有価証券報告書-第25期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/29 12:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
125項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、2022年12月27日に行われた株式会社メディアルトの株式取得による企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界においては、高齢化社会の進行とともに医療の担い手不足や地域偏在、診療科偏在が課題に挙げられてきました。日本の医療費は40兆円を超え2040年度には約66兆円を見込み、医療費の削減、医師の自己犠牲的な長時間労働により支えられている危機的な状況の改善など、持続可能な医療サービスを実現するための対策が求められてきました。2020年より2年以上にわたり席巻した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2023年5月8日以降、5類へ移行しましたが、この感染拡大を契機として救急医療をはじめとした地域医療課題が顕在化しました。
このような状況の中、当社は、コロナ禍においては行政機関からの要請によるワクチン接種会場の運営や、自宅療養者支援、ワクチン接種後の健康状況調査など、様々な医療体制構築の一助となるべく情勢の変化にあわせた対応を進めてまいりました。5類変更とともに、行政機関の対策や体制に変更が生じ、新型コロナウイルス感染症関連業務が終了または縮小し、今後もその傾向にあります。
一方で、地域医療課題の解決に向けて、自治体と連携し、医療従事者確保など医療体制構築の取り組みを進めており、10月に和歌山県と医師確保と医療DX実現に向けた連携協定を締結しました。また、2021年度より参画している三重広域連携モデルにおける医療MaaSをはじめとした医療DX実証実験は3期目に入り、「美村」ブランドと連携し医療アクセスの困難な地域においても安心して医療が受けられる地域づくりに寄与しております。今後、このような新型コロナウイルス感染症関連以外の自治体の業務を受託件数増加に向けて取り組んでまいります。
オンライン診療・健康相談においては、医療・ヘルスケアへの関心が高まる中、資本業務提携先と共に、従業員の健康状態分析から治療まで一気通貫の健康経営支援サービスを6月にリリースし、当社は産業医の募集・配置および「Door.」によるオンライン診療・健康相談の環境整備を担っております。また、12月には子育て経験のある小児科専門医に受診・相談できる医療サービス「オンラインこども診療」をリリースし、医療機関が開いていない夜間帯の医療サポートにより救急医療の軽減にも寄与しております。
こうした多くの要望や時流にあわせ医療プラットフォームを拡大していくことにより、非常勤医師求人紹介サービスの紹介実績が累計200万件突破し、さらなる拡大に向けて取り組んでおります。12月には、2024年2月20日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社日本メディカルキャリアから簡易吸収分割により医療従事者の常勤紹介事業を承継することを決議しました。これにより、当社の強みである医療人材プラットフォームを活用し、常勤、非常勤ともに医療人材紹介の拡大を進めてまいります。加えて0次予防をコンセプトとした外部EAPサービスも拡大し、医療現場における医療人材の職場定着も推進し、医療人材不足課題の解決に真摯に向き合っております。
このほか、7月に関連会社としたメドリング株式会社は、東南アジア圏の医療DXサービスを展開し、ベトナムに続きインドネシア及びカンボジアでもサービスの提供を開始しました。同社とともに、日本で培った医療人材マッチングや医療DXなどのノウハウを応用し、東南アジア圏の医療向上を目指します。
当社グループは、これまで作り上げてきた医療人材プラットフォームおよび医療DXプラットフォームサービスを 最大限に活用し医療現場の一助となれるよう引き続き尽力してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,471,962千円となり、前連結会計年度末に対して1,687,061千円減少しました。
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,756,897千円となり、前連結会計年度末に対して1,917,343千円減少しました。
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,715,064千円となり、前連結会計年度末に対して230,282千円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上収益は5,407,087千円(前年同期比38.1%減)、営業利益は834,469千円(同72.0%減)、税引前当期利益は858,036千円(同70.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は517,145千円(同76.1%減)となりました。また、売上収益の内訳は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,159,968千円(同21.2%減)、その他2,247,119千円(同52.5%減)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,106,385千円減少し、3,783,478千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果使用した資金は193,584千円(前年同期は4,511,679千円の獲得)となりました。これは、営業債権及びその他の債権が985,327千円減少、税引前当期利益858,036千円を計上しましたが、営業債務及びその他の債務が378,964千円減少、法人所得税費用の支払額が1,087,573千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は243,608千円(前年同期比43.5%減)となりました。これは、主にその他の金融資産売却による収入109,057千円を計上しましたが、子会社及び関連会社取得による支出186,698千円、「MRTWORK」及び医療従事者のライフサポート業務に関連するソフトウエアの開発等に係る無形資産の取得による支出75,310千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は669,192千円(前年同期比228.1%増)となりました。これは、主に金融機関からの長期借入金返済による支出156,072千円、利益剰余金を原資とした配当金の支払額164,847千円及び自己株式の取得による支出168,704千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上収益区分別に示すと、次のとおりであります。
売上区分別の名称当連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
医療人材サービス3,159,968△21.2
その他のサービス2,247,119△52.5
合計5,407,087△38.1

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
東京都2,420,35927.7620,02111.5
医療法人社団Vantage Clinic1,679,30019.2--

