四半期報告書-第1期第2四半期(令和2年4月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/12 15:02
【資料】
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【項目】
36項目
文中における将来に関する事項は、当第2四半期連結累計期間(以下、「当第2四半期」といいます)の末日現在において判断したものであります。
当社は、2020年4月1日付で単独株式移転により株式会社エー・ディー・ワークスの完全親会社として設立され、当第1四半期より設立第1期として初めて四半期報告書を作成しておりますが、連結の範囲に実質的な変更はありません。そのため、前年同四半期と比較を行っている項目については、株式会社エー・ディー・ワークスの第94期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)と、また、前連結会計年度末と比較を行っている項目については、株式会社エー・ディー・ワークスの第94期連結会計年度末(2020年3月31日)と比較しております。
(1) 経営成績の概況
当第2四半期における国内経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により依然として厳しい状況にあります。政策による下支えで何とか持ち直しの傾向も見られるものの、感染拡大がさらに長期化・深刻化すれば、その影響が漸進的に広く及ぶ懸念があり、加えて企業収益は製造業、非製造業ともに大幅に悪化していることから、今後の経済の先行きについては予断を許さない状況が続いております。
当社グループの主要な事業領域である都心部における収益不動産関連の事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が依然として大きく、需給ともに動向が読みづらい状況が続いております。当社グループの拠点がある米国のロサンゼルスにおいても、同様の影響で市場の停滞は継続しております。
このような事業環境のもと、当社グループの営業活動は、4月、5月は緊急事態宣言の影響で制限を余儀なくされ、同宣言解除後の6月より徐々に再開したものの、第1四半期における当社グループの主要な事業である収益不動産販売事業は大幅な落ち込みとなりました。7月以降ようやく本格的な営業活動ができるようになり、7月から9月の収益不動産販売事業は、当社グループの商品企画力、販売力も奏功し、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に近い成果を上げることができました。
こうした中、下北沢の保有物件で実験的にコワーキングスペースの提供を開始し、順調なスタートとなったことや、ロサンゼルスでの知見を活かして、米国ハワイ州での事業を本格的に推進すべくADW Hawaii LLCを新規設立したことなど、今後の事業展開の布石となる成果を上げることができました。
これらの結果、当第2四半期における売上高は11,069百万円(通期計画進捗率69.2%)、EBITDAは321百万円(通期計画進捗率47.3%)、経常利益は87百万円(通期計画進捗率21.9%)となりました。なお、今期の通期連結業績計画については、「5月の緊急事態宣言解除以降、6月から7月にかけ厳選した収益不動産に限り需給とともに動きが出始め、夏から秋にかけてさらにそうした動向が活発化する」との仮定のもと策定されたものですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、その仮定よりもさらに長期化していると認識しており、そのような中、第1四半期の赤字からリカバリーできたことは、新型コロナウイルス感染拡大の渦中にあっても、しかるべき業績を上げる手応えを得られたと考えております。
当第2四半期の経営成績は以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
2020年12月期
(通期計画)
2020年3月期
第2四半期
(実績)
2020年12月期
第2四半期
(実績)
金額金額金額
売上比売上比売上比前年比通期計画進捗率
売上高16,000100.0%11,934100.0%11,069100.0%92.8%69.2%
(不動産販売)--(10,270)(86.1%)(9,020)(81.5%)(87.8%)-
(ストック)--(1,858)(15.6%)(2,151)(19.4%)(115.8%)-
(内部取引)--(△194)(△1.6%)(△102)(△0.9%)--
EBITDA6804.3%8447.1%3212.9%38.1%47.3%
経常利益4002.5%5634.7%870.8%15.5%21.9%
税引前利益4002.5%5634.7%920.8%16.4%23.2%
純利益2551.6%3903.3%330.3%8.7%13.3%

