有価証券報告書-第40期(平成29年8月1日-平成30年7月31日)

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2018/10/23 16:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度と比べ1,310百万円増加し、39,256百万円となりました。流動資産は2,159百万円増加し、固定資産は848百万円減少しております。主な要因は、現金及び預金の増加2,202百万円、減価償却を含む有形固定資産の減少483百万円及びのれんの償却を含む無形固定資産の減少504百万円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度と比べ979百万円減少し、15,318百万円となりました。主な要因は、買掛金が125百万円増加した一方で、短期借入金が340百万円、長期借入金が761百万円減少したことによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度と比べ2,290百万円増加し、23,937百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加2,240百万円によるものであります。
b 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が緩やかに続き、国内景気は回復基調が続いております。一方、海外経済の足元も回復基調にあるものの、米国の通商・金融政策や新興国の政治・経済に関する不確実性などにより、先行きは依然として不透明な状況にあります。
食品小売業界におきましては、コンビニエンスストアやドラッグストアなど他業態との事業領域の垣根が低下すると共に、ネット通販やネットスーパーの拡大、食品宅配事業へ参入する企業が年々増加するなど事業環境が大きく変化してきております。
このような状況のもと、当社グループは、お客様の暮らしの基本である食を通して、安心・安全を守り、値頃感がある商品展開をすすめ、変化に富んだ店づくりをすることで、さらなるご支持をいただけるような店舗運営に努めてまいりました。
当連結会計年度における経営成績は、前連結会計年度に出店した5店舗及び当連結会計年度に新規出店した2店舗、前連結会計年度より当社グループ入りしたAATJ㈱、㈱アクティブマーケティングシステムの寄与等があり、売上高108,289百万円と前連結会計年度に比べ4,519百万円(4.4%)の増収となりました。
スーパーマーケット事業において年間最大の繁忙期である年末商戦が好調に推移したことに加え、前連結会計年度に新規出店した5店舗の採算が徐々に改善していることにより、営業利益は4,449百万円と前連結会計年度に比べ496百万円(12.6%)の増益、経常利益は4,546百万円と前連結会計年度に比べ460百万円(11.3%)の増益となりました。
前連結会計年度に当社子会社の本社ビル建替えに伴う退去費用として受取補償金99百万円及び、連結子会社化した㈱アクティブマーケティングシステム株式の段階取得に係る差益243百万円としていた特別利益が減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は2,773百万円と前連結会計年度に比べ98百万円(3.7%)の増益となりました。
当社グループにおける事業セグメントごとの状況は、次のとおりであります。
(スーパーマーケット事業)
スーパーマーケット事業につきましては、大型商業施設内店舗「ジャパンミート生鮮館」、関東圏単独店舗「ジャパンミート卸売市場」、北関東で展開する地域密着型店舗「パワーマート」、東京都内を中心に展開する業務用スーパー「肉のハナマサ」を展開しております。
いずれの店舗におきましても、来店されるお客様が楽しんでお買い物ができる店づくりを目指し、当社グループの強みでもある精肉部門を中心とした生鮮各部門及び一般食品から惣菜にいたるまで、それぞれの部門が商品力・技術力に磨きをかけ、お客様のニーズに合った値頃感のある商品展開をすすめ、より安心・安全な商品を提供できるよう努めてまいりました。
商品の販売につきましては、特定の商品を大量に陳列し、値頃感がある商品をお客様へアピールすることで購買意欲を高める「異常値販売」を定期的に実施する他、グループ各社で開発した商品を共有し販売を行うことで、販売点数及び商品の仕入力の向上、採算の安定に繋がるよう努めてまいりました。
また、当社の加工物流センターでの大量かつ効率的な精肉加工、商品供給を行うことで店舗オペレーションを安定的にサポートすることに加え、店舗内においても必要に応じて精肉加工を行い、売れ筋に対応した商品の速やかな提供により販売機会のロスを削減する等、戦略的、効率的な販売に努めております。商品の仕入につきましては、当社の加工物流センターにおける大量備蓄機能を活用することで、食材価格変動の影響を受けにくい商品仕入体制を構築し、採算の安定と商品在庫の確保を図っております。
店舗の状況としましては、平成30年3月に「肉のハナマサ」八王子店(東京都八王子市)を新規出店いたしました。既存店舗におきましては平成29年11月に「肉のハナマサ」錦糸町店(東京都墨田区)、平成30年6月に「肉のハナマサ」湯島店(東京都千代田区)、7月に「肉のハナマサ」滝野川店(東京都北区)の改装を行いました。
また、平成29年9月に「肉のハナマサ」金沢店(神奈川県横浜市)が賃貸借契約期間満了に伴い閉店いたしました。これにより、当連結会計年度末時点におけるスーパーマーケット事業の店舗数は80店舗になりました。
当連結会計年度における経営成績につきましては、前連結会計年度に出店した5店舗の売上寄与と、同店舗の採算が徐々に改善していることに加え、年間最大の繁忙期である年末商戦が好調に推移したことにより売上高103,961百万円と前連結会計年度と比べ2,830百万円(2.8%)の増収、セグメント利益(営業利益)は3,913百万円と前連結会計年度と比べ103百万円(2.7%)の増益となりました。
(その他)
その他の事業につきましては、外食事業、イベント関連事業、アウトソーシング事業で構成されております。
外食事業につきましては、主に「焼肉や漫遊亭」を展開しております。当連結会計年度におきましても、得意とする精肉の調達力、ノウハウを活かし、新鮮で高品質な料理を安価でご提供するよう努めてまいりました。また、おいしい商品と快適な食事空間を提供するという基本方針のもと、新メニューの開発をすすめ、他店との差別化を図り、お客様が楽しく食事ができる店づくりに努めてまいりました。
外食事業の店舗の状況としましては、平成30年2月に「焼肉や漫遊亭」八街店(千葉県八街市)を開店いたしました。既存店舗におきましては平成29年11月に「焼肉や漫遊亭」水戸50号店(茨城県水戸市)の改装を行いました。これにより当連結会計年度末時点における外食事業の店舗数は16店舗になりました。
イベント関連事業につきましては、平成29年2月に連結子会社化いたしましたAATJ㈱において「肉フェス」など食に関わるイベントの展開、国内外のイベント制作、運営などイベント関連事業を行っております。当連結会計年度における主な活動状況といたしまして、ゴールデンウィーク期間中に「肉フェスTOKYO2018春」(東京都江東区)、「肉フェスOSAKA2018春」(大阪府大阪市)、「肉フェスHIROSHIMA2018」(広島県広島市)、「餃子フェスOSAKA2018」(大阪府大阪市)を開催いたしました。今後も食肉及び地域の食文化の魅力を国内外に発信する取り組みを行ってまいります。
アウトソーシング事業につきましては、平成29年4月に連結子会社化いたしました㈱アクティブマーケティングシステムにおいて、スーパーマーケット業界における、レジ業務の受託をコアビジネスとしたアウトソーシング事業を行っております。スーパーマーケットの実務経験に基づいた独自のノウハウによって、顧客のニーズに応える質の高いサービスを提供しております。当社におきましては、スーパーマーケット事業の「ジャパンミート生鮮館」、「ジャパンミート卸売市場」、「パワーマート」においてレジ業務を㈱アクティブマーケティングシステムに委託しております。レジ業務のプロフェッショナルとして新規顧客開拓を行い、業容の拡大に努めてまいります。
当連結会計年度における経営成績につきましては、前連結会計年度より当社グループ入りしたAATJ㈱、㈱アクティブマーケティングシステムの売上寄与に加え、外食事業が好調に推移した結果、売上高は6,059百万円と前連結会計年度と比べ2,551百万円(72.7%)の増収、セグメント利益(営業利益)は503百万円と前連結会計年度と比べ378百万円(303.9%)の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、9,954百万円(前連結会計年度は8,112百万円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、4,731百万円(前連結会計年度比120.7%増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益4,546百万円(前連結会計年度比2.7%増)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、972百万円(前連結会計年度比66.6%減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出551百万円(前連結会計年度比71.9%減)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、1,917百万円(前連結会計年度は109百万円の増加)となりました。これは、主に配当金の支払額532百万円(前連結会計年度比0.2%減)及び短期借入金の減少340百万円(前連結会計年度は169百万円の増加)、長期借入金の返済による支出759百万円(前連結会計年度比55.0%増)によるものであります。
③ 仕入及び販売の状況
a 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前連結会計年度比(%)
スーパーマーケット事業75,027101.7
その他313108.5
合計75,341105.0

