、1,495,648千円となり、前連結会計年度末に対して5,972千円減少しました。これは、主に支配喪失による連結範囲変更等に伴い非支配持分が41,326千円減少しましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益を97,695千円計上したことにより利益剰余金が増加したことによります。
b.当社グループの当連結会計年度における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度においては、関東、関西エリアを中心に営業基盤の強化及び医師や看護師のネットワークの拡大を図り、非常勤医師紹介件数の増加及び前連結会計年度における連結子会社の増加、看護師派遣のエリア拡大に取り組みました。また開業支援、事業承継・M&Aの仲介サービスの強化、女医によるマーケティング、商品開発やメディア掲載など医師に向けたサービスの多様化を積極的に進めたことにより、その他の売上収益が増加しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は、2,232,245千円(前年同期比48.7%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度においては、前連結会計年度に連結子会社2社増加したこと、及び医師を中心とする医療人材紹介の収益拡大を目指し積極的な人員採用を実施した結果、大幅に人員が増加しました。派遣スタッフを含め人員増加等により売上原価が242,160千円増加、売上原価率は前連結会計年度に比して2.3ポイント上昇し、28.3%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、1,600,404千円(同43.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、営業人員及び販売網の強化を図り、人件費及び販売活動に係る費用が増加したことにより、1,514,515千円(同44.6%増)となりました。一方、広告宣伝費及び販売促進費、賃借料が増加により、販売費及び一般管理費に占める人件費の割合は、前連結会計年度に比して7.5ポイント減少し、38.0%となりました。
また、その他の費用は、主にのれんの減損損失を計上したことにより、34,853千円(前年同期はゼロ)となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、52,569千円(同19.0%減)となりました。
(持分法による投資損益等、金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度において、関連会社の株式一部売却等による持分法で会計処理されている投資利益128,727千円、借入金等に係る金融費用5,536千円、関連会社が提供するサービス「Lifee」の開発及び営業体制の強化に係る投資により持分法による投資損失17,405千円を計上しました。
この結果、当連結会計年度における税引前当期利益は、160,053千円(同167.6%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、実際負担税率36.6%の法人所得税費用58,619千円を計上した結果、97,695千円(同213.7%増)となりました。
c.当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、MRTブランドの浸透、医師会員数及び登録医療機関数の増加、医局への取り組みが当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、MRTの知名度の向上と医師会員及び登録医療機関の獲得のためにサービスの拡充を図ってまいります。
また、当社グループは、当社、株式会社NOSWEAT(2017年1月連結子会社化)、株式会社医師のとも(2017年12月連結子会社化)及び株式会社CBキャリア(2018年3月連結子会社化)において、医療人材サービスを提供しており、各社のサービスの強み、ブランド価値を経営資源として有効に活用し、医療従事者に向けた訴求力を高めていく必要があります。
e.当社グループの資本財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業規模の拡大及び新規事業の育成を通じた収益基盤の多様化を通じて持続可能な長期的な成長を実現し、企業価値の最大化を目指しております。この企業価値の最大化を目指すために、親会社所有者帰属持分比率を資本管理において用いる指標としております。
当社グループの資金需要は、人件費及び販売促進費等の営業費用の他、非常勤医師紹介に係るシステム構築及びM&Aとなります。必要な資金は、自己資本及び借入金のバランスを考慮して調達する方針であります。なお、運転資金等の流動性が必要な資金につきましては、取引金融機関から証書貸付による資金調達以外に、取引金融機関との当座貸越枠の設定を行い、弾力的な資金調達の対応を可能としております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における親会社所有者帰属持分比率は次のとおりであります。
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
親会社の所有に帰属する持分(千円)1,455,7961,491,150
負債及び資本合計(千円)2,173,6563,166,950
親会社所有者帰属持分比率(%)66.9747.08

f.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。
当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
第17期
(自 2015年4月1日
至 2016年3月31日)
第18期
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
第19期
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
第20期
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
売上収益(千円)1,004,8021,154,5291,501,5092,232,245
対前期増減率(%)-14.930.148.6
営業利益(千円)204,295155,70864,92352,569
対前期増減率(%)-△23.8△58.3△19.0
親会社の所有者に帰属する当期利益(千円)124,49988,09031,14497,695
対前期増減率(%)-△29.4△64.6213.6

(注)第17期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、第17期の対前期増減率については記載しておりません。
当社グループは、全国に向けて医療人材サービスの拡大を目指しており、当連結会計年度における売上収益の対前期増減率は、48.6%増となりました。これは、連結子会社の増加、拠点拡大を目的とする営業人員の増加等による営業体制の強化によるものであります。一方、主に子会社取得に係る諸費用及び人員増加による販売費及び一般管理費の増加、関連会社の株式一部売却等による持分法で会計処理されている投資利益128,727千円計上により、営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益の対前期増減率は、それぞれ19.0%減、213.6%増となりました。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が43,402千円減少、その他の費用が33,390千円増加しております。
(退職給付に係る費用)
日本基準では、退職給付費用について、自己都合による期末要支給額の増減額を費用認識しておりましたが、IFRSでは、確定給付債務の現在価値を予測単位積増方式により算定し、当期において発生したと認められる額を費用認識したことにより差異を生じております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて退職給付に係る債務が17,642千円増加し、売上原価並びに販売費及び一般管理費が5,087千円増加しております。
(有給休暇に係る債務)
IFRSでは、日本基準で未認識の未払有給休暇に係る債務を認識しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて従業員給付(営業債務及びその他の債務)が39,824千円増加し、売上原価並びに販売費及び一般管理費が8,463千円増加しております。

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