有価証券報告書-第48期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて384,763千円増加し、4,582,361千円となりました。
流動資産の主な増加要因は、現金及び預金の増加が241,791千円、受取手形及び売掛金の増加が80,776千円、原材料及び貯蔵品の増加が49,897千円、商品及び製品の増加が18,308千円であります。主な減少要因は、電子記録債権の減少が24,071千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ368,419千円増加の3,306,626千円となりました。
固定資産の主な増加要因は、ディスペンサー装置の取得に伴い機械装置及び運搬具の増加が18,643千円、保険積立金の増加が4,742千円、投資有価証券の増加が3,594千円であります。主な減少要因は、減価償却による建物及び構築物の減少が8,348千円、機械装置及び運搬具の減少が3,176千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ16,343千円増加の1,275,735千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて23,748千円増加し、1,134,321千円となりました。
流動負債の主な増加要因は、支払手形及び買掛金の増加が60,219千円、未払法人税等の増加が5,679千円であります。主な減少要因は、未払消費税等の減少が26,627千円、未払費用の減少が6,484千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ43,348千円増加の769,998千円となりました。
固定負債の主な減少要因は、長期借入金の減少が39,996千円であります。主な増加要因は、退職給付に係る負債の増加が11,319千円、役員退職慰労引当金の増加が9,076千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ19,599千円減少の364,323千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて361,014千円増加し、3,448,039千円となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益200,166千円、自己株式の処分(資本剰余金増加を含む)177,481千円であります。また、主な減少要因は、配当金20,491千円であります。
b.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響により大幅に経済活動が制限されました。そうした中、中国においては経済活動の正常化がいち早く進み、先んじて景気の回復が続いております。欧米各国もそれぞれ、状況に応じた感染症対策により一時的には回復方向に向かいましたが、感染拡大の再発により経済活動が再び抑制される等、厳しい状況が続いております。
我が国経済は、政府による経済回復に向けての様々な施策により、一旦は個人消費が回復する兆しがありましたが、2021年1月に首都圏を中心に再度発出された新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の影響により、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループにおける営業品目の応用分野別の概況は、計測・制御、交通関連分野以外は、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上高が減少しました。
一方で当社の主力である計測・制御分野における半導体製造装置市場は、新型コロナウイルス感染症の影響により一部では売上高が減少しましたが、世界的な半導体供給難を背景に大手半導体メーカーやファウンドリ(半導体受託生産会社)は大幅な増産体制を構築するため、次世代プロセス関連やメモリ向け半導体製造装置への設備投資が大幅に増加しました。
この結果、当連結会計年度における業績は、売上高3,202,326千円(前年同期比0.6%増)、営業利益298,552千円(前年同期比5.3%増)、経常利益300,798千円(前年同期比1.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は200,166千円(前年同期比0.1%減)となりました。
当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績の状況は開示しておりませんが、営業品目の応用分野別売上の概況は、次のとおりであります。
なお、当期末より応用分野名称を変更いたしました。主な適用機器に変更はございません。
通信・放送(旧名称:通信機器)
当分野は、通信・放送・電力関連機器の制御部を設計・製造・販売しております。放送・電力関連は、堅調に推移しましたが、通信関連は、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言により、通信インフラを中心に設置工事ができず入札延期等が発生したため、一部の顧客で設置計画が来期以降に延期されました。当連結会計年度の売上高は前年同期比97,330千円(19.8%)減の393,210千円となり、売上構成比率は前年同期の15.4%から12.3%へ減少しました。
電子応用(旧名称:電子応用装置)
当分野は、HPC(スーパーコンピュータ)・医療関連機器の制御部を設計・製造・販売しております。新型コロナウイルス感染症患者の増加により、手術の延期や新型コロナウイルス感染症対策への設備投資等で病院の収益が悪化したため、高額な医療装置への設備投資が先送りされました。当連結会計年度の売上高は前年同期比67,647千円(18.9%)減の290,082千円となり、売上構成比率は前年同期の11.2%から9.1%へ減少しました。
計測・制御(旧名称:電気計測器)
当分野は、半導体関連装置・検査装置・FA(ファクトリーオートメーション)関連装置の制御部を設計・製造・販売しております。当社の主力である半導体製造装置は、新型コロナウイルス感染症の影響により、民生機器や車載関連の生産が落ち込んだ一方、データセンターや5G関連の投資が堅調に進んだ結果、日本製半導体製造装置の2020年度の市場規模は、前年度比12.4%増の2兆3,300億円(2021年1月発表/ SEAJ 2021年年初版)となり、当社は新規案件の成約もあり、前期比増となりました。当連結会計年度の売上高は前年同期比250,246千円(16.0%)増の1,815,107千円となり、売上構成比率は前年同期の49.2%から56.7%へ増加しました。
交通関連(旧名称:交通関連装置)
