訂正有価証券報告書-第25期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比93%(2024年1月~12月)と音楽ビデオが低調だったことにより減少した一方、有料音楽配信売上金額は前年同期比106%(2024年1月~12月)と、堅調に推移しております。音楽配信売上の内訳をみると、ダウンロードは縮小傾向にあるもののサブスクリプション型や広告収入型の音楽配信サービス等のストリーミング配信市場が引き続き拡大しております。
このような状況の中、当社グループは中期業績計画の達成に向け、著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業を中心に、以下のような取組を行ってまいりました。
・公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配
・著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応
・海外徴収の精度向上
・演奏権の取扱高増加
・DX推進による業務効率化
・経営効率化のための子会社における不採算サービスの解消を含む事業構成見直し
・各事業間シナジーを活かした複合的な提案による管理楽曲数及び取扱原盤数の増加
・楽曲・コンテンツの更なる利用促進
・権利者へのきめ細やかなサービスの提供
これらの取組を通じ、事業基盤となる管理楽曲や取扱原盤を着実に積み上げ、さらに、新規事業の立ち上げにも取り組んでまいりました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、既存事業が安定的に推移したことに加え、前期において第3四半期から連結していたレコチョクグループの損益計算書を、今期は通期で連結したことにより、売上高が大幅に増加いたしました。利益面では、レコチョクグループにおける成長分野や新規事業への先行投資を継続しつつも、既存事業の増収に伴い増益となりました。
以上の結果、売上高は19,412百万円(前年同期比144.5%)、営業利益は1,005百万円(前年同期比154.9%)、経常利益は1,028百万円(前年同期比157.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は692百万円(前年同期比130.3%)と増収増益となりました。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 著作権管理事業
楽曲の著作権に関わる2つの事業、当社の基幹事業である音楽著作権管理事業と、子会社の株式会社エムシージェイピーで展開している音楽出版事業を「著作権管理事業」として設定しております。著作権者からの委託を受け、音楽著作物の利用の許諾と音楽著作権使用料の徴収・分配を行うほか、音楽出版社に向けた業務代行サービス等を提供しております。
音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2023年10月~2024年12月となります。
(利用時期と計上時期のイメージ)
(注)表中の「利用区分」は主要な区分のみを記載しております。
当該期間のインタラクティブ配信にかかる使用料徴収額はストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの拡大により前年同期比117.5%となりました。録音権にかかる使用料徴収額は、アイドル系楽曲の音楽ソフト等における利用が好調に推移し前年同期比129.6%となり、放送・有線放送にかかる使用料徴収額は当社管理楽曲の番組利用や管理楽曲数の順調な増加等により大幅増となり前年同期比124.6%となりました。また、海外地域における使用料徴収の精度向上と効率化に向け、米国の著作権管理事業者との徴収代行契約の締結に加え、全世界のYouTube動画視聴における使用料の直接徴収を開始いたしました。
徴収額全体では前年同期比122.5%となり、当社発足以来9期連続の増加となりました。
当連結会計年度末における当社管理楽曲数及び期中の新規管理楽曲数は以下のとおりです。
以上の結果、売上高は1,524百万円(前年同期比123.3%)、セグメント利益は692百万円(前年同期比132.2%)となり、増収増益となりました。
また、委託権利者や管理楽曲が順調に増加し、他管理事業者からの移管として2025年4月から当社が新たに著作権管理を受託する9,871楽曲(うち、新規移管による純増5,738楽曲、委託範囲拡大4,133楽曲)の移管も実施いたしました。移管楽曲の中には著名アーティストの楽曲も数多く含まれております。これらは今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
b. デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
当社、レコチョク及び株式会社エッグス(以下、「エッグス」)で行う、国内外の音楽配信プラットフォームに向けた、原盤(音源・映像)供給サービスを「DD事業」として設定しております。
当連結会計年度におけるDD事業は、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の伸長を背景に、取扱原盤の増加に加え、当社の強みであるアニメ・ゲーム関連及びVTuber等のネットクリエイター関連の原盤が日本及び海外で多く使用されたこと等により、売上高は前年同期比128.1%と大幅増収となりました。一方で、レコチョクにおけるDD業務のサービス開始の遅延により、システム開発等の投資が継続して発生いたしました。
当連結会計年度末における取扱原盤数及び期中新規原盤数は以下のとおりです。なお、前期よりレコチョク及びエッグスの取扱原盤数も合算しております。
以上の結果、売上高は9,688百万円(前年同期比128.1%)、セグメント利益はレコチョクにおけるシステム開発等の先行投資を吸収し962百万円(前年同期比122.5%)となり、増収増益となりました。
c.音楽配信事業
レコチョクにおける基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)を「音楽配信事業」として設定しております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗、カラオケボックスや結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。