(注)1.(不動産販売)は「収益不動産販売事業」、(ストック)は「ストック型フィービジネス」、「税引前利益」は「税金等調整前四半期純利益」、「純利益」は「親会社株主に帰属する四半期純利益」をそれぞれ省略したものです。
2.EBITDA(償却等前営業利益):営業利益+償却費等
償却費等には減価償却費、ソフトウエア償却費、のれん償却費等のキャッシュアウトを伴わない費用を含みます。
3.当社は2020年4月1日付で決算期を12月として設立されたため、2020年12月期通期計画の対象期間は2020年4月1日から2020年12月31日までの9カ月間となります。
セグメントの概況は次のとおりです。なお、当社グループでは営業利益をセグメント利益としております。
(収益不動産販売事業)
売上高 9,020百万円、EBITDA 538百万円、営業利益 536百万円となりました。
第1四半期における当社グループの主要な事業である収益不動産販売事業は大幅な落ち込みとなりましたが、7月から9月においては、当社グループの商品企画力、販売力も奏功し、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に近い成果を上げることができました。一方、仕入に関しては、厳選した仕入を進めたものの、仕入高は6,743百万円(前年同期9,583百万円)となり、当事業における将来の収益源であり、同時にストック型フィービジネスの収益源の一部でもある収益不動産残高は22,576百万円と前連結会計年度末を541百万円下回りました。
(ストック型フィービジネス)
売上高 2,151百万円、EBITDA 432百万円、営業利益 379百万円となりました。
前期にグループ会社化した株式会社澄川工務店の業績が寄与し、売上高は前年同期を293百万円上回ったものの、営業利益については人員増加等の要因で前年同期を13百万円下回りました。
なお、同ビジネスにおける「ストック型」の主な売上としては、株式会社エー・ディー・パートナーズの管理収入、ADW Management USA, Inc.の賃料収入など、また「フロー型」の主な売上としては、株式会社エー・ディー・デザインビルドの工事・改修収入、株式会社澄川工務店の工事収入などがあります。
収益不動産の期中平均残高は、前期からの大型物件の積極的取得が寄与し、前年同期の21,326百万円に対し当第2四半期は24,687百万円と増加しております。
(注)1.各セグメントの営業利益は、全社費用等のセグメントに配賦しない費用及びセグメント間の内部取引による営業費用控除前の数値であり、その合計は連結営業利益と一致しません。
2.収益不動産残高22,576百万円には、2018年7月に東京国税局から過年度の消費税に関する更正通知を受領したことに伴い資産計上している消費税等引当見積額(13百万円)を含めておりません。
3.「ストック型フィービジネス」のうち、中長期保有用もしくは短期販売用の収益不動産からの賃料や、販売済みの収益不動産のプロパティ・マネジメント受託によるフィー収入等を「ストック型」、内装・修繕工事フィー、顧客リレーションから派生的に得られる仲介収入を「フロー型」と位置付けております。
(2) 財政状態の概況
当第2四半期においては、収益不動産の販売が進んだ一方で、価格の高止まりの影響もあり厳選した仕入が進まなかった結果、収益不動産545百万円、有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、社債及び長期借入金)が1,527百万円減少しました。これらの要因等から、資産合計と負債純資産合計は、前連結会計年度末と比較し、1,747百万円減少しました。
なお、当社グループは、2022年3月末の収益不動産残高のガイダンス(目安)を36,500百万円としております。当第2四半期末における収益不動産残高は、上述のとおり前連結会計年度から541百万円減少した結果、22,576百万円となっています。
四半期連結貸借対照表の詳細は以下のとおりです。
「構成比」は、資産合計(負債純資産合計)に対する比率を示しています。
(資産)
当第2四半期末における資産合計は33,721百万円となりました。うち、収益不動産が22,589百万円(構成比67.0%)、現金及び預金が8,341百万円(構成比24.7%)となっております。
(負債)
当第2四半期末における負債合計は、20,748百万円となりました。うち、収益不動産の減少に伴い有利子負債が1,527百万円減少し、17,407百万円(構成比51.6%)となっております。
(純資産)
純資産合計は、12,972百万円となりました。うち、資本金及び資本剰余金が10,107百万円(構成比30.0%)を占めています。また当第2四半期において、円高の進行により為替換算調整勘定が116百万円減少し、△223百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期における現金及び現金同等物(以下、資金という)は、前連結会計年度より664百万円減少し、8,308百万円となりました。
当第2四半期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期において営業活動の結果増加した資金は、1,010百万円となりました。これは、(1)経営成績の概況に記載のとおり、税金等調整前四半期純利益92百万円を計上した一方、たな卸資産が減少したことによる資金の増加421百万円があったことなどが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期において投資活動の結果減少した資金は、68百万円となりました。これは、投資有価証券の取得による支出57百万円や短期貸付による支出62百万円などが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期において財務活動の結果減少した資金は、1,549百万円となりました。これは、長期借入れによる収入5,665百万円に対し、長期借入金の返済による支出6,902百万円などが主な要因であります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 従業員数
① 連結会社の状況
セグメントの名称当第2四半期
連結累計期間末
従業員数(名)
(2020年9月30日)
収益不動産販売事業78
ストック型フィービジネス70
全社45
合計193

(注)1.従業員数には、派遣社員を除く従業員数を記載しております。
2.当社は、2020年4月1日設立のため、前連結会計年度末に係る記載はありません。
② 提出会社の状況
セグメントの名称当第2四半期
累計期間末
従業員数(名)
(2020年9月30日)
全社42
合計42

(注)1.従業員数には、派遣社員を除く従業員数を記載しております。
2.当社は、2020年4月1日設立のため、前事業年度末に係る記載はありません。