有価証券報告書-第3期(2022/01/01-2022/12/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における売上高は27,856百万円(通期計画達成率92.9%)、EBITDAは1,515百万円(通期計画達成率116.6%)、経常利益は953百万円(通期計画達成率119.2%)、税引前利益は910百万円(通期計画達成率113.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は527百万円(通期計画達成率117.2%)となりました。
(単位:百万円)
(注)1.(不動産販売)は「収益不動産販売事業」、(ストック)は「ストック型フィービジネス」、「税引前利益」は「税金等調整前当期純利益」、「純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」をそれぞれ省略したものです。
2.EBITDA(償却等前営業利益):営業利益+償却費等
償却費等には減価償却費、ソフトウエア償却費、のれん償却費等のキャッシュアウトを伴わない費用を含みます。
セグメントの概況は次のとおりです。なお、当社グループでは営業利益をセグメント利益としております。
(収益不動産販売事業)
売上高22,314百万円、EBITDA1,713百万円、営業利益1,711百万円となりました。
収益不動産を取り巻く活況な環境の下、需要を見極めた的確な商品企画を軸にした仕入れから販売までの好サイクルにより競争力が高まったこと、また不動産小口化商品販売事業において金融機関との提携による販売ネットワークの拡充が奏功したことにより、好調に推移しました。
仕入高は28,159百万円となりました。かねてより注力してきた組織力強化が奏功し積極的な仕入活動を行った結果、優良物件の仕入を行うことができました。
その結果、収益不動産残高は41,476百万円((注)2.参照)となり、前連結会計年度末より12,562百万円上回りました。
収益不動産販売事業は、当社グループ全体の業績をけん引する重要な事業ですが、「第1次中期経営計画」の中間進捗としては、概ね計画通りの実績となったほか、収益不動産残高の水準を過去最高値に高めることができ、計画達成に向け堅調に推移していると判断しております。また数値面のみならず、仕入れのための組織力や商品企画力など、次につながる定性面での成果も得ることができたと認識しております。
(ストック型フィービジネス)
売上高5,868百万円、EBITDA1,335百万円、営業利益1,235百万円となりました。
当社グループが保有する収益不動産からの賃料収入を収益の柱としているため、好調な収益不動産販売事業に連動し安定的な売上・利益を確保することができました。
なお、同ビジネスにおける「ストック型」の主な売上としては、株式会社エー・ディー・パートナーズの管理収入、ADW Management USA, Inc.の賃料収入など、また「フロー型」の主な売上としては、株式会社スミカワADDの工事・改修収入などがあります。
収益不動産の期中平均残高は、10億~20億円規模の収益不動産の積極的な取得が寄与したことから物件単価が上昇し、前連結会計年度の27,796百万円に対し当連結会計年度は34,876百万円に増加しております。
ストック型フィービジネスは、当社グループの業績の安定性を担保するための重要な位置付けであります。その観点においては、まずは株式会社エー・ディー・パートナーズのプロパティ・マネジメントが今以上に収益力を高める必要があると認識しております。特に、収益不動産販売事業で取り扱う商品が大型化し、かつオフィス物件のウェイトが高まっている昨今にあり、それらに対する対応力を、効率化と並行して高めていく必要があります。
(注)1.各セグメントの営業利益は、全社費用等のセグメントに配賦しない費用及びセグメント間の内部取引による営業費用控除前の数値であり、その合計は連結営業利益と一致しません。
2.収益不動産残高41,476百万円には、東京国税局から過年度の消費税に関する更正通知を受領したことに伴い資産計上している消費税等引当見積額(11百万円)を含めておりません。
3.「ストック型フィービジネス」のうち、中長期保有用もしくは短期販売用の収益不動産からの賃料や、販売済みの収益不動産のプロパティ・マネジメント受託によるフィー収入等を「ストック型」、内装・修繕工事フィー、顧客リレーションから派生的に得られる仲介収入を「フロー型」と位置付けております。
(2) 財政状態
当連結会計年度においては、優良な収益不動産の仕入れを積極的に進めた結果、現金及び預金が1,008百万円減少し、また販売用不動産及び仕掛販売用不動産は12,562百万円増加し、有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、社債及び長期借入金)は9,436百万円の増加となりました。
これらの要因等から、前連結会計年度と比較し、純資産は1,040百万円増加しました。配当により利益剰余金164百万円の減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益527百万円の計上の他、第三者割当増資による新株予約権の行使が進み、283百万円の資金の増加、為替換算調整勘定524百万円の増加がありました。
資産合計と負債純資産合計は、前連結会計年度末と比較し、11,311百万円増加しました。
当期連結貸借対照表の詳細は以下のとおりです。
「構成比」は、資産合計(負債純資産合計)に対する比率を示しています。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は53,359百万円となりました。うち、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が41,488百万円(構成比77.8%)、現金及び預金が7,425百万円(構成比13.9%)を占めています。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、37,501百万円となりました。うち、有利子負債が32,515百万円(構成比60.9%)を占めています。
(純資産)
純資産合計は、15,857百万円となりました。うち、資本金及び資本剰余金が11,561百万円(構成比21.7%)を占めています。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,423百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は11,454百万円減少しました。これは、税金等調整前当期純利益910百万円を計上した一方で、棚卸資産の取得により、資金が12,262百万円減少したことが主な要因です。
