有価証券報告書-第27期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界では、2025年に本格的な超高齢化社会へ突入し、社会保障制度の持続可能性が大きな課題となっています。日本の医療費はすでに40兆円を超えており、2040年度には約66兆円に達すると見込まれています。そのため、医療費の適正化に向けて、医療提供体制の再編や地域包括ケアシステムの再整備、予防・健康増進の強化、さらには業務効率化といった取り組みが強く求められています。
こうした中、医療現場では大きな変化が進み、2024年4月に施行された医師の働き方改革が定着期に入り、医療機関にはこれまで以上に効率的な運営体制の構築が求められています。さらに、2025年度からは「電子カルテ情報共有サービス」の運用が開始され、マイナ保険証の利用率に応じた診療報酬上の優遇措置も導入されました。これにより、医療情報のデジタル化と医療機関間の連携が急速に進展しています。
その結果、重複検査の防止や事務作業の省力化が進むとともに、蓄積された診療データを活用した、より精度の高い医療の提供が可能になりつつあります。医療DXの推進は、診療の質の向上だけでなく、経営面においても効率化をもたらしており、医療機関の持続可能な運営を支える重要な基盤となっています。
また、2025年2月に閣議決定された「医療法等の一部を改正する法律案」に基づき、2040年を見据えた「新しい地域医療構想」の策定が進められています。効率的で持続可能な医療提供体制の再構築は、いまや喫緊の課題となっています。
しかしその一方で、生産年齢人口の減少に伴う医療従事者不足が深刻化しており、特に地方では医療人材の地域偏在が大きな問題となっています。限られた医療資源をいかに最適に配置し、地域医療を維持していくかが、今後の制度設計と現場運営の両面において重要な局面を迎えています。
当社グループは、行政機関や関係団体と連携しながら、医療人材の確保と医療DXの社会実装を積極的に推進してまいりました。
(国内)
国内においては、医師の常勤・アルバイト紹介サービスの強化を着実に進めるとともに、地域医療の持続的な体制構築を目的として広島県福山市および和歌山県との連携を継続しました。さらに、徳島県においては、看護師や助産師などのコメディカル人材にも対象を拡大した「医療版ワーケーション」を新たに展開し、医療人材の地域偏在の是正に向けた取り組みを推進しました。
また、予防・健康増進分野の強化に向けた取り組みとして、公益社団法人日本PTA全国協議会の会員約700万世帯を対象とする専用アプリ「COCOPiTA」に、当社のオンライン診療・健康相談サービスを導入しました。これにより、教育現場と連携した新たなヘルスケアインフラの構築に着手しております。
さらに、製薬メーカーとの連携により、医師向けデジタルコンテンツの共同展開を開始しました。これらの取り組みを通じて、当社プラットフォームの活用領域を拡大し、収益機会の多様化と収益基盤のさらなる強化を推進しております。
(海外)
海外においては、「ASEAN No.1の医療DX・医療人材プラットフォーム」の実現に向け、ベトナム事業が大きく成長しました。ベトナム国内で事業展開するLea Bio社との資本業務提携を締結するとともに、同国最大級の私立医療ネットワークであるHoan Myグループとの連携を開始しました。
これらの戦略的提携を基盤として、現地最大級の医療人材プラットフォーム「MRT HUB」を本格始動させ、登録医師数、医療機関数、求人件数はいずれも着実に拡大しております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,477,632千円となり、前連結会計年度末に対して267,929千円減少しました。
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,831,045千円となり、前連結会計年度末に対して286,911千円減少しました。
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,646,586千円となり、前連結会計年度末に対して18,981千円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上収益は4,191,472千円(前年比0.6%増)、営業利益は95,906千円(前年同期は営業損失119,936千円)、税引前当期利益は108,576千円(前年同期は税引前当期損失332,035千円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は55,775千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失309,159千円)となりました。また、売上収益の内訳は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,061,275千円(前年比1.2% 増)、その他1,130,196千円(同0.9%減)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ935,110千円減少し、1,670,107千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果獲得した資金は417,841千円(前年同期比16.9%減)となりました。これは、 主に減価償却費及び償却費247,447千円及び税引前当期利益108,576千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は623,366千円(前年同期比66.2%減)となりました。これは、 主に元本の安全性の高い金融商品の取得を行ったことによりその他の金融資産の取得による支出539,005千円及び無形資産の取得による支出69,287千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は730,165千円(前年同期は161,772千円の獲得)となりました。 これは、主に金融機関からの借入金の返済による支出369,764千円、リース負債の返済による支出125,499千円及び 自己株式の取得による支出129,327千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上収益区分別に示すと、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度末における財政状態及び経営成績の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,477,632千円となり、前連結会計年度末に対して267,929千円減少しました。これは、主にその他の金融資産が940,828千円増加しましたが、元本の安全性の高い金融商品の取得など投資活動及び財務活動により現金及び現金同等物が935,110千円減少、繰延税金資産が96,773千円減少したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,831,045千円となり、前連結会計年度末に対して286,911千円減少しました。これは、主に未払法人所得税が75,264千円増加しましたが、返済により借入金が369,764千円減少したことによります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,646,586千円となり、前連結会計年度末に対して18,981千円増加しました。これは、主に自己株式の取得により自己株式(資本合計の控除項目)が129,327千円増加及び連結子会社株式の追加取得により非支配持分が110,702千円減少しましたが、Docquity株式の評価額の増加によりその他の資本の構成要素が264,813千円増加したことによります。
