有価証券報告書-第29期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
経営成績等の概要
(1)経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、前事業年度から続く米中貿易摩擦の影響に加え、年初からの新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、正常な企業活動、消費活動が妨げられたことで、先行きが極めて不透明な状況となりました。
当社を取り巻く試作・開発市場は、製造業全般で試作・開発予算の一時的な凍結や縮減が相次ぎ、生産活動も停滞が続いたことで、依然として本格的な底打ち感は見えておりません。
当社におきましても、厳しい市場環境の中、各種展示会の中止や緊急事態宣言の発令の影響も加わり、従来の営業活動に制限が生じた結果、期初想定した売上高・営業利益の確保に至らず、当事業年度途中に通期見通しの大幅な見直しを余儀なくされるなど、厳しい状況となりました。
このような環境の中、当社は3Dプリンター出力事業では、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」について、マサチューセッツ工科大学「Therapeutic Technology Design & Development Lab」(米国)とのクリエイティブパートナーシップを締結し、最先端医療機器開発への貢献に踏み出すとともに、欧州連合(EU)地域における販売に必要な安全基準適合を示す「CEマーク」を取得し、また、米国においては「The Good Design Awards 2020」を受賞するなど、世界各国・各地域で「HEARTROID」の認知度向上を進めております。なお、事業領域の伸張が続く「HEARTROID」分野への資源集中のための事業再編の一環として、ナイロン造形サービスを主業務としておりますテクニカルセンター(神奈川県横浜市都筑区)を閉鎖いたしました。
一方で、EOS Electro Optical Systems Japan株式会社と協同で開始した樹脂3Dプリンター関連市場の拡大に向けたAM(Additive Manufacturing(注1))サービスの提供においては、NTTデータ ザムテクノロジーズ株式会社を加えた3社の協同体制を構築し、量産品のAM市場開拓の加速に向けた取組みを推進いたしております。
鋳造事業では、機械加工に特化したミーリングセンター(静岡県浜松市浜北区)を当事業年度に本格稼働させ、鋳造品の機械加工内製化を強力に推進し、社外流出費用の抑制と高難度加工ノウハウの蓄積を進めており、当該工場では順調な稼働状況を示しております。
CT事業では、撮像サービスの普及と産業用CT認知度の向上に注力し、営業活動が制限される環境下でありましたが、従来取引がなかった業種・業態の顧客からの受注獲得を着実に進めてまいりました。
また、当事業年度は前事業年度比で減収減益と厳しい状況下で推移してきましたが、将来の業績の回復、成長に向けた取組みとして、雇用の維持確保や必要な人材採用は継続して実施してまいりました。一方で、設備投資はより慎重な判断、費用投下は効率的かつ戦略的に実施することに努め、通期見通しで掲げた業績の達成に向けて取組んでまいりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,458,957千円(前期比12.5%減)、営業損失220,459千円(前期は営業利益265,016千円)、経常損失206,787千円(前期は経常利益264,087千円)、当期純損失173,204千円(前期は当期純利益164,396千円)となりました。
なお、3Dプリンター出力事業の製造部門再編に伴うテクニカルセンター閉鎖費用を事業再編損30,437千円として特別損失に計上いたしました。
(注)1.Additive Manufacturing
3Dプリンターによる積層技術は、これまで「Rapid Prototyping(高速試作)」と呼ばれてきました。しかし近年の積層技術の進歩によって、試作用途に留まらず、3Dプリンターで最終製品を製造するという考え方が普及し始め、「Additive Manufacturing(付加製造)」という言葉に置き換わりつつあります。
「Additive Manufacturing」とは、3Dデータを参照して、素材を積み重ねて形をつくる製造方法であり、その強みを生かすためには、従来の素材を切削する「除去加工」や、素材を変形する「塑性加工」とは全く異なる設計思想を要します。
当社では、20年以上取り組んできた積層技術のノウハウを活用し、設計段階からの支援を行うことで、新しい生産技術を顧客に提供してまいります。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(3Dプリンター出力事業)
3Dプリンター出力事業におきましては、「短納期」・「高品質」を訴求した営業活動と製造活動に注力し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大となった当事業年度におきましても、平時と変わらない体制を維持するとともに、試作開発において最も上流工程であるという特長を活かし、当社他事業への展開窓口としての機能も有しております。しかしながら顧客の開発進捗の停滞や予算凍結・縮減の影響から、案件数量の減少、受注価格レンジの低下など、厳しい受注環境が継続してまいりました。
また、前事業年度に開始しております医療機器販売において、販売が見込めない商品の滞留在庫について評価損を計上するなど、一時的な費用負担の増加によって業績は伸び悩みました。
一方で、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」では、リードレスペースメーカーの留置(植え込み)手技のシミュレーショントレーニングを行うことができる「リードレスペースメーカーモデル」の開発・発売や、国内外医療機関や関連商材を取扱う商社でのTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)トレーニングモデルを中心とした旺盛な需要を背景に、WEBを駆使した積極的な提案活動を継続したことで、期初想定の売上高を達成いたしました。
この結果、3Dプリンター出力事業の売上高は462,691千円(前期比16.9%減)、セグメント利益は30,160千円(前期比73.0%減)となりました。
(鋳造事業)
