有価証券報告書-第27期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析、検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という)第312条の規則によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しています。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
なお、再生可能エネルギー事業及び蓄電事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要性がある会計方針、会計上の見積り及び判断は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」、「2 作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用」に記載しています。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの「再生可能エネルギー発電等事業」においては、運転開始済みの太陽光発電所、バイオマス発電所、陸上風力発電所、地熱発電所及び蓄電所(合計設備容量約1,228.7MW)において、全体としての発電量は概ね順調に推移しました。2025年9月27日に唐津バイオマス発電所(出力49.9MW。発電端出力ベースの発電容量)が営業運転を開始し、同発電所を運営する合同会社唐津バイオマスエナジーが当社の連結子会社となりました。さらに法人間のコーポレートPPAを前提とした小規模・分散型太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加しました。当社の連結子会社である合同会社御前崎港バイオマスエナジーが保有する御前崎港バイオマス発電所は、2025年6月末から進めていた点検及び補修工事が完了し、2025年10月10日に通常操業を再開しました。また、2025年10月10日に、姫路蓄電池匿名組合事業(持分法適用会社)を通じて開発をしていた姫路蓄電所が当社グループ初の系統用蓄電事業として運転を開始しました。本蓄電事業は、送配電ネットワークへ直接接続する蓄電池システムを設置し、電力需給に応じて電力を充放電することで電力需給バランスの調整に寄与しています。
なお、当連結会計年度において、各電力会社より出力制御指示が発令され、当社が運営する一部の発電所は出力の制御を実施しました。2026年3月の出力制御に伴う逸失発電量の合計が、当社が運営する全ての発電所の年間計画売電量に占める比率は0.270%であり、当社の連結業績に対する影響は軽微です。
「開発・運営事業」においては、引き続き、国内外の新たな発電所・蓄電所の建設及び開発が進捗しています。2025年6月30日に、東京瓦斯株式会社(東京ガス)とのオフテイク契約(2025年6月23日締結)に基づき、北海道石狩市で30MWの蓄電事業の開発を進めるアールスリー蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2027年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、当社グループが蓄電所の開発、所有及び維持管理を行い、20年間にわたり固定価格による施設使用権の付与を行うオフテイク契約を通じて、安定的に収益を得られる事業となっています。2027年度の運転開始を予定している本事業では、共同スポンサーであるSMFLみらいパートナーズ株式会社及びほか1社と「アールスリー蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しており、この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計36%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は75.0%となります。加えて、2025年11月28日には、島根県安来市において市場販売型蓄電事業で安来蓄電所(出力2MW/容量6.5MWh)の建設を開始し、2026年4月17日に運転を開始いたしました。本事業を通じて、当社自らが蓄電池の市場運用を直接担うことで蓄電池の最適運用知見を確立し、運営戦略の立案・実施機能を内製化及び高度化することで、今後運転・開発を予定している大規模な系統用蓄電事業における競争力を高め、長期的な収益の最大化を実現してまいります。さらに、2026年3月31日には、静岡県菊川市において菊川西村蓄電所(出力90MW/容量270MWh)の開発を進めるアールワン蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2028年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、国内最大規模の市場販売型蓄電事業であり、主に、「需給調整市場」及び「容量市場」での活用を予定しています。大規模化による事業費低減を通じたコスト競争力と、当社が内製化した最適運用知見を組み合わせることで、将来、蓄電所間の競争が激化する環境下においても持続的な収益確保と収益の最大化を実現します。2028年度の運転開始を予定している同事業では、共同スポンサーであるNCSアールイーキャピタル株式会社及びSMFLみらいパートナーズ株式会社と「アールワン蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しています。この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計40.0%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は80.0%となります。これにより、2026年3月現在、運転中及び建設着手済みの蓄電事業の設備容量は352MWに達しています。
また、RE100に取り組む企業や小売電気事業者等との間でコーポレートPPA需要は拡大傾向にあり、当社の太陽光発電によるコーポレートPPAの契約設備容量は合計で206MWとなっています。2025年12月に、コーポレートPPA向けの小規模・分散型太陽光発電事業の更なる規模拡大を目指し、連結子会社である第一太陽光発電合同会社を通じて、PPA締結済み契約設備容量の206MWのうち約170MWを対象としたプロジェクト・ファイナンスを組成しました。本件を通じて、全国に分散する多数の発電所を複数のパートナーとともに開発・管理する仕組みの標準化やAIを活用した効率化、高品質な発電所と長期保有への信頼を背景としたPPAの獲得体制を構築したことにより、中期経営計画に掲げる2030年度の小規模・分散型太陽光事業0.9GW(運転中・建設中)の目標に向けた事業モデルが確立されました。今後は確立した事業モデルに基づき、完工・運営の体制を一段と強化し、事業成長を加速させてまいります。
