有価証券報告書-第28期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 10:02
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【項目】
124項目
経営成績等の概要
(1)経営成績
当事業年度における世界経済は、米中貿易摩擦や英国EU離脱交渉に伴う混乱等の影響に加え、中国をはじめとする東アジア諸国に景気減速感が拡大したことにより、当事業年度後半から厳しい市況が継続いたしました。国内においても、当事業年度当初は緩やかな回復傾向の継続が伝えられておりましたが、米中貿易摩擦の深刻化に伴い、製造業を中心に不透明感が拡大し、当事業年度後半には市場環境の悪化が顕著となりました。
このような環境の中、当社を取り巻く試作・開発市場は、当事業年度後半から、製造業全般を覆う不透明感に加え、国内自動車メーカーの業績不振や大手自動車部品メーカーの事業統合等の複合的影響により、同市場内の案件数が激減いたしました。
3Dプリンター出力事業(3Dプリンターによる試作品、各種部品・商品の製造、販売)、鋳造事業(砂型鋳造による試作品、各種部品の製造、販売)、CT事業(産業用CTの販売および検査・測定サービスの提供)の3事業からなる当社は、試作・開発市場の環境変化に翻弄され、当事業年度の業績は大変厳しいものとなりました。特に自動車産業界への依存度が高い鋳造事業における業績の浮沈が著しく、売上高の伸張の鈍化が全社営業利益低下の主因となりました。
また、医療機器販売の開始による人件費や販売促進費用の増加、ミーリングセンター(静岡県浜松市浜北区)の翌事業年度の稼働開始に向けた人員採用に関する費用の増加や、新設するマシニングセンタ(金属加工機)の備品・消耗品・什器備品の購買、更にブランドリニューアルに伴う広告宣伝費の増加などが、販売費及び一般管理費が増加する一因となりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,809,054千円(前期比8.8%増)、営業利益265,016千円(前期比19.6%減)、経常利益264,087千円(前期比21.9%減)、当期純利益164,396千円(前期比23.4%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(3Dプリンター出力事業)
3Dプリンター出力事業におきましては、「短納期」・「高品質」の強みを活かした営業及び製造に注力し、また、顧客のニーズに最適な試作工法の提案を積極的に進め顧客の拡大を図ったものの、試作・開発市場の案件数が減少するなか、当事業年度後半においては受注が伸び悩み、厳しい業績となりました。更に、当社が当事業年度よりビジネスを開始しております医療機器販売においては、カテーテル被覆保護材「セキュアポートIV(アイブイ)」(医療機器届出番号:14B1X10020000001)及び骨折・疾患のある関節または疼痛のある捻挫等患部を固定するためのギプス包帯「OPENCAST(オープンキャスト)」(医療機器届出番号:14B1X10020000002)の販売の立ち上げが難航し、販売に掛るコストを賄うことができなかったため、当該事業のセグメント利益を押し下げる結果となりました。
一方で、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」においては、展示会への出展や営業活動により、拍動ポンプによる血流の再現化、顧客ニーズに応じたカスタマイズ化等の付加価値が市場に浸透し、売上高が伸張いたしました。
この結果、3Dプリンター出力事業の売上高は556,655千円(前期比7.0%増)、セグメント利益は111,829千円(前期比10.6%減)となりました。
(鋳造事業)
鋳造事業におきましては、自動車産業界における、短納期、大型化、複雑化、軽量化、精緻化への対応ニーズが益々強くなった一年でありました。このような顧客ニーズに対応すべく、2019年7月にコンセプトセンター第6期棟(長野県飯田市)を稼働させ、砂型3Dプリンター「S-Print」(株式会社ExOne製)や低圧鋳造設備を導入いたしました。しかし、当事業年度後半から、当社の主要な取引先である自動車産業界の業績不振の影響を受け、試作・開発市場全体の案件数や案件金額が減少し、投資コストが先行したため、好調であった前事業年度と比較してセグメント利益が減少いたしました。
この結果、鋳造事業の売上高は1,833,125千円(前期比14.4%増)、セグメント利益は475,846千円(前期比5.2%減)となりました。
(CT事業)
CT事業におきましては、産業用CTによる検査・測定サービスの市場が未形成である状況下、高度なデータ作成及び解析技術を駆使し、ミリ/マイクロ/ナノフォーカス/高エネルギーX線というX線の出力における全ての領域の産業用CT装置を状況に応じ使い分け、最適かつ高精度な検査・測定サービスの提供を行っております。当該事業におきましては、試作・開発市場悪化の影響は限定的であったことから、産業用CTによる検査・測定サービスのリーディング企業である優位性を活かし、業績の伸張を果たしました。
この結果、CT事業の売上高は517,642千円((前期比6.9%減)、これは、高額である装置販売が当事業年度は1台であり、前事業年度は3台であったため、事業全体の売上高が減少となりました。なお、検査・測定サービスの売上高は前期比で増加しております。)セグメント利益は224,233千円(前期比59.9%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
3Dプリンター出力事業(千円)284,996105.5
鋳造事業(千円)1,236,212126.9
CT事業(千円)65,26079.9
合計(千円)1,586,469119.7

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
3Dプリンター出力事業(千円)42,033-
鋳造事業(千円)9,022-
CT事業(千円)90,70739.3
合計(千円)141,76361.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の振替高は含まれておりません。
3.3Dプリンター出力事業の商品仕入実績の前年同期比は1,000%を超えているため、記載しておりません。
4.鋳造事業の商品仕入は当事業年度から開始したため、前年同期比は記載しておりません。
(3)受注実績
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
3Dプリンター出力事業(千円)556,655107.1
鋳造事業(千円)1,734,756115.0
CT事業(千円)517,64293.5
合計(千円)2,809,054108.8