当連結会計年度の営業活動においては、全ての利益項目において通期計画を上回る業績を計上しつつ、商品企画を軸とした仕入活動の遂行と物件の大型化が営業効率を向上させたことで、優良な棚卸資産の仕入れを行うことができました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は142百万円増加しました。これは、投資有価証券の取得による支出438百万円があった一方、貸付金の回収による収入649百万円があったことが主な要因です。
当連結会計年度の投資活動においては、コーポレート・ベンチャー・キャピタル事業(CVC事業)を継続して推進しました。また、米国住宅債権投資における債権回収が順調に完了しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は10,074百万円増加しました。これは、支出面では配当金の支払い163百万円の他、借入金の返済、クラウドファンディング、社債の償還による支出が合計18,367百万円あった一方で、収入面では新株予約権の行使による収入281百万円があったこと、新たな借入金、クラウドファンディング、社債の発行による収入が合計28,335百万円あったことが主な要因です。
当連結会計年度の財務活動においては、第三者割当により発行した新株予約権の行使が行われた他、クラウドファンディングや銀行保証付きSDGs私募債を活用し、資金調達手法がさらに多様化しました。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスが主要な事業であり生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
② 受注実績
当社グループは、収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスが主要な事業であり受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成に当たり、会計方針は原則として前連結会計年度と同一の基準を継続して適用するほか、引当金等につきましても過去の実績等を勘案し合理的に見積りを行っておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における売上高は27,856百万円(通期計画達成率92.9%)、EBITDAは1,515百万円(通期計画達成率116.6%)、経常利益は953百万円(通期計画達成率119.2%)、税引前利益は910百万円(通期計画達成率113.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は527百万円(通期計画達成率117.2%)となりました。
(単位:百万円)
2022年12月期 (通期計画) | 2021年12月期 (実績) | 2022年12月期 (実績) | ||||||
金額 | 金額 | 金額 | ||||||
売上比 | 売上比 | 売上比 | 前年比 | 通期計画達成率 | ||||
売上高 | 30,000 | 100.0% | 24,961 | 100.0% | 27,856 | 100.0% | 111.6% | 92.9% |
(不動産販売) | - | - | (20,318) | (81.4%) | (22,314) | (80.1%) | (109.8%) | - |
(ストック) | - | - | (4,942) | (19.8%) | (5,868) | (21.1%) | (118.7%) | - |
(内部取引) | - | - | (△300) | (△1.2%) | (△326) | (△1.2%) | - | - |
EBITDA | 1,300 | 4.3% | 1,073 | 4.3% | 1,515 | 5.4% | 141.2% | 116.6% |
経常利益 | 800 | 2.7% | 650 | 2.6% | 953 | 3.4% | 146.6% | 119.2% |
税引前利益 | 800 | 2.7% | 650 | 2.6% | 910 | 3.3% | 140.0% | 113.8% |
純利益 | 450 | 1.5% | 312 | 1.3% | 527 | 1.9% | 168.8% | 117.2% |
(注)1.(不動産販売)は「収益不動産販売事業」、(ストック)は「ストック型フィービジネス」、「税引前利益」は「税金等調整前当期純利益」、「純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」をそれぞれ省略したものです。
2.EBITDA(償却等前営業利益):営業利益+償却費等
償却費等には減価償却費、ソフトウエア償却費、のれん償却費等のキャッシュアウトを伴わない費用を含みます。
セグメントの概況は次のとおりです。なお、当社グループでは営業利益をセグメント利益としております。
(収益不動産販売事業)
売上高22,314百万円、EBITDA1,713百万円、営業利益1,711百万円となりました。
収益不動産を取り巻く活況な環境の下、需要を見極めた的確な商品企画を軸にした仕入れから販売までの好サイクルにより競争力が高まったこと、また不動産小口化商品販売事業において金融機関との提携による販売ネットワークの拡充が奏功したことにより、好調に推移しました。
仕入高は28,159百万円となりました。かねてより注力してきた組織力強化が奏功し積極的な仕入活動を行った結果、優良物件の仕入を行うことができました。
その結果、収益不動産残高は41,476百万円((注)2.参照)となり、前連結会計年度末より12,562百万円上回りました。
収益不動産販売事業は、当社グループ全体の業績をけん引する重要な事業ですが、「第1次中期経営計画」の中間進捗としては、概ね計画通りの実績となったほか、収益不動産残高の水準を過去最高値に高めることができ、計画達成に向け堅調に推移していると判断しております。また数値面のみならず、仕入れのための組織力や商品企画力など、次につながる定性面での成果も得ることができたと認識しております。
(ストック型フィービジネス)
売上高5,868百万円、EBITDA1,335百万円、営業利益1,235百万円となりました。
当社グループが保有する収益不動産からの賃料収入を収益の柱としているため、好調な収益不動産販売事業に連動し安定的な売上・利益を確保することができました。