当分野は、鉄道・信号・ITS(高度道路交通システム、ETC等)関連の制御部を設計・製造・販売しております。ITS関連は、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言により入札や設置工事が延期され、受注高・売上高ともに減少しましたが、一部の鉄道・信号関連メーカーで来期分の納入の前倒しが発生し、全体として売上高は微増となりました。
当連結会計年度の売上高は前年同期比6,971千円(1.2%)増の565,168千円となり、売上構成比率は前年同期の17.5%から17.6%となりました。
防衛・その他(名称変更なし)
当分野は、防衛用のレーダーや通信機器の制御部を設計・製造・販売しており、当連結会計年度の売上高は前年同期比73,390千円(34.6%)減の138,757千円となり、売上構成比率は前年同期の6.7%から4.3%へ減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ249,783千円増加し、1,426,178千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、152,633千円(前連結会計年度は276,623千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益300,798千円、仕入債務の増加61,027千円、減価償却費18,775千円、退職給付に係る負債の増加11,319千円であります。また、支出の主な内訳は、法人税等の支払額98,504千円、たな卸資産の増加72,595千円、売上債権の増加49,468千円、未払消費税等の減少26,627千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、18,089千円(前連結会計年度は93,513千円の収入)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得26,412千円であります。収入の主な内訳は、定期預金の払戻8,179千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、113,360千円(前連結会計年度は、103,657千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、自己株式の処分177,481千円であります。支出の主な内訳は、長期借入金の返済39,996千円、配当金の支払い20,491千円であります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいましてセグメントごとに生産規模等を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における営業品目の応用分野別に関連付けて示しております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 また、当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績等の状況に関する分析・検討内容の開示はしておりません。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。当社グループは、連結財務諸表作成において必要な見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を勘案した上で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
a.たな卸資産の評価
当社グループは、たな卸資産を取得原価で計上しておりますが、正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって計上し、取得原価との差額を原則として売上原価として処理しております。また、一定期間使用していない資材や使用見込みのない部品等については、一定の率に基づいて段階的に帳簿価額を切下げる方法を採用しております。なお、これらのたな卸資産の評価減の判定は、当社グループが過去からの資材・部品等の入出庫等のデータの蓄積により、当該ライフサイクルの経済実態を把握できていることを前提としております。
当該見積り及び前提について、将来、需要や市場状況の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性の判断に当たっては、将来の課税所得について、中期事業計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期事業計画の達成状況、予算等)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、事業環境に照らして算定した受注予測等の仮定を用いております。
当該見積り及び仮定について、将来、事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
C.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損損失を認識するかどうかの判定において見積られる将来キャッシュ・フローは、中期事業計画の前提となった数値を、事業環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期事業計画の達成状況、予算等)と整合的に修正し、各資産又は資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して、見積っております。当該見積りには、事業環境に照らして算定した受注予測等の仮定を用いております。
当該見積り及び仮定について、将来、事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以 降の連結財務諸表において減損損失の計上が必要となる可能性があります。
②経営成績等の分析
1.売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度2,524,521千円に対し、当連結会計年度は2,717千円減少し、2,521,804千円となりました。
当連結会計年度における、売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度79.3%に対して78.7%と0.6%減少となりました。
これは主に、当社の主力である計測・制御分野における半導体製造装置の好採算案件の売上比率が高かったためであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度375,450千円に対し、当連結会計年度は6,519千円増加し、381,969千円となりました。
主な増加要因は、新規格に係る標準製品の開発や事業ドメインの拡大を企図した周辺分野に対する研究開発活動による、研究開発費23,519千円の増加によるものであります。