当連結会計年度における音楽配信事業は、個人向け主力サービスである「dヒッツ」のサービス料金を2024年12月より改定したことが奏功し、安定的に推移いたしました。また、店舗向け映像・BGM配信サービスの契約店舗数拡大や結婚式場向けBGM配信サービスの導入式場数拡大等にも取り組みました。
以上の結果、売上高は7,585百万円(前年同期比190.7%)、セグメント利益は1,337百万円(前年同期比236.6%)となり、前期においてはレコチョクグループの損益計算書を第3四半期から連結していたため、当期との連結期間の相違による影響により、前年同期比で大幅な増収増益となりました。
d. その他
上記「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」に含まれない各種の事業を「その他」としております。
「その他」に含まれる事業といたしましては、キャスティング事業、当社子会社である株式会社NexToneシステムズにおけるシステム開発・保守運用事業、レコチョクにおけるレコード会社・音楽プロダクション向けソリューション事業、及びエッグスにおけるインディーズアーティスト向け活動支援のエージェント事業等となります。
当連結会計年度では、キャスティング事業において、人気グループのコンサートや人気ミュージカルのライブビューイング等を実施いたしました。
また、レコチョクのソリューション事業において、音楽業界向けのシステム受託開発等への投資を行いました。
一方で、ソリューション事業における既存サービスの拡大やエッグスのエージェント事業における新規サービス開始が計画より遅延いたしました。
以上の結果、売上高は1,497百万円(前年同期比114.5%)と増収となりましたが、サービス遅延の影響により、セグメント損失は425百万円(前年同期は80百万円の損失)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて1,596百万円増加し、14,831百万円となりました。これは主に、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業が堅調に推移したことに伴う現金及び預金の増加1,582百万円のほか、音楽配信事業が堅調に推移したことによる売掛金の増加144百万円、レコチョクにおける移転補償金に係る未収入金が221百万円増加した一方で、レコチョクにおけるソフトウェアの減損及び保有する投資有価証券の売却等による固定資産の減少332百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,036百万円増加し、9,116百万円となりました。これは主に、著作権管理事業が堅調に推移したことに伴い、著作権者への分配に係る未払金の増加556百万円に加え、DD事業及び音楽配信事業が堅調に推移したことによる買掛金の増加462百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて560百万円増加し、5,715百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加692百万円のほか、非支配株主持分の減少146百万円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益692百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して1,582百万円増加し、9,629百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,152百万円(前連結会計年度は1,375百万円)となりました。これは主に、業績が好調に推移したことにより税金等調整前当期純利益が895百万円と増加したこと及び減価償却費647百万円、減損損失247百万円の計上のほか、著作権管理事業及び音楽配信事業において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加532百万円、買掛金の増加462百万円等により資金が積み上がった一方で、レコチョクにおける本社移転に伴う移転補償金に係る未収入金の増加221百万円や法人税等の支払額が269百万円あったことで資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△569百万円(前連結会計年度は695百万円)となりました。前連結会計年度は、株式会社レコチョクを新規連結したことに伴う同社の現預金の取り込みによる増加があった一方で、当連結会計年度においては、レコチョクにおいて投資有価証券の売却に伴う収入110百万円のほか、各事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う無形固定資産の取得による支出739百万円に加えて、レコチョクの本社移転に伴う旧本社ビルの敷金返金による収入203百万円及び新本社ビルにおける有形固定資産の取得による支出98百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、発生しておりません(前連結会計年度は△65百万円)。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比93%(2024年1月~12月)と音楽ビデオが低調だったことにより減少した一方、有料音楽配信売上金額は前年同期比106%(2024年1月~12月)と、堅調に推移しております。音楽配信売上の内訳をみると、ダウンロードは縮小傾向にあるもののサブスクリプション型や広告収入型の音楽配信サービス等のストリーミング配信市場が引き続き拡大しております。
このような状況の中、当社グループは中期業績計画の達成に向け、著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業を中心に、以下のような取組を行ってまいりました。
・公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配
・著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応
・海外徴収の精度向上
・演奏権の取扱高増加
・DX推進による業務効率化
・経営効率化のための子会社における不採算サービスの解消を含む事業構成見直し