鋳造事業におきましては、主要顧客である自動車業界を中心に、開発の遅延や凍結、試作案件の減少が相次いだ結果、極めて厳しい受注環境が継続いたしました。このような状況の中、当事業年度に本格稼働させたミーリングセンターにおいて機械加工の拡充を進め、コンセプトセンター(長野県飯田市)と連携して「鋳物製作+追加工」ニーズの試作・量産案件を確実に捉えることに注力いたしました。
また、高品質な鋳造製品を短納期で少量から提供できる事業形態を活かし、従来のビジネスモデルとは異なるレストア分野(旧型車両等の老朽化した部品を供給する)案件の獲得に向けた取組みを開始いたしました。今後もレストア市場や顧客のニーズを調査しながら同分野の受注拡大を図ってまいります。
このように当事業年度は、厳しい受注環境の回復が見出せない中、内製化を強力に推進するとともに新規分野へ進出の取組みも開始いたしましたが、売上高の減少により、セグメント損失の計上を余儀なくされました。
この結果、鋳造事業の売上高は1,062,229千円(前期比42.1%減)、セグメント損失は168,344千円(前期はセグメント利益475,846千円)となりました。
(CT事業)
CT事業におきましては産業用CTのすべてのX線出力領域(ミリ/マイクロ/ナノ/高エネルギーX線)を撮像対象物に応じて使い分け、最適かつ高精度な検査・測定サービスの提供を行っております。
当事業年度におきましては、特定分野の旺盛な撮像需要をはじめ、WEBを活用した当社独自のセミナーの継続的な実施や、当社WEBサイト「CT生物図鑑(注2)」への希少生物の撮像データの掲載、撮像データの活用事例の公開等、コンテンツ拡充を積極的に進めた結果、品質保証や従来取引がなかった学術研究など多岐にわたる分野からの撮像需要を喚起するとともに、撮影対象物のデジタルデータ取得など、新たな需要の発掘も進めることができました。さらには、産業用CTの認知度向上に伴って、大手メーカー等への装置販売や撮像技術指導の需要も拡大し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の厳しい環境下においても着実に市場への浸透を図ったことが奏功し、売上高、セグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、CT事業の売上高は1,019,477千円(前期比96.9%増)、セグメント利益は422,544千円(前期比88.4%増)となりました。
(注)2.CT生物図鑑
産業用CTの可能性をより多くの方に感じていただくべく、様々な生物を産業用CTでデータ化し、WEBサイト上で360度動かすことができるほか、内部構造を捉えた断面画像等を公開している当社のオリジナルWEBサイトです(https://www.ctseibutsu.jp)。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の振替高は含まれておりません。
3.鋳造事業は当事業年度の実績がないため、前年同期比は記載しておりません。
(3)受注実績
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター出力事業
鋳造事業
CT事業
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
3.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、この財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は下記のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、2021年1月に、一部の地域で緊急事態宣言が再発令されるなど、経済活動の平常化が見通せず、当社を取り巻く試作・開発市場の景気不透明感は、翌事業年度にも影響を与えます。しかし、足元の受注環境は緩やかに改善しており、引き続き需要の回復が見込まれるものと仮定し、会計上の見積りを行っております。
① 繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
② 固定資産の減損
当社は、固定資産について、帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事情が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産を使用する営業活動により生じた損益等から、減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。
(2)当事業年度の財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,121,085千円となり、前事業年度末に比べ111,630千円増加いたしました。これは主に前渡金が88,486千円、現金及び預金が76,467千円、未収消費税等が62,185千円減少したものの、電子記録債権が154,003千円、売掛金が120,050千円、未収還付法人税等が61,288千円増加したことによるものであります。
固定資産は2,662,978千円となり、前事業年度末に比べ9,802千円減少いたしました。これは主に建設仮勘定が39,154千円、リース資産(有形固定資産)が37,592千円増加したものの、建物が74,435千円、機械及び装置が30,205千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は3,784,063千円となり、前事業年度末に比べ101,827千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は820,116千円となり、前事業年度末に比べ297,492千円増加いたしました。これは主に買掛金が28,282千円、賞与引当金が26,687千円減少したものの、短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が26,336千円増加したことによるものであります。
固定負債は878,085千円となり、前事業年度末に比べ27,279千円減少いたしました。これは主にリース債務が54,235千円増加したものの、長期借入金が88,539千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,698,202千円となり、前事業年度末に比べ270,213千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,085,861千円となり、前事業年度末に比べ168,385千円減少いたしました。これは主に資本金及び資本準備金がそれぞれ2,427千円増加したものの、当期純損失を173,204千円計上したことによるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙及び医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療及びヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートすることを主たる業務とし、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」の3事業で、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。
