有価証券報告書-第23期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 11:32
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【項目】
131項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比104%(2022年1月~12月)、有料音楽配信売上金額は前年同期比117%(2022年1月~12月)となりました。定額制音楽配信サービスや動画配信サービス等のストリーミング配信市場は拡大傾向が継続しつつ、CD/映像ソフトのリリース状況やライブ・コンサートの開催状況は新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」)の影響から徐々に持ち直し、回復基調にあります。
このような情勢において、当社グループは、「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる。」という経営理念の下、新しい時代の著作権エージェントを目指して、公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配、著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応などに取り組んでまいりました。
2022年4月からは、当社管理作品について一部の利用区分に係る演奏権管理の著作権使用料の徴収を開始しております。
また、各事業間での情報共有やシナジー効果を高め、新規契約及び既存権利者の管理範囲の拡大による取扱高の増加、With/Afterコロナにおける新たなサービスの開発提供等に注力しております。
主力の「著作権等管理事業(著作権管理業務及びデジタルコンテンツディストリビューション(以下「DD])業務)」はリリースの復調、配信市場の伸長、管理作品と取扱原盤の増加、営業活動の強化等を背景に順調に進展しており、「キャスティング事業」は感染症の影響から徐々に持ち直し、増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は8,814,676千円(前年同期比117.7%)、営業利益は840,195千円(前年同期比118.6%)、経常利益は841,465千円(前年同期比118.0%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は税効果会計における繰延税金資産の回収可能性を見直した影響により631,269千円(前年同期比130.8%)と大きく増加しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 著作権等管理事業
著作権管理業務においては、音楽著作物の利用時期と当社著作権管理業務の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2022年1月~12月となります。
当該期間のCD/映像ソフトのリリース状況は感染症の影響が落ち着き、録音権にかかる著作権使用料徴収額は徐々に回復し前年同期比117%となり、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの伸長や動画投稿サービスにおける作品特定精度の向上等によりインタラクティブ配信徴収額も順調に増加し前年同期比124%、放送・有線放送徴収額は当社管理作品のCM利用の減少はあったものの、管理作品の順調な増加等により前年同期比109%となりました。以上の結果、著作権徴収額全体で前年同期比121%となり、当社設立以降7期連続の増加となりました。
(著作権管理業務)2022年3月期2023年3月期
管理作品数(曲)281,114373,750
期中新規作品数(曲)61,245100,010

また、委託権利者や管理作品が順調に増加し、他管理事業者から11,187作品(うち、新規移管による純増6,049作品、委託範囲拡大5,138作品)の移管も実施いたしました。移管作品の中には当期に当社が管理を開始した演奏権の一部を管理する作品も多く含まれております。これらの作品は今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
DD業務におきましては、ストリーミング市場伸長を背景に、取扱原盤の増加に加え、動画配信サイトとの取り組みや動画投稿サービスにおける収益化業務の拡大、原盤売上最大化のための様々な販促活動の強化、精緻なマーケティングデータの提供等権利者向けサービスの拡充等により、売上高は前年同期比117%の増収となりました。
(DD業務)2022年3月期2023年3月期
取扱原盤数(原盤)900,0511,061,862
期中新規原盤数(原盤)121,370161,811

以上の結果、著作権等管理事業の売上高は8,072,448千円(前年同期比117.3%)、セグメント利益は1,488,256千円(前年同期比118.3%)となりました。
b. キャスティング事業
感染症による影響のため、上半期に予定していたライブビューイング等一部の案件において中止や延期を余儀なくされましたが、徐々にリアルイベントが活性化し、ミュージカルや音楽コンサートのライブビューイングの他、お笑いや歌い手ライブ等取扱いジャンルを広げた家庭向け動画配信コーディネート、楽曲や映像コンテンツの利用促進コーディネート、他社との共催イベントだけでなく新たに当社自主興行を開催する等、With/Afterコロナにおける様々なサービスの開発提供に取り組みました。
以上の結果、キャスティング事業の売上高は666,828千円(前年同期比126.2%)となったものの、セグメント利益についてはサービス構成の変化や人件費増による利益率低下により24,000千円(前年同期比57.9%)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて1,271,839千円増加し、7,821,376千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加848,679千円、その他流動資産の増加104,721千円、固定資産の増加246,032千円によるものであります。
現金及び預金の増加は、著作権等管理事業が堅調に推移していることに加え、DD業務において海外取引が増加していることに起因する消費税の還付によるものであります。固定資産の増加は著作権等管理事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う増加及び繰延税金資産の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて617,425千円増加し、4,246,981千円となりました。これは主に、未払金の増加295,144千円、支払手形及び買掛金の増加171,297千円、固定負債の増加111,466千円によるものであります。
未払金の増加は、主に著作権管理業務のインタラクティブ配信における徴収額の増加に伴い、権利者への分配額が増加したことによるものであります。また、支払手形及び買掛金の増加は、主にキャスティング事業において実施した有力アーティストのライブビューイング及び家庭向け動画配信コーディネートに係る権利者へのロイヤリティ分配額が増加したことによるものであります。固定負債の増加は、役員退職慰労引当金及び退職給付に係る負債の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて654,413千円増加し、3,574,395千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加631,269千円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して848,679千円増加し、6,041,222千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,160,025千円(前連結会計年度は1,121,653千円)となりました。これは主に、法人税等の支払額が263,078千円あったものの、著作権等管理事業の業績が好調に推移したことで資金が積み上がったことによるものであります。その主な内容は、著作権管理業務において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加額312,339千円に加え、著作権等管理事業で使用しているソフトウェア等の減価償却費136,553千円及び税金等調整前当期純利益841,465千円が計上されたことにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△323,783千円(前連結会計年度は△228,024千円)となりました。これは主に、著作権等管理事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う無形固定資産の取得による支出260,688千円、オフィス移転に備えて差入保証金62,494千円を支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,437千円(前連結会計年度は△140,109千円)となりました。これは主に、ストックオプションの権利行使に伴う新株発行による収入12,780千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
著作権等管理事業8,072,448117.3
キャスティング事業666,828126.2
その他事業75,40095.7
合計8,814,676117.7

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第22期連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
第23期連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Google LLC1,973,37226.32,920,99933.1
iTunes株式会社1,571,89921.01,488,86816.9
Spotify AB888,93311.91,041,45611.8
Amazon Digital Services LLC836,94711.2819,1719.3


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

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