有価証券報告書-第30期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
経営成績等の概要
経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展や各種経済政策の効果で回復基調にあるものの、変異株の出現による感染症再拡大の懸念や世界的な半導体不足による消費財の減産など、先行き不透明感が継続しております。
当社を取り巻く試作・開発市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の一服感から、凍結が続いていたプロジェクトの再始動や、世界的な脱炭素社会の実現に向けたEV(電気自動車)開発ニーズの高まりから、当事業年度後半において、需要の回復が進みました。
このような環境の中、当社の鋳造事業では、2019年に取得を完了しております伊豆木産業用地(長野県飯田市)に建設した「第7期棟」の稼働を開始し、大型鋳造品や量産用鋳造品の熱処理工程の内製化を進めてまいりました。
3Dプリンター出力事業ではEOS Electro Optical Systems Japan株式会社との連携に加え、3Dプリンティング市場の開拓、顧客への全方位サービスの実施を目的に八十島プロシード株式会社、原田車両設計株式会社と協業プロジェクト「3D Innovation Hub」(注1)を開始いたしました。
また、CT事業では、産業用CTによる非破壊検査において、顧客の求める品質・価格・納期面で的を射た提案が奏功し、従前の産業用CTの輸入販売とは異なる、当社所有の産業用CT装置の売却をビジネスとして開始するなど、提供サービスの多様化及びサービスレベルの向上を一層強化いたしました。
当事業年度の受注状況は、前半では試作・開発需要は厳しい状況が継続いたしましたが、後半においては主たる事業である鋳造事業での試作・開発需要の回復に加え、FA(ファクトリーオートメーション)(注2)協働ロボット量産用鋳造部品の受注が増加したことで、全社業績を牽引いたしました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,416,536千円(前期比1.7%減)、営業利益102,235千円(前期は営業損失220,459千円)、経常利益153,686千円(前期は経常損失206,787千円)、当期純利益114,200千円(前期は当期純損失173,204千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
①3Dプリンター出力事業
3Dプリンター出力事業におきましては、日本国内における新型コロナウイルス感染症拡大に大きく影響を受けましたが、移動制限の解除に伴って顧客の試作・開発や展示会、催事が再開されたことで、当社の強みである「短納期」・「高品質」を要求する案件の増加が進み、第4四半期会計期間(2021年10月1日~2021年12月31日)では需給バランスは改善いたしました。
また、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」の新たな手技に対応した製品の開発・販売や、新分野となるNV(Neurovascular:脳血管)モデルについても販売実績を残すなど、期初に想定した売上高水準で推移いたしました。
この結果、3Dプリンター出力事業の売上高は512,040千円(前期比10.7%増)、セグメント利益は98,633千円(前期比227.0%増)となりました。
なお、医療機器製造販売については、カテーテル被覆保護材「セキュアポートIV(アイブイ)」(医療機器届出番号:14B1X10020000001)ならびにギプス包帯「オープンキャスト」(医療機器届出番号:14B1X10020000002)の、販売代理店契約を解消し取扱を終了いたしました。取扱終了に係る全ての費用を当事業年度の売上原価及び営業外費用に計上しております。
②鋳造事業
鋳造事業におきましては、第3四半期累計期間(2021年1月1日~2021年9月30日)までは厳しい受注環境が継続したものの、第4四半期会計期間(2021年10月1日~2021年12月31日)は一部の自動車分野の顧客において、新規開発の再開やEV向け主要部品の開発が加速し、またFA協働ロボット量産用鋳造部品の受注増加を背景に、大幅な受注環境の改善が進みました。とりわけFA協働ロボット量産用鋳造部品に関しては、国内大手製造業が提供する外部コンサルタントを活用し、量産品製造ノウハウの習得を強力に推し進めた結果、各工程における、生産活動の改善や効率化が進み、売上高・セグメント利益の大幅な改善に寄与いたしました。
また、2020年12月に開始したレストア(旧型車両等の老朽化した部品を供給する)分野では、「JMC BASE」(注3)の認知が進み、顧客数・アイテム数、売上高ともに増加し、順調な推移を示しました。
この結果、鋳造事業の売上高は1,532,920千円(前期比44.3%増)、セグメント利益は203,092千円(前期はセグメント損失168,344千円)となりました。
③CT事業
CT事業におきましては産業用CTの全てのX線出力領域(ミリ/マイクロ/ナノ/高エネルギーX線)をスキャン対象物に応じて使い分け、最適かつ高精度な検査・測定サービスの提供を行っております。
各種メディア・学術研究分野への積極的な露出による産業用CTの認知拡大として、NHK(Eテレ)放映番組「ギョギョッとサカナ★スター」へのレギュラー出演及びデータ提供、京都水族館(京都府京都市下京区)における天然記念物「オオサンショウウオ」を特集したイベントへの展示資料データ提供、TBS放映番組「ワールド極限ミステリー」へのデータ解析結果提供などを進めたほか、顧客のCT装置導入に関する柔軟な提案が結実し、当社所有の産業用CT装置の売却実績を残すなど、大規模プロジェクト案件(当該事業の主要な売上を占めていた特定顧客の品質保証及び検査目的でのスキャンサービス)の縮小の影響を最小限にとどめましたが、減収減益となりました。
この結果、CT事業の売上高は449,142千円(前期比55.9%減)、セグメント利益は240,863千円(前期比43.0%減)となりました。
なお、当事業年度のCT装置販売は、前述の当社所有資産の装置1台の売却のみであり、売却益は特別利益に計上しております。
(注1)協業プロジェクト「3D innovation Hub」
3Dプリンター出力全般の国内での啓蒙を進める上で課題となっている具体的なプロダクトの提案や、早期の製品化のため、当社、八十島プロシード株式会社及び原田車両設計株式会社による、新領域のビジネスに関する協業プロジェクトであります(2021年9月開始)。