当事業年度における経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 (1)経営成績」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び少量量産品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。
(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、減価償却費、短期借入金の純増額等があったものの、税引前当期純損失を238,756千円(前期は税引前当期純利益256,966千円)計上し、売上債権の増加額、有形固定資産の取得による支出等により、前事業年度末に比べ76,467千円減少し、当事業年度末には222,072千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は28,803千円(前年同期は301,748千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費309,135千円、未払消費税等の増加額75,768千円、未収消費税等の減少額62,185千円等の増加があったものの、売上債権の増加額262,046千円、税引前当期純損失238,756千円等の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は249,339千円(前年同期は1,318,958千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出219,187千円、無形固定資産の取得による支出32,482千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は201,675千円(前年同期は308,539千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出126,203千円、リース債務の返済による支出120,844千円があったものの、短期借入金の純増額300,000千円、セール・アンド・リースバックによる収入88,150千円、長期借入れによる収入64,000千円等があったことによるものであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
②契約債務
2020年12月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2020年12月31日現在、短期借入金の残高は300,000千円、長期借入金の残高は503,797千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計1,200,000千円のコミットメントライン契約を締結しております。(借入未実行残高900,000千円、借入実行残高は300,000千円であります。)
④資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売用の産業用CTの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,346,639千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は222,072千円となっております。
(1)経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、前事業年度から続く米中貿易摩擦の影響に加え、年初からの新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、正常な企業活動、消費活動が妨げられたことで、先行きが極めて不透明な状況となりました。
当社を取り巻く試作・開発市場は、製造業全般で試作・開発予算の一時的な凍結や縮減が相次ぎ、生産活動も停滞が続いたことで、依然として本格的な底打ち感は見えておりません。
当社におきましても、厳しい市場環境の中、各種展示会の中止や緊急事態宣言の発令の影響も加わり、従来の営業活動に制限が生じた結果、期初想定した売上高・営業利益の確保に至らず、当事業年度途中に通期見通しの大幅な見直しを余儀なくされるなど、厳しい状況となりました。
このような環境の中、当社は3Dプリンター出力事業では、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」について、マサチューセッツ工科大学「Therapeutic Technology Design & Development Lab」(米国)とのクリエイティブパートナーシップを締結し、最先端医療機器開発への貢献に踏み出すとともに、欧州連合(EU)地域における販売に必要な安全基準適合を示す「CEマーク」を取得し、また、米国においては「The Good Design Awards 2020」を受賞するなど、世界各国・各地域で「HEARTROID」の認知度向上を進めております。なお、事業領域の伸張が続く「HEARTROID」分野への資源集中のための事業再編の一環として、ナイロン造形サービスを主業務としておりますテクニカルセンター(神奈川県横浜市都筑区)を閉鎖いたしました。
一方で、EOS Electro Optical Systems Japan株式会社と協同で開始した樹脂3Dプリンター関連市場の拡大に向けたAM(Additive Manufacturing(注1))サービスの提供においては、NTTデータ ザムテクノロジーズ株式会社を加えた3社の協同体制を構築し、量産品のAM市場開拓の加速に向けた取組みを推進いたしております。
鋳造事業では、機械加工に特化したミーリングセンター(静岡県浜松市浜北区)を当事業年度に本格稼働させ、鋳造品の機械加工内製化を強力に推進し、社外流出費用の抑制と高難度加工ノウハウの蓄積を進めており、当該工場では順調な稼働状況を示しております。