なお、同ビジネスにおける「ストック型」の主な売上としては、株式会社エー・ディー・パートナーズの管理収入、ADW Management USA, Inc.の賃料収入など、また「フロー型」の主な売上としては、株式会社スミカワADDの工事・改修収入などがあります。
収益不動産の期中平均残高は、10億~20億円規模の収益不動産の積極的な取得が寄与したことから物件単価が上昇し、前連結会計年度の27,796百万円に対し当連結会計年度は34,876百万円に増加しております。
ストック型フィービジネスは、当社グループの業績の安定性を担保するための重要な位置付けであります。その観点においては、まずは株式会社エー・ディー・パートナーズのプロパティ・マネジメントが今以上に収益力を高める必要があると認識しております。特に、収益不動産販売事業で取り扱う商品が大型化し、かつオフィス物件のウェイトが高まっている昨今にあり、それらに対する対応力を、効率化と並行して高めていく必要があります。
(注)1.各セグメントの営業利益は、全社費用等のセグメントに配賦しない費用及びセグメント間の内部取引による営業費用控除前の数値であり、その合計は連結営業利益と一致しません。
2.収益不動産残高41,476百万円には、東京国税局から過年度の消費税に関する更正通知を受領したことに伴い資産計上している消費税等引当見積額(11百万円)を含めておりません。
3.「ストック型フィービジネス」のうち、中長期保有用もしくは短期販売用の収益不動産からの賃料や、販売済みの収益不動産のプロパティ・マネジメント受託によるフィー収入等を「ストック型」、内装・修繕工事フィー、顧客リレーションから派生的に得られる仲介収入を「フロー型」と位置付けております。
(2) 財政状態
当連結会計年度においては、優良な収益不動産の仕入れを積極的に進めた結果、現金及び預金が1,008百万円減少し、また販売用不動産及び仕掛販売用不動産は12,562百万円増加し、有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、社債及び長期借入金)は9,436百万円の増加となりました。
これらの要因等から、前連結会計年度と比較し、純資産は1,040百万円増加しました。配当により利益剰余金164百万円の減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益527百万円の計上の他、第三者割当増資による新株予約権の行使が進み、283百万円の資金の増加、為替換算調整勘定524百万円の増加がありました。
資産合計と負債純資産合計は、前連結会計年度末と比較し、11,311百万円増加しました。
当期連結貸借対照表の詳細は以下のとおりです。
「構成比」は、資産合計(負債純資産合計)に対する比率を示しています。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は53,359百万円となりました。うち、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が41,488百万円(構成比77.8%)、現金及び預金が7,425百万円(構成比13.9%)を占めています。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、37,501百万円となりました。うち、有利子負債が32,515百万円(構成比60.9%)を占めています。
(純資産)
純資産合計は、15,857百万円となりました。うち、資本金及び資本剰余金が11,561百万円(構成比21.7%)を占めています。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,423百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は11,454百万円減少しました。これは、税金等調整前当期純利益910百万円を計上した一方で、棚卸資産の取得により、資金が12,262百万円減少したことが主な要因です。
当連結会計年度の営業活動においては、全ての利益項目において通期計画を上回る業績を計上しつつ、商品企画を軸とした仕入活動の遂行と物件の大型化が営業効率を向上させたことで、優良な棚卸資産の仕入れを行うことができました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は142百万円増加しました。これは、投資有価証券の取得による支出438百万円があった一方、貸付金の回収による収入649百万円があったことが主な要因です。
当連結会計年度の投資活動においては、コーポレート・ベンチャー・キャピタル事業(CVC事業)を継続して推進しました。また、米国住宅債権投資における債権回収が順調に完了しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は10,074百万円増加しました。これは、支出面では配当金の支払い163百万円の他、借入金の返済、クラウドファンディング、社債の償還による支出が合計18,367百万円あった一方で、収入面では新株予約権の行使による収入281百万円があったこと、新たな借入金、クラウドファンディング、社債の発行による収入が合計28,335百万円あったことが主な要因です。
当連結会計年度の財務活動においては、第三者割当により発行した新株予約権の行使が行われた他、クラウドファンディングや銀行保証付きSDGs私募債を活用し、資金調達手法がさらに多様化しました。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスが主要な事業であり生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
② 受注実績
当社グループは、収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスが主要な事業であり受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
収益不動産販売事業 | 22,314,082 | 109.8 |
ストック型フィービジネス | 5,868,586 | 118.7 |
計 | 28,182,669 | 111.6 |
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成に当たり、会計方針は原則として前連結会計年度と同一の基準を継続して適用するほか、引当金等につきましても過去の実績等を勘案し合理的に見積りを行っておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。