四半期報告書-第1期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/12 15:01
【資料】
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【項目】
36項目
文中における将来に関する事項は、当第1四半期連結累計期間(以下、「当第1四半期」といいます)の末日現在において判断したものであります。
当社は、2020年4月1日付で単独株式移転により株式会社エー・ディー・ワークスの完全親会社として設立され、当第1四半期より設立第1期として初めて四半期報告書を作成しておりますが、連結の範囲に実質的な変更はありません。そのため、前年同四半期と比較を行っている項目については、株式会社エー・ディー・ワークスの第94期第1四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年6月30日)と、また、前連結会計年度末と比較を行っている項目については、株式会社エー・ディー・ワークスの第94期連結会計年度末(2020年3月31日)と比較しております。
(1) 経営成績の概況
当第1四半期における国内経済は、新型コロナウイルス感染拡大により経済活動が急激に萎縮し、極めて厳しい状況に陥りました。4月初旬に政府より発出された緊急事態宣言は5月下旬に解除され、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げるという「新しい生活様式」を試みているものの、感染第一波は収束し切れぬままくすぶり続け、経済動向の先行きについても不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業領域である都心部における収益不動産関連の事業環境は、緊急事態宣言下で事業活動が事実上停止し、需給ともに動向が読めない状況となりました。また、当社グループの拠点がある米国のロサンゼルスにおいても、現地自治体の外出禁止令などの影響で不動産取引は停滞いたしました。
このような事業環境のもと、当社グループにおいても、4月及び5月は営業活動の制限を余儀なくされました。6月以降、徐々に通常の営業活動が戻りつつありますが、主要事業である収益不動産販売事業は非常に厳しい結果となりました。
その結果、当第1四半期における売上高は2,253百万円(通期進捗率14.1%)、EBITDAは△142百万円、経常損失は256百万円となりました。なお、当第1四半期における前年同期との比較は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、比較検証により現状を判断するのは非常に困難と考えております。また、2020年6月11日に公表した通期連結業績計画については、5月の緊急事態宣言解除以降、6月から7月にかけ厳選した収益不動産に限り需給とともに動きが出始め、夏から秋にかけてさらにそうした動向が活発化するとの仮定のもと作成されたものです。
当第1四半期の経営成績は以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
2020年12月期
(通期計画)
2020年3月期
第1四半期
(実績)
2020年12月期
第1四半期
(実績)
金額金額金額
売上比売上比売上比前年比通期計画進捗率
売上高16,000100.0%4,507100.0%2,253100.0%△50.0%14.1%
(不動産販売)--(3,835)(85.1%)(1,300)(57.7%)(△66.1%)-
(ストック)--(737)(16.4%)(1,000)(44.4%)(35.6%)-
(内部取引)--(△64)(△1.5%)(△47)(△2.1%)--
EBITDA6804.3%2345.2%△142---
経常利益又は
経常損失(△)
4002.5%1112.5%△256---
税引前利益又は
税引前損失(△)
4002.5%1112.5%△256---
純利益又は
純損失(△)
2551.6%721.6%△180---

