有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/08/15 15:00
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【項目】
88項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
第48期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度におけるわが国経済は、輸出や生産の増加を受け企業収益が堅調に推移したことや、人手不足を背景にした雇用環境の改善や名目賃金の伸びなどにより、緩やかな回復基調が持続しました。一方で、悪天候や自然災害の発生による消費者マインドの冷え込みや、景況感の悪化が生じたことに加えて、米国の保護主義的な通商政策が世界経済に及ぼす影響や、国際情勢における地政学的リスクの存在などにより、先行き不透明な環境が継続いたしました。
こうした環境下、当社は主要顧客である100円ショップ各社に向けて、「ワンプライス」ライフスタイル雑貨の販売に注力してまいりました。
特に主要顧客への販売拡大に向けて、新企画や新商品の提案に積極的に取り組み、その結果、当事業年度における売上高は順調に伸長いたしました。
一方で、原材料費の高騰及び物流費用の増大による販売費の増加、また顧客における販売シェア増加のための開拓費用や新商品開発費用が増加したことにより、営業利益、経常利益は前年より減少することとなりました。また、特別利益として保険解約金200,744千円を計上しました。
これを受け、当事業年度における当社のライフスタイル雑貨の商品群別売上高は、「ワンプライス商品」が4,061,424千円(前年同期比16.9%増)、「OEM商品」が295,618千円(同6.8%減)、「フルール商品」が364,829千円(同29.1%増)、「その他商品」が14,908千円(同61.6%減)となりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高は4,736,780千円(前年同期比15.2%増)、営業利益は184,308千円(同34.9%減)、経常利益は198,897千円(同36.6%減)、当期純利益は264,740千円(同15.0%増)となりました。第48期事業年度に係る剰余金の配当は、1株当たり19円といたしました。
これにより、当社が目標とする経営指標は、付加価値率(売上総利益から販売費を控除した額の対売上高比)19.0%、株主資本利益率17.15%、配当性向19.7%となりました。
なお、当社の事業は、ライフスタイル雑貨事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。
第49期第3四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、輸出や生産の増加を受け企業収益が堅調に推移したことや、人手不足を背景にした雇用環境の改善や名目賃金の伸びなどにより、緩やかな回復基調が持続しました。一方で、米国での景気回復が継続したものの、米国の保護主義的な通商政策、中国経済の減速、国際情勢における地政学的リスクの存在などにより、世界経済の変動に留意すべき状況が継続しました。
こうした環境下、当社は主要顧客である100円ショップ各社に向けてライフスタイル雑貨の販売に注力してまいりました。特に主要顧客への販売拡大に向けて、新企画や新商品の提案に積極的に取り組みました。
これを受け、当第3四半期累計期間における当社のライフスタイル雑貨の商品群別売上高は、「ワンプライス商品」が3,421,276千円、「OEM商品」が236,480千円、「フルール商品」が182,999千円、「その他商品」が10,869千円となりました。
この結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高は3,851,625千円、営業利益は346,735千円、経常利益は350,192千円、四半期純利益は233,333千円となりました。
なお、当社の事業は、ライフスタイル雑貨事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。
② 財政状態の状況
第48期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は2,429,842千円となり、前事業年度末に比べ274,578千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が305,221千円増加、電子記録債権が67,897千円減少したことによるものであります。固定資産は162,194千円となり、前事業年度末に比べ185,460千円減少いたしました。これは主に保険積立金が180,237千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,592,036千円となり、前事業年度末に比べ89,118千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は432,089千円となり、前事業年度末に比べ307,492千円減少いたしました。これは主に短期借入金が320,000千円減少したことによるものであります。固定負債は514,958千円となり、前事業年度末に比べ193,219千円増加いたしました。これは主に長期借入金が181,220千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、947,047千円となり、前事業年度末に比べ114,273千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,644,989千円となり、前事業年度末に比べ203,391千円増加いたしました。これは主に当期純利益264,740千円の計上及び剰余金の配当69,448千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は前事業年度末に比べ5.9ポイント増加し63.5%となりました。
第49期第3四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は2,479,456千円となり、前事業年度末に比べ49,614千円増加いたしました。これは主に、電子記録債権が185,673千円減少、現金及び預金が66,288千円減少しましたが、たな卸資産が254,750千円増加、受取手形及び売掛金が87,334千円増加したことによるものであります。固定資産は178,923千円となり、前事業年度末に比べ16,729千円増加いたしました。これは主に繰延税金資産が28,996千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,658,380千円となり、前事業年度末に比べ66,344千円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は442,044千円となり、前事業年度末に比べ9,955千円増加いたしました。これは主に買掛金が44,839千円増加したことによるものであります。固定負債は444,987千円となり、前事業年度末に比べ69,971千円減少いたしました。これは主に長期借入金が70,632千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、887,032千円となり、前事業年度末に比べ60,015千円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は1,771,348千円となり、前事業年度末に比べ126,359千円増加いたしました。これは主に四半期純利益233,333千円の計上による増加、剰余金の配当52,155千円による減少及び繰延ヘッジ損益が53,791千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前事業年度末に比べ3.1ポイント増加し66.6%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第48期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ305,221千円増加し、当事業年度末には572,983千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は108,897千円(前年同期は264,984千円の使用)となりました。これは主に税引前当期純利益399,642千円、売上債権の減少額83,851千円、たな卸資産の増加額77,892千円及び法人税等の支払額177,918千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は340,714千円(前年同期は20,633千円の収入)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出30,719千円、保険積立金の積立による支出93,115千円、保険積立金の満期、解約及び返戻による収入471,634千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は144,496千円(前年同期は203,233千円の収入)となりました。これは短期借入金の返済による支出320,000千円、長期借入金の借入れによる収入350,000千円、長期借入金の返済による支出105,048千円及び配当金の支払額69,448千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 商品仕入実績
第48期事業年度及び第49期第3四半期累計期間の商品仕入実績を取扱商品群別に示すと、次のとおりであります。
取扱商品群の名称第48期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
前年同期比(%)第49期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
ワンプライス商品(千円)2,461,559114.82,228,089
OEM商品 (千円)197,75792.0156,377
フルール商品 (千円)201,288146.7117,425
その他商品 (千円)9067.4545
合計(千円)2,861,512114.12,502,437

