有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/19 15:00
【資料】
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【項目】
138項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。なお、当社は、前第3四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析を行っておりません。また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
第21期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景に、雇用情勢・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、個人消費の停滞感や米国の通商政策により懸念される貿易摩擦の影響、地政学リスク等から、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
国内におけるオフィスビル賃貸市場においては、主要都市での業容・人員拡大による館内増床や拡張移転の動きがみられ、空室率は引き続き低水準を維持しております。また、政府が推進する「働き方改革」を受けて、オフィス環境の変化に積極的に取り組む企業も増え、今後もオフィスを単なる働く場所ではなく、さまざまな効果を生み出す場所として捉える企業が増えていくと考えております。都心では東京オリンピックに向けて新たなオフィスビルの竣工も控えており、オフィス需要・供給ともに引き続き堅調に推移する見通しであります。
このような経済環境のもと、当社におきましては、既存顧客へのフォローや新規顧客の開拓を継続するとともに、デザインやレイアウトによって業務効率や従業員満足度が高められるデザイナーズオフィスを提供することで、「働き方改革」への関心の高まりに対応した新しいオフィスづくりに貢献してまいりました。
以上の結果、当事業年度における経営成績は、売上高8,670百万円(前年同期比20.9%増)、営業利益920百万円(同40.6%増)、経常利益914百万円(同39.8%増)、当期純利益626百万円(同38.8%増)となりました。
また、当事業年度末における財政状態は、総資産4,247百万円(前事業年度末比23.6%増)、負債2,277百万円(同13.9%増)、純資産1,970百万円(同37.2%増)となりました。
なお、各セグメントの経営成績の状況は、次のとおりであります。
イ デザイナーズオフィス事業
当事業年度における売上高は8,646百万円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益(営業利益)は911百万円(同38.1%増)となりました。これは主に営業人員の採用による人員の強化、WEBマーケティングによる新規顧客の獲得及び既存顧客へのフォローを継続したことによる追加受注によるものであります。また、コスト削減にも取り組んだことで売上高営業利益率は10.5%(同1.3ポイント増)となりました。
ロ VISビル事業
当事業年度における売上高は入居者からの賃料収入等を計上した結果23百万円(前年同期比128.2%増)、セグメント利益(営業利益)は8百万円(前年同期は5百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。なお、当事業は準備中の事業でありますが、ビルの建替を推進すべく、当事業年度末において全入居者の退去が完了しております。
第22期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期累計期間(2019年4月1日~2019年12月31日)におけるわが国経済は、政府による経済政策や金融政策のもと、企業収益や雇用環境は改善傾向が見られ、緩やかな回復基調が続いております。一方で、米国の保護主義的な通商政策による米中間の貿易摩擦、中国や新興国経済の減速リスクなど、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
国内におけるオフィスビル賃貸市場においては、主要都市での業容・人員拡大による館内増床や拡張移転の動きがみられ、空室率は引き続き低水準を維持しております。また、政府が推進する「働き方改革」を受けて、オフィス環境の変化に積極的に取り組む企業が増え、今後もオフィスを単なる働く場所ではなく、さまざまな効果を生み出す場所として捉える企業が増えていくと考えております。都心では東京オリンピックに向けて新たなオフィスビルの竣工も控えており、オフィス需要・供給ともに引き続き堅調に推移する見通しであります。
このような経済環境のもと、当社におきましては、既存顧客へのフォローや新規顧客の開拓を継続するとともに、デザインやレイアウトによって業務効率や従業員満足度が高められるデザイナーズオフィスを提供することで、「働き方改革」への関心の高まりに対応した新しいオフィスづくりに貢献してまいりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間における経営成績は、売上高6,666百万円、営業利益624百万円、経常利益622百万円、四半期純利益407百万円となりました。
また、当第3四半期会計期間末における財政状態は、総資産3,881百万円(前事業年度末比8.6%減)、負債1,629百万円(同28.5%減)、純資産2,251百万円(同14.3%増)となりました。
なお、各セグメントの経営成績の状況は、次のとおりであります。
イ デザイナーズオフィス事業
当第3四半期累計期間における売上高は6,666百万円、セグメント利益(営業利益)は629百万円となりました。
ロ VISビル事業
当第3四半期累計期間におけるセグメント損失(営業損失)は4百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
第21期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比較して542百万円増加し、2,149百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、876百万円(前年同期比202百万円増)となりました。これは主に税引前当期純利益913百万円、未払消費税等の増加54百万円、前受金の増加214百万円があった一方で、売上債権の増加116百万円、法人税等の支払額223百万円により減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、121百万円(前年同期比908百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出65百万円、敷金及び保証金の差入による支出54百万円により減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、211百万円(前年同期は487百万円の収入)となりました。これは長期借入金の返済による支出120百万円、配当金の支払額91百万円により減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
ロ 受注実績
第21期事業年度及び第22期第3四半期累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第21期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第22期第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
デザイナーズオフィス事業8,809,525121.71,268,766114.86,184,150786,357
VISビル事業------
合計8,809,525121.71,268,766114.86,184,150786,357

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.VISビル事業については、現在準備中の事業であるため、受注実績はありません。
ハ 販売実績
第21期事業年度及び第22期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第21期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第22期第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
デザイナーズオフィス事業8,646,246120.76,666,559
VISビル事業23,878228.2-
合計8,670,125120.96,666,559

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績の分析