(https://3dih.jp)
(注2)ファクトリーオートメーション
工場における生産工程の自動化を図るシステムのことです。当社では需要増加が著しい協働ロボット分野で使用される筐体の金属部品に、軽量かつ高強度のマグネシウム鋳造品やアルミニウム鋳造品を提案しております。
(注3)ブランドサイト「JMC BASE」
当社の高い鋳造技術や産業用CTでの検査技術を活かして、メーカーで生産終了となった商品を製造販売することで多くの方に大切な自動車や自動二輪車を長く楽しんでいただくための当社のレストア分野専用のWEBサイトであります。
(https://jmcbase.com)
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(3)受注実績
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター出力事業
鋳造事業
CT事業
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
3.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当事業年度の財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,280,542千円となり、前事業年度末に比べ159,456千円増加いたしました。これは主に電子記録債権が95,353千円、未収還付法人税等が70,601千円、受取手形が19,168千円減少したものの、売掛金が212,701千円、現金及び預金が84,189千円、仕掛品が21,215千円増加したことによるものであります。
固定資産は2,527,695千円となり、前事業年度末に比べ135,282千円減少いたしました。これは主に建物が73,817千円増加したものの、リース資産(有形固定資産)が88,864千円、建設仮勘定が81,500千円、機械及び装置が30,479千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は3,808,237千円となり、前事業年度末に比べ24,173千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は969,667千円となり、前事業年度末に比べ149,551千円増加いたしました。これは主に未払金が16,657千円減少したものの、買掛金が75,204千円、未払法人税等が65,824千円、前受金が32,604千円増加したことによるものであります。
固定負債は638,508千円となり、前事業年度末に比べ239,577千円減少いたしました。これは主に長期借入金が136,940千円、リース債務が93,287千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,608,175千円となり、前事業年度末に比べ90,026千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,200,061千円となり、前事業年度末に比べ114,200千円増加いたしました。これは当期純利益を114,200千円計上したことによるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙及び医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療及びヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートすることを主たる業務とし、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」の3事業で、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。
当事業年度における経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 経営成績」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び少量量産品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。
(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入金の返済による支出、有形固定資産の取得による支出等があったものの、税引前当期純利益177,894千円(前期は税引前当期純損失238,756千円)の計上、減価償却費の計上、仕入債務の増加額等により、前事業年度末に比べ84,189千円増加し、当事業年度末には306,261千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は456,368千円(前年同期は28,803千円の使用)となりました。これは主に、売上債権の増加額98,178千円等の資金の減少があったものの、減価償却費275,255千円、税引前当期純利益177,894千円、仕入債務の増加額75,204千円等の資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は111,689千円(前年同期は249,339千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入28,669千円等の資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出129,486千円等の資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は260,489千円(前年同期は201,675千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出136,540千円、リース債務の返済による支出113,680千円等の資金の減少があったことによるものであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
②契約債務
2021年12月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2021年12月31日現在、短期借入金の残高は300,000千円、長期借入金の残高は367,257千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計1,200,000千円のコミットメントライン契約を締結しております。(借入未実行残高900,000千円、借入実行残高は300,000千円であります。)