b.当社グループの当連結会計年度における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、自治体BPO業務が終了又は縮小したことによりその他の売上収益が減少しましたが、常勤医師紹介に係る売上収益は伸長し、売上収益が増加しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,061,275千円(前年比1.2%増)、その他1,130,196千円(同0.9%減)の4,191,472千円(同0.6%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前期に引き続き人材獲得および拠点展開に係る体制構築に伴う先行投資を実施しましたが、自治体BPO業務の一部終了又は縮小に伴い運営コストが減少した結果、売上原価率が前連結会計年度に比して2.2ポイント減少し、32.1%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、2,845,543千円(同4.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前期に引き続き来期以降の売上収益の拡大に向けた販売促進活動を積極的に実施しましたが、人件費や採用広告費が減少しました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、95,906千円(前年同期は営業損失119,936千円)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度において、償却原価で測定する金融資産の増加や為替差益等28,997千円を金融収益、借入金等に係る利息等16,327千円を金融費用として計上しました。
この結果、当連結会計年度における税引前当期利益は、108,576千円(前年同期は税引前当期損失332,035千円)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用58,542千円を計上し、55,775千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失309,159千円)となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 2.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、医療人材プラットフォームとしての会員数増加、医療従事者及び医療機関に対する知名度の向上が当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、常勤および非常勤の紹介事業に係る経営資源が分散されるといった課題解決に取り組んでおります。
また、当社グループは、当社グループが有する医療人材プラットフォームを活用し、医療従事者の地域偏在、診療科偏在といった自治体の抱える地域医療課題解決を目指しております。さらに、医療DXプラットフォームとの連携により医療過疎地の医療アクセスの向上にも寄与するものと考えております。現在こうした当社グループの取り組みや実績について取りまとめ、自治体に対し認知度の向上および継続的な啓蒙活動に努めております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。
当社グループは、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
第26期は、営業損失及び親会社の所有者に帰属する当期損失のため、対前期増減率を記載しておりません。
第27期は、第26期が営業損失及び親会社の所有者に帰属する当期損失のため、対前期増減率を記載しておりません。
当社グループは、自治体BPO業務が終了又は縮小したことによりその他の売上収益が対前期比0.9%減少しましたが、医療人材サービスが対前期比1.2%増加し、当連結会計年度における売上収益は4,191,472千円となりました。一方、自治体BPO業務の一部終了又は縮小に伴い当該売上収益に係る人件費及び外注費等が減少した結果、売上総利益の対売上収益比率が2.2ポイント上昇し、販売費及び一般管理費が対前期比2.4%減少したことにより営業利益は、95,906千円(前年同期は営業損失119,936千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業規模の拡大及び新規事業の育成を通じた収益基盤の多様化を通じて持続可能な長期的な成長を実現し、企業価値の最大化を目指しております。この企業価値の最大化を目指すために、親会社所有者帰属持分比率を資本管理において用いる指標としております。
当社グループの資金需要は、医療機関に対して一時的な資金の立替等を行う経営支援サービスに係る資金、人件費及び販売促進費等の営業費用の他、国内及び海外における医師紹介に係るシステム構築並びにM&Aとなります。必要な資金は、自己資本及び借入金のバランスを考慮して調達する方針であります。なお、運転資金等の流動性が必要な資金につきましては、取引金融機関から証書貸付による資金調達以外に、取引金融機関との当座貸越枠の設定を行い、弾力的な資金調達ができるようにしております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における親会社所有者帰属持分比率は次のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要性がある会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界では、2025年に本格的な超高齢化社会へ突入し、社会保障制度の持続可能性が大きな課題となっています。日本の医療費はすでに40兆円を超えており、2040年度には約66兆円に達すると見込まれています。そのため、医療費の適正化に向けて、医療提供体制の再編や地域包括ケアシステムの再整備、予防・健康増進の強化、さらには業務効率化といった取り組みが強く求められています。
こうした中、医療現場では大きな変化が進み、2024年4月に施行された医師の働き方改革が定着期に入り、医療機関にはこれまで以上に効率的な運営体制の構築が求められています。さらに、2025年度からは「電子カルテ情報共有サービス」の運用が開始され、マイナ保険証の利用率に応じた診療報酬上の優遇措置も導入されました。これにより、医療情報のデジタル化と医療機関間の連携が急速に進展しています。
その結果、重複検査の防止や事務作業の省力化が進むとともに、蓄積された診療データを活用した、より精度の高い医療の提供が可能になりつつあります。医療DXの推進は、診療の質の向上だけでなく、経営面においても効率化をもたらしており、医療機関の持続可能な運営を支える重要な基盤となっています。
