有価証券報告書-第24期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/26 11:47
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(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比109%(2023年1月~12月)と、CD/映像ソフトのリリースは堅調に推移しており、有料音楽配信売上金額は前年同期比111%(2023年1月~12月)と、その内訳をみるとダウンロードは縮小傾向にあるもののサブスクリプション型や広告収入型の音楽配信サービス等のストリーミング配信市場が引き続き拡大しております。
このような情勢において、当社グループは、著作権管理事業及びデジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業を中心に、新しいテクノロジーを適切に導入しながら、公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配、著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応を行うことを経営方針として取り組んでまいりました。さらに、DX推進による業務効率化、ソリューション型営業による取引拡大、楽曲・コンテンツの更なる利用促進、権利者へのきめ細やかなサービスの提供等を通じ、事業基盤となる管理楽曲や取扱原盤を着実に積み上げ、上場以来前期まで増収増益を継続し企業価値向上に努めてまいりました。
そのような状況の中、既存事業のこれまでの成長スピードの更なる加速と、長期的な成長基盤拡充のため、2023年9月28日公表の「株式会社レコチョクとの戦略的な資本業務提携及び連結子会社化に関するお知らせ」のとおり、株式会社レコチョク(以下、「レコチョク」)との資本業務提携を実施し、両社グループのシナジー発揮による既存事業の成長だけでなく将来的な新規事業の創出を目指しております。また、本提携により、レコチョク及びその子会社である株式会社エッグス(以下、「エッグス」)を連結の範囲に含めたことにより、両社の貸借対照表は第2四半期連結会計期間より、両社の損益計算書は第3四半期連結会計期間より、連結しております。
当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、主力の著作権管理事業及びDD事業が安定的に推移した他、第3四半期連結会計期間よりレコチョク及びエッグスの損益計算書を連結したことにより、事業規模が拡大し前年同期比で売上高は大幅増収となりました。利益面では、既存事業の増収に伴う増益の他、前期に発生した役員退職慰労金制度廃止に伴う一時的な人件費増加要因がなくなった一方、レコチョク及びエッグスにおける成長分野へのシステム開発等の先行投資により、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
以上の結果、売上高は13,433,504千円(前年同期比152.4%)、営業利益は657,004千円(前年同期比78.2%)、経常利益は661,413千円(前年同期比78.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は531,128千円(前年同期比84.1%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、第2四半期連結会計期間においてレコチョク及びエッグスの貸借対照表を連結の範囲に加え、第3四半期連結会計期間より両社の損益計算書を新たに連結したことにより、当社グループ全体の事業範囲が拡大したため、事業区分及び事業活動の実態を適切に表すとともに、事業内容を明瞭に表示する目的から、第3四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。従来の「著作権等管理事業」及び「キャスティング事業」の2区分から、「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」の3区分へと変更し、報告セグメントに含まれない事業を「その他」としております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
a. 著作権管理事業
変更前のセグメント区分における「著作権等管理事業」に含めていた楽曲の著作権に関わる2つの業務、当社の基幹事業である音楽著作権管理業務と、子会社の株式会社エムシージェイピーで展開している音楽出版事業を合わせて、新たに「著作権管理事業」としてセグメントを設定いたしました(従来の「著作権等管理事業」から組み替え)。
音楽著作物の利用時期と当社著作権管理業務の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2022年10月~2023年12月となります。
当該期間のインタラクティブ配信徴収額はストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの拡大や、AI等を活用した動画投稿サービスにおける作品特定精度の向上等により前年同期比113.5%となりました。録音権にかかる著作権使用料徴収額は、CD/映像ソフトのリリース状況が堅調に推移し前年同期比101.3%となり、放送・有線放送徴収額は当社管理作品のCM利用や管理作品数の順調な増加等により大幅増となり前年同期比125.9%となりました。また、演奏権及び海外の徴収額も順調に増加しております。
著作権徴収額全体で前年同期比112.9%となり、当社発足以降8期連続の増加となりました。
当連結会計年度末における当社管理作品数及び期中新規作品数は以下の通りです。
(著作権管理事業)2023年3月期2024年3月期
管理作品数(曲)373,750526,123
期中新規作品数(曲)100,010148,028

以上の結果、売上高は1,237,172千円(前年同期比121.8%)、セグメント利益は523,579千円(前年同期比102.1%)となりました。
また、委託権利者や管理作品が順調に増加し、他管理事業者からの移管として2024年4月から当社が新たに著作権管理を受託する2,416作品(うち、新規移管による純増1,585作品、委託範囲拡大831作品)の移管も実施いたしました。移管作品の中にはこれまでのヒット作品も多く含まれております。これらは今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
b. デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
変更前のセグメント区分における「著作権等管理事業」に含めていた当社DD業務に、レコチョク及びエッグスのDD業務を加え、新たに「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」としてセグメントを設定いたしました(従来の「著作権等管理事業」から組み替え)。
当連結会計年度のDD事業の業績は、レコチョク及びエッグスのDD業務においては損益計算書の連結を開始した2023年10月から2024年3月までの半期分の業績であること及びレコチョクにおけるDD業務がサービス開始準備中であることから、売上の多くを当社のDD業務が占めております。
当連結会計年度におけるDD事業は、取扱原盤は順調に増加し、レコチョク及びエッグスとの提携により事業規模拡大に取組みました。また、配信市場拡大に伴い市場成長率に変化の兆しが見られる中、更なる営業活動の強化による新規取引先との契約や多数の人気コンテンツを有する大口権利者との契約、海外におけるコンテンツの配信拡大を目指し米国の音楽テクノロジー企業「AudioSalad」社とのパートナーシップ構築等にも取組みました。
当連結会計年度末における取扱原盤数及び期中新規原盤数は以下の通りです。なお、当期よりレコチョク及びエッグスの取扱原盤数も合算しております。
(DD事業)2023年3月期2024年3月期
取扱原盤数(原盤)106.1万126.3万
期中新規原盤数(原盤)16.1万20.1万