第21期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(売上高)
当事業年度における売上高は、前年同期と比較して1,496百万円増加し、8,670百万円となりました。これは主に営業人員の採用による人員の強化、WEBマーケティングによる新規顧客の獲得及び既存顧客へのフォローを継続したことによる追加受注によるものであります。
(売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前年同期と比較して962百万円増加し、6,289百万円となりました。これは主に売上増加に伴う外注費の増加によるものであります。
この結果、当事業年度における売上総利益は、前年同期と比較して534百万円増加し、2,380百万円となりました。
(営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前年同期と比較して268百万円増加し、1,460百万円となりました。これは主に業容拡大に伴う人員増員による人件費の増加によるものであります。
この結果、当事業年度における営業利益は、前年同期と比較して265百万円増加し、920百万円となりました。
これにより、当社が重視する経営指標である売上高営業利益率については、前年同期比で1.5ポイント改善し10.6%となりました。
(経常利益)
当事業年度における営業外収益は、前年同期と同水準で推移し、1百万円となりました。
当事業年度における営業外費用は、前年同期と比較して5百万円増加し、7百万円となりました。これは主にリース解約損4百万円によるものであります。
この結果、当事業年度における経常利益は、前年同期と比較して260百万円増加し、914百万円となりました。
(当期純利益)
当事業年度における特別損失は1百万円となりました。これは関係会社清算損1百万円によるものであります。
この結果、当事業年度における当期純利益は、前年同期と比較して174百万円増加し、626百万円となりました。
第22期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は、6,666百万円となりました。これは主にWEBマーケティングによる新規顧客の獲得及び既存顧客へのフォローを継続したことで、受注案件数が堅調に推移したことによるものであります。
(売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は、4,888百万円となりました。これは主に売上に対する外注費であります。
この結果、当第3四半期累計期間における売上総利益は、1,778百万円となりました。
(営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、1,153百万円となりました。これは主に役員及び従業員に対する人件費であります。
この結果、当第3四半期累計期間における営業利益は、624百万円となりました。
(経常利益)
当第3四半期累計期間における営業外収益は、0百万円となりました。
当第3四半期累計期間における営業外費用は、3百万円となりました。
この結果、当第3四半期累計期間における経常利益は、622百万円となりました。
(四半期純利益)
当第3四半期累計期間における法人税等は、215百万円となりました。
この結果、当第3四半期累計期間における四半期純利益は、407百万円となりました。
③ 財政状態の分析
第21期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比較して812百万円増加し、4,247百万円となりました。
流動資産は687百万円増加し、2,857百万円となりました。これは主に現金及び預金で542百万円、売掛金で111百万円増加したことによるものであります。
固定資産は125百万円増加し、1,390百万円となりました。これは主に建物で24百万円、土地で40百万円、建設仮勘定で5百万円、敷金及び保証金で46百万円増加した一方で、関係会社出資金で1百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末と比較して277百万円増加し、2,277百万円となりました。
流動負債は406百万円増加し、1,954百万円となりました。これは主に未払金で55百万円、未払費用で32百万円、未払法人税等で68百万円、前受金で214百万円増加した一方で、買掛金で14百万円減少したことによるものであります。
固定負債は129百万円減少し、322百万円となりました。これは主に長期借入金で120百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比較して534百万円増加し、1,970百万円となりました。これは当期純利益626百万円を計上した一方で、配当金91百万円を支払ったことによるものであります。
第22期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末と比較して366百万円減少し、3,881百万円となりました。
流動資産は377百万円減少し、2,480百万円となりました。これは主に現金及び預金で216百万円、売掛金で144百万円減少したことによるものであります。
固定資産は10百万円増加し、1,401百万円となりました。これは主に建物で20百万円、土地で167百万円増加した一方で、建設仮勘定で164百万円、敷金及び保証金で7百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債は、前事業年度末と比較して648百万円減少し、1,629百万円となりました。
流動負債は558百万円減少し、1,396百万円となりました。これは主に未払費用で14百万円増加した一方で、買掛金で191百万円、未払金で78百万円、未払法人税等で119百万円、未払消費税等で43百万円、前受金で140百万円減少したことによるものであります。
固定負債は90百万円減少し、232百万円となりました。これは主に長期借入金で90百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末と比較して281百万円増加し、2,251百万円となりました。これは四半期純利益407百万円を計上した一方で、配当金125百万円を支払ったことによるものであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
第21期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当社の運転資金需要のうち主なものは、外注費のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資やVISビル事業を展開するための不動産の取得等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、新規事業計画及びこれに付帯する不動産購入、設備投資計画に基づく中長期の資金需要が生じた場合には、銀行借入により必要資金を調達しております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は440百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,149百万円であり、当社の事業を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。
第22期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当社の運転資金需要のうち主なものは、外注費のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資やVISビル事業を展開するための不動産の取得等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、新規事業計画及びこれに付帯する不動産購入、設備投資計画に基づく中長期の資金需要が生じた場合には、銀行借入により必要資金を調達しております。
なお、当第3四半期会計期間末における借入金の残高は350百万円となっております。また、当第3四半期会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,933百万円であり、当社の事業を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社は、経営上の目標の達成状況を売上高及び売上高営業利益率の経営指標を重視して判断しております。
当第3四半期累計期間における売上高は、6,666百万円と2019年3月期の8,670百万円に対して76.9%で推移しております。売上高営業利益率については、現時点で9.4%と10%に満たない状況ではありますが、こちらの指標につきましては、10%以上を目標に引き続き改善できるよう努めてまいります。