有価証券報告書-第33期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/26 10:05
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【項目】
124項目
経営成績等の概要
経営成績
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による各種制限が緩和され、社会経済活動の正常化が進む一方で、為替相場の円安化、物価・人件費の高騰、金融政策の変更にともなうゼロ金利解除など、経済状況の不安定化が継続しており、依然として不透明な状況が継続しております。
当社を取り巻く試作・開発市場は、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)目標達成に向けたEV(電気自動車)開発競争が加速し、複雑形状かつ大型サイズの試作品が求められる傾向が顕著となりました。その一方、国内自動車メーカー各社での認証不正問題や、一部で企業統合を念頭に置いた慎重な経営方針の下、各種開発スケジュールの大幅な繰り延べや、開発費用の凍結などの影響が生じ、一時的な受注量の減少が続いております。
このような環境の中、当社では主力の鋳造事業において、大型低圧鋳造炉と、国内最大規模の砂型鋳造による工場棟「第8期棟」の稼働を通じ、「ギガキャスト(注)」の製作実績を積み上げるとともに、各種展示会での周知や、顧客別の鋳造工場見学の実施など受注活動の強化を継続しました。また、マグネシウムを中心としたダイカスト工法領域では、株式会社STG(大阪府八尾市)と事業拡張に向けた協議を行い、相互に送客を開始しました。
しかしながら、受注総量の減少期間が想定より長期化したことに加え、新たな取組みである大型鋳造品製作による一時的な製造コスト増加、新工場棟の操業コストが先行したことで、大幅な減益を余儀なくされました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,072,417千円(前期比15.6%減)、営業利益88,089千円(前期比83.6%減)、経常利益122,937千円(前期比77.0%減)、当期純利益50,671千円(前期比86.1%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
①3Dプリンター事業
3Dプリンター事業におきましては、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」のラインナップ強化や国際会議、展示会でのデモンストレーションなど、積極的な販売促進活動を実施したことで、ユーザーの裾野の広がりがあったものの、事業年度内に成約に至らない案件が増加したことで、前期をやや下回る水準で推移しました。
また、工業向け試作品を中心とした出力サービスは、総案件数の増加が伸び悩む中、3Dプリントだけではなく、顧客のニーズを捉えた多岐にわたる工法提案を行えるよう、社内体制の強化に努めました。
この結果、3Dプリンター事業の売上高は630,401千円(前期比13.6%減)、セグメント利益は150,582千円(前期比24.6%減)となりました。
②鋳造事業
鋳造事業におきましては、自動車メーカー各社及びTier1(ティアワン)部品メーカーを中心としたEV関連の試作及び開発の活性化に伴い、高難度かつ大型の鋳造部品や「ギガキャスト」試作に関連する引合い・受注が徐々に増加し、一部の製品では納入実績を残しました。一方で自動車メーカー各社の認証不正問題などを発端とした主要部品の開発スケジュール繰り延べや、予算執行時期の見直しなど、当社の受注環境の悪化が継続したことで、受注量の大幅な減少を余儀なくされました。また、レストア分野の一部自社製作パーツにおいて品質の確立に時間を要したことで、生産コストが増加しました。
設備面ではコンセプトセンター(長野県飯田市)の砂型鋳造棟「第8期棟」の大型鋳造部品専用工場化を見据えた生産設備の導入を継続するとともに、「第6期棟」への低圧鋳造炉増設を行い、高品質な大型鋳造部品対応をより一層強化し、需要の取り込みに向けた活動を継続しました。
この結果、鋳造事業の売上高は1,949,653千円(前期比22.2%減)、セグメント利益は42,977千円(前期比92.3%減)となりました。
③CT事業
CT事業におきましては、研究開発が進む次世代蓄電池分野を中心とした産業用CTの認知拡大を推進すべく、大規模な電池分野の展示会や、顧客企業内展示会への出展を積極的に行ったことで、スキャンサービス需要の獲得が順調に進みました。また、国内メーカーへのCT装置販売の実績を残したことや、社内・外の関係人員の連携強化や情報共有を推進することにより、スキャンサービス体制の効率化を図ったことで、売上高・セグメント利益とも堅調に推移しました。
この結果、CT事業の売上高は492,362千円(前期比21.7%増)、セグメント利益は367,419千円(前期比33.1%増)となりました。
(注)ギガキャスト
大型の鋳造設備で複数のアルミ合金部品を1つのパーツとして成型し、大型の車体部品を生産する方法です。当社では自動車生産工程のギガキャスト化を見据え、試作段階での大型アルミニウム鋳造品の提案を強化し、製品化を実現しております。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
3Dプリンター事業(千円)223,70679.2
鋳造事業(千円)1,717,42193.8
CT事業(千円)64,36486.1
合計(千円)2,005,49191.6