以上の結果、売上高は7,562,912千円(前年同期比106.8%)と増収となりましたが、レコチョクにおけるシステム開発等の先行投資により、セグメント利益は785,810千円(前年同期比80.6%)となりました。
c.音楽配信事業
レコチョクにおける従前からの基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)を「音楽配信事業」として新たにセグメントを設定いたしました。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗、カラオケボックスや結婚式場向けのBGM配信サービス等を行っております。
なお、当連結会計年度の音楽配信事業の業績は、レコチョクの損益計算書の連結を開始した2023年10月から2024年3月までの半期分の業績となります。
当該期間における音楽配信事業は、主力サービスの「dヒッツ」が安定的に推移したほか、単曲ダウンロードにおいてもアーティスト毎のキャンペーンや協業企業の施策実施等もあり、平均購入単価が上昇する等好調に推移いたしました。また、店舗向けBGM配信サービスの契約店舗数の拡大等にも取組みました。
以上の結果、売上高は3,977,106千円、セグメント利益は599,413千円と、レコチョクの新規連結により前年同期比で純増加となりました。
d. その他
上記「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」に含まれない各種の事業を「その他」としております。
「その他」に含まれる事業といたしましては、変更前のセグメント区分におけるキャスティング事業、当社子会社である株式会社NexToneシステムズにおけるシステム開発・保守運用事業、レコチョクにおけるレコード会社・音楽プロダクション向けソリューション事業、及びエッグスにおけるインディーズアーティスト向け活動支援のエージェント事業等となります。
当連結会計年度の業績は、キャスティング事業においてAfterコロナでのリアルイベント活性化を受け、国内外の人気アーティストのコンサートツアーや人気ミュージカルのライブビューイングが好調であったことに加え、自主興行フェスの開催等様々なサービスの開発提供に取り組んだ他、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業において着々と各事業の拡大を進めてまいりました。
以上の結果、売上高は1,307,767千円(前年同期比119.0%)と増収となりましたが、レコチョクのソリューション事業やエッグスのエージェント事業におけるシステム開発の先行投資等によりセグメント損失は80,464千円(前年同期は84,236千円の利益)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
なお、第2四半期連結会計期間末よりレコチョク及びエッグスを企業結合した影響が含まれております。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて5,341,608千円増加し、13,162,984千円となりました。これは主に、レコチョク及びエッグスを新規連結したことに伴う資産の増加5,245,486千円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて3,760,857千円増加し、8,007,838千円となりました。これは主に、レコチョク及びエッグスを新規連結したことに伴う負債の増加2,908,594千円及び未払金の増加690,342千円によるものであります。
未払金の増加は、主に著作権管理事業における徴収額の増加に伴い、権利者への分配額が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,580,750千円増加し、5,155,146千円となりました。これは主に、レコチョク及びエッグスを新規連結したことに伴う非支配株主持分の増加1,103,306千円のほか、利益剰余金の増加531,128千円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して2,005,554千円増加し、8,046,777千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,375,277千円(前連結会計年度は1,160,025千円)となりました。これは主に、法人税等の支払額が345,235千円あったものの、著作権管理事業、DD事業及び音楽配信事業の業績が好調に推移したことで資金が積み上がったことによるものであります。その主な内容は、著作権管理事業において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加額723,557千円に加え、著作権管理事業及びDD事業並びに音楽配信事業で使用しているソフトウェア等の減価償却費420,800千円及び税金等調整前当期純利益694,791千円が計上されたことにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、695,955千円(前連結会計年度は△323,783千円)となりました。これは主に、株式会社レコチョクを新規連結したことに伴う同社の現預金の取り込みによる増加1,497,023千円の一方で、著作権管理事業及びDD事業において使用しているシステムの継続的な改修並びにレコチョク及びエッグスのソリューション事業におけるシステム開発による支出613,173千円、本社移転に伴う工事や什器・備品の購入による支出125,280千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△65,678千円(前連結会計年度は12,437千円)となりました。これは主に、自己株式取得による支出105,278千円の他、ストックオプションの権利行使に伴う新株発行による収入39,599千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
著作権管理事業1,123,233113.7
DD事業7,443,781105.1
音楽配信事業3,977,106-
その他889,382119.8
合計13,433,504152.4

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第23期連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
第24期連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Google LLC2,920,99933.13,158,08323.5
株式会社NTTドコモ12,2770.12,646,16419.7
iTunes株式会社1,488,86816.91,512,19711.3
Spotify AB1,041,45611.81,255,2809.3


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

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