④資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売用の産業用CTの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,104,080千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は306,261千円となっております。
経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展や各種経済政策の効果で回復基調にあるものの、変異株の出現による感染症再拡大の懸念や世界的な半導体不足による消費財の減産など、先行き不透明感が継続しております。
当社を取り巻く試作・開発市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の一服感から、凍結が続いていたプロジェクトの再始動や、世界的な脱炭素社会の実現に向けたEV(電気自動車)開発ニーズの高まりから、当事業年度後半において、需要の回復が進みました。
このような環境の中、当社の鋳造事業では、2019年に取得を完了しております伊豆木産業用地(長野県飯田市)に建設した「第7期棟」の稼働を開始し、大型鋳造品や量産用鋳造品の熱処理工程の内製化を進めてまいりました。
3Dプリンター出力事業ではEOS Electro Optical Systems Japan株式会社との連携に加え、3Dプリンティング市場の開拓、顧客への全方位サービスの実施を目的に八十島プロシード株式会社、原田車両設計株式会社と協業プロジェクト「3D Innovation Hub」(注1)を開始いたしました。
また、CT事業では、産業用CTによる非破壊検査において、顧客の求める品質・価格・納期面で的を射た提案が奏功し、従前の産業用CTの輸入販売とは異なる、当社所有の産業用CT装置の売却をビジネスとして開始するなど、提供サービスの多様化及びサービスレベルの向上を一層強化いたしました。
当事業年度の受注状況は、前半では試作・開発需要は厳しい状況が継続いたしましたが、後半においては主たる事業である鋳造事業での試作・開発需要の回復に加え、FA(ファクトリーオートメーション)(注2)協働ロボット量産用鋳造部品の受注が増加したことで、全社業績を牽引いたしました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,416,536千円(前期比1.7%減)、営業利益102,235千円(前期は営業損失220,459千円)、経常利益153,686千円(前期は経常損失206,787千円)、当期純利益114,200千円(前期は当期純損失173,204千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
①3Dプリンター出力事業
3Dプリンター出力事業におきましては、日本国内における新型コロナウイルス感染症拡大に大きく影響を受けましたが、移動制限の解除に伴って顧客の試作・開発や展示会、催事が再開されたことで、当社の強みである「短納期」・「高品質」を要求する案件の増加が進み、第4四半期会計期間(2021年10月1日~2021年12月31日)では需給バランスは改善いたしました。
また、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」の新たな手技に対応した製品の開発・販売や、新分野となるNV(Neurovascular:脳血管)モデルについても販売実績を残すなど、期初に想定した売上高水準で推移いたしました。
この結果、3Dプリンター出力事業の売上高は512,040千円(前期比10.7%増)、セグメント利益は98,633千円(前期比227.0%増)となりました。
なお、医療機器製造販売については、カテーテル被覆保護材「セキュアポートIV(アイブイ)」(医療機器届出番号:14B1X10020000001)ならびにギプス包帯「オープンキャスト」(医療機器届出番号:14B1X10020000002)の、販売代理店契約を解消し取扱を終了いたしました。取扱終了に係る全ての費用を当事業年度の売上原価及び営業外費用に計上しております。
②鋳造事業
鋳造事業におきましては、第3四半期累計期間(2021年1月1日~2021年9月30日)までは厳しい受注環境が継続したものの、第4四半期会計期間(2021年10月1日~2021年12月31日)は一部の自動車分野の顧客において、新規開発の再開やEV向け主要部品の開発が加速し、またFA協働ロボット量産用鋳造部品の受注増加を背景に、大幅な受注環境の改善が進みました。とりわけFA協働ロボット量産用鋳造部品に関しては、国内大手製造業が提供する外部コンサルタントを活用し、量産品製造ノウハウの習得を強力に推し進めた結果、各工程における、生産活動の改善や効率化が進み、売上高・セグメント利益の大幅な改善に寄与いたしました。
また、2020年12月に開始したレストア(旧型車両等の老朽化した部品を供給する)分野では、「JMC BASE」(注3)の認知が進み、顧客数・アイテム数、売上高ともに増加し、順調な推移を示しました。
この結果、鋳造事業の売上高は1,532,920千円(前期比44.3%増)、セグメント利益は203,092千円(前期はセグメント損失168,344千円)となりました。
③CT事業
CT事業におきましては産業用CTの全てのX線出力領域(ミリ/マイクロ/ナノ/高エネルギーX線)をスキャン対象物に応じて使い分け、最適かつ高精度な検査・測定サービスの提供を行っております。
各種メディア・学術研究分野への積極的な露出による産業用CTの認知拡大として、NHK(Eテレ)放映番組「ギョギョッとサカナ★スター」へのレギュラー出演及びデータ提供、京都水族館(京都府京都市下京区)における天然記念物「オオサンショウウオ」を特集したイベントへの展示資料データ提供、TBS放映番組「ワールド極限ミステリー」へのデータ解析結果提供などを進めたほか、顧客のCT装置導入に関する柔軟な提案が結実し、当社所有の産業用CT装置の売却実績を残すなど、大規模プロジェクト案件(当該事業の主要な売上を占めていた特定顧客の品質保証及び検査目的でのスキャンサービス)の縮小の影響を最小限にとどめましたが、減収減益となりました。
この結果、CT事業の売上高は449,142千円(前期比55.9%減)、セグメント利益は240,863千円(前期比43.0%減)となりました。