2.当連結会計年度における医療法人社団Vantage Clinicへの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度末における財政状態及び経営成績の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,471,962千円となり、前連結会計年度末に対して1,687,061千円減少しました。これは、主に営業債権及びその他の債権の回収により969,569千円減少、法人所得税費用の支払等により現金及び現金同等物が1,106,385千円減少、繰延税金資産が187,265千円減少、医療従事者常勤紹介事業の組織再編に伴うのれんの再評価の実施によりのれんが95,610千円減少したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,756,897千円となり、前連結会計年度末に対して1,917,343千円減少しました。これは、主に未払法人所得税が561,797千円減少、消費税等の支払等によりその他の流動負債が692,210千円減少及び新型コロナウイルス感染症関連業務の終了又は縮小したことで営業債務及びその他の債務が409,507千円減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,715,064千円となり、前連結会計年度末に対して230,282千円増加しました。これは、主に自己株式の取得により168,368千円減少しましたが、特別配当167,217千円を実施したものの利益剰余金が261,146千円増加したことによります。
b.当社グループの当連結会計年度における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、新型コロナウイルスワクチン関連以外の既存サービスの売上収益は伸長しましたが、新型コロナウイルスワクチンに関連する大規模接種に係る医療従事者紹介や自宅療養者向けフォローアップセンターなどの運営受託した業務が終了又は縮小したため売上収益が減少しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,159,968千円(前年同期比21.2%減)、その他2,247,119千円(同52.5%減)の5,407,087千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、自宅療養者向けフォローアップセンター及び新規感染者向け陽性者登録センターの運営に係る費用が減少したことにより、売上原価率が前連結会計年度に比して0.7ポイント減少し、35.3%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、3,499,221千円(同37.5%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルスワクチン接種に係る医療従事者紹介の売上収益の大幅な増加による業績賞与等人件費が増加しましたが、人件費の対売上収益比率は前連結会計年度に比して4.6ポイント増加し19.7%となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、834,469千円(同72.0%減)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度において、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の増加等40,484千円を金融収益、社債及び借入金等に係る利息等7,223千円を金融費用として計上しました。
この結果、当連結会計年度における税引前当期利益は、858,036千円(同70.8%減)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、実際負担税率37.2%の法人所得税費用319,349千円を計上した結果、517,145千円(同76.1%減)となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 2.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、医療人材プラットフォームとしての会員数増加、医療従事者及び医療機関に対する知名度の向上が当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、常勤および非常勤の紹介事業に係る経営資源が分散されるといった課題解決に向け株式会社日本メディカルキャリア(2018年3月連結子会社化)の常勤紹介事業を当社が承継し、非常勤から常勤まで包括的な紹介ができる体制を構築し、常勤紹介サービスの周知および販促活動を拡大するとともに、営業組織体制も強化し、より良いサービス提供ができるよう努めてまいります。
また、当社グループは、当社グループが有する医療人材プラットフォームを活用し、医療従事者の地域偏在、診療科偏在といった自治体の抱える地域医療課題解決を目指しております。さらに、医療DXプラットフォームとの連携により医療過疎地の医療アクセスの向上にも寄与するものと考えております。現在こうした当社グループの取り組みや実績について取りまとめ、自治体に対し認知度の向上および継続的な啓蒙活動に努めております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。
当社グループは、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
第22期
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第23期
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第24期
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
第25期
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
売上収益(千円)2,562,4194,469,2028,738,1935,407,087
対前期増減率(%)-74.495.5△38.1
営業利益(千円)264,3631,267,1712,977,464834,469
対前期増減率(%)-379.3135.0△72.0
親会社の所有者に帰属する当期利益(千円)131,810774,4922,159,994517,145
対前期増減率(%)-487.6178.9△76.1

当社グループは、新型コロナウイルス感染症関連業務が終了または縮小によりその他売上収益が対前期比52.5%減少し、当連結会計年度における売上収益は5,407,087千円となりました。一方、受託業務の減少に伴い運営に係る人件費及び外注費等の売上原価が減少した結果、売上総利益の対売上収益比率が0.7ポイント上昇しましたが、販売費及び一般管理費の対前期比96.6%になったことにより営業利益の対売上収益比率は18.6ポイント減少となりました。また、のれんの減損処理等により法人所得税の実際負担税率が11.5ポイント上昇したことも相まって、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前期比は、23.9%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業規模の拡大及び新規事業の育成を通じた収益基盤の多様化を通じて持続可能な長期的な成長を実現し、企業価値の最大化を目指しております。この企業価値の最大化を目指すために、親会社所有者帰属持分比率を資本管理において用いる指標としております。
当社グループの資金需要は、医療機関に対して一時的な資金の立替等を行う経営支援サービスに係る資金、人件費及び販売促進費等の営業費用の他、非常勤医師紹介及びDoor.に係るシステム構築並びにM&Aとなります。必要な資金は、自己資本及び借入金のバランスを考慮して調達する方針であります。なお、運転資金等の流動性が必要な資金につきましては、取引金融機関から証書貸付による資金調達以外に、取引金融機関との当座貸越枠の設定を行い、弾力的な資金調達ができるようにしております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における親会社所有者帰属持分比率は次のとおりであります。
前連結会計年度
(2022年12月31日)
当連結会計年度
(2023年12月31日)
親会社の所有者に帰属する持分(千円)4,391,4134,577,617
負債及び資本合計(千円)8,159,0236,471,962
親会社所有者帰属持分比率(%)53.8270.73

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要性がある会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。