・各事業間シナジーを活かした複合的な提案による管理楽曲数及び取扱原盤数の増加
・楽曲・コンテンツの更なる利用促進
・権利者へのきめ細やかなサービスの提供
これらの取組を通じ、事業基盤となる管理楽曲や取扱原盤を着実に積み上げ、さらに、新規事業の立ち上げにも取り組んでまいりました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、既存事業が安定的に推移したことに加え、前期において第3四半期から連結していたレコチョクグループの損益計算書を、今期は通期で連結したことにより、売上高が大幅に増加いたしました。利益面では、レコチョクグループにおける成長分野や新規事業への先行投資を継続しつつも、既存事業の増収に伴い増益となりました。
以上の結果、売上高は19,412百万円(前年同期比144.5%)、営業利益は1,005百万円(前年同期比154.9%)、経常利益は1,028百万円(前年同期比157.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は692百万円(前年同期比130.3%)と増収増益となりました。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 著作権管理事業
楽曲の著作権に関わる2つの事業、当社の基幹事業である音楽著作権管理事業と、子会社の株式会社エムシージェイピーで展開している音楽出版事業を「著作権管理事業」として設定しております。著作権者からの委託を受け、音楽著作物の利用の許諾と音楽著作権使用料の徴収・分配を行うほか、音楽出版社に向けた業務代行サービス等を提供しております。
音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2023年10月~2024年12月となります。
(利用時期と計上時期のイメージ)
| 利用区分 | 利用時期 | |||
| 第1四半期計上 | 第2四半期計上 | 第3四半期計上 | 第4四半期計上 | |
| 録音権 | 1月~3月 | 4月~6月 | 7月~9月 | 10月~12月 |
| インタラクティブ配信 | 1月~3月 | 4月~6月 | 7月~9月 | 10月~12月 |
| 放送 | 10月~12月 | 1月~3月 | 4月~6月 | 7月~9月 |
(注)表中の「利用区分」は主要な区分のみを記載しております。
当該期間のインタラクティブ配信にかかる使用料徴収額はストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの拡大により前年同期比117.5%となりました。録音権にかかる使用料徴収額は、アイドル系楽曲の音楽ソフト等における利用が好調に推移し前年同期比129.6%となり、放送・有線放送にかかる使用料徴収額は当社管理楽曲の番組利用や管理楽曲数の順調な増加等により大幅増となり前年同期比124.6%となりました。また、海外地域における使用料徴収の精度向上と効率化に向け、米国の著作権管理事業者との徴収代行契約の締結に加え、全世界のYouTube動画視聴における使用料の直接徴収を開始いたしました。
徴収額全体では前年同期比122.5%となり、当社発足以来9期連続の増加となりました。
当連結会計年度末における当社管理楽曲数及び期中の新規管理楽曲数は以下のとおりです。
| (著作権管理事業) | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
| 管理楽曲数(曲) | 526,123 | 691,490 |
| 期中新規楽曲数(曲) | 148,028 | 167,229 |
以上の結果、売上高は1,524百万円(前年同期比123.3%)、セグメント利益は692百万円(前年同期比132.2%)となり、増収増益となりました。
また、委託権利者や管理楽曲が順調に増加し、他管理事業者からの移管として2025年4月から当社が新たに著作権管理を受託する9,871楽曲(うち、新規移管による純増5,738楽曲、委託範囲拡大4,133楽曲)の移管も実施いたしました。移管楽曲の中には著名アーティストの楽曲も数多く含まれております。これらは今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
b. デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
当社、レコチョク及び株式会社エッグス(以下、「エッグス」)で行う、国内外の音楽配信プラットフォームに向けた、原盤(音源・映像)供給サービスを「DD事業」として設定しております。
当連結会計年度におけるDD事業は、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の伸長を背景に、取扱原盤の増加に加え、当社の強みであるアニメ・ゲーム関連及びVTuber等のネットクリエイター関連の原盤が日本及び海外で多く使用されたこと等により、売上高は前年同期比128.1%と大幅増収となりました。一方で、レコチョクにおけるDD業務のサービス開始の遅延により、システム開発等の投資が継続して発生いたしました。
当連結会計年度末における取扱原盤数及び期中新規原盤数は以下のとおりです。なお、前期よりレコチョク及びエッグスの取扱原盤数も合算しております。
| (DD事業) | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
| 取扱原盤数(原盤) | 1,263,352 | 1,470,294 |
| 期中新規原盤数(原盤) | 201,490 | 206,942 |
以上の結果、売上高は9,688百万円(前年同期比128.1%)、セグメント利益はレコチョクにおけるシステム開発等の先行投資を吸収し962百万円(前年同期比122.5%)となり、増収増益となりました。
c.音楽配信事業
レコチョクにおける基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)を「音楽配信事業」として設定しております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗、カラオケボックスや結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。
