有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/11/16 15:15
【資料】
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【項目】
94項目

対処すべき課題

企業は、業務の高度化・効率化を図るために企業内外システムをコンピューティングしており、また、様々なスマートデバイスの活用や仮想ネットワーク(クラウドなど)サービスの本格的な利用が拡大しております。このような情報通信技術の高度化及び普及に伴い、情報セキュリティリスクは、サイバー攻撃のように外部からの不正侵入、情報の窃取、改ざん、破棄、サービスの途絶のみではなく、内部ネットワークの関連者による機密情報や個人情報の漏洩など、多様・複雑かつ巧妙化しております。
このような中、当社は総合的なマルウェア対策及び業務管理を実現する多機能で導入コストが比較的低価格のソリューションを提供しており、中小規模事業者をメインターゲットとして展開しております。当社は、以下の課題に対処することにより、今後も持続的な成長を目指してまいります。
(1)市場ニーズ変化への対応
現在IT市場をめぐる環境は、技術面での日々の進歩が著しく、ソフトウェアおよびハードウェアでの商品の陳腐化のスピードが速まっております。また、コンピューターウィルスへの対策とともに、サイバー攻撃対策、企業内部情報のセキュリティ対策ニーズも多様化しております。当社は、優秀な技術者を採用・育成することにより、プログラムの開発及び既存製品へのサポート体制を強化し、顧客満足度の向上に取り組んでまいります。
(2)販売チャネルの開拓
当社は、国内では、既存の販売代理店との取引拡大を推進すると共に、全国エリアでの更なる販売拡大を目指すために、戦略的に新しい販売代理店の開拓を行ってまいります。具体的には、当社のアンチマルウェア製品が西日本の大手通信会社がその特約店に販売を推奨するセレクト商品に選定されていることもあり、西日本の販売代理店向けの営業実績のウェートが高い状況であるため、東日本の販売代理店への販路を拡大する計画を検討しております。また、海外市場に対しては、将来的に成長が期待できる東南アジアなどの新興マーケットの開拓にも取り組んでまいります。
(3)新製品の開発
当社は、クラウド化対応の製品開発を行うことにより、クラウド・スマートデバイスへの対応に取り組み、ライセンス販売型の営業チャネルの開拓を行ってまいります。さらにPC業務管理製品につきましては、省スペースの観点も取り入れてコンパクト化(6ベイ(注)から2ベイへ)を行い、需要の発掘に努めてまいります。
(注)ベイとはドライブベイを指します。ドライブベイとは、コンピューター本体に内蔵する周辺機器を取り付けるために設けられた筐体内の空間のことを指します。
(4)人材の育成
当社は、今まで少人数での効率的な業務運営を行ってまいりましたが、顧客に対しより先進的なコンピューターセキュリティの提供を目指して新製品の開発を行うため、また営業面での新規開拓に注力するため、各々の分野で人材の育成に努めて更なる成長を図ってまいります。
(5)内部管理体制の強化
企業として大きく成長していくために、クライアントのみならず、社会的な信用を得ることは、今後、重要な課題であると考えております。そのため当社は、コーポレート・ガバナンスの充実を図るとともに、効率的でスピード感のあるディスクロジャーが可能となる管理体制を目指し、継続的な強化を行ってまいります。
(6)PC業務管理機能の自社開発
当社のアンチマルウェア及びクライアント版PC業務管理製品及びPC業務管理サーバー製品における、PC業務管理機能については、その重要な機能において、関連当事者である㈱シンセキュアが開発したソフトウェアを利用しております。当社は、この機能の自社製品化を課題と認識しており、製品機能の向上及びユーザビリティの向上を目指した取組として、これを自社開発ソフトウェアに代替すべく、平成27年12月に完成を予定して開発活動をおこなっており、平成28年3月期内に自社開発ソフトウェアを搭載した製品を市場へ投入する予定であります。