有価証券報告書-第22期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/31 15:00
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
前連結会計年度は、2019年6月25日開催の第20回定時株主総会において、定款を一部変更し、決算の末日を3月31日から12月31日に変更しましたことで9ヶ月決算となっております。そのため、対前年増減については記載しておりません。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界においては、高齢化社会の進行とともに医療の担い手不足や地域偏在、診療科偏在が課題に挙げられてきました。日本の医療費は40兆円を超え2025年度には約66兆円を見込み、医療費の削減、医師の自己犠牲的な長時間労働により支えられている危機的な状況の改善など、持続可能な医療サービスを実現するための対策が求められてきました。
2020年年明けから感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は年末には世界の感染者数は8,000万人にも上り、今もなお多大なる影響を及ぼしております。日本においても感染者数は23万人を超え、医療従事者の負担はますます重く、医療崩壊が危ぶまれております。各地域自治体主導の感染対策としてPCR検査や療養体制強化が進められ、これに伴い全国的な医療従事者の必要性がこれまで以上に高まっております。
このような状況の中、当社グループは、一般社団法人日本人材紹介事業協会や大阪府をはじめとした自治体との連携により、医療人材の確保支援や医療人材の感染防止の啓発を行ってまいりました。さらに、埼玉県からの委託により、自宅療養者支援の一環としてオンラインによる医師への健康相談、受診勧奨のサービスを提供しております。
当社グループの取り組みとして、当社グループがこれまで築き上げてきた医療プラットフォームやオンライン診療・健康相談の仕組みを最大限に活用し、2020年10月には医師ネットワークにつながるアプリ「Door.」をリリースしました。第1弾としてアプリ「Door.」を利用して、オンラインによる健康相談、受診勧奨、オンライン診療を一気通貫で行うことができるサービス「Door. into 健康医療相談」の提供を開始しました。オンライン診療の医療機関への提供はもちろんのこと、感染対策や長引くテレワークによるメンタルヘルスなどの課題に直面している企業の産業保健やリスク管理支援にも寄与してまいります。代表的なものとしては、塩野義製薬株式会社と販売契約を締結した「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)IgG/IgM抗体検出キット」に医師へのオンライン健康相談を組み合わせ、必要に応じて医療機関への受診勧奨を行うなどの取り組みを行いました。こちらは、職場におけるリスク管理を目的として、様々な業種業態の企業に活用されております。
当連結会計年度において、新たに2社連結子会社を設立しました。Vantage株式会社では、世界120カ国以上にヘルスケア・疾病予防のための必要な情報を提供するA4M学会(注)の日本支部を運営し、A4M学会を通じて海外医療機関ネットワーク、関連する開業医と医療専門家が利用できる高度な医学教育機関を通じて医学・ヘルスケア教育情報提供により医療従事者ネットワークの構築に取り組んでまいりました。また、株式会社バリューメディカルを通じて、病院医療を紹介する書籍を発刊し、地域における医療連携の一助となる新たな取り組みをしてまいりました。当社グループがこれまで作り上げてきた医療ネットワークおよびプラットフォーム、人材紹介サービスを含む他のサービスと連携しながら、医療機関の経営や運営に有益な情報提供およびご提案をしてまいります。
(注)A4M(American Academy of Anti-Aging Medicine)とは、世界最大級のアンチエイジング医学会として、120カ国以上の国々の医師、科学者、公的機関職員、一般市民などを含む約26,000名に及ぶ会員を擁する米国抗老化医学会であります。
コロナ禍における医療環境の変化は今後も継続するものと認識しております。現状の当社グループの対応としてテレワークの推奨は継続的に行っておりますが、これまで開発を重ねてきたシステムや従来より培ってきた運用経験を活かし、普段のサービスと変わらない対応を実現しております。関東、関西、九州、東海、北海道それぞれの拠点において地域の状況を鑑みながら、環境の変化に伴う柔軟な対応を心掛け、医療に貢献してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計につきましては、3,306,983千円となり、前連結会計年度末に対して299,705千円減少しました。
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,750,275千円となり、前連結会計年度末に対して398,699千円減少しました。
当連結会計年度末における資本合計につきましては、1,556,708千円となり、前連結会計年度末に対して98,993千円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上収益は2,562,419千円、営業利益は264,363千円、税引前当期利益は239,604千円、親会社の所有者に帰属する当期利益は131,810千円となりました。
また、売上収益の内訳は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)2,271,363千円、その他291,056千円であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ167,058千円減少し、1,586,171千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果獲得した資金は294,969千円となりました。これは、営業債務及びその他の債務が15,923千円減少、法人所得税の支払額が107,553千円ありましたが、税引前当期利益239,604千円、減価償却費及び償却費154,296千円等を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は64,614千円となりました。これは、主にその他の金融資産の売却による収入が51,202千円ありましたが、有形固定資産の取得による支出が32,989千円及び無形資産の取得による支出78,012千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は397,413千円となりました。これは、主に金融機関からの借入金返済による支出222,426千円、社債の償還による支出60,000千円及びリース負債の返済による支出115,040千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上収益区分別に示すと、次のとおりであります。
売上区分別の名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
医療人材サービス2,271,363-
その他のサービス291,056-
合計2,562,419-