さらに、電力需要の増加や企業の脱炭素化需要を背景に、昼夜問わず安定的な電力供給が可能なバイオマス発電所の重要性が増しています。当社が開発・保有するバイオマス発電所においても、FIT制度に基づく売電からコーポレートPPAへの切り替えを推進しています。コーポレートPPAにおいては、FIT価格に環境プレミアムを上乗せした価格での売電を実現しており、長期にわたり安定的な売上への貢献が見込まれます。2026年3月現在、バイオマス発電事業におけるコーポレートPPAの契約設備容量は、145.4MW(3発電所)となっています。
これらの結果を受けた、当連結会計年度における経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.EBITDA=売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益+その他の収益・費用
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響
2.EBITDAマージン=EBITDA/売上収益
3.EBITDAはNon-GAAP指標です。
4.前第4四半期連結会計期間より、合同会社御前崎港バイオマスエナジーが運転を開始しました。
5.当第2四半期連結会計期間より、合同会社唐津バイオマスエナジーが運転を開始しました。
セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高等を含めて表示しています。また、セグメント利益は、EBITDAにて表示しています。再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の償却費の割合が大きい傾向にあります。当社グループでは、一過性の償却費負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指すべく、株式価値の向上に努めています。そのため、業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
(報告セグメントごとの売上収益)
(単位:百万円)
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(報告セグメントごとの利益又は損失)
(単位:百万円)
(注)セグメント利益は、売上収益から燃料費、外注費、人件費を差し引き、持分法による投資損益並びにその他の収益・費用を加算したEBITDA(Non-GAAP指標)にて表示しています。
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響
(3) 財政状態の分析
当社グループでは、資本効率を向上させながら再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期の借入れを活用しています。また、財務健全性を適切にモニタリングする観点から、保有する資産の実態的な価値を把握するほか、資本比率や親会社所有者帰属持分比率、純有利子負債とEBITDAの倍率(純有利子負債/EBITDA倍率)等の指標を重視しています。
連結子会社及び関連会社が保有する為替予約の公正価値変動を主要因とするその他の資本の構成要素の増加等により当連結会計年度末の資本比率は30.4%(前連結会計年度末は25.2%)、親会社所有者帰属持分比率は20.1%(前連結会計年度末は16.8%)となりました。また、純有利子負債/EBITDA倍率(純有利子負債と直近の12ヶ月間に計上したEBITDAの倍率。なお、純有利子負債は、借入金及び社債、リース負債、並びにその他の金融負債に含まれる金融負債の合計から、現金及び現金同等物並びに引出制限付預金を差し引いた金額と定義)は、当連結会計年度末において8.4倍(前連結会計年度末は10.5倍)となりました。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ81,413百万円増加し、611,464百万円となりました。
主な増減要因は、連結子会社が保有する為替予約の公正価値変動等によるその他の金融資産(非流動)の増加(+79,862百万円)、及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による有形固定資産の増加(+7,243百万円)です。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ28,957百万円増加し、425,584百万円となりました。
主な増減要因は、主に連結子会社における繰延税金負債の増加(+22,692百万円)及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による社債及び借入金(非流動)の増加(+14,260百万円)です。
(資本の部)
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ52,455百万円増加し、185,879百万円となりました。
主な増減要因は、連結子会社及び関連会社が保有する金利スワップ及び為替予約の公正価値変動によるその他の資本の構成要素の増加(+30,263百万円)、唐津バイオマス発電所の新規連結及び連結子会社保有の為替予約の公正価値変動等による非支配持分の増加(+18,711百万円)です。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して846百万円減少し、23,081百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、28,273百万円の収入(前年同期は31,499百万円の収入)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における売電先からの売電収入です。主なキャッシュ・アウト・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における発電設備の維持管理費用、事業用地の賃借料、各種税金、バイオマス燃料の仕入及び「開発・運営事業」における開発支出(人件費等を含む)です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、11,715百万円の支出(前年同期は16,498百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、建設立替金の回収による収入1,589百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、主にバイオマス発電所及び第一太陽光発電合同会社における有形固定資産の取得による支出5,416百万円、契約履行コストの取得による支出4,037百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、17,438百万円の支出(前年同期は8,285百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、主に当社及び第一太陽光合同会社における長期借入れの実行による収入33,129百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、長期借入金の返済による支出43,939百万円及び社債の償還による支出6,997百万円です。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という)第312条の規則によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しています。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
