有価証券報告書-第26期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、2023年10月1日に行われたMedikiki.com株式会社(現 Medikiki株式会社)の株式取得による企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界においては、高齢化社会の進行とともに医療の担い手不足や地域偏在、診療科偏在が課題に挙げられてきました。2025年には約800万人の「団塊の世代」(1947~1949年生まれ)がすべて75歳以上の後期高齢者になり、国民の5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会に突入し、ますます充実し、かつ持続可能な医療サービスの実現が求められています。日本の医療費は40兆円を超え2040年度には約66兆円を見込み、医療費の削減が課題とされる一方で、医師の長時間労働により支えられている危機的な状況の改善に向け、2024年4月より医師の働き方改革が施行され、医療現場では、医療DXなどを活用した業務効率化や医療人材の確保、他職種へのタスク・シフト/タスク・シェアといった体制変更が求められています。また、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、災害医療、救急医療をはじめとした地域医療課題が浮き彫りになりました。人口減少および高齢化が著しい地域においては、そもそもの医療人材の絶対数の底上げをはじめとする医療資源の確保ひいては医療体制の維持が喫緊の課題となっています。
こうした全国的な医療課題を受け、当社は行政機関と連携し医療従事者確保や医療DX活用など医療体制構築の取り組みを進めてまいりました。自治体の実施する早期発見、早期治療を目的とした検査会場の運営支援、夜間・休日における救急医療のひっ迫回避に向けた体制構築と運営、山間地域等における医療アクセス向上を目的とした医療MaaS、医療人材確保を目的とした医療版ワーケーション、メディアや他業種企業とタイアップした地域住民への啓発活動など、医療プラットフォームを活用し、さまざまなかたちでそれぞれの自治体のもつ医療課題の解決に寄与しております。
いずれも、それぞれの地域で医療機関、医療従事者、自治体、企業が守り続けてきた地域医療を下支えする一環として行っており、主幹事業である医療人材紹介および職場定着のご支援と一気通貫の取り組みとして位置づけております。
医療人材紹介サービスにおいては、当社グループ内の組織再編(子会社の簡易吸収分割)をもって医療従事者の常勤紹介サービスと非常勤紹介サービスとが強固に連携したことにより、常勤紹介サービスの過去最高の売上収益を達成し、順調に伸長しております。
さらに、2024年11月には、伊藤忠商事株式会社と資本業務提携契約を締結し国内外ともに医療・ヘルスケア関連事業の協業によるビジネス強化・拡大を推進してまいります。
全世界に先駆けて超高齢化を迎える日本で培った弊社の知見・経験は、人口増加と経済成長を継続しながらも、すでに高齢化も進んでいるインドネシアやベトナムといった海外の国々においても応用できるものと考えており、当社グループは「ASEAN No.1 の医療 DX・医療人材プラットフォーム」の構築、ひいては東南アジア圏の医療向上を目指しております。2024年9月には、伊藤忠商事株式会社のグループ会社であり、東南アジア最大の医師向けプラットフォームを運営するDocquityとの提携により、Docquityアプリを通じてDocquity 総会員数40万名に対し、新規登録または求人に応募する医師などの情報を連携し、東南アジア圏における医療人材紹介サービスの展開に取り組んでおります。
当社グループは、ASEAN諸国における事業拡大に向け、人員確保をはじめとする社内体制構築および営業活動を促進してまいります。
当社グループは、これまで作り上げてきた医療人材プラットフォームおよび医療DXプラットフォームサービスを最大限に活用し医療現場の一助となれるよう引き続き尽力してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,745,562千円となり、前連結会計年度末に対して272,025千円増加しました。
当連結会計年度末における負債合計につきましては、2,117,957千円となり、前連結会計年度末に対して361,059千円増加しました。
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,627,605千円となり、前連結会計年度末に対して89,034千円減少しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上収益は4,165,519千円(前年同期比23.0%減)、営業損失は119,936千円(前年同期は営業利益834,000千円)、税引前当期損失は332,035千円(前年同期は税引前当期利益857,567千円)、親会社の所有者に帰属する当期損失は309,159千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期利益518,358千円)となりました。また、売上収益の内訳は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,025,319千円(前年同期比4.3%減)、その他1,140,200千円(同49.3%減)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,178,259千円減少し、2,605,218千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果獲得した資金は503,040千円(前年同期は193,584千円の使用)となりました。これは、主に法人所得税費用の支払い148,801千円があったこと及び税引前当期損失332,035千円を計上しましたが、持分法による投資損失が211,667千円及び法人所得税費用の還付額が379,344千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は1,843,072千円(前年同期比656.6%)となりました。これは、主にDocquity株式の取得に伴いその他の金融資産の取得による支出が1,870,195千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果獲得した資金は161,772千円(前年同期は669,192千円の使用)となりました。