主な減少要因は、2020年4月8日~10日に開催が予定されていた展示会「第29回Japan IT Week春」が新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に伴い開催中止となり、広告宣伝費の減少が3,601千円であります。また、出張等の自粛により旅費交通費の減少が4,282千円、車両関連費の減少が2,717千円であります。
2.営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度20,928千円に対し、当連結会計年度は10,281千円減少し、10,646千円となりました。主な要因としては、保険解約返戻金12,450千円の減少であります。
営業外費用は、前連結会計年度613千円に対して、当連結会計年度は7,787千円増加し、8,401千円となりました。主な要因としては、為替差損3,958千円の増加と株式公開費用3,489千円であります。
3.特別損益
特別利益は、当連結会計年度の計上はありません。
特別損失は、前連結会計年度との主要な増減はありません。
4.法人税等
税効果会計適用後の法人税等は、前連結会計年度103,468千円に対し、当連結会計年度は2,836千円減少し、100,632千円となりました。これは主に法人税等調整額の減少であります。
当社が目標とする経営指標である売上高、経常利益は次のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、継続的な成長を図るため新製品の開発とバリエーションの拡充に努めており、これらに必要な資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,426,178千円であり、流動性を確保しております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、2 事業等のリスク を御参照ください。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 を御参照ください。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて384,763千円増加し、4,582,361千円となりました。
流動資産の主な増加要因は、現金及び預金の増加が241,791千円、受取手形及び売掛金の増加が80,776千円、原材料及び貯蔵品の増加が49,897千円、商品及び製品の増加が18,308千円であります。主な減少要因は、電子記録債権の減少が24,071千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ368,419千円増加の3,306,626千円となりました。
固定資産の主な増加要因は、ディスペンサー装置の取得に伴い機械装置及び運搬具の増加が18,643千円、保険積立金の増加が4,742千円、投資有価証券の増加が3,594千円であります。主な減少要因は、減価償却による建物及び構築物の減少が8,348千円、機械装置及び運搬具の減少が3,176千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ16,343千円増加の1,275,735千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて23,748千円増加し、1,134,321千円となりました。
流動負債の主な増加要因は、支払手形及び買掛金の増加が60,219千円、未払法人税等の増加が5,679千円であります。主な減少要因は、未払消費税等の減少が26,627千円、未払費用の減少が6,484千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ43,348千円増加の769,998千円となりました。
固定負債の主な減少要因は、長期借入金の減少が39,996千円であります。主な増加要因は、退職給付に係る負債の増加が11,319千円、役員退職慰労引当金の増加が9,076千円であります。その結果、前連結会計年度末に比べ19,599千円減少の364,323千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて361,014千円増加し、3,448,039千円となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益200,166千円、自己株式の処分(資本剰余金増加を含む)177,481千円であります。また、主な減少要因は、配当金20,491千円であります。
b.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響により大幅に経済活動が制限されました。そうした中、中国においては経済活動の正常化がいち早く進み、先んじて景気の回復が続いております。欧米各国もそれぞれ、状況に応じた感染症対策により一時的には回復方向に向かいましたが、感染拡大の再発により経済活動が再び抑制される等、厳しい状況が続いております。
我が国経済は、政府による経済回復に向けての様々な施策により、一旦は個人消費が回復する兆しがありましたが、2021年1月に首都圏を中心に再度発出された新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の影響により、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループにおける営業品目の応用分野別の概況は、計測・制御、交通関連分野以外は、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上高が減少しました。
一方で当社の主力である計測・制御分野における半導体製造装置市場は、新型コロナウイルス感染症の影響により一部では売上高が減少しましたが、世界的な半導体供給難を背景に大手半導体メーカーやファウンドリ(半導体受託生産会社)は大幅な増産体制を構築するため、次世代プロセス関連やメモリ向け半導体製造装置への設備投資が大幅に増加しました。
この結果、当連結会計年度における業績は、売上高3,202,326千円(前年同期比0.6%増)、営業利益298,552千円(前年同期比5.3%増)、経常利益300,798千円(前年同期比1.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は200,166千円(前年同期比0.1%減)となりました。
当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績の状況は開示しておりませんが、営業品目の応用分野別売上の概況は、次のとおりであります。
なお、当期末より応用分野名称を変更いたしました。主な適用機器に変更はございません。