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は商品の仕入を中心とし、一部組立業務はあるものの、当社事業に占める割合は低いことから生産実績等の記載は行っておりません。
3.当社はライフスタイル雑貨事業の単一セグメントであるため、取扱商品群別に記載しております。
b. 受注実績
第48期事業年度及び第49期第3四半期累計期間の受注実績を取扱商品群別に示すと、次のとおりであります。
取扱商品群の名称第48期事業年度
(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
第49期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
受注高
(千円)
前年同期比(%)受注残高
(千円)
前年同期比(%)受注高
(千円)
受注残高
(千円)
ワンプライス商品1,521,629143.4571,158161.31,171,390654,800
OEM商品294,70686.835,77397.5202,3021,595
合計1,816,336129.7606,931155.41,373,693656,396

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.ワンプライス商品の受注高及び受注残高は、顧客先ブランドで製造するワンプライスPB商品について記載しております。なお、フルール商品、その他商品は受注生産を行っておりません。
3.当社はライフスタイル雑貨事業の単一セグメントであるため、取扱商品群別に記載しております。
c. 販売実績
第48期事業年度及び第49期第3四半期累計期間の販売実績を取扱商品群別に示すと次のとおりであります。
取扱商品群の名称第48期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
前年同期比(%)第49期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
ワンプライス商品(千円)4,061,424116.93,421,276
OEM商品 (千円)295,61893.2236,480
フルール商品 (千円)364,829129.1182,999
その他商品 (千円)14,90838.410,869
合計(千円)4,736,780115.23,851,625

(注)1.当社はライフスタイル雑貨事業の単一セグメントであるため、取扱商品群別に記載しております。
2.最近2事業年度及び第49期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第47期事業年度
(自 2016年10月1日
至 2017年9月30日)
第48期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
第49期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
金額
(千円)
割合
(%)
金額
(千円)
割合
(%)
金額
(千円)
割合
(%)
株式会社セリア1,712,61541.62,006,78942.41,723,75744.8
株式会社大創産業1,092,78826.61,304,47227.51,087,42128.2
株式会社キャンドゥ443,87010.8483,92210.2386,79210.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりまして、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は財務諸表の基礎となる見積り及び判断を過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行った上で計上しております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
第48期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
(売上高・売上原価)
売上高につきましては、前年同期比15.2%増の4,736,780千円となりました。主要顧客である100円ショップ各社に向けて、新企画や新商品の提案を積極的に取り組んだことが奏功し、ワンプライス商品の伸びが前年同期比16.9%増と伸長したことが主たる要因であります。
一方で、油価の上昇や中国における環境規制強化といった、経済・社会状況を背景とした原材料費の高騰などに伴う仕入単価の上昇や、新商品開発に伴うサンプル・版下代の増加、新規取扱素材への取組みの必要性増大に伴う仕入価格競争力の形成不足などの要因が重なり、原価率が59.6%と前期比2.5ポイント上昇いたしました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、前期比246,554千円増加し、1,729,261千円となりました。売上増に伴う費用増に加え、商品の発送運賃の値上げや新商品の大型化による輸送効率低下などによる物流関連経費の増加、従業員増加による人件費の増加などの要因によるもので、販管費率は36.5%と前期比0.5ポイント上昇いたしました。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益につきましては、前期比15,975千円減少し、19,052千円となりました。これは、主に保険返戻金の減少15,995千円によるものです。
営業外費用につきましては、前期比140千円増加し、4,463千円となりました。
(特別利益・特別損失)
特別利益につきましては、前期比149,624千円増加し、200,744千円となりました。保険解約金の増加149,624千円によるものです。
特別損失につきましては、当事業年度は発生がありませんでした。
第49期第3四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
(売上高・売上原価)
売上高につきましては、主要顧客である100円ショップ各社に向けて、新企画や新商品の提案を積極的に取り組
み、3,851,625千円となりました。売上原価につきましては、原材料の価格が安定的に推移するとともに、仕入に関する競争環境の再構築に努めたことにより、原価率は57.7%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、1,280,581千円となりました。売上増に伴う費用増、人員増による人件
費増はありましたが、広告宣伝費、商品の小型化や契約業者の複線化などによる物流関連経費の節減により、販管費率は33.2%となりました。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益につきましては、7,236千円となりましたが、円高に伴い輸入商品購入にかかる為替差益6,959千円が
主なものであり、営業外費用につきましては、3,778千円となりましたが、支払利息1,709千円、株式公開費用1,000千円が主なものです。
(特別利益・特別損失)
特別利益及び特別損失につきましては、当第3四半期累計期間は発生がありませんでした。
c.キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因
当事業年度の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご覧ください。
e.資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要の主なものは、商品の仕入れ代金の支払いから販売代金の入金までの期間の運転資金であります。これら運転資金は、当社のフリーキャッシュ・フロー並びに銀行からの借入金で賄っております。効率的な在庫管理と債権回収により営業キャッシュ・フローの増加に努めるとともに、借入金につきましては、長期資金と短期資金のバランスを取りつつ、財務健全性の維持を図っております。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高は361,912千円となっており、また現金及び現金同等物の残高は572,983千円となっております。
f.経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。