これは、主にリース負債の返済による支出130,096千円がありましたが、金融機関からの長期借入れによる収入175,000千円及び株式の発行による収入215,329千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上収益区分別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.当連結会計年度における東京都への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度末における財政状態及び経営成績の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,745,562千円となり、前連結会計年度末に対して272,025千円増加しました。これは、主に未収法人所得税が317,511千円減少、Docquity株式の取得に係る支払等により現金及び現金同等物が1,178,259千円減少しましたが、その他の金融資産(非流動資産)が1,766,639千円増加したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、2,117,957千円となり、前連結会計年度末に対して361,059千円増加しました。これは、主にその他の流動負債が69,194千円減少しましたが、リース負債が328,925千円及び金融機関からの借入金により社債及び借入金が76,736千円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,627,605千円となり、前連結会計年度末に対して89,034千円減少しました。これは、主に第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金が216,645千円増加しましたが、親会社の所有者に帰属する当期損失309,159千円計上したことによります。
b.当社グループの当連結会計年度における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、常勤医師紹介に係る売上収益は伸長しましたが、新型コロナウイルスワクチンに関連する大規模接種に係る医療従事者紹介や自宅療養者向けフォローアップセンターなどの自治体BPO業務が終了又は縮小したため売上収益が減少しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,025,319千円(前年同期比4.3%減)、その他1,140,200千円(同49.3%減)の4,165,519千円(同23.0%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、人材獲得および拠点展開に係る体制構築に伴う先行投資を実施し、中でも自治体BPO業務においては運営費用が大幅に増加したものの、大規模な自治体BPO業務が終了したことにより、売上原価率が前連結会計年度に比して1.0ポイント減少し、34.3%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、2,736,072千円(同21.8%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、来期以降の売上収益拡大に向けた販売促進活動を積極的に実施し、広告宣伝費及び販売促進費が128,161千円増加、また、体制構築に伴う収益構造の改革を進めており、その結果、のれん等の減損損失としてその他の費用を41,572千円計上しました。売上収益の減少により、人件費の対売上収益比率は前連結会計年度に比して6.9ポイント増加し26.7%となりました。
この結果、当連結会計年度における営業損失は、119,936千円(前年同期は営業利益834,000千円)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度において、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の増加等7,131千円を金融収益、社債及び借入金等に係る利息等7,562千円を金融費用として計上しました。
関連会社において、(1)各国政府が推進する医療政策に対する市場の反応は想定より鈍く、本年度の目標に対する進捗の遅れが生じ、(2)MRTブランドによるASEANにおける人材サービス展開の準備に加え、外部環境の変化に柔軟に対応するため、関連会社の組織や体制の抜本的な変更・再編に取り組んでおります。これらを踏まえ、持分法による投資損失211,667千円を計上しました。
この結果、当連結会計年度における税引前当期損失は、332,035千円(前年同期は税引前当期利益857,567千円)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期損失は、持分法による投資損失など法人税の負担に影響を与えない損失を計上した結果、税引前当期損失に対して法人所得税費用3,923千円を計上し、309,159千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期利益518,358千円)となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 2.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、医療人材プラットフォームとしての会員数増加、医療従事者及び医療機関に対する知名度の向上が当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、常勤および非常勤の紹介事業に係る経営資源が分散されるといった課題解決に向け株式会社日本メディカルキャリア(現 MRTメディアパートナーズ株式会社 2018年3月連結子会社化)の常勤紹介事業を当社が承継し、非常勤から常勤まで包括的な紹介ができる体制を構築し、常勤紹介サービスの周知および販促活動を拡大するとともに、営業組織体制も強化し、より良いサービス提供ができるよう努めてまいります。
また、当社グループは、当社グループが有する医療人材プラットフォームを活用し、医療従事者の地域偏在、診療科偏在といった自治体の抱える地域医療課題解決を目指しております。さらに、医療DXプラットフォームとの連携により医療過疎地の医療アクセスの向上にも寄与するものと考えております。現在こうした当社グループの取り組みや実績について取りまとめ、自治体に対し認知度の向上および継続的な啓蒙活動に努めております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。