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比(%)
スーパーマーケット事業103,317102.8
その他4,972152.9
合計108,289104.4

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、重要となる会計方針については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、この連結財務諸表の作成にあたりまして、連結決算日における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当連結会計年度の経営成績等
当連結会計年度における売上高は、スーパーマーケット事業の既存店では前連結会計年度比99.5%となりました。これは平成29年8月の長雨、10月の週末に2週連続の台風に見舞われたこと等の天候不順により、青果相場の乱高下が長期間続いたことが大きく影響したためであります。一方、前連結会計年度に出店した5店舗及び当連結会計年度に出店した2店舗(漫遊亭八街店及び肉のハナマサ八王子店)が増収に寄与しました。その他の事業において、前連結会計年度にグループ入りしたAATJ㈱、㈱アクティブマーケティングシステムの2社が増収に寄与した他、外食事業において、既存店も来店客数の伸びが続き、増収となりました。この結果、108,289百万円となり前連結会計年度に比べて4.4%の増収となりました。
営業利益につきましては、スーパーマーケット事業において主力の精肉部門が好調に推移しており、年末商戦が順調に推移したことに加え、前連結会計年度に出店した5店舗の採算が改善したこと等により3,913百万円(2.7%増)となっております。また、その他の事業では、外食事業が新規出店の費用を既存店でカバーできたこと、アウトソーシング事業が計画通りの採算を確保したこと、イベント関連事業ではゴールデンウィーク期間中のフェスで100万人を超える集客人数を達成したことにより503百万円(303.9%増)となりました。この結果4,449百万円と前連結会計年度に比べて12.6%増益となり、営業利益率は4.1%となりました。
経常利益につきましては、4,546百万円と前連結会計年度に比べて11.3%増益となり、経常利益率は4.2%と過去最高の売上高、経常利益を達成しております。
b 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り、経営環境、食品の安全性、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当該リスクを低減すべく、食品市場の動向に留意しつつ、内部管理体制の強化及び優秀な人材を確保育成し、顧客のニーズを的確に捉え最適な商品を提供することに努めてまいります。
c 資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、経営環境の変化に対応するため資金の流動性を確保することで安定した財務基盤を維持することに努めております。
主な資金需要は、仕入資金、人件費、販売費及び一般管理費等の営業経費に加えて、新規出店時の設備投資及び既存店舗の改装等であります。
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金については、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入及びリース取引により調達しており、当社において一元管理しております。