なお、当事業年度のCT装置販売は、前述の当社所有資産の装置1台の売却のみであり、売却益は特別利益に計上しております。
(注1)協業プロジェクト「3D innovation Hub」
3Dプリンター出力全般の国内での啓蒙を進める上で課題となっている具体的なプロダクトの提案や、早期の製品化のため、当社、八十島プロシード株式会社及び原田車両設計株式会社による、新領域のビジネスに関する協業プロジェクトであります(2021年9月開始)。
(https://3dih.jp)
(注2)ファクトリーオートメーション
工場における生産工程の自動化を図るシステムのことです。当社では需要増加が著しい協働ロボット分野で使用される筐体の金属部品に、軽量かつ高強度のマグネシウム鋳造品やアルミニウム鋳造品を提案しております。
(注3)ブランドサイト「JMC BASE」
当社の高い鋳造技術や産業用CTでの検査技術を活かして、メーカーで生産終了となった商品を製造販売することで多くの方に大切な自動車や自動二輪車を長く楽しんでいただくための当社のレストア分野専用のWEBサイトであります。
(https://jmcbase.com)
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 3Dプリンター出力事業(千円) | 218,590 | 84.8 |
| 鋳造事業(千円) | 1,238,309 | 110.3 |
| CT事業(千円) | 56,666 | 81.1 |
| 合計(千円) | 1,513,567 | 104.4 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 3Dプリンター出力事業(千円) | 744 | 34.7 |
| 鋳造事業(千円) | - | - |
| CT事業(千円) | 23,958 | 5.9 |
| 合計(千円) | 24,703 | 6.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(3)受注実績
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 3Dプリンター出力事業(千円) | 512,040 | 110.7 |
| 鋳造事業(千円) | 1,455,353 | 149.0 |
| CT事業(千円) | 449,142 | 44.1 |
| 合計(千円) | 2,416,536 | 98.3 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ファナック株式会社 | 166,024 | 6.8 | 394,155 | 16.3 |
| 株式会社井高トレーディングス | 268,305 | 10.9 | 94,645 | 3.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター出力事業
| セグメント内産業区分 | 当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | ||
| 販売件数(件) | 販売金額(千円) | 比率(%) | |
| 卸売業 | 430 | 244,768 | 47.8 |
| 精密機械・医療機械器具製造業 | 480 | 73,408 | 14.3 |
| 電気機械器具製造業 | 257 | 37,635 | 7.3 |
| 一般機械器具製造業 | 127 | 24,559 | 4.8 |
| その他の製造業 | 262 | 22,382 | 4.4 |
| 輸送用機械器具製造業 | 83 | 21,321 | 4.2 |
| 医療業 | 154 | 19,604 | 3.8 |
| 専門サービス業(他に分類されないもの) | 97 | 12,511 | 2.4 |
| 金属製品製造業 | 16 | 7,424 | 1.5 |
| その他 | 308 | 48,423 | 9.5 |
| 合計 | 2,214 | 512,040 | 100.0 |
鋳造事業
| セグメント内産業区分 | 当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | ||
| 販売件数(件) | 販売金額(千円) | 比率(%) | |
| 一般機械器具製造業 | 946 | 470,712 | 32.3 |
| 卸売業 | 613 | 436,331 | 30.0 |
| 電気機械器具製造業 | 235 | 236,224 | 16.2 |
| 輸送用機械器具製造業 | 99 | 160,209 | 11.0 |
| 鉄鋼業、非鉄金属製造業 | 73 | 104,524 | 7.2 |
| 娯楽業 | 10 | 14,380 | 1.0 |
| 精密機械・医療機械器具製造業 | 42 | 10,029 | 0.7 |
| 自動車・自転車小売業 | 9 | 5,910 | 0.4 |
| 金属製品製造業 | 5 | 5,258 | 0.4 |
| その他 | 23 | 11,774 | 0.8 |
| 合計 | 2,055 | 1,455,353 | 100.0 |
CT事業
| セグメント内産業区分 | 当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | ||
| 販売件数(件) | 販売金額(千円) | 比率(%) | |
| 輸送用機械器具製造業 | 275 | 221,457 | 49.3 |
| 卸売業 | 172 | 89,594 | 20.0 |
| 一般機械器具製造業 | 54 | 33,292 | 7.4 |
| 電気機械器具製造業 | 84 | 32,384 | 7.2 |
| 精密機械・医療機械器具製造業 | 18 | 22,791 | 5.1 |
| 鉄鋼業、非鉄金属製造業 | 29 | 13,533 | 3.0 |
| 化学工業 | 25 | 10,335 | 2.3 |
| 専門サービス業(他に分類されないもの) | 18 | 8,055 | 1.8 |
| 窯業・土石製品製造業 | 1 | 3,340 | 0.7 |
| その他 | 53 | 14,360 | 3.2 |
| 合計 | 729 | 449,142 | 100.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