(注)1.(不動産販売)は「収益不動産販売事業」、(ストック)は「ストック型フィービジネス」、「税引前利益又は税引前損失(△)」は「税金等調整前四半期純利益又は税金等調整前四半期純損失」、「純利益又は純損失(△)」は「親会社株主に帰属する四半期純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失」をそれぞれ省略したものです。
2.EBITDA(償却等前営業利益):営業利益+償却費等
償却費等には減価償却費、ソフトウエア償却費、のれん償却費等のキャッシュアウトを伴わない費用を含みます。
3.当社は2020年4月1日付で決算期を12月として設立されたため、2020年12月期通期計画の対象期間は2020年4月1日から2020年12月31日までの9カ月間となります。
セグメントの概況は次のとおりです。なお、当社グループでは営業利益をセグメント利益としております。
(収益不動産販売事業)
売上高 1,300百万円、EBITDA 12百万円、営業利益 11百万円となりました。
当事業における将来の収益源であり、同時にストック型フィービジネスの収益源の一部でもある収益不動産残高は26,386百万円となり、前連結会計年度末を3,267百万円上回りました。
一方、販売面では、国内3棟及び米国1棟の販売を行いました。
収益不動産の仕入に際しては、不動産の市況が不透明な中、物件ごとの採算性を慎重に見極めた結果、国内5棟の仕入を実施し、仕入高は3,924百万円となりました。
(ストック型フィービジネス)
売上高 1,000百万円、EBITDA 196百万円、営業利益 170百万円となりました。
収益不動産の期中平均残高は、大型物件の積極的取得が寄与し、前年同期の20,451百万円に対し当第1四半期は24,564百万円と増加いたしました。また前期にグループ会社化した株式会社澄川工務店の業績が寄与し、売上高は前年同期を262百万円上回り、営業利益については前年同期を65百万円上回りました。
(注)1.各セグメントの営業利益は、全社費用等のセグメントに配賦しない費用及びセグメント間の内部取引による営業費用控除前の数値であり、その合計は連結営業利益と一致しません。
2.収益不動産残高26,386百万円には、2018年7月に東京国税局から過年度の消費税に関する更正通知を受領したことに伴い資産計上している消費税等引当見積額(17百万円)を含めておりません。
3.「ストック型フィービジネス」のうち、中長期保有用もしくは短期販売用の収益不動産からの賃料や、販売済みの収益不動産のプロパティ・マネジメント受託によるフィー収入等を「ストック型」、内装・修繕工事フィー、顧客リレーションから派生的に得られる仲介収入を「フロー型」と位置付けております。
(2) 財政状態の概況
当第1四半期においては、大型の収益不動産の仕入れを行った事などの結果、収益不動産3,267百万円、有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、社債及び長期借入金)が2,739百万円増加しました。これらの要因等から、資産合計と負債純資産合計は、前連結会計年度末と比較し、2,014百万円増加しました。
なお、当社グループは、2022年3月期末の収益不動産残高のガイダンス(目安)を36,500百万円としております。当第1四半期末における収益不動産残高は、上述のとおり前連結会計年度から3,267百万円増加した結果、26,386百万円となっています。
四半期連結貸借対照表の詳細は以下のとおりです。
「構成比」は、資産合計(負債純資産合計)に対する比率を示しています。
(資産)
当第1四半期末における資産合計は37,483百万円となりました。うち、大型物件の仕入が寄与し収益不動産が26,403百万円(構成比70.4%)、現金及び預金が7,938百万円(構成比21.2%)を占めるにいたっております。
(負債)
当第1四半期末における負債合計は、24,743百万円となりました。うち、収益不動産の増加に伴い有利子負債が2,739百万円増加し、21,674百万円(構成比57.8%)を占めるにいたりました。
(純資産)
純資産合計は、12,740百万円となりました。うち、資本金及び資本剰余金が10,028百万円(構成比26.8%)を占めています。また当第1四半期において、円高の進行により為替換算調整勘定が42百万円減少し、△148百万円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
事業上及び財務上の対処すべき課題の内容については、当社グループと株式会社エー・ディー・ワークスの連結グループの範囲に実質的な変更がないため、株式会社エー・ディー・ワークスが、2020年6月25日提出の第94期有価証券報告書に記載した「対処すべき課題」と同様の内容としており、当第1四半期において重要な変更はございません。
① 「アフターコロナ」に向けた事業構造の変革
新型コロナウイルス感染拡大が及ぼす影響は甚大であり、企業は未曽有の経営環境危機に取り巻かれていると言っても過言ではありません。これに対し、緻密な情報収集と臨機応変な判断で危機を乗り切ることはもちろん重要でありますが、さらに重要なことは、いわゆる「アフターコロナ」に向けた事業構造の変革であると認識いたします。すなわち、危機が収束して元に戻るのではなく、この事態を経験して、経済活動や社会システムをはじめ人々の行動原則や生活習慣などに及ぶまで、すべての原理原則に構造的な変化をもたらす可能性があります。当社グループといたしましても、こうした新しい価値観を先取りした事業構造の変革を試み、持続的な成長と社会貢献を果たせる経営戦略構築を目指します。
② 既存事業及び新規事業による収益基盤の強化・確立
当社グループにとりまして、収益不動産ビジネスが収益基盤の柱であることは言うまでもありませんが、その戦略の根幹である収益不動産残高の拡充にさらに注力する必要があります。また、不動産ビジネス以外の収益の柱を育てるべく、新規事業領域への進出と取組みが必要不可欠です。当社グループが2020年4月1日より持株会社体制に移行したのは、こうした新規事業を具現化するためのM&Aや事業提携、資本提携等を活用しやすくするための事業基盤の整備であり、これを活かした施策に注力します。また国内の収益不動産事業のみならず、米国事業、不動産小口化商品販売事業を通じた顧客基盤も重層化されてきており、富裕層ビジネスへの展開の足掛かりも有効に活用してまいります。
③ 資金調達手段の多様化と資本基盤のさらなる増強
当社グループの経営戦略実現のためには、収益不動産残高の戦略的拡充はもとより、持株会社体制を活用したM&A等の実行、さらには「アフターコロナ」における新たな戦略推進などにおいて、いずれも成長資金の調達が必要不可欠です。当社グループはこれまで4回のライツ・オファリングを実施し、成長資金の調達と資本基盤の増強を同時に実現してまいりました。今後はさらに多様な資金調達手段を積極的に検討し導入してまいります。また当社グループは、中期的に目指す規模感の「ガイダンス」にも掲げている通り、収益力だけでなく純資産の増強を重要視しております。これは将来的に、リスクがなくかつ資金使途の自由度が高い社債の発行を目指しているためであります。
④ 市場競争力の高い人材の育成と組織力の強化
経営環境が激しく変化する状況下にあり、持続的な成長と社会貢献を果たして行くためには、市場競争力が高くかつ多様な人材の育成、そして組織力の強化が喫緊の課題です。既存の主力である不動産ビジネスやプロパティ・マネジメントはもとより、M&Aも含めた新規ビジネス、グローバル戦略、顧客マーケティング、経営管理など、多彩な能力を必要とします。同時にそうした人材が力を発揮できる新しい人事制度の導入も検討します。また、「アフターコロナ」は従業員の働き方という原理原則にも、新しい価値観をもたらすと考えられ、そうした中でも高い競争力を発揮できるよう、自由と自律を両立した当社グループ独自の「働き方改革」にも着手いたします。
(4) 従業員数
① 連結会社の状況
セグメントの名称当第1四半期
連結累計期間末
従業員数(名)
(2020年6月30日)
収益不動産販売事業78
ストック型フィービジネス74
全社44
合計196

(注)1.従業員数には、派遣社員を除く従業員数を記載しております。
2.当社は、2020年4月1日設立のため、前連結会計年度末に係る記載はありません。
② 提出会社の状況
セグメントの名称当第1四半期
累計期間末
従業員数(名)
(2020年6月30日)
全社42
合計42

(注)1.従業員数には、派遣社員を除く従業員数を記載しております。
2.当社は、2020年4月1日設立のため、前事業年度末に係る記載はありません。