当社グループは、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
第26期は、営業損失及び親会社の所有者に帰属する当期損失のため、対前期増減率を記載しておりません。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症関連の自治体BPO業務が終了または縮小したことによりその他売上収益が対前期比49.3%減少し、当連結会計年度における売上収益は4,165,519千円となりました。一方、当該売上収益に係る人件費及び外注費等の原価率は高く、当該売上収益が減少した結果、売上総利益の対売上収益比率が1.0ポイント上昇しましたが、販売費及び一般管理費が対前期比11.7%増加したことにより営業損失となりました。また、のれん等の減損処理及び持分法による投資損失等を計上したことにより親会社の所有者に帰属する当期損失となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業規模の拡大及び新規事業の育成を通じた収益基盤の多様化を通じて持続可能な長期的な成長を実現し、企業価値の最大化を目指しております。この企業価値の最大化を目指すために、親会社所有者帰属持分比率を資本管理において用いる指標としております。
当社グループの資金需要は、医療機関に対して一時的な資金の立替等を行う経営支援サービスに係る資金、人件費及び販売促進費等の営業費用の他、非常勤医師紹介及びDoor.に係るシステム構築並びにM&Aとなります。必要な資金は、自己資本及び借入金のバランスを考慮して調達する方針であります。なお、運転資金等の流動性が必要な資金につきましては、取引金融機関から証書貸付による資金調達以外に、取引金融機関との当座貸越枠の設定を行い、弾力的な資金調達ができるようにしております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における親会社所有者帰属持分比率は次のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要性がある会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、2023年10月1日に行われたMedikiki.com株式会社(現 Medikiki株式会社)の株式取得による企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界においては、高齢化社会の進行とともに医療の担い手不足や地域偏在、診療科偏在が課題に挙げられてきました。2025年には約800万人の「団塊の世代」(1947~1949年生まれ)がすべて75歳以上の後期高齢者になり、国民の5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会に突入し、ますます充実し、かつ持続可能な医療サービスの実現が求められています。日本の医療費は40兆円を超え2040年度には約66兆円を見込み、医療費の削減が課題とされる一方で、医師の長時間労働により支えられている危機的な状況の改善に向け、2024年4月より医師の働き方改革が施行され、医療現場では、医療DXなどを活用した業務効率化や医療人材の確保、他職種へのタスク・シフト/タスク・シェアといった体制変更が求められています。また、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、災害医療、救急医療をはじめとした地域医療課題が浮き彫りになりました。人口減少および高齢化が著しい地域においては、そもそもの医療人材の絶対数の底上げをはじめとする医療資源の確保ひいては医療体制の維持が喫緊の課題となっています。
こうした全国的な医療課題を受け、当社は行政機関と連携し医療従事者確保や医療DX活用など医療体制構築の取り組みを進めてまいりました。自治体の実施する早期発見、早期治療を目的とした検査会場の運営支援、夜間・休日における救急医療のひっ迫回避に向けた体制構築と運営、山間地域等における医療アクセス向上を目的とした医療MaaS、医療人材確保を目的とした医療版ワーケーション、メディアや他業種企業とタイアップした地域住民への啓発活動など、医療プラットフォームを活用し、さまざまなかたちでそれぞれの自治体のもつ医療課題の解決に寄与しております。
いずれも、それぞれの地域で医療機関、医療従事者、自治体、企業が守り続けてきた地域医療を下支えする一環として行っており、主幹事業である医療人材紹介および職場定着のご支援と一気通貫の取り組みとして位置づけております。
医療人材紹介サービスにおいては、当社グループ内の組織再編(子会社の簡易吸収分割)をもって医療従事者の常勤紹介サービスと非常勤紹介サービスとが強固に連携したことにより、常勤紹介サービスの過去最高の売上収益を達成し、順調に伸長しております。
さらに、2024年11月には、伊藤忠商事株式会社と資本業務提携契約を締結し国内外ともに医療・ヘルスケア関連事業の協業によるビジネス強化・拡大を推進してまいります。
全世界に先駆けて超高齢化を迎える日本で培った弊社の知見・経験は、人口増加と経済成長を継続しながらも、すでに高齢化も進んでいるインドネシアやベトナムといった海外の国々においても応用できるものと考えており、当社グループは「ASEAN No.1 の医療 DX・医療人材プラットフォーム」の構築、ひいては東南アジア圏の医療向上を目指しております。2024年9月には、伊藤忠商事株式会社のグループ会社であり、東南アジア最大の医師向けプラットフォームを運営するDocquityとの提携により、Docquityアプリを通じてDocquity 総会員数40万名に対し、新規登録または求人に応募する医師などの情報を連携し、東南アジア圏における医療人材紹介サービスの展開に取り組んでおります。
当社グループは、ASEAN諸国における事業拡大に向け、人員確保をはじめとする社内体制構築および営業活動を促進してまいります。
当社グループは、これまで作り上げてきた医療人材プラットフォームおよび医療DXプラットフォームサービスを最大限に活用し医療現場の一助となれるよう引き続き尽力してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,745,562千円となり、前連結会計年度末に対して272,025千円増加しました。
当連結会計年度末における負債合計につきましては、2,117,957千円となり、前連結会計年度末に対して361,059千円増加しました。