なお、再生可能エネルギー事業及び蓄電事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要性がある会計方針、会計上の見積り及び判断は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」、「2 作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用」に記載しています。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの「再生可能エネルギー発電等事業」においては、運転開始済みの太陽光発電所、バイオマス発電所、陸上風力発電所、地熱発電所及び蓄電所(合計設備容量約1,228.7MW)において、全体としての発電量は概ね順調に推移しました。2025年9月27日に唐津バイオマス発電所(出力49.9MW。発電端出力ベースの発電容量)が営業運転を開始し、同発電所を運営する合同会社唐津バイオマスエナジーが当社の連結子会社となりました。さらに法人間のコーポレートPPAを前提とした小規模・分散型太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加しました。当社の連結子会社である合同会社御前崎港バイオマスエナジーが保有する御前崎港バイオマス発電所は、2025年6月末から進めていた点検及び補修工事が完了し、2025年10月10日に通常操業を再開しました。また、2025年10月10日に、姫路蓄電池匿名組合事業(持分法適用会社)を通じて開発をしていた姫路蓄電所が当社グループ初の系統用蓄電事業として運転を開始しました。本蓄電事業は、送配電ネットワークへ直接接続する蓄電池システムを設置し、電力需給に応じて電力を充放電することで電力需給バランスの調整に寄与しています。
なお、当連結会計年度において、各電力会社より出力制御指示が発令され、当社が運営する一部の発電所は出力の制御を実施しました。2026年3月の出力制御に伴う逸失発電量の合計が、当社が運営する全ての発電所の年間計画売電量に占める比率は0.270%であり、当社の連結業績に対する影響は軽微です。
「開発・運営事業」においては、引き続き、国内外の新たな発電所・蓄電所の建設及び開発が進捗しています。2025年6月30日に、東京瓦斯株式会社(東京ガス)とのオフテイク契約(2025年6月23日締結)に基づき、北海道石狩市で30MWの蓄電事業の開発を進めるアールスリー蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2027年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、当社グループが蓄電所の開発、所有及び維持管理を行い、20年間にわたり固定価格による施設使用権の付与を行うオフテイク契約を通じて、安定的に収益を得られる事業となっています。2027年度の運転開始を予定している本事業では、共同スポンサーであるSMFLみらいパートナーズ株式会社及びほか1社と「アールスリー蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しており、この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計36%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は75.0%となります。加えて、2025年11月28日には、島根県安来市において市場販売型蓄電事業で安来蓄電所(出力2MW/容量6.5MWh)の建設を開始し、2026年4月17日に運転を開始いたしました。本事業を通じて、当社自らが蓄電池の市場運用を直接担うことで蓄電池の最適運用知見を確立し、運営戦略の立案・実施機能を内製化及び高度化することで、今後運転・開発を予定している大規模な系統用蓄電事業における競争力を高め、長期的な収益の最大化を実現してまいります。さらに、2026年3月31日には、静岡県菊川市において菊川西村蓄電所(出力90MW/容量270MWh)の開発を進めるアールワン蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2028年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、国内最大規模の市場販売型蓄電事業であり、主に、「需給調整市場」及び「容量市場」での活用を予定しています。大規模化による事業費低減を通じたコスト競争力と、当社が内製化した最適運用知見を組み合わせることで、将来、蓄電所間の競争が激化する環境下においても持続的な収益確保と収益の最大化を実現します。2028年度の運転開始を予定している同事業では、共同スポンサーであるNCSアールイーキャピタル株式会社及びSMFLみらいパートナーズ株式会社と「アールワン蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しています。この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計40.0%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は80.0%となります。これにより、2026年3月現在、運転中及び建設着手済みの蓄電事業の設備容量は352MWに達しています。
また、RE100に取り組む企業や小売電気事業者等との間でコーポレートPPA需要は拡大傾向にあり、当社の太陽光発電によるコーポレートPPAの契約設備容量は合計で206MWとなっています。2025年12月に、コーポレートPPA向けの小規模・分散型太陽光発電事業の更なる規模拡大を目指し、連結子会社である第一太陽光発電合同会社を通じて、PPA締結済み契約設備容量の206MWのうち約170MWを対象としたプロジェクト・ファイナンスを組成しました。本件を通じて、全国に分散する多数の発電所を複数のパートナーとともに開発・管理する仕組みの標準化やAIを活用した効率化、高品質な発電所と長期保有への信頼を背景としたPPAの獲得体制を構築したことにより、中期経営計画に掲げる2030年度の小規模・分散型太陽光事業0.9GW(運転中・建設中)の目標に向けた事業モデルが確立されました。今後は確立した事業モデルに基づき、完工・運営の体制を一段と強化し、事業成長を加速させてまいります。