また、2025年2月に閣議決定された「医療法等の一部を改正する法律案」に基づき、2040年を見据えた「新しい地域医療構想」の策定が進められています。効率的で持続可能な医療提供体制の再構築は、いまや喫緊の課題となっています。
しかしその一方で、生産年齢人口の減少に伴う医療従事者不足が深刻化しており、特に地方では医療人材の地域偏在が大きな問題となっています。限られた医療資源をいかに最適に配置し、地域医療を維持していくかが、今後の制度設計と現場運営の両面において重要な局面を迎えています。
当社グループは、行政機関や関係団体と連携しながら、医療人材の確保と医療DXの社会実装を積極的に推進してまいりました。
(国内)
国内においては、医師の常勤・アルバイト紹介サービスの強化を着実に進めるとともに、地域医療の持続的な体制構築を目的として広島県福山市および和歌山県との連携を継続しました。さらに、徳島県においては、看護師や助産師などのコメディカル人材にも対象を拡大した「医療版ワーケーション」を新たに展開し、医療人材の地域偏在の是正に向けた取り組みを推進しました。
また、予防・健康増進分野の強化に向けた取り組みとして、公益社団法人日本PTA全国協議会の会員約700万世帯を対象とする専用アプリ「COCOPiTA」に、当社のオンライン診療・健康相談サービスを導入しました。これにより、教育現場と連携した新たなヘルスケアインフラの構築に着手しております。
さらに、製薬メーカーとの連携により、医師向けデジタルコンテンツの共同展開を開始しました。これらの取り組みを通じて、当社プラットフォームの活用領域を拡大し、収益機会の多様化と収益基盤のさらなる強化を推進しております。
(海外)
海外においては、「ASEAN No.1の医療DX・医療人材プラットフォーム」の実現に向け、ベトナム事業が大きく成長しました。ベトナム国内で事業展開するLea Bio社との資本業務提携を締結するとともに、同国最大級の私立医療ネットワークであるHoan Myグループとの連携を開始しました。
これらの戦略的提携を基盤として、現地最大級の医療人材プラットフォーム「MRT HUB」を本格始動させ、登録医師数、医療機関数、求人件数はいずれも着実に拡大しております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,477,632千円となり、前連結会計年度末に対して267,929千円減少しました。
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,831,045千円となり、前連結会計年度末に対して286,911千円減少しました。
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,646,586千円となり、前連結会計年度末に対して18,981千円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上収益は4,191,472千円(前年比0.6%増)、営業利益は95,906千円(前年同期は営業損失119,936千円)、税引前当期利益は108,576千円(前年同期は税引前当期損失332,035千円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は55,775千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失309,159千円)となりました。また、売上収益の内訳は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,061,275千円(前年比1.2% 増)、その他1,130,196千円(同0.9%減)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ935,110千円減少し、1,670,107千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果獲得した資金は417,841千円(前年同期比16.9%減)となりました。これは、 主に減価償却費及び償却費247,447千円及び税引前当期利益108,576千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は623,366千円(前年同期比66.2%減)となりました。これは、 主に元本の安全性の高い金融商品の取得を行ったことによりその他の金融資産の取得による支出539,005千円及び無形資産の取得による支出69,287千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は730,165千円(前年同期は161,772千円の獲得)となりました。 これは、主に金融機関からの借入金の返済による支出369,764千円、リース負債の返済による支出125,499千円及び 自己株式の取得による支出129,327千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上収益区分別に示すと、次のとおりであります。
| 売上区分別の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 医療人材サービス | 3,061,275 | 101.2 |
| その他のサービス | 1,130,196 | 99.1 |
| 合計 | 4,191,472 | 100.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度末における財政状態及び経営成績の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計につきましては、6,477,632千円となり、前連結会計年度末に対して267,929千円減少しました。これは、主にその他の金融資産が940,828千円増加しましたが、元本の安全性の高い金融商品の取得など投資活動及び財務活動により現金及び現金同等物が935,110千円減少、繰延税金資産が96,773千円減少したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、1,831,045千円となり、前連結会計年度末に対して286,911千円減少しました。これは、主に未払法人所得税が75,264千円増加しましたが、返済により借入金が369,764千円減少したことによります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計につきましては、4,646,586千円となり、前連結会計年度末に対して18,981千円増加しました。これは、主に自己株式の取得により自己株式(資本合計の控除項目)が129,327千円増加及び連結子会社株式の追加取得により非支配持分が110,702千円減少しましたが、Docquity株式の評価額の増加によりその他の資本の構成要素が264,813千円増加したことによります。