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,627,605千円となり、前連結会計年度末に対して89,034千円減少しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上収益は4,165,519千円(前年同期比23.0%減)、営業損失は119,936千円(前年同期は営業利益834,000千円)、税引前当期損失は332,035千円(前年同期は税引前当期利益857,567千円)、親会社の所有者に帰属する当期損失は309,159千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期利益518,358千円)となりました。また、売上収益の内訳は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,025,319千円(前年同期比4.3%減)、その他1,140,200千円(同49.3%減)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,178,259千円減少し、2,605,218千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果獲得した資金は503,040千円(前年同期は193,584千円の使用)となりました。これは、主に法人所得税費用の支払い148,801千円があったこと及び税引前当期損失332,035千円を計上しましたが、持分法による投資損失が211,667千円及び法人所得税費用の還付額が379,344千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は1,843,072千円(前年同期比656.6%)となりました。これは、主にDocquity株式の取得に伴いその他の金融資産の取得による支出が1,870,195千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果獲得した資金は161,772千円(前年同期は669,192千円の使用)となりました。これは、主にリース負債の返済による支出130,096千円がありましたが、金融機関からの長期借入れによる収入175,000千円及び株式の発行による収入215,329千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上収益区分別に示すと、次のとおりであります。
| 売上区分別の名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 医療人材サービス | 3,025,319 | 95.7 |
| その他のサービス | 1,140,200 | 50.7 |
| 合計 | 4,165,519 | 77.0 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 東京都 | 620,021 | 11.5 | - | - |
2.当連結会計年度における東京都への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度末における財政状態及び経営成績の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,745,562千円となり、前連結会計年度末に対して272,025千円増加しました。これは、主に未収法人所得税が317,511千円減少、Docquity株式の取得に係る支払等により現金及び現金同等物が1,178,259千円減少しましたが、その他の金融資産(非流動資産)が1,766,639千円増加したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、2,117,957千円となり、前連結会計年度末に対して361,059千円増加しました。これは、主にその他の流動負債が69,194千円減少しましたが、リース負債が328,925千円及び金融機関からの借入金により社債及び借入金が76,736千円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,627,605千円となり、前連結会計年度末に対して89,034千円減少しました。これは、主に第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金が216,645千円増加しましたが、親会社の所有者に帰属する当期損失309,159千円計上したことによります。
b.当社グループの当連結会計年度における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、常勤医師紹介に係る売上収益は伸長しましたが、新型コロナウイルスワクチンに関連する大規模接種に係る医療従事者紹介や自宅療養者向けフォローアップセンターなどの自治体BPO業務が終了又は縮小したため売上収益が減少しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,025,319千円(前年同期比4.3%減)、その他1,140,200千円(同49.3%減)の4,165,519千円(同23.0%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、人材獲得および拠点展開に係る体制構築に伴う先行投資を実施し、中でも自治体BPO業務においては運営費用が大幅に増加したものの、大規模な自治体BPO業務が終了したことにより、売上原価率が前連結会計年度に比して1.0ポイント減少し、34.3%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、2,736,072千円(同21.8%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、来期以降の売上収益拡大に向けた販売促進活動を積極的に実施し、広告宣伝費及び販売促進費が128,161千円増加、また、体制構築に伴う収益構造の改革を進めており、その結果、のれん等の減損損失としてその他の費用を41,572千円計上しました。売上収益の減少により、人件費の対売上収益比率は前連結会計年度に比して6.9ポイント増加し26.7%となりました。
この結果、当連結会計年度における営業損失は、119,936千円(前年同期は営業利益834,000千円)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度において、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の増加等7,131千円を金融収益、社債及び借入金等に係る利息等7,562千円を金融費用として計上しました。