通信・放送(旧名称:通信機器)
当分野は、通信・放送・電力関連機器の制御部を設計・製造・販売しております。放送・電力関連は、堅調に推移しましたが、通信関連は、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言により、通信インフラを中心に設置工事ができず入札延期等が発生したため、一部の顧客で設置計画が来期以降に延期されました。当連結会計年度の売上高は前年同期比97,330千円(19.8%)減の393,210千円となり、売上構成比率は前年同期の15.4%から12.3%へ減少しました。
電子応用(旧名称:電子応用装置)
当分野は、HPC(スーパーコンピュータ)・医療関連機器の制御部を設計・製造・販売しております。新型コロナウイルス感染症患者の増加により、手術の延期や新型コロナウイルス感染症対策への設備投資等で病院の収益が悪化したため、高額な医療装置への設備投資が先送りされました。当連結会計年度の売上高は前年同期比67,647千円(18.9%)減の290,082千円となり、売上構成比率は前年同期の11.2%から9.1%へ減少しました。
計測・制御(旧名称:電気計測器)
当分野は、半導体関連装置・検査装置・FA(ファクトリーオートメーション)関連装置の制御部を設計・製造・販売しております。当社の主力である半導体製造装置は、新型コロナウイルス感染症の影響により、民生機器や車載関連の生産が落ち込んだ一方、データセンターや5G関連の投資が堅調に進んだ結果、日本製半導体製造装置の2020年度の市場規模は、前年度比12.4%増の2兆3,300億円(2021年1月発表/ SEAJ 2021年年初版)となり、当社は新規案件の成約もあり、前期比増となりました。当連結会計年度の売上高は前年同期比250,246千円(16.0%)増の1,815,107千円となり、売上構成比率は前年同期の49.2%から56.7%へ増加しました。
交通関連(旧名称:交通関連装置)
当分野は、鉄道・信号・ITS(高度道路交通システム、ETC等)関連の制御部を設計・製造・販売しております。ITS関連は、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言により入札や設置工事が延期され、受注高・売上高ともに減少しましたが、一部の鉄道・信号関連メーカーで来期分の納入の前倒しが発生し、全体として売上高は微増となりました。
当連結会計年度の売上高は前年同期比6,971千円(1.2%)増の565,168千円となり、売上構成比率は前年同期の17.5%から17.6%となりました。
防衛・その他(名称変更なし)
当分野は、防衛用のレーダーや通信機器の制御部を設計・製造・販売しており、当連結会計年度の売上高は前年同期比73,390千円(34.6%)減の138,757千円となり、売上構成比率は前年同期の6.7%から4.3%へ減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ249,783千円増加し、1,426,178千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、152,633千円(前連結会計年度は276,623千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益300,798千円、仕入債務の増加61,027千円、減価償却費18,775千円、退職給付に係る負債の増加11,319千円であります。また、支出の主な内訳は、法人税等の支払額98,504千円、たな卸資産の増加72,595千円、売上債権の増加49,468千円、未払消費税等の減少26,627千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、18,089千円(前連結会計年度は93,513千円の収入)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得26,412千円であります。収入の主な内訳は、定期預金の払戻8,179千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、113,360千円(前連結会計年度は、103,657千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、自己株式の処分177,481千円であります。支出の主な内訳は、長期借入金の返済39,996千円、配当金の支払い20,491千円であります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいましてセグメントごとに生産規模等を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における営業品目の応用分野別に関連付けて示しております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。
| 応用分野の名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 通信・放送 | 345,970 | 70.6 |
| 電子応用 | 289,248 | 76.5 |
| 計測・制御 | 1,875,960 | 121.2 |
| 交通関連 | 603,263 | 102.8 |
| 防衛・その他 | 143,671 | 78.1 |
| 合計 | 3,258,114 | 102.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。
| 応用分野の名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 通信・放送 | 350,274 | 84.4 |
| 電子応用 | 296,452 | 83.3 |
| 計測・制御 | 2,169,882 | 142.8 |
| 交通関連 | 654,450 | 122.0 |
| 防衛・その他 | 137,306 | 65.9 |
| 合計 | 3,608,366 | 118.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。
| 応用分野の名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 通信・放送 | 393,210 | 80.2 |
| 電子応用 | 290,082 | 81.1 |
| 計測・制御 | 1,815,107 | 116.0 |
| 交通関連 | 565,168 | 101.2 |
| 防衛・その他 | 138,757 | 65.4 |
| 合計 | 3,202,326 | 100.6 |