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前連結会計年度は決算期変更より9ヶ月決算となっているため、前年同期との比較分析は行っておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度末における財政状態及び経営成績の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計につきましては、3,306,983千円となり、前連結会計年度末に対して299,705千円減少しました。これは、主に無形資産が73,479千円増加しましたが、無形資産の取得による支出78,012千円、長期借入金及びリース負債の返済による支出がそれぞれ222,426千円、115,040千円等により現金及び現金同等物が167,058千円減少、投資有価証券の公正価値の減少等によりその他の金融資産が183,892千円減少したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,750,275千円となり、前連結会計年度末に対して398,699千円減少しました。これは、主に金融機関からの借入金の返済及び社債の償還により社債及び借入金が280,997千円減少、リース負債の返済によりリース負債が98,414千円減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における資本合計につきましては、1,556,708千円となり、前連結会計年度末に対して98,993千円増加しました。これは、主に親会社の所有者に帰属する当期利益を131,810千円計上したことによります。
b.当社グループの当連結会計年度における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、新型コロナウイルス感染症による健康診査延期などで2020年4月から6月の期間、非常勤医師の雇用ニーズが減退しましたが、同年8月以降、回復基調で推移しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は、2,562,419千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、医師を中心とする医療人材紹介の収益拡大を目指し積極的な人員採用を実施したこと、出版サービスなど新規サービスを開始により増加しましたが、業務効率の向上によって売上原価率が連結会計年度に比して0.5ポイント低下し、31.4%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、1,757,342千円となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、販売網の強化及び新規サービス開発の積極的な取り組みにより、人件費の対売上収益比率が前連結会計年度に比して3.6ポイント増加し23.4%となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、264,363千円となりました。
(金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度において、金融費用として金融資産の公正価値の減少に伴う費用12,599千円、借入金及び社債等に係る利息8,202千円、リース利息4,847千円等を計上しました。
この結果、当連結会計年度における税引前当期利益は、239,604千円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、実際負担税率33.7%の法人所得税費用80,658千円を計上した結果、131,810千円となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、MRTブランドの浸透、医師会員数及び登録医療機関数の増加、医局への取り組みが当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、MRTの知名度の向上と医師会員及び登録医療機関の獲得のためにサービスの拡充を図ってまいります。
また、当社グループは、当社、株式会社NOSWEAT(2017年1月連結子会社化)、株式会社医師のとも(2017年12月連結子会社化)及び株式会社日本メディカルキャリア(2018年3月連結子会社化)において、医療人材サービスを提供しており、各社のサービスの強み、ブランド価値を経営資源として有効に活用し、医療従事者に向けた訴求力を高めていく必要があります。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
第19期
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
第20期
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第21期
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
第22期
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
売上収益(千円)1,501,5092,232,2451,973,2232,562,419
対前期増減率(%)30.148.6--
営業利益(千円)64,92352,569198,234264,363
対前期増減率(%)△58.3△19.0--
親会社の所有者に帰属する当期利益(千円)31,14497,695108,596131,810
対前期増減率(%)△64.6213.6--

(注)第21期は、決算の末日を3月31日から12月31日に変更しましたことで9ヶ月決算となっております。そのため、対前期増減率については記載しておりません。
当社グループは、全国に向けて医療人材サービスの拡大を目指しており、当連結会計年度における売上収益は2,562,419千円となりました。医師を中心とする医療人材紹介の収益拡大を目指し積極的な人員採用を実施したこと、出版サービスなど新規サービスを開始したことにより売上原価が増加しましたが、一方で、業務の効率化を図った結果、人件費(売上原価、販売及び一般管理費)の対売上収益比率が減少したことにより、営業利益の対売上収益比率は、0.3ポイント上昇しました。非支配持分に帰属する当期利益の対当期利益比率が8.8ポイント上昇したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益の対売上収益比率は、0.4ポイント低下しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業規模の拡大及び新規事業の育成を通じた収益基盤の多様化を通じて持続可能な長期的な成長を実現し、企業価値の最大化を目指しております。この企業価値の最大化を目指すために、親会社所有者帰属持分比率を資本管理において用いる指標としております。
当社グループの資金需要は、人件費及び販売促進費等の営業費用の他、非常勤医師紹介及びDoor.に係るシステム構築並びにM&Aとなります。必要な資金は、自己資本及び借入金のバランスを考慮して調達する方針であります。なお、運転資金等の流動性が必要な資金につきましては、取引金融機関から証書貸付による資金調達以外に、取引金融機関との当座貸越枠の設定を行い、弾力的な資金調達の対応を可能としております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における親会社所有者帰属持分比率は次のとおりであります。
前連結会計年度
(2019年12月31日)
当連結会計年度
(2020年12月31日)
親会社の所有者に帰属する持分(千円)1,443,4321,515,290
負債及び資本合計(千円)3,606,6893,306,983
親会社所有者帰属持分比率(%)40.0245.82

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

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