当連結会計年度における音楽配信事業は、個人向け主力サービスである「dヒッツ」のサービス料金を2024年12月より改定したことが奏功し、安定的に推移いたしました。また、店舗向け映像・BGM配信サービスの契約店舗数拡大や結婚式場向けBGM配信サービスの導入式場数拡大等にも取り組みました。
以上の結果、売上高は7,585百万円(前年同期比190.7%)、セグメント利益は1,337百万円(前年同期比236.6%)となり、前期においてはレコチョクグループの損益計算書を第3四半期から連結していたため、当期との連結期間の相違による影響により、前年同期比で大幅な増収増益となりました。
d. その他
上記「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」に含まれない各種の事業を「その他」としております。
「その他」に含まれる事業といたしましては、キャスティング事業、当社子会社である株式会社NexToneシステムズにおけるシステム開発・保守運用事業、レコチョクにおけるレコード会社・音楽プロダクション向けソリューション事業、及びエッグスにおけるインディーズアーティスト向け活動支援のエージェント事業等となります。
当連結会計年度では、キャスティング事業において、人気グループのコンサートや人気ミュージカルのライブビューイング等を実施いたしました。
また、レコチョクのソリューション事業において、音楽業界向けのシステム受託開発等への投資を行いました。
一方で、ソリューション事業における既存サービスの拡大やエッグスのエージェント事業における新規サービス開始が計画より遅延いたしました。
以上の結果、売上高は1,497百万円(前年同期比114.5%)と増収となりましたが、サービス遅延の影響により、セグメント損失は425百万円(前年同期は80百万円の損失)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて1,596百万円増加し、14,831百万円となりました。これは主に、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業が堅調に推移したことに伴う現金及び預金の増加1,582百万円のほか、音楽配信事業が堅調に推移したことによる売掛金の増加144百万円、レコチョクにおける移転補償金に係る未収入金が221百万円増加した一方で、レコチョクにおけるソフトウェアの減損及び保有する投資有価証券の売却等による固定資産の減少332百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,036百万円増加し、9,116百万円となりました。これは主に、著作権管理事業が堅調に推移したことに伴い、著作権者への分配に係る未払金の増加556百万円に加え、DD事業及び音楽配信事業が堅調に推移したことによる買掛金の増加462百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて560百万円増加し、5,715百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加692百万円のほか、非支配株主持分の減少146百万円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益692百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して1,582百万円増加し、9,629百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,152百万円(前連結会計年度は1,375百万円)となりました。これは主に、業績が好調に推移したことにより税金等調整前当期純利益が895百万円と増加したこと及び減価償却費647百万円、減損損失247百万円の計上のほか、著作権管理事業及び音楽配信事業において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加532百万円、買掛金の増加462百万円等により資金が積み上がった一方で、レコチョクにおける本社移転に伴う移転補償金に係る未収入金の増加221百万円や法人税等の支払額が269百万円あったことで資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△569百万円(前連結会計年度は695百万円)となりました。前連結会計年度は、株式会社レコチョクを新規連結したことに伴う同社の現預金の取り込みによる増加があった一方で、当連結会計年度においては、レコチョクにおいて投資有価証券の売却に伴う収入110百万円のほか、各事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う無形固定資産の取得による支出739百万円に加えて、レコチョクの本社移転に伴う旧本社ビルの敷金返金による収入203百万円及び新本社ビルにおける有形固定資産の取得による支出98百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、発生しておりません(前連結会計年度は△65百万円)。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 著作権管理事業 | 1,366 | 121.7 |
| DD事業 | 9,429 | 126.7 |
| 音楽配信事業 | 7,585 | 190.7 |
| その他 | 1,031 | 115.9 |
| 合計 | 19,412 | 144.5 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 第24期連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第25期連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社NTTドコモ | 2,646 | 19.7 | 5,309 | 27.3 |
| Google LLC | 3,158 | 23.5 | 4,342 | 22.4 |
| iTunes株式会社 | 1,512 | 11.3 | 1,687 | 8.7 |
| Spotify AB | 1,255 | 9.3 | 1,628 | 8.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。