関連会社において、(1)各国政府が推進する医療政策に対する市場の反応は想定より鈍く、本年度の目標に対する進捗の遅れが生じ、(2)MRTブランドによるASEANにおける人材サービス展開の準備に加え、外部環境の変化に柔軟に対応するため、関連会社の組織や体制の抜本的な変更・再編に取り組んでおります。これらを踏まえ、持分法による投資損失211,667千円を計上しました。
この結果、当連結会計年度における税引前当期損失は、332,035千円(前年同期は税引前当期利益857,567千円)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期損失は、持分法による投資損失など法人税の負担に影響を与えない損失を計上した結果、税引前当期損失に対して法人所得税費用3,923千円を計上し、309,159千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期利益518,358千円)となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 2.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、医療人材プラットフォームとしての会員数増加、医療従事者及び医療機関に対する知名度の向上が当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、常勤および非常勤の紹介事業に係る経営資源が分散されるといった課題解決に向け株式会社日本メディカルキャリア(現 MRTメディアパートナーズ株式会社 2018年3月連結子会社化)の常勤紹介事業を当社が承継し、非常勤から常勤まで包括的な紹介ができる体制を構築し、常勤紹介サービスの周知および販促活動を拡大するとともに、営業組織体制も強化し、より良いサービス提供ができるよう努めてまいります。
また、当社グループは、当社グループが有する医療人材プラットフォームを活用し、医療従事者の地域偏在、診療科偏在といった自治体の抱える地域医療課題解決を目指しております。さらに、医療DXプラットフォームとの連携により医療過疎地の医療アクセスの向上にも寄与するものと考えております。現在こうした当社グループの取り組みや実績について取りまとめ、自治体に対し認知度の向上および継続的な啓蒙活動に努めております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。
当社グループは、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
| 第23期 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | 第24期 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 第25期 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 第26期 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | ||||
| 売上収益(千円) | 4,469,202 | 8,738,193 | 5,407,087 | 4,165,519 | |||
| 対前期増減率(%) | 74.4 | 95.5 | △38.1 | △23.0 | |||
| 営業利益(△は損失)(千円) | 1,267,171 | 2,977,464 | 834,000 | △119,936 | |||
| 対前期増減率(%) | 379.3 | 135.0 | △72.0 | - | |||
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)(千円) | 774,492 | 2,159,994 | 518,358 | △309,159 | |||
| 対前期増減率(%) | 487.6 | 178.9 | △76.0 | - |
第26期は、営業損失及び親会社の所有者に帰属する当期損失のため、対前期増減率を記載しておりません。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症関連の自治体BPO業務が終了または縮小したことによりその他売上収益が対前期比49.3%減少し、当連結会計年度における売上収益は4,165,519千円となりました。一方、当該売上収益に係る人件費及び外注費等の原価率は高く、当該売上収益が減少した結果、売上総利益の対売上収益比率が1.0ポイント上昇しましたが、販売費及び一般管理費が対前期比11.7%増加したことにより営業損失となりました。また、のれん等の減損処理及び持分法による投資損失等を計上したことにより親会社の所有者に帰属する当期損失となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業規模の拡大及び新規事業の育成を通じた収益基盤の多様化を通じて持続可能な長期的な成長を実現し、企業価値の最大化を目指しております。この企業価値の最大化を目指すために、親会社所有者帰属持分比率を資本管理において用いる指標としております。
当社グループの資金需要は、医療機関に対して一時的な資金の立替等を行う経営支援サービスに係る資金、人件費及び販売促進費等の営業費用の他、非常勤医師紹介及びDoor.に係るシステム構築並びにM&Aとなります。必要な資金は、自己資本及び借入金のバランスを考慮して調達する方針であります。なお、運転資金等の流動性が必要な資金につきましては、取引金融機関から証書貸付による資金調達以外に、取引金融機関との当座貸越枠の設定を行い、弾力的な資金調達ができるようにしております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における親会社所有者帰属持分比率は次のとおりであります。
| 前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | ||
| 親会社の所有者に帰属する持分(千円) | 4,578,830 | 4,515,512 | |
| 負債及び資本合計(千円) | 6,473,536 | 6,745,562 | |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 70.7 | 66.9 |
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要性がある会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。