3.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当事業年度の財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,280,542千円となり、前事業年度末に比べ159,456千円増加いたしました。これは主に電子記録債権が95,353千円、未収還付法人税等が70,601千円、受取手形が19,168千円減少したものの、売掛金が212,701千円、現金及び預金が84,189千円、仕掛品が21,215千円増加したことによるものであります。
固定資産は2,527,695千円となり、前事業年度末に比べ135,282千円減少いたしました。これは主に建物が73,817千円増加したものの、リース資産(有形固定資産)が88,864千円、建設仮勘定が81,500千円、機械及び装置が30,479千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は3,808,237千円となり、前事業年度末に比べ24,173千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は969,667千円となり、前事業年度末に比べ149,551千円増加いたしました。これは主に未払金が16,657千円減少したものの、買掛金が75,204千円、未払法人税等が65,824千円、前受金が32,604千円増加したことによるものであります。
固定負債は638,508千円となり、前事業年度末に比べ239,577千円減少いたしました。これは主に長期借入金が136,940千円、リース債務が93,287千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,608,175千円となり、前事業年度末に比べ90,026千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,200,061千円となり、前事業年度末に比べ114,200千円増加いたしました。これは当期純利益を114,200千円計上したことによるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙及び医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療及びヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートすることを主たる業務とし、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」の3事業で、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。
当事業年度における経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 経営成績」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び少量量産品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。
(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入金の返済による支出、有形固定資産の取得による支出等があったものの、税引前当期純利益177,894千円(前期は税引前当期純損失238,756千円)の計上、減価償却費の計上、仕入債務の増加額等により、前事業年度末に比べ84,189千円増加し、当事業年度末には306,261千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は456,368千円(前年同期は28,803千円の使用)となりました。これは主に、売上債権の増加額98,178千円等の資金の減少があったものの、減価償却費275,255千円、税引前当期純利益177,894千円、仕入債務の増加額75,204千円等の資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は111,689千円(前年同期は249,339千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入28,669千円等の資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出129,486千円等の資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は260,489千円(前年同期は201,675千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出136,540千円、リース債務の返済による支出113,680千円等の資金の減少があったことによるものであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
②契約債務
2021年12月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(千円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 300,000 | 300,000 | - | - | - |
| 長期借入金 | 367,257 | 136,940 | 139,353 | 44,016 | 46,948 |
| リース債務 | 430,381 | 114,027 | 189,857 | 105,976 | 20,519 |
上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2021年12月31日現在、短期借入金の残高は300,000千円、長期借入金の残高は367,257千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計1,200,000千円のコミットメントライン契約を締結しております。(借入未実行残高900,000千円、借入実行残高は300,000千円であります。)
④資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売用の産業用CTの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,104,080千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は306,261千円となっております。