CT事業では、撮像サービスの普及と産業用CT認知度の向上に注力し、営業活動が制限される環境下でありましたが、従来取引がなかった業種・業態の顧客からの受注獲得を着実に進めてまいりました。
また、当事業年度は前事業年度比で減収減益と厳しい状況下で推移してきましたが、将来の業績の回復、成長に向けた取組みとして、雇用の維持確保や必要な人材採用は継続して実施してまいりました。一方で、設備投資はより慎重な判断、費用投下は効率的かつ戦略的に実施することに努め、通期見通しで掲げた業績の達成に向けて取組んでまいりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,458,957千円(前期比12.5%減)、営業損失220,459千円(前期は営業利益265,016千円)、経常損失206,787千円(前期は経常利益264,087千円)、当期純損失173,204千円(前期は当期純利益164,396千円)となりました。
なお、3Dプリンター出力事業の製造部門再編に伴うテクニカルセンター閉鎖費用を事業再編損30,437千円として特別損失に計上いたしました。
(注)1.Additive Manufacturing
3Dプリンターによる積層技術は、これまで「Rapid Prototyping(高速試作)」と呼ばれてきました。しかし近年の積層技術の進歩によって、試作用途に留まらず、3Dプリンターで最終製品を製造するという考え方が普及し始め、「Additive Manufacturing(付加製造)」という言葉に置き換わりつつあります。
「Additive Manufacturing」とは、3Dデータを参照して、素材を積み重ねて形をつくる製造方法であり、その強みを生かすためには、従来の素材を切削する「除去加工」や、素材を変形する「塑性加工」とは全く異なる設計思想を要します。
当社では、20年以上取り組んできた積層技術のノウハウを活用し、設計段階からの支援を行うことで、新しい生産技術を顧客に提供してまいります。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(3Dプリンター出力事業)
3Dプリンター出力事業におきましては、「短納期」・「高品質」を訴求した営業活動と製造活動に注力し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大となった当事業年度におきましても、平時と変わらない体制を維持するとともに、試作開発において最も上流工程であるという特長を活かし、当社他事業への展開窓口としての機能も有しております。しかしながら顧客の開発進捗の停滞や予算凍結・縮減の影響から、案件数量の減少、受注価格レンジの低下など、厳しい受注環境が継続してまいりました。
また、前事業年度に開始しております医療機器販売において、販売が見込めない商品の滞留在庫について評価損を計上するなど、一時的な費用負担の増加によって業績は伸び悩みました。
一方で、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」では、リードレスペースメーカーの留置(植え込み)手技のシミュレーショントレーニングを行うことができる「リードレスペースメーカーモデル」の開発・発売や、国内外医療機関や関連商材を取扱う商社でのTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)トレーニングモデルを中心とした旺盛な需要を背景に、WEBを駆使した積極的な提案活動を継続したことで、期初想定の売上高を達成いたしました。
この結果、3Dプリンター出力事業の売上高は462,691千円(前期比16.9%減)、セグメント利益は30,160千円(前期比73.0%減)となりました。
(鋳造事業)
鋳造事業におきましては、主要顧客である自動車業界を中心に、開発の遅延や凍結、試作案件の減少が相次いだ結果、極めて厳しい受注環境が継続いたしました。このような状況の中、当事業年度に本格稼働させたミーリングセンターにおいて機械加工の拡充を進め、コンセプトセンター(長野県飯田市)と連携して「鋳物製作+追加工」ニーズの試作・量産案件を確実に捉えることに注力いたしました。
また、高品質な鋳造製品を短納期で少量から提供できる事業形態を活かし、従来のビジネスモデルとは異なるレストア分野(旧型車両等の老朽化した部品を供給する)案件の獲得に向けた取組みを開始いたしました。今後もレストア市場や顧客のニーズを調査しながら同分野の受注拡大を図ってまいります。
このように当事業年度は、厳しい受注環境の回復が見出せない中、内製化を強力に推進するとともに新規分野へ進出の取組みも開始いたしましたが、売上高の減少により、セグメント損失の計上を余儀なくされました。
この結果、鋳造事業の売上高は1,062,229千円(前期比42.1%減)、セグメント損失は168,344千円(前期はセグメント利益475,846千円)となりました。
(CT事業)
CT事業におきましては産業用CTのすべてのX線出力領域(ミリ/マイクロ/ナノ/高エネルギーX線)を撮像対象物に応じて使い分け、最適かつ高精度な検査・測定サービスの提供を行っております。
当事業年度におきましては、特定分野の旺盛な撮像需要をはじめ、WEBを活用した当社独自のセミナーの継続的な実施や、当社WEBサイト「CT生物図鑑(注2)」への希少生物の撮像データの掲載、撮像データの活用事例の公開等、コンテンツ拡充を積極的に進めた結果、品質保証や従来取引がなかった学術研究など多岐にわたる分野からの撮像需要を喚起するとともに、撮影対象物のデジタルデータ取得など、新たな需要の発掘も進めることができました。さらには、産業用CTの認知度向上に伴って、大手メーカー等への装置販売や撮像技術指導の需要も拡大し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の厳しい環境下においても着実に市場への浸透を図ったことが奏功し、売上高、セグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、CT事業の売上高は1,019,477千円(前期比96.9%増)、セグメント利益は422,544千円(前期比88.4%増)となりました。
(注)2.CT生物図鑑
産業用CTの可能性をより多くの方に感じていただくべく、様々な生物を産業用CTでデータ化し、WEBサイト上で360度動かすことができるほか、内部構造を捉えた断面画像等を公開している当社のオリジナルWEBサイトです(https://www.ctseibutsu.jp)。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 3Dプリンター出力事業(千円) | 257,758 | 90.4 |