さらに、電力需要の増加や企業の脱炭素化需要を背景に、昼夜問わず安定的な電力供給が可能なバイオマス発電所の重要性が増しています。当社が開発・保有するバイオマス発電所においても、FIT制度に基づく売電からコーポレートPPAへの切り替えを推進しています。コーポレートPPAにおいては、FIT価格に環境プレミアムを上乗せした価格での売電を実現しており、長期にわたり安定的な売上への貢献が見込まれます。2026年3月現在、バイオマス発電事業におけるコーポレートPPAの契約設備容量は、145.4MW(3発電所)となっています。
これらの結果を受けた、当連結会計年度における経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 | 増減率 (%) | 増減の主要因 | |
| 売上収益 | 70,246 | 87,622 | 17,375 | 24.7 | ①合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+7,677)(注)4 ②徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加 (+6,369) ③合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+3,842)(注)5 ④事業開発報酬の減少(△900) ⑤小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+730) |
| EBITDA (注)1,3 | 23,307 | 30,526 | 7,219 | 31.0 | ①徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+4,665) ②バイオマス発電所における補助金等収益の計上(+1,007) ③合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+908)(注)5 ④事業開発報酬の減少(△900) ⑤合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+872)(注)4 ⑥小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+496) |
| EBITDA マージン(%)(注)2,3 | 33.2 | 34.8 | 1.7 | - |
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 | 増減率 (%) | 増減の主要因 | |
| 営業利益 | 4,066 | 8,283 | 4,217 | 103.7 | ①徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+4,701) ②合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(△1,144)(注)4 ③バイオマス発電所における補助金等収益の計上(+1,007) ④事業開発報酬の減少(△900) ⑤小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+216) ⑥合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+67)(注)5 |
| 親会社の 所有者に 帰属する 当期利益 | 2,687 | 3,308 | 622 | 23.1 | ①営業利益の増加(+4,217) ②前期における合同会社御前崎港バイオマスエナジーの企業結合に伴う再測定による利益の計上(△4,428) ③合同会社唐津バイオマスエナジーの企業結合に伴う再測定による利益の計上(+ 1,676) ④オプション公正価値評価益の増加(+1,023)⑤バイオマス発電所運転開始等に伴う支払利息の増加(△924)⑥利益増加に伴う法人所得税費用の増加(△785) |
(注)1.EBITDA=売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益+その他の収益・費用
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響
2.EBITDAマージン=EBITDA/売上収益
3.EBITDAはNon-GAAP指標です。
4.前第4四半期連結会計期間より、合同会社御前崎港バイオマスエナジーが運転を開始しました。
5.当第2四半期連結会計期間より、合同会社唐津バイオマスエナジーが運転を開始しました。
セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高等を含めて表示しています。また、セグメント利益は、EBITDAにて表示しています。再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の償却費の割合が大きい傾向にあります。当社グループでは、一過性の償却費負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指すべく、株式価値の向上に努めています。そのため、業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
(報告セグメントごとの売上収益)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減額 | 増減率(%) | 増減の主要因 | |
| 再生可能 エネルギー 発電等事業 | 68,292 | 86,429 | 18,137 | 26.6 | ①合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+7,677) ②徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+6,369) ③合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+3,842) ④小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+730) |
| 開発・運営 事業 | 6,102 | 5,584 | △518 | △8.5 | ①事業開発報酬の減少(△1,450) ②匿名組合分配益の増加(+491) ③運営管理報酬の増加(+222) |
| 調整額 | △4,148 | △4,391 | △243 | ||
| 連結 財務諸表 計上額 | 70,246 | 87,622 | 17,375 | 24.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 東北電力ネットワーク株式会社 | 22,947 | 32.7 | 19,732 | 22.5 |
| NTTアノードエナジー株式会社 | 15,326 | 21.8 | 18,599 | 21.2 |