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
3Dプリンター事業(千円)18,596157.8
鋳造事業(千円)--
CT事業(千円)171,804321.5
合計(千円)190,400291.9

(注)セグメント間の振替高は含まれておりません。
(3)受注実績
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
3Dプリンター事業(千円)630,40186.4
鋳造事業(千円)1,949,65377.8
CT事業(千円)492,362121.7
合計(千円)3,072,41784.4

(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ファナック株式会社1,400,54638.5473,66115.4
株式会社メックインターナショナル120,1083.3404,64813.2
株式会社安川電機192,6785.3350,42811.4

当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター事業
セグメント内産業区分当事業年度
(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
販売件数(件)販売金額(千円)比率(%)
卸売業419336,95153.5
精密機械・医療機械器具製造業30879,47812.6
電気機械器具製造業26851,7568.2
専門サービス業(他に分類されないもの)6339,2636.2
一般機械器具製造業15229,7824.7
輸送用機械器具製造業5624,7403.9
その他の製造業17015,5122.5
化学工業478,3621.3
学術研究機関156,9511.1
その他26737,6036.0
合計1,765630,401100.0

鋳造事業
セグメント内産業区分当事業年度
(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
販売件数(件)販売金額(千円)比率(%)
一般機械器具製造業1,6831,263,79364.8
輸送用機械器具製造業157273,79714.1
卸売業147140,7257.2
電気機械器具製造業6691,0054.7
鉄鋼業、非鉄金属製造業6285,5454.4
自動車・自転車小売業2465,6853.4
精密機械・医療機械器具製造業3017,8700.9
専門サービス業(他に分類されないもの)24,5540.2
自動車整備業、駐車場業12,5000.1
その他54,1770.2
合計2,1771,949,653100.0

CT事業
セグメント内産業区分当事業年度
(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
販売件数(件)販売金額(千円)比率(%)
卸売業169121,41924.7
輸送用機械器具製造業135102,92020.9
一般機械器具製造業6573,44914.9
電気機械器具製造業8070,51414.3
専門サービス業(他に分類されないもの)7237,2597.6
鉄鋼業、非鉄金属製造業1817,4733.5
精密機械・医療機械器具製造業2316,3203.3
その他の製造業2211,7052.4
ゴム製品製造業87,4001.5
その他8733,9006.9
合計679492,362100.0

(注)1.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
2.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
該当事項はありません。
(2)当事業年度の財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,535,808千円となり、前事業年度末に比べ26,712千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が116,468千円、未収還付法人税等が59,805千円増加したものの、売掛金が193,447千円減少したことによるものであります。
固定資産は3,165,578千円となり、前事業年度末に比べ252,505千円減少いたしました。これは主に建物が100,713千円、リース資産が74,857千円、機械及び装置が68,703千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は4,701,386千円となり、前事業年度末に比べ279,217千円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は1,011,458千円となり、前事業年度末に比べ117,445千円減少いたしました。これは主に短期借入金が50,000千円増加したものの、未払法人税等が82,106千円、賞与引当金が76,008千円減少したことによるものであります。
固定負債は788,188千円となり、前事業年度末に比べ202,336千円減少いたしました。これは主に長期借入金が126,012千円、リース債務が76,419千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,799,646千円となり、前事業年度末に比べ319,782千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,901,740千円となり、前事業年度末に比べ40,565千円増加いたしました。これは主に当期純利益を50,671千円計上したことによるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙及び医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療及びヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートすることを主たる業務とし、「3Dプリンター事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」の3事業で、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。
当事業年度における経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 経営成績」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び量産用部品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。
(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入金の返済による支出等があったものの、税引前当期純利益82,274千円(前期507,777千円)の計上、減価償却費の計上等により、前事業年度末に比べ116,468千円増加し、当事業年度末には419,712千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は529,055千円(前年同期は389,555千円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額164,529千円等の資金の減少があったものの、減価償却費368,649千円、売上債権の減少額198,101千円、未払消費税等の増加額84,138千円等の資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は212,097千円(前年同期は717,953千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出230,752千円等の資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は200,489千円(前年同期は325,079千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入100,000千円等の資金の増加があったものの、長期借入金の返済による支出256,012千円、リース債務の返済による支出76,921千円等の資金の減少があったことによるものであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
②契約債務
2024年12月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(千円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
短期借入金250,000250,000---
長期借入金838,958226,012552,02455,9984,924
リース債務165,24580,20367,26217,778-

上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2024年12月31日現在、短期借入金の残高は250,000千円、長期借入金の残高は838,958千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計950,000千円のコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結しております(借入未実行残高700,000千円)。
④資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売用の産業用CTの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,254,203千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は419,712千円となっております。

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