| 鋳造事業(千円) | 1,122,681 | 90.8 |
| CT事業(千円) | 69,860 | 107.0 |
| 合計(千円) | 1,450,300 | 91.4 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 3Dプリンター出力事業(千円) | 2,145 | 5.1 |
| 鋳造事業(千円) | - | - |
| CT事業(千円) | 407,750 | 449.5 |
| 合計(千円) | 409,896 | 289.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の振替高は含まれておりません。
3.鋳造事業は当事業年度の実績がないため、前年同期比は記載しておりません。
(3)受注実績
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 3Dプリンター出力事業(千円) | 462,691 | 83.1 |
| 鋳造事業(千円) | 976,788 | 56.3 |
| CT事業(千円) | 1,019,477 | 196.9 |
| 合計(千円) | 2,458,957 | 87.5 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社井高トレーディングス | 103,400 | 3.7 | 268,305 | 10.9 |
| 日本電産株式会社 | 677,044 | 24.1 | 157,325 | 6.4 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター出力事業
| セグメント内産業区分 | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 販売件数(件) | 販売金額(千円) | 比率(%) | |
| 卸売業 | 350 | 208,178 | 45.0 |
| 精密機械・医療機械器具製造業 | 546 | 49,664 | 10.7 |
| 専門サービス業(他に分類されないもの) | 220 | 40,459 | 8.8 |
| 電気機械器具製造業 | 326 | 35,734 | 7.7 |
| その他の事業サービス業 | 72 | 32,585 | 7.0 |
| その他の製造業 | 289 | 22,603 | 4.9 |
| 輸送用機械器具製造業 | 57 | 18,987 | 4.1 |
| 化学工業 | 31 | 12,984 | 2.8 |
| 一般機械器具製造業 | 84 | 11,968 | 2.6 |
| その他 | 250 | 29,525 | 6.4 |
| 合計 | 2,225 | 462,691 | 100.0 |
鋳造事業
| セグメント内産業区分 | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 販売件数(件) | 販売金額(千円) | 比率(%) | |
| 卸売業 | 320 | 313,865 | 32.1 |
| 一般機械器具製造業 | 404 | 243,966 | 25.0 |
| 電気機械器具製造業 | 237 | 230,360 | 23.6 |
| 輸送用機械器具製造業 | 115 | 109,918 | 11.3 |
| 鉄鋼業、非鉄金属製造業 | 42 | 45,122 | 4.6 |
| 娯楽業 | 2 | 12,160 | 1.2 |
| 精密機械・医療機械器具製造業 | 21 | 7,992 | 0.8 |
| その他の事業サービス業 | 11 | 3,726 | 0.4 |
| 金属製品製造業 | 4 | 2,577 | 0.3 |
| その他 | 26 | 7,098 | 0.7 |
| 合計 | 1,182 | 976,788 | 100.0 |
CT事業
| セグメント内産業区分 | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 販売件数(件) | 販売金額(千円) | 比率(%) | |
| 卸売業 | 133 | 438,182 | 43.0 |
| 輸送用機械器具製造業 | 184 | 244,927 | 24.0 |
| 専門サービス業(他に分類されないもの) | 72 | 138,643 | 13.6 |
| 電気機械器具製造業 | 66 | 107,348 | 10.5 |
| 精密機械・医療機械器具製造業 | 14 | 24,330 | 2.4 |
| 金属製品製造業 | 37 | 24,245 | 2.4 |
| 鉄鋼業、非鉄金属製造業 | 24 | 11,368 | 1.1 |
| 一般機械器具製造業 | 30 | 10,067 | 1.0 |
| ゴム製品製造業 | 7 | 6,150 | 0.6 |
| その他 | 42 | 14,216 | 1.4 |
| 合計 | 609 | 1,019,477 | 100.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
3.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、この財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は下記のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、2021年1月に、一部の地域で緊急事態宣言が再発令されるなど、経済活動の平常化が見通せず、当社を取り巻く試作・開発市場の景気不透明感は、翌事業年度にも影響を与えます。しかし、足元の受注環境は緩やかに改善しており、引き続き需要の回復が見込まれるものと仮定し、会計上の見積りを行っております。
① 繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
② 固定資産の減損
当社は、固定資産について、帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事情が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産を使用する営業活動により生じた損益等から、減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。