b.当社グループの当連結会計年度における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、自治体BPO業務が終了又は縮小したことによりその他の売上収益が減少しましたが、常勤医師紹介に係る売上収益は伸長し、売上収益が増加しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は、医療人材サービス(医師、その他の医療従事者)3,061,275千円(前年比1.2%増)、その他1,130,196千円(同0.9%減)の4,191,472千円(同0.6%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前期に引き続き人材獲得および拠点展開に係る体制構築に伴う先行投資を実施しましたが、自治体BPO業務の一部終了又は縮小に伴い運営コストが減少した結果、売上原価率が前連結会計年度に比して2.2ポイント減少し、32.1%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、2,845,543千円(同4.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前期に引き続き来期以降の売上収益の拡大に向けた販売促進活動を積極的に実施しましたが、人件費や採用広告費が減少しました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、95,906千円(前年同期は営業損失119,936千円)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度において、償却原価で測定する金融資産の増加や為替差益等28,997千円を金融収益、借入金等に係る利息等16,327千円を金融費用として計上しました。
この結果、当連結会計年度における税引前当期利益は、108,576千円(前年同期は税引前当期損失332,035千円)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用58,542千円を計上し、55,775千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失309,159千円)となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 2.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、医療人材プラットフォームとしての会員数増加、医療従事者及び医療機関に対する知名度の向上が当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、常勤および非常勤の紹介事業に係る経営資源が分散されるといった課題解決に取り組んでおります。
また、当社グループは、当社グループが有する医療人材プラットフォームを活用し、医療従事者の地域偏在、診療科偏在といった自治体の抱える地域医療課題解決を目指しております。さらに、医療DXプラットフォームとの連携により医療過疎地の医療アクセスの向上にも寄与するものと考えております。現在こうした当社グループの取り組みや実績について取りまとめ、自治体に対し認知度の向上および継続的な啓蒙活動に努めております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。
当社グループは、「1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
| 第24期 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 第25期 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 第26期 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 第27期 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||||
| 売上収益(千円) | 8,738,193 | 5,407,087 | 4,165,519 | 4,191,472 | |||
| 対前期増減率(%) | 95.5 | △38.1 | △23.0 | 0.6 | |||
| 営業利益(△は損失)(千円) | 2,977,464 | 834,000 | △119,936 | 95,906 | |||
| 対前期増減率(%) | 135.0 | △72.0 | - | - | |||
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)(千円) | 2,159,994 | 518,358 | △309,159 | 55,775 | |||
| 対前期増減率(%) | 178.9 | △76.0 | - | - |
第26期は、営業損失及び親会社の所有者に帰属する当期損失のため、対前期増減率を記載しておりません。
第27期は、第26期が営業損失及び親会社の所有者に帰属する当期損失のため、対前期増減率を記載しておりません。
当社グループは、自治体BPO業務が終了又は縮小したことによりその他の売上収益が対前期比0.9%減少しましたが、医療人材サービスが対前期比1.2%増加し、当連結会計年度における売上収益は4,191,472千円となりました。一方、自治体BPO業務の一部終了又は縮小に伴い当該売上収益に係る人件費及び外注費等が減少した結果、売上総利益の対売上収益比率が2.2ポイント上昇し、販売費及び一般管理費が対前期比2.4%減少したことにより営業利益は、95,906千円(前年同期は営業損失119,936千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業規模の拡大及び新規事業の育成を通じた収益基盤の多様化を通じて持続可能な長期的な成長を実現し、企業価値の最大化を目指しております。この企業価値の最大化を目指すために、親会社所有者帰属持分比率を資本管理において用いる指標としております。
当社グループの資金需要は、医療機関に対して一時的な資金の立替等を行う経営支援サービスに係る資金、人件費及び販売促進費等の営業費用の他、国内及び海外における医師紹介に係るシステム構築並びにM&Aとなります。必要な資金は、自己資本及び借入金のバランスを考慮して調達する方針であります。なお、運転資金等の流動性が必要な資金につきましては、取引金融機関から証書貸付による資金調達以外に、取引金融機関との当座貸越枠の設定を行い、弾力的な資金調達ができるようにしております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における親会社所有者帰属持分比率は次のとおりであります。
| 前連結会計年度 (2024年12月31日) | 当連結会計年度 (2025年12月31日) | ||
| 親会社の所有者に帰属する持分(千円) | 4,515,512 | 4,645,197 | |
| 負債及び資本合計(千円) | 6,745,562 | 6,477,632 | |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 66.9 | 71.7 |
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要性がある会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。