| 九州電力送配電株式会社 | 15,979 | 22.7 | 16,068 | 18.3 |
| 四国電力送配電株式会社 | 6,014 | 8.6 | 12,383 | 14.1 |
| 中部電力パワーグリッド株式会社 | 2,285 | 3.3 | 9,986 | 11.4 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(報告セグメントごとの利益又は損失)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減額 | 増減率(%) | 増減の主要因 | |
| 再生可能 エネルギー 発電等事業 | 26,823 | 33,862 | 7,038 | 26.2 | ①徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+4,665) ②合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+908) ③合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+872) |
| 開発・運営 事業 | 537 | 1,896 | 1,360 | 253.5 | ①事業開発報酬の減少(△1,450) ②受取配当金の増加(+1,095) ③匿名組合分配益の増加(+491) ④海外拠点における開発費用減少等の影響(+378) ⑤運営管理報酬の増加(+222) |
| セグメント間 取引消去 | △4,052 | △5,232 | △1,179 | - | ①受取配当金の消去(△1,095) ②事業開発報酬に係る未実現利益の消去(+550) ③匿名組合分配益の消去(△491) ④運営管理報酬の消去(△222) |
| EBITDA | 23,307 | 30,526 | 7,219 | 31.0 |
(注)セグメント利益は、売上収益から燃料費、外注費、人件費を差し引き、持分法による投資損益並びにその他の収益・費用を加算したEBITDA(Non-GAAP指標)にて表示しています。
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響
(3) 財政状態の分析
当社グループでは、資本効率を向上させながら再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期の借入れを活用しています。また、財務健全性を適切にモニタリングする観点から、保有する資産の実態的な価値を把握するほか、資本比率や親会社所有者帰属持分比率、純有利子負債とEBITDAの倍率(純有利子負債/EBITDA倍率)等の指標を重視しています。
連結子会社及び関連会社が保有する為替予約の公正価値変動を主要因とするその他の資本の構成要素の増加等により当連結会計年度末の資本比率は30.4%(前連結会計年度末は25.2%)、親会社所有者帰属持分比率は20.1%(前連結会計年度末は16.8%)となりました。また、純有利子負債/EBITDA倍率(純有利子負債と直近の12ヶ月間に計上したEBITDAの倍率。なお、純有利子負債は、借入金及び社債、リース負債、並びにその他の金融負債に含まれる金融負債の合計から、現金及び現金同等物並びに引出制限付預金を差し引いた金額と定義)は、当連結会計年度末において8.4倍(前連結会計年度末は10.5倍)となりました。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ81,413百万円増加し、611,464百万円となりました。
主な増減要因は、連結子会社が保有する為替予約の公正価値変動等によるその他の金融資産(非流動)の増加(+79,862百万円)、及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による有形固定資産の増加(+7,243百万円)です。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ28,957百万円増加し、425,584百万円となりました。
主な増減要因は、主に連結子会社における繰延税金負債の増加(+22,692百万円)及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による社債及び借入金(非流動)の増加(+14,260百万円)です。
(資本の部)
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ52,455百万円増加し、185,879百万円となりました。
主な増減要因は、連結子会社及び関連会社が保有する金利スワップ及び為替予約の公正価値変動によるその他の資本の構成要素の増加(+30,263百万円)、唐津バイオマス発電所の新規連結及び連結子会社保有の為替予約の公正価値変動等による非支配持分の増加(+18,711百万円)です。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して846百万円減少し、23,081百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、28,273百万円の収入(前年同期は31,499百万円の収入)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における売電先からの売電収入です。主なキャッシュ・アウト・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における発電設備の維持管理費用、事業用地の賃借料、各種税金、バイオマス燃料の仕入及び「開発・運営事業」における開発支出(人件費等を含む)です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、11,715百万円の支出(前年同期は16,498百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、建設立替金の回収による収入1,589百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、主にバイオマス発電所及び第一太陽光発電合同会社における有形固定資産の取得による支出5,416百万円、契約履行コストの取得による支出4,037百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、17,438百万円の支出(前年同期は8,285百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、主に当社及び第一太陽光合同会社における長期借入れの実行による収入33,129百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、長期借入金の返済による支出43,939百万円及び社債の償還による支出6,997百万円です。