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 第47期連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 第48期連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社アバールデータ | 497,339 | 15.6 | 571,967 | 17.9 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 また、当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績等の状況に関する分析・検討内容の開示はしておりません。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。当社グループは、連結財務諸表作成において必要な見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を勘案した上で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
a.たな卸資産の評価
当社グループは、たな卸資産を取得原価で計上しておりますが、正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって計上し、取得原価との差額を原則として売上原価として処理しております。また、一定期間使用していない資材や使用見込みのない部品等については、一定の率に基づいて段階的に帳簿価額を切下げる方法を採用しております。なお、これらのたな卸資産の評価減の判定は、当社グループが過去からの資材・部品等の入出庫等のデータの蓄積により、当該ライフサイクルの経済実態を把握できていることを前提としております。
当該見積り及び前提について、将来、需要や市場状況の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性の判断に当たっては、将来の課税所得について、中期事業計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期事業計画の達成状況、予算等)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、事業環境に照らして算定した受注予測等の仮定を用いております。
当該見積り及び仮定について、将来、事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
C.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損損失を認識するかどうかの判定において見積られる将来キャッシュ・フローは、中期事業計画の前提となった数値を、事業環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期事業計画の達成状況、予算等)と整合的に修正し、各資産又は資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して、見積っております。当該見積りには、事業環境に照らして算定した受注予測等の仮定を用いております。
当該見積り及び仮定について、将来、事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以 降の連結財務諸表において減損損失の計上が必要となる可能性があります。
②経営成績等の分析
1.売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度2,524,521千円に対し、当連結会計年度は2,717千円減少し、2,521,804千円となりました。
当連結会計年度における、売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度79.3%に対して78.7%と0.6%減少となりました。
これは主に、当社の主力である計測・制御分野における半導体製造装置の好採算案件の売上比率が高かったためであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度375,450千円に対し、当連結会計年度は6,519千円増加し、381,969千円となりました。
主な増加要因は、新規格に係る標準製品の開発や事業ドメインの拡大を企図した周辺分野に対する研究開発活動による、研究開発費23,519千円の増加によるものであります。
主な減少要因は、2020年4月8日~10日に開催が予定されていた展示会「第29回Japan IT Week春」が新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に伴い開催中止となり、広告宣伝費の減少が3,601千円であります。また、出張等の自粛により旅費交通費の減少が4,282千円、車両関連費の減少が2,717千円であります。
2.営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度20,928千円に対し、当連結会計年度は10,281千円減少し、10,646千円となりました。主な要因としては、保険解約返戻金12,450千円の減少であります。
営業外費用は、前連結会計年度613千円に対して、当連結会計年度は7,787千円増加し、8,401千円となりました。主な要因としては、為替差損3,958千円の増加と株式公開費用3,489千円であります。
3.特別損益
特別利益は、当連結会計年度の計上はありません。
特別損失は、前連結会計年度との主要な増減はありません。
4.法人税等
税効果会計適用後の法人税等は、前連結会計年度103,468千円に対し、当連結会計年度は2,836千円減少し、100,632千円となりました。これは主に法人税等調整額の減少であります。
当社が目標とする経営指標である売上高、経常利益は次のとおりであります。
| 2021年3月期実績 | 2021年3月期目標 | |
| 売上高 | 3,202,326千円 | 3,374,145千円 |
| 経常利益 | 300,798千円 | 314,429千円 |
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、継続的な成長を図るため新製品の開発とバリエーションの拡充に努めており、これらに必要な資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,426,178千円であり、流動性を確保しております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、2 事業等のリスク を御参照ください。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 を御参照ください。