(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本電産株式会社390,40515.1677,04424.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター出力事業
セグメント内産業区分当事業年度
(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
販売件数(件)販売金額(千円)比率(%)
卸売業405204,52736.7
電気機械器具製造業48371,59512.8
精密機械・医療機械器具製造業61770,12212.6
専門サービス業(他に分類されないもの)29165,16611.7
その他の製造業40429,4085.3
輸送用機械器具製造業8228,9365.2
広告・調査・情報サービス業3117,5723.2
一般機械器具製造業9113,9052.5
その他の事業サービス業919,9371.8
その他25345,4838.2
合計2,748556,655100.0

鋳造事業
セグメント内産業区分当事業年度
(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
販売件数(件)販売金額(千円)比率(%)
電気機械器具製造業389719,70441.5
卸売業443433,82125.0
輸送用機械器具製造業161224,95713.0
鉄鋼業、非鉄金属製造業116192,41711.1
一般機械器具製造業17294,9045.5
精密機械・医療機械器具製造業6423,2021.3
娯楽業820,0701.1
ゴム製品製造業1511,5140.7
窯業・土石製品製造業176,5580.4
その他237,6050.4
合計1,4081,734,756100.0

CT事業
セグメント内産業区分当事業年度
(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
販売件数(件)販売金額(千円)比率(%)
専門サービス業(他に分類されないもの)79117,67322.7
電気機械器具製造業44104,98720.3
卸売業17189,20517.2
輸送用機械器具製造業9087,68117.0
金属製品製造業8641,6518.1
精密機械・医療機械器具製造業1422,9404.4
一般機械器具製造業3918,4343.6
鉄鋼業、非鉄金属製造業208,4301.6
学術研究機関67,8351.5
その他3818,8053.6
合計587517,642100.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
3.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)当事業年度の財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,009,454千円となり、前事業年度末に比べ814,943千円減少いたしました。これは主に未収消費税等が62,185千円、受取手形が22,600千円、前渡金が10,694千円増加したものの、現金及び預金が708,670千円、売掛金が245,611千円減少したことによるものであります。
固定資産は2,672,781千円となり、前事業年度末に比べ1,183,871千円増加いたしました。これは主に建物が763,699千円、土地が197,529千円、リース資産(有形固定資産)が100,759千円、構築物が96,271千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,682,235千円となり、前事業年度末に比べ368,928千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は522,624千円となり、前事業年度末に比べ311,439千円減少いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が92,591千円増加したものの、短期借入金が155,958千円、未払法人税等が146,176千円、賞与引当金が31,646千円、役員賞与引当金が21,641千円、買掛金が19,316千円減少したことによるものであります。
固定負債は905,364千円となり、前事業年度末に比べ489,949千円増加いたしました。これは主に長期借入金が359,796千円、リース債務が82,120千円、資産除去債務が41,929千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,427,988千円となり、前事業年度末に比べ178,510千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,254,247千円となり、前事業年度末に比べ190,417千円増加いたしました。これは主に当期純利益を164,396千円計上し、資本金及び資本準備金がそれぞれ13,152千円増加したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙、医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療、ヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートする企業として、独自のポジションを確立し、2018年8月には「医療機器製造業(登録番号:14BZ200303)」、「第1種医療機器製造販売業(許可番号:14B1X10020)」の許可を取得いたしました。当社事業は、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」であり、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。
当事業年度は5期連続の増収となり、過去最高の売上高2,809,054千円(前事業年度比8.8%増)となりましたが、医療機器販売の開始による人件費や販売促進費用の増加、ミーリングセンター(静岡県浜松市浜北区)の翌事業年度の稼働開始に向けた人員採用に関する費用の増加や、新設するマシニングセンタ(金属加工機)の備品・消耗品・什器備品の購買、更にブランドリニューアルに伴う広告宣伝費の増加等により販売費及び一般管理費が851,490千円(前事業年度比22.3%増)となり、営業利益は265,016千円(前事業年度比19.6%減)となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び少量量産品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。
(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益を256,966千円(前期335,788千円)計上し、長期借入れによる収入、減価償却費、売上債権の減少額があったものの、有形固定資産の取得による支出、法人税等の支払額、短期借入金の純減額、リース債務の返済による支出等により、前事業年度末に比べ708,670千円減少し、当事業年度末には298,540千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は301,748千円(前年同期は575,071千円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額220,442千円、未収消費税等の増加額62,185千円、未払消費税等の減少額62,031千円、賞与引当金の減少額31,646千円、たな卸資産の増加額28,355千円、役員賞与引当金の減少額21,641千円、仕入債務の減少額19,316千円等の減少があったものの、減価償却費262,142千円、税引前当期純利益256,966千円、売上債権の減少額223,011千円等の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は1,318,958千円(前年同期は209,879千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入86,539千円があったものの、有形固定資産の取得による支出1,380,886千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は308,539千円(前年同期は176,757千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額155,958千円、リース債務の返済による支出91,615千円があったものの、長期借入れによる収入500,000千円、セール・アンド・リースバックによる収入85,889千円等があったことによるものであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
②契約債務
2019年12月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(千円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
長期借入金566,000110,204230,816134,01690,964
リース債務480,580125,173170,209123,42661,769

上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2019年12月31日現在、長期借入金の残高は566,000千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計1,000,000千円の当座貸越契約を締結しております。(借入未実行残高1,000,000千円、借入実行残高はありません。)
④資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売用の産業用CTの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,048,811千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は298,540千円となっております。

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