(2)当事業年度の財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,121,085千円となり、前事業年度末に比べ111,630千円増加いたしました。これは主に前渡金が88,486千円、現金及び預金が76,467千円、未収消費税等が62,185千円減少したものの、電子記録債権が154,003千円、売掛金が120,050千円、未収還付法人税等が61,288千円増加したことによるものであります。
固定資産は2,662,978千円となり、前事業年度末に比べ9,802千円減少いたしました。これは主に建設仮勘定が39,154千円、リース資産(有形固定資産)が37,592千円増加したものの、建物が74,435千円、機械及び装置が30,205千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は3,784,063千円となり、前事業年度末に比べ101,827千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は820,116千円となり、前事業年度末に比べ297,492千円増加いたしました。これは主に買掛金が28,282千円、賞与引当金が26,687千円減少したものの、短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が26,336千円増加したことによるものであります。
固定負債は878,085千円となり、前事業年度末に比べ27,279千円減少いたしました。これは主にリース債務が54,235千円増加したものの、長期借入金が88,539千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,698,202千円となり、前事業年度末に比べ270,213千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,085,861千円となり、前事業年度末に比べ168,385千円減少いたしました。これは主に資本金及び資本準備金がそれぞれ2,427千円増加したものの、当期純損失を173,204千円計上したことによるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙及び医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療及びヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートすることを主たる業務とし、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」の3事業で、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。
当事業年度における経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 (1)経営成績」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び少量量産品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。
(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、減価償却費、短期借入金の純増額等があったものの、税引前当期純損失を238,756千円(前期は税引前当期純利益256,966千円)計上し、売上債権の増加額、有形固定資産の取得による支出等により、前事業年度末に比べ76,467千円減少し、当事業年度末には222,072千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は28,803千円(前年同期は301,748千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費309,135千円、未払消費税等の増加額75,768千円、未収消費税等の減少額62,185千円等の増加があったものの、売上債権の増加額262,046千円、税引前当期純損失238,756千円等の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は249,339千円(前年同期は1,318,958千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出219,187千円、無形固定資産の取得による支出32,482千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は201,675千円(前年同期は308,539千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出126,203千円、リース債務の返済による支出120,844千円があったものの、短期借入金の純増額300,000千円、セール・アンド・リースバックによる収入88,150千円、長期借入れによる収入64,000千円等があったことによるものであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
②契約債務
2020年12月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(千円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 300,000 | 300,000 | - | - | - |
| 長期借入金 | 503,797 | 136,540 | 224,285 | 74,016 | 68,956 |
| リース債務 | 526,130 | 116,489 | 224,190 | 134,819 | 50,631 |
上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2020年12月31日現在、短期借入金の残高は300,000千円、長期借入金の残高は503,797千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計1,200,000千円のコミットメントライン契約を締結しております。(借入未実行残高900,000千円、借入実行残高は300,000千円であります。)
④資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売用の産業用CTの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,